1. 彼女は親に見捨てられる。
1. 彼女は親から無かった事にされる。
わたくし、早紀は、追い出されました。
なんでも、『お前は異常だ、私等の子ではない』だっけか。
まぁそんな理不尽な、まだ5歳だよ、5歳。
うむぅ…何故かね、私より先に生まれたであろう妖怪よりも妖力が強いのだ。
…その他にも私には魔力と言うものが存在していたのだ。
おかしいな〜…同じ種族の筈なのにな〜
そして、1番の疑問点。
「私はウロボロス、だと言うこと。」
因みに私の兄や弟、妹などの妖怪は皆ヘビ系の種族だという事。
私は他のヘビ種の妖怪よりも回復能力、妖力の総量が多い。
ん?尚更訳がわからない。ウロボロスって何さ。ヘビの種なの?
ま、いっか、もう自由だし、誰にも縛られる事はないからね、うん、素晴らしい。やった、やった
閑話休題。
追い出された私は山の中を歩いていた。今は夜。妖怪でもない限りこんな暗い場所は一人で歩かないだろうね。
ーー ガサガサッ!!!
「ッ、もう出てきたよ全く」
近くの茂みから出てきたのは犬っぽいの。まぁ犬っぽいという訳は体のサイズが化物級にデカイからですよ?。
『グゥルルルル』
犬の妖怪は口からよくわからない液体を垂らしながらこっちに向かってくる。
ワタシタベテモオイシクナイヨー。
そう軽く考えていたら、犬妖怪が飛びかかってくる。
私は横にステップしてかわす。
犬妖怪は着地、直ぐに振り向けながら爪で薙いでくる。バックステップでかわす。飛びかかってくる。かわす。薙いでくる。かわす。
ーー なんか無限ループ化してるね、うん、どうしよ
さっきからずっと攻撃をかわしている、時間で言うと5分くらい。相手に疲れている様子は全くない。
私はまだ妖力なんてまともに操れないのに、追い出されちゃったからね。
じゃあなんで私はこの妖怪の攻撃を避け続けられるのか、ただの勘、生存本能。そんなもん。
まぁ、とにかく、私はもう集中力が余り残って居ない。とっとと逃げるなり倒すなりしないと。
ん、そういえば…
私は前に手から何かよく分からない力で炎を起こしたことがあったっけ、いま使えるかな?
使えなくてもやるしかないのだけど。
私は相変わらず魔物の攻撃を避け続けているが。
ーー 私は右手に力を集中させる。
何かが右手に集まってきて鈍い光を放つ力の塊になる。
「もえて、くれない?」
とりあえず、犬妖怪に向かって体に宿る力をためた光球を打ち出す。
犬妖怪に命中、バチンと大きな音がする。
犬妖怪は数メートル吹き飛ばされる。すぐに受け身をとって普通に着地されたが。
私はこの隙を逃さなかった。
私は犬妖怪とは反対の方向へ走る。
とにかく、逃げるしか無いよね、倒せる気しないもん。
当然追っかけてくる、あいつの方が速い。
ーー …って無理じゃん、逃げられないじゃんか。
追いつかれそうになってきたので、もう1回体に宿る力、妖力だか魔力だか。を込めた光球を撃ち出す。
今度はかわされる。ですよねー。
「むぅぅ、あたれよぉ!」
私はそう叫びながら光球を数発適当に撃ち出す。
今度は当たってくれたようだ、動きを少しだけ止めることに成功した。
このまま引いてくれると良いんだけどね、そうは行かないよね…ハァ。
とにかく逃げる逃げる。光球をちびちび撃ちながら。
気づいたら山の麓まで降りてきていた用で。
もう少し行けば人里があるだろうけど、人間を巻き込むとどうなるか分からない。
どうしようか…私はもう汗だくで体も火照っているし、もう長い距離走る体力は残されていない、だって、まだ5歳だよ?
気づいた時にはもう、追い詰められていた。
いつの間にか3体増えてるし。
あ、これもう死んだな〜、って考えていたその時
『大丈夫か?』
私が気づいた時には犬妖怪は倒され、私の目の前に黒いコートを羽織っている男が居た。
この男は黒髪、かなり鋭い目付きで話しかけづらそうな雰囲気を放っているを
「…あ、た、たすかった?」
「ん、お前も妖怪か」
「え…?」
男が警戒するのがわかる。
「いや、まって、わたし…それに追われてた、したらあなた、たすけてくれた。」
「まだ力が無い妖怪か?その割には凄い妖力を感じるのだが?」
「わたし、まだ5歳」
「ほぅ…まだ生まれたばかり、と言う訳か」
「うん」
男は警戒態勢を解く。
「まぁ、俺も半人半妖だから、むやみに殺しはせんよ、うっし、俺の家に来るか?」
「うん…!」
「おっけ、決まりだな、俺の名前は湖水だ」
「こ、すい?」
「うむ、そうだ」
「わたしは、さき」
「早紀か、いい名前だ、うっし俺について来い」
案外悪い奴では無さそう…だね。
私と湖水は人里へ入って行った。
人里の入り口にいる門番のような人に話しかけられる。
「湖水さん、その子、どこの子だい?それとも、そんな趣味が…」
「ちげーよ、妖怪に襲われてたから助けてやったんだよ、そしたらコイツも妖怪だった訳だが…まぁまだ5年しか生きてないそうだから、害は無いと判断した。」
「まぁ、ここの用心棒の湖水さんが言うなら信じるよ」
「おう、助かるよ 行くぞ、早紀」
「…はーい」
私は湖水に連れられ湖水の家にやってきた。
「疲れてるな、寝てていいぞ」
湖水が、布団を持ってくる。
「…ありがと。」
「まぁ、いいってことよ」
布団の中は凄く気持ちよく、すぐに意識が落ちていった。
今回は1話目なので文字数少なめですが次話からはもっと増える予定。