その戦場はひとつの終わりをむかえようとしていた。
廃墟と化した町並み、火災の黒煙を上げているエリアも少なくない。
廃墟が延々と続く戦場の中心で二機の
「――そうか、了解した」
「俺らの依頼主は共倒れし、戦う意味すら無くなった訳だ」
二人の男の駆る五メートル程度のそれは対照的で前者は都市専用迷彩をした四脚、後者は白銀の中量二脚だ。
「これで二人揃って野良犬に逆戻りだな……」
「だが同時にただ面倒な交戦規則を無視出来る」
「いいねぇ、後先考え無くてすむ。――生きる事さえもな」
そして、
「「けりをつけよう(ぜ)」」
両者はゆっくりと、互いを正面に捉えつつ、まるで相互に調和する動きを持って円を描く。
達人同士の試合はそれぞれの得物を打ち合う前に決する。
相手との距離、角度、高度差、これらを揃えてゆく。
目に見えない攻撃を幾度となく両者が放つ。
遂に両者の“手”が決まる。
ほぼ同時に武装をパージした、射撃戦での両者の力量は互角。
であれば近接戦に全てを掛ける、と、そう判断したらしい。
白銀のACは左手の
二機のACは背面のブースターを起動、徐々に加速し二機間の距離が詰まる、
「……ッッ!!」
不意に四脚が逆方向にハイブーストを行う、実体ブレードであるムラクモは彼の持つエネルギーブレード、月光よりレンジが僅かに短い。
故に
……俺の月光だけが当たって終わりだ
エネルギーブレードの振り切りが正面に来る四脚にしか、そして完璧な機体の制御を行える彼にしか出来ない芸当、月光を起動し必中の間合いとタイミングで“引き切り”を放――
「…………ハッ、読まれていた、か」
眼前にあるはずのコックピットの画面は巨大なブレードによって貫かれていた。
その刃は己の右腹部にまで食い込んでいる。
裂けたコアから向こう側が見える。
白銀のAC、その左腕は肩部から外れ左手はブレードをしっかりとは握れていない。
……相変わらず型破りな奴だ
二脚ACのパイロットは得物が届かないと見るや、ブレードの刺突に合わせて左腕をパージし、強引にリーチを拡大したのだ。
ただ、己の放った必殺の攻撃も確実に命中したようで、二脚の装甲は強烈なエネルギーによって多くが熔け掛かり、機体の各所から火花が散っている。
恐らく相手も機体を動かせまい、直ぐにこの二機は爆発するだろう。
勿論、体にAC用ブレードを突き刺したまま逃げる事は出来ない。
……ここらで終いか……
弱いな、と彼は一人、自嘲的な笑いを浮かべていた。
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『』‐通信(聞き手が理解出来る言語
……‐思考
また、()はISのコア・ネットワークを介した会話に使用されます。
かなり強引ですが機械を通すので翻訳される、と認識して下さい。