IS 双極の兵器   作:黒魔道士ゲバラ

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 活動報告にも記載していますが、
書き途中の投稿です。


十四話  

 

 

 翌日、エリア11総督の暗殺は急病による逝去の形で発表される。

勿論、荒事については完全な情報操作が為されていた。

既に新総督の就任も決定している。

結局の所、皇子の一人程度ではブリタニアは揺らぐことは無かった。

 [転入生?]

[そ、転入生。うち(二組)に来るみたいなんだけど、

 専用機持ちで相当強いみたい]

到着早々クラス代表になるくらいでさ、と、ティナは隣のルームメイトに話す。

[確か中国の子だったかな、クラス対抗戦で早速専用機同士の対戦かぁ]

 ……何故だろう、誰が来るか解った気がする

二人は一組と二組の間で立ち止まった。

学園の教室は特定の壁面を透過させる事が可能で、現在は透過状態で中の様子が見える。

どちらの教室もSHRを行う様子は無いので、もう少し話す事にしたのだ。

[あ、それでさ……]

ティナは台詞を言いきれなかった。と言うのも。

〘レ――イ――――!!〙

零冶に小柄な少女が、文字通り飛びついたからである。

 ティナは勿論、教室内を含む周囲が止まっている間に彼女と零冶が小さく言葉を交わす。

〘どこまでなら言える?〙

〘俺は有澤零冶、CFの一社員だ〙

〘オッケ、分かったわ〙

〘すまんな〙

〘いいって、誰にも話せないでしょ?〙

至って真剣な話だが、そうとは思われないだろう。

[なっ、朝っぱらから何をしてますのっ!]

[レイジそれは近い近い]

教室からすっ飛んできたセシリアとすぐ隣のティナに指摘される。

中国語で話されているからしょうがない、鼻が触れそうな程近づき(その上抱擁も交わした状態だ)、ささやき声で会話をしていれば、会話の予測は確実に偏る。

[あぁ、すまない]

零冶は受け止めていた少女の体を無造作に放す。

その時、放された少女は少し残念そうな顔をしたが、零冶は特に何もしなかった。

彼女の表情の意味を理解出来なかった、これが正しい。

〘久しい、と言っても数カ月振りか、鈴音〙

〘十分久しいじゃない。驚いた?〙

鈴音は言った。

〚お前、鈴か? 見た目以外は随分変わったな〛

一夏は鈴音の知り合いだったらしい、彼も廊下に出て来た。

〚あぁ、久しぶりね、一夏〛

と、そろそろ席に着く時間だ。

〚また後で話しましょ〛〘昼はこっちで食べない? 食堂で待ってるからね〙

三人を置いて鈴音は教室に入って行った。

[あぁー、今何て?]

[昼に食堂に来い、と]

[のこりのはなしはそこでしようか]

積もる話は昼休みにヴィクトルがIS学園に来る事で解決させる、となった。

 

 

 [毒ガステロだってよ、それもシンジュクらしい]

シンジュクゲットーの一件は毒ガスを用いたテロ攻撃として処理されていた。

 ……全く奇跡的なタイミングの一致だな

多くはクロヴィス皇子とテロの関連性を疑う。しかし、その尻尾を掴むのは尋常ではない難度だろう。

[レイジ、大丈夫だったか? お前の家はそっちの方面だったと思うんだが]

そう言ったルルーシュの顔色は悪い、“殺し”は初めてだったらしい。

白々しいまでに白々しい嘘を吐く彼に対しヴィクトルは対照的だった。

[俺はCFの社員だから、大丈夫もなにも、その前線にいたんだがな]

無駄な出まかせは後々崩れた時に面倒を生む、ならば無用な隠蔽は疑念を――

[[ええぇっ!?]]

 ……え?

[レイジ君、軍人さんだったの!?]

 ……シャーリー、何を驚いて――

[っていうかレイジお前、“あの”CFの社員だったのかよ!?]

 ……あの、最初に言った様な気が

[これは……初耳だな]

 ……普通、変な転入の時点で勘繰るだろうがっ!

[いや、全く]

 ……俺の思考を読むなっ!! それ以前に誰だお前は!

 ――――――五月蠅くなった。

 

 

  IS学園、昼

 

 

 知らない。

義兄弟である有澤(ヴィクトル) 零冶(グラズノフ)が昨日、どこへ行ったのか

(有澤 隆文)は知らない。

 お待ちどうさま、と、給仕の御婦人が食事を持ってくる。

〚有り難うございます〛

今日選んだのは、和食だった。

当初は、まともな食事を皆が食べれるこの世界に少々の驚きを得ていたが、今はもう慣れた。

しかし、未だに慣れない者もいる。

その、正に慣れていない者が己の事を呼んでいた。

「零冶、今日はこっちに?」

「あぁ、中国の代表候補様に呼ばれてな」

「と、言う事は……」

〚タカフミってここ(IS学園)の人だったの?〛

〚有り難い事にね〛

振り返ると凰 鈴音が立っていた。

 

〚先ずは食べましょ〛

テーブルに三人で座る。勿論(?)鈴は零冶の隣だった。

〘朝はすまなかったな、なかなか良いアドリブだった〙

〘何度も謝らないでよ……“アドリブ”って?〙

〘? こちらに飛びついた演技の事だが。打ち合わせの時間を取れたじゃないか〙

〘え、“演技”……〙

鈴はそれを聞きがっくりとしたが、零冶に理解を求めるのが間違っている。

端的に言えば、彼は“恋する資格も願いも己にあってはならない”と、そう思っているのだから。

〘ところでさ、レイはAC関連が専門じゃなかったの?〙

〘使える物なら何でも使う、当然の事だろう?〙

鈴はその一言で全て察せたらしい。

〘そ、適正の有り難味が薄れた気がしないでもないけどさ〙

と、こちらへと来る影が二つ、

〚で? そろそろ三人の関係性が分からないんだが〛

[そうですわ。零冶さん、この方とはどのような関係がありますの?]

一夏とセシリアだ。

回答は隆文がした。

〚僕たちは中国の白草畔でちょっとあってね。その縁が今日まで続いているのさ〛

共通言語が無いのが玉にキズだけど、と、彼は付け加えた。

〚じゃあ、改めて。凰 鈴音です、よろしく〛

〚セシリア・オルコットですわ〛

流石は候補と言えども国の代表なだけあって非常に冷静なやり取りである。

〚見た所、契約関係でも交際関係でもなさそうですが、貴方、彼の何だと言いますの?〛

〚私の恩人、いえ、償いかしら。まぁ、それがなんだというの? オルコット、さん?〛

と、思ったわけだったが、そうでもなさそうである。

 雰囲気を察したか察せぬか、一夏が声を出す。

〚それにしても、おおよそ一年ぶりだな、元気にしてたか?〛

〚ちょっと忙しいけど、上々よ〛

彼女は何か思い出したらしく、零冶に言った。

〘あぁ、そうそう。後でCFからの文書を渡したいんだけど、何時なら会える?〙

〘ん、放課後は第八アリーナにいるが〙

〚タカフミ、放課後そっち(第八アリーナ)に行っても良い?〛

〚なっ、わ、わたくしもお邪魔してよろしいですかっ!?〛

〚なんで彼じゃなくて僕に聞くのさ〛

〚レイだと、断わりそうだから〛

〚零冶さんは許していただけなそうですから〛

〚なんなのよ〛

〚なんですの〛

 ……あれ? 俺の影が薄くなってるのか

〚い、一夏〛

一夏が隣を向くと箒がいた。

〚今日も特訓、するよな〛

〚ん? あぁ、一応そのつもりだけど〛

〚そうか、そうだな! やはり私も付き合ってやらんとな!〛

 〚なぁ鈴〛

〚何?〛

箒がむくれた表情になるが、一夏が気付くわけがない。

〚親父さん元気か? 鈴見たらまた親父さんのワンタンが食べたくなってさあ〛

〚あ……うん、元気、だと思う〛

零冶は鈴の顔を見て思う所があったのか、

[さて、そろそろ時間だ。午後の準備をした方が良いんじゃないか?]

「おっと、そんな時間なのか、急がないとね」

有澤兄弟の声を合図に皆、あわあわと動き出す。

〘午後の授業だ、行こうか、鈴?〙

〘……そうね、また後で〙

 零冶は相変わらず半死した目をしていた。

 

 

 何をするともなくラスティは放課後の学園の構内をうろつく。

彼は彼自身の称号、事実上の、ではあるが“最強”の銘により他の男性IS乗りより遥かに多くの行動制約が課されている。

要は暇なのだ。

 ……む

ラスティはアリーナに入る一組の男女を見つけた。一夏と箒だった。

そう言えば、奴は何か掴めたのだろうか。気になったラスティは数百メートル先に有るアリーナに歩を進める。

 見物然として二人、主に一夏を見ていたラスティだったが、

「…………あぁ?」

完全な高校生には限界という物がある、本職の奴ら(有澤兄弟)などの戦争屋と比べるのは酷というものだが。

急いでピットへ、ISを起動しアリーナに侵入する。

〚(言わいでか……!)おい! 一夏ぁ!!〛

〚んあ?〛

〚何ふざけた声出してやがる。それよりもだ、お前何も学んでないのかよ〛

首をかしげる一夏の手元、雪片二型のブレードから煌々とした光が放たれている。

〚そいつは何を切るための物なんだ?〛

〚? まぁ、相手の機体だ〛

〚じゃ何で間合いの外でエネルギーを展開してんだ〛

〚 〛

〚それに、箒ちゃんはまだしも〛

“ちゃ、ちゃんだと!?”と、動揺する箒は置いておく。

そいつ(零落白夜)は切りあう前提の物じゃねえだろうが〛

〚そ、そうか……?〛

〚それはどう見ても一撃必殺を体現したの性能だろ、だったら普通一撃離脱か、後ろを取り合うような接近戦が基本だ、正面から切り合うなんて非合理的すぎんだろ〛

〚お、おう……〛

〚あ゛ぁ?〛

〚お、おう!!〛

〚本当に分かってんのか?〛

〚そりゃ……勿論〛

〚なら実戦で証明してみせろ〛

〚ゑ? 実戦?〛

と、百式がロックされた事を認識する。

〚っ! 本気か!?〛

 

 

  文字・数値だらけの画面を前に、黙考する者が一人

〚失礼しまーす……〛

部屋は最低限の光度しかなく非常に暗い。

〚失礼しますわ……〛

部屋は沈黙に包まれている。

 来てはいけない所に来てしまった、そんな風に顔を見合わせる鈴とセシリア。

 




 多重クロスへの挑戦をした本作ですが、
力足らずで設定、世界観、話、等々を混ぜきれませんでした。
 話の軸をそのまま、クロスする成分や、構成を作り直して、
別の作品として再出発しようと思います。
 では、またお会いする時まで……
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