ゴジラvsビオランテ F・battle   作:サイレント・レイ

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第15話 異形の影

――― 小田原城 ―――

 

 

「…不味い!

 

「「「いっけぇぇー!!」」」

 

 ブロッサム達が放った『ピンクフォルテウェーブ』と『ブルーフォルテウェーブ』に『ゴールドフォルテバースト』は失神しているデザトリアンの下敷きになっているクモジャキーへ直撃コースを進んでいた。

 

「「「…え!?」」」

「何!?」

 

 だがクモジャキーとデザトリアンに直前する直前、突然地鳴りがしたと思ったら地中から触手と現れて二人の楯になって防いだ!

 しかも此の触手、ブロッサム達の攻撃を吸収して二回り近く巨大化して気持ち良さそうに揺れていた。

 

「チョット、何此れ!?」

 

「…新手の……デザトリアン!?」

 

「と言う事は、近くにサソリーナかコブラージャが!?」

 

 触手にマリンが驚き、サンシャインがデザトリアンだと思って、それからブロッサムが他の砂漠の使徒の大幹部の存在を気にした。

 

「…抜かせ! サソリーナ達は此所にはいない。

それにアイツ等はこんな奴を生み出さんよ」

 

 だがブロッサム達の予測をクモジャキーが否定した。

 

「じゃあ、何なのコイツ!?」

 

「知らん……っ!」

 

 思わず戦いを忘れて触手の推測を始めようとしたブロッサム達だったが、その触手が不意にデザトリアンを絡め取って頭上に投げ上げると、先端から小型の触手を複数出して悲鳴(?)を、上げるデザトリアンに突き刺した。

 するとデザトリアンが見る見る内に干からび始めた。

 

「ちょちょちょっ、何やってんの!?」

 

 その光景にブロッサムとサンシャインは絶句してマリンは戸惑っていた。

 

「…馬鹿な! アイツ、デザトリアンの力を奪ってるぜよ!」

 

 唯一クモジャキーは現状をなんとか理解していたが、力を全て奪われたデザトリアンは黒色化すると崩壊して灰みたいになったとおもったら消失した。

 只、ブロッサム達に取って幸いな事に、デザトリアンの核であったこころの花が入った多面体のクリスタルだけはなんとか無事の様で、更に触手が露骨に捨てたので直ぐシプレ達が回収してブロッサム達の所に戻った。

 だが小型群を戻した触手は、今度はクモジャキーを標的にして、彼の右足を絡め取って振り回した。

 

「ぐおぉぉ…っ!」

 

 だが流石は大幹部と言うべきか、クモジャキーは右足の触手を切り落として空中に逃れた。

 

「…今日の処は引き上げてやる。

覚えているぜよ!」

 

 クモジャキーがテレポートで退却した直後、彼がいた空間を触手が通過した。

 クモジャキーを逃して悔しそうに震えている触手は、自分達の所に向かう事を警戒して身構えているブロッサム達を無視して地中の中に戻っていった。

 結果、此の場に残ったのは硬直しているブロッサム達と破壊された小田原城、そしてクモジャキーに切り落とされて謎の緑色の液体を撒き散らしながら暫くのた打ち回っている触手の先端であった。

 

「…私達を見逃してくれたみたいね」

 

 サンシャインが警戒を解き、それにブロッサムとマリンが溜め息を吐きながら続いた。

 

「こころの花は大丈夫です!」

 

 更にシプレの報告通り、こころの花の枯れた部分が元通りになっていた為、ブロッサム達は微笑み合っていた。

 

「それじゃ、戻しましょう」

 

 ブロッサムの意見にマリン達が頷いて、こころの花入りのクリスタルを持ち主の入った水晶玉に着けると、それ等が発光したと思ったら子供が元の大きさに戻り、何事も無かったかの様に安らかに眠っていた。

 

「…あれ?

コフレ、シプレ、こころの種は生み出せないの?」

 

「…駄目ですぅ」

 

 只、残念な事にこころの大樹を回復させるこころの種は、今回抜本的解決がなされていない為に生み出せないのでコフレ達が残念そうにしていた。

 

「…こんな時も有るわよ」

 

 此の時になって、物影に隠れていた薫子が出てきた。

 

「…正規の浄化ではなかったけど、大丈夫そうよ」

 

 薫子が子供を抱き上げながら無事である事を確認し、それにブロッサム達は安堵の息を吐いた。

 

「……それよりも…」

 

「アレですよね?」

 

 そしてブロッサム達は触手の所に向かった。

 

「…それにしても、此れ、何なのですか?

私達の力を急行していましたし…」

 

 やはり触手が気になっていた……当たり前と言えば当たり前だが…

 

「クモジャキーの話だと、デザトリアンじゃないみたいだけど…」

 

「マリン!!」

 

 マリンがしゃがんでタクトで触手を突ついていた為、コフレに怒られていた。

 幸いな事(?)に、元から動いていなかった触手はマリンの行為に全く反応しなかった。

 

「……此れは…」

 

 触手を見て、薫子が何かに気づいた。

 

「…此れは薔薇の蔦よ」

 

「「「「「「…ば、薔薇?」」」」」」

 

 薫子の言葉にブロッサム達が素っ惚けた声を出した。

 

「薔薇って、こんなおっきいのな有るの?」

 

「しかも動いていましたよ」

 

 此れには流石にマリンだけでなくサンシャインまで疑問を出した。

 

「でもお祖母ちゃんの言う通り、此れは間違いなく薔薇の物で……っ!」

 

 触手を持ち上げたブロッサムは何かを感じているのか、そのまま硬直した。

 

「「…ブロッサム?」」

 

「どうしたの、つぼみ?」

 

「…お祖母ちゃん、此所をお願いします。

シプレ、妖精マントを!」

 

「え、はい!」

 

 触手を薫子に手渡したブロッサムはシプレに妖精マントを求め、彼女に押されたシプレはブロッサムの左肩に乗っかると桃色のマントに変わった。

 

「チョット、ブロッサム!!」

 

 ブロッサムの突然の動きに戸惑っているマリンとサンシャインを無視してブロッサムは飛翔した。

 此の柄にもないブロッサムの行動にマリンとサンシャインは目線を合わせていた。

 

「マリン、サンシャイン、あの娘を追いかけて!

何か分かったのかもしれないわ!」

 

「「……はい!」」

 

 マリンとサンシャインは夫々のパートナーに妖精マントを求めて、そのまま飛翔してブロッサムを追いかけた。

 

「…ふっ」

 

「…うん?」

 

 マリンとサンシャインがブロッサムを追いかけると同時に、物影から誰かが立ち去ったのに薫子が気づいて振り向いたが、その時には既にいなかった…

 

「ブロッサム、いったい何所に行くの?」

 

「かれんさんの所です!」

 

「し、白神研究所に?」

 

「何で?」

 

 ブロッサムになんとか追い付いたマリンとサンシャインは更に質問していたが、当のブロッサムは何も答えなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 白神研究所 ―――

 

 

 白神研究所に辿り着いたブロッサム達が最初に目にしたのは半壊した研究所の現状であった。

 しかも研究所の壊され方は明らかに普通のではなかった。

 

「…な、何なの此れ!?」

 

「……かれんさん、かれんさぁーん!!!」

 

「待ってブロッサム!!」

 

 此の現状にマリンは驚き戸惑っていたが、ブロッサムはそれを無視して研究所内へ走っていった。

 勿論、マリンとサンシャインも直ぐに追い掛けたが、その途中でマリンが何かに蹴躓いて派手に頭から倒れた。

 

「マリン、大丈夫?」

 

「いった~……何なのこ、れ!!」

 

「…し、死体!!」

 

 マリンが蹴躓いたのを確認したら、それは拳銃を握って絶望的な表情をしていた男性の死体であった。

 しかも周りをよく確認したら似たような死体が複数あった。

 此のあまりの現状にマリンが走り回り、サンシャインが口を押さえていた。

 

「此所で一体何があったの!?」

 

「てか、それ以前に此の人達、誰!?」

 

 見るからに混乱していたマリンとサンシャインだったが、その所為でか研究所に猛スピードで近づいて入り口付近で急停止した車に全く気づかなかった。

 しかも此の車の搭乗者の一人が、マリンとサンシャインの背後に現れるまで全く気づかなかった為…

 

「…動かないで!!」

 

…背後から拳銃を突き付けられた。

 

「……ねぇ、サンシャイン、此の人って…」

 

「ええ、もしかしたら此の人達の生き残りかもね」

 

 両手を上げながらマリンとサンシャインは気づかれない様に小声で会話しながら、物影に隠れたコフレとポプリに出てこない様にと目線を送った……ポプリが泣きながら無視しようとした為にコフレに口ごと体を押さえ付けられていたが…

 

「…私は三枝未希、一様自衛官よ。

貴女達、此所で何をやっていたの?」

 

「「…自衛官!?」」

 

 拳銃を突き付けている未希はマリンとサンシャインが此の現状を作ったと勘違いをしている上に殺気立っていた。

 それと同時に未希が自衛官だと名乗った事にマリンとサンシャインが驚いていた。

 

「…サンシャイン!!」

 

「駄目です!!」

 

 だが此の直後にポプリが叫んでしまい、それに未希が反応した。

 

「…っ!」

 

 その隙をサンシャインは見逃さず、素早く振り向いて未希に飛び掛かった。

 未希も迎え撃って数発発砲したが、サンシャインはそれ等を全て避けた……発砲に驚いたマリンは壁にへばり付いたが…

 未希の懐に入ったサンシャインは更に発砲しようとした未希の拳銃を払って彼女の胸倉を掴もうとし、未希もそれを数回はね除けるも、一瞬の隙を突かれてサンシャインに胸倉を掴まれてそのまま投げ飛ばされたが、未希が空中で姿勢をなんとか正すと、床に手を着けて後ろに滑りながらも耐えて再びサンシャインに拳銃を向けようとした為、サンシャインも追撃を仕掛けた。

 だが未希は天井に目線を向けてひび割れ箇所を見つけてそこに左手を突きだし、その下をサンシャインが通過する直前に左手を振り落としたら天井が崩れ、此れに気づいたサンシャインが慌てて跳び引いた隙を突いて発砲しようとしたが…

 

「待って、未希ちゃん!

撃たないで!!」

 

…それをサンシャインの後ろから駆け寄ってきた亜美に止められた。

 

「でも亜美!」

 

「彼女達プリキュアはこんな事はしないわ!」

 

「…プリキュア?」

 

 亜美の言葉に未希は僅かに警戒心を解いた。

 

「…貴女は?」

 

「私は水野亜美、精神科学開発センターの職員よ」

 

「…精神科学開発センター?」

 

 サンシャインとマリンが目線を合わせ、マリンが何かに気づいた。

 

「もしかして、ゆりさんが所存していた所のですか?」

 

「……ゆりって、立花由里ちゃんの事?」

 

「いえ、月影ゆりです。

希望ヶ花の…」

 

 亜美が未希に目線を合わせた後、トラップを仕掛けるもマリンがそれに引っ掛からなかった為、漸く未希が警戒を完全に解いた。

 

「ごめんね、銃を撃ったりして…」

 

「いえいえ、気にしてませんから」

 

 マリンが笑いながら手を振って答えた為、サンシャインから冷たい目線を向けられていた。

 で此の直後に…

 

「…大変です!!!」

 

…研究所の奥に行っていたブロッサムが叫びながらはしって戻ってきた。

 未希が思わず拳銃を身構えようとしたが、直ぐ亜美に止められて苦笑しなかまら下ろした。

 

「みんな大変です!」

 

 かなり慌てているブロッサムは未希と亜美に気づいていなかった。

 

「此の状況で何が大変なのよ?」

 

「いないんです!」

 

「…いないって、誰が?」

 

 ブロッサムが何を言いたいのかをマリンは分からないでいたが、未希と亜美は何かを察したのか、お互いの目線を合わせた。

 

「…かれんさんが……かれんさんが何所にもいないのです!!」

 

「「なんですって!?」」

 

 ブロッサムの報告に未希と亜美が驚いた声を上げてブロッサムを驚かせ、そのブロッサムを連れて未希がアクア・カレンの所へ走っていった。

 それにマリンとサンシャインも続き、亜美も白衣の右ポケットの中の何かを確認した後に続いた。

 そしてブロッサム達がアクア・カレンの場所に着いたら…

「「…っ!!」」

「「ああぁぁー!!!」」

 

…そこに硝子ハウスが無惨に破壊されていたが、肝心のアクア・カレンが影も形も存在していなかった。

 只、アクア・カレン用の水が折れた管から虚しく垂れ流れていた…




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