絶対零度のお嬢様が往く   作:みか

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第2話 ようこそ、クソッタレな戦場(しょくば)へ

「私は夏姫、別に覚えなくてもいい」

 

さて、ジュリウス・ヴィスコンティ大尉(ターミナルで調べてみたら、名前も階級も間違っていた事が判明した、本人に言ってなくて良かった)にお姫様だっこをされてから既に丸1日が経った。

 

私は今、与えられた自分の部屋に居る。

 

あの後、ジュリウスに壊れやすい物を扱うような手付き、いやらしいとも言う(言わない)で運ばれ、病室で色々と教えてもらった。

 

……いや、そういう意味ではなく

 

今居るこの施設は、フライアと呼ばれている移動型のアーコロジーだとか、これから私が所属するのは、フェンリル極致化技術開発局のブラッドという特殊部隊だとか、これからの訓練日程だとか、そういう至って健全な内容だ。

 

 

ちなみに、……今、技術の所で2回ほど噛んだのはどうでもいい事だ。

 

 

現在のブラッドのメンバーは、隊長のジュリウス・ヴィスコンティ大尉、ロメオ・レオーニ、私こと天王寺夏姫の3人ということになる。

 

意外とメンバーが少ないんですね、と率直な感想を伝えたら、「今集めている最中だ」と言われた。もうじき、私以外にもう1人、新人さんが配属される予定らしい。

 

 

どんな人だろう? 優しい人だったら嬉しいな。

 

 

ベッドから身体を起こし、ターミナルという端末を操作する。説明書(300ページにも及んだ)を熟読したから、操作はばっちりだ。

 

「あ、メールだ」

 

 

ラケル博士から、1200(ヒトフタマルマル)までに研究室まで来るように、とのメッセージが届いていた。

 

時間にはまだ余裕があるけど、早めに用意しておくか。

 

 

しまっておいた制服を着用し、頭に白いリボンをつける。

 

 

「よし」

 

顔を洗って、歯磨きもしたし、髪もとかした。朝ご飯も食べた、準備は万端だ。

 

 

いざラケル博士の研究室へ!

 

 

 

 

 

 

 

…………迷った。どこだここは。

 

フライア広過ぎ、ちょっと縮めばいいのに。……もういっそのこと四畳半くらいでいい

 

 

〜〜〜

 

 

「〜て下さいね」

 

 

「あ、はい」

 

 

相変わらず、ラケル博士の言うことは長ったらしく、難しかった。

 

ただ、博士の笑い顔が可愛らしかったので一応真面目に全部聞いた。

 

どうやら私は、これから訓練を受けるらしい。

 

 

ラケル博士には今のうちに装備を決めておくようにと言われたが、いったいどれを選べば良いのだろう?

 

 

最悪、勘で決めようと思っていたら、神機保管庫にジュリウスが来てくれた。

 

早速簡単なアドバイスをお願いする。

 

「ショートブレード、こいつは軽く、初心者にも扱いやすい。手数で勝負するならこれだ」

 

なるほど

 

 

「ロングブレード、この武器の一番の特長はゼロスタンスだな」

 

「……ゼロスタンス?」

 

 

「ああ、ブレード形態で攻撃中、どの部分からでもこのように構え直す事により、永続的にコンボを繋ぐ事が出来る、また、銃をしまった状態でもオラクル弾を発射できるインパルスエッジが使用できるのも大きな強みだ」

 

 

 

「バスターブレード、アラガミの隙を的確について当てる玄人向きの武器がこれだ、力を溜めればチャージクラッシュという強力な一撃を放つ事が出来る。また、相手の攻撃を盾で受け止めつつ反撃するパリングアッパーが使えるのも魅力だな」

 

 

私が近接武器パーツを手に取る度、ジュリウスが解説してくれる。……何だか申し訳ない気もする。

 

 

「そいつはチャージスピア、チャージグライドという強力な突進技を使う事が出来る。槍の先が開いた後の攻撃の威力はかなりのものだ。また、バックフリップは敵との距離をコントロールするのに重宝するだろう」

 

 

頭が混乱してきた。

 

「……」

 

最後の1つを手に取る。

 

「ブーストハンマーはブーストを起動させ、アラガミに素早く攻撃を叩き込む事が出来る。普段は鈍重だが、1度火がつけば、止めるのは至難の技だぞ」

 

 

ジュリウス先生の神機パーツ講座が終わった。

 

 

聞く限り、どれも強そうに思えるけど、どうしよう。

 

 

 

「ジュリウスはどれを使ってるの?」

 

困ったので、そう尋ねてみる

 

 

「俺はロングブレードを使っている、攻守のバランスが良く、戦闘中も周りの様子を見る事のできる武器だ」

 

 

 

「じゃあ、私もそれにしよう」

 

そう言うと

 

 

「神機は自分の命を懸ける道具、いわゆる相棒だ。もっと慎重に決めた方がいい」

 

 

苦笑されてしまった。

 

 

「でも、今はとりあえず訓練だし…いいでしょ?」

 

「まあ、そうだが」

 

 

「あ、どうせなら2刀持ちとかやって」

 

 

「止めておけ」

 

 

 

神機が1つしかないから、そもそも2刀持ちは出来ないらしい。残念だ。

 

 

とりあえず刀身はロングブレードを選び、装甲は軽めのバックラーを選んだ。

 

そして銃身だが、スナイパーを選択した。(女スナイパーというのが昔からの憧れだった)

 

 

準備は全て整った。

 

 

さあ、これから人類の為、華麗に訓練をこなしてやる。




お気に入り登録ありがとうございます、嬉しいです。

今回はほとんど武器の説明しかしていないような気がします。ショートブレードの説明を大分端折りましたが、私は無印からのショートブレード派です。


つ『ファントムピアス』
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