今回、なんと例のあの人が登場!?
どうぞ最後までお楽しみください。
「(チクショウ、やっちまった・・・・・・)」
自分の過去のこと云々となるとどうも感情のコントロールが効きづらい。
自覚はしていた。
だが、そのことで他人に当たるようなことはすまいと思っていた恭助だったが、失敗してしまった。
何故かと理由を挙げるなら、先程の御坂との遭遇がトリガーになってしまったのかもしれない。
超能力者・・・・・・あの実験の最終目標とされた、絶対能力者に最も近い存在。
そこで恭助は頭を横に振った。
その思考はただ自分の失敗の責任を御坂に転嫁しているだけだと思ったからだ。
「(帰ったら謝ろう)」
結局はそうするしかない、それが最善だろうという結論に至った。
「(つっても、どうゆうふうに謝れば・・・・・・)」
拒絶するように飛び出した手前、どうも自分から切り出すのが気まずい。
そう、空を仰いで考え込んでいた所為で足下への注意が疎かになっていた。
「うおぉうっ!?」
結果何かに躓いて姿勢が前のめりに大きく傾いた。
「あっぶねえッ、何だってんだ一体・・・・・・」
それでも両手を着いて転倒を回避したのは、日頃の鍛錬の賜物だろう。
恭助は悪態を吐きながら、その体勢のまま自分の足下を見た。
「うーん・・・・・・お・・・・・・お腹空いたぁ・・・・・・」
そこには何と、真っ白なシスターが行き倒れていた。
相良恭助は銀色の長髪と碧い瞳を持つ、金色の刺繍がされた真っ白な修道服(らしきもの)を着た十四歳ぐらいの外国人少女が行き倒れているのを発見した。
彼は風紀委員。普段はゴミ拾いやら資料の整理やら、案外地味な仕事の方が多かったりする風紀委員だが、困っている学生を助けるのもまた重要な仕事の一つである。
なので、まず彼は彼女が通っているであろう学校に連絡するためにどこの学校の生徒か聞いた。
それに対する返答。
「お腹空いた」
面倒臭いが直接送り届けてやろうと思い、どこに寮があるのか聞いた。
「お腹空いた」
次にどこの学区の人間か聞いた。
「お腹空いた」
お名前は?
「お腹空いた」
「オーケェイ、お前さては新手の都市伝説『妖怪・偽シスターオナカスイタ』だなッ。そうなら今すぐ『学園都市伝説』っつうサイトに書き込んでやるぜぇッ」
「ちょっ『偽シスター』は失礼かも!私は正真正銘のシスターだよっ!」
「お前、普通にしゃべれるじゃねぇかッ」
ダメ元で引っかかるかなと思いわざとハイになった演技をして挑発してみたがあっさりかかった。というかあくまで気にしたのは『偽シスター』呼ばわりされたことだけか、と恭助が呆れ顔をすると、対する銀髪少女はムッとした表情をした。
「そんなことより私は今、お腹が空いてるんだよ?」
「ぅん?」
「お・な・か・が空いてるんだよッ?」
「ハァ?」
「だから、おっ!なっ!かっ!がっ!空いてるんだよッ?」
「うるせぇ叫ぶな聞こえてるっつうのっ!だからそれがどうしたんだって聞いてんだッ。てか、お前元気じゃねえか。よしそのままウチに帰れ、俺は知らん」
彼は直感で何となく分かった。コイツは俺の手には負えないタイプの人種だと。
そうと決まれば後は踵を返して去るだけである。
だけ・・・・・・なのだが・・・・・・。
「ふえぇ・・・・・・大声出したせいでもっとお腹が空いたんだよぉ・・・・・・」
こちらまで聞こえてくる盛大な腹の合唱と共に、そんな情けない声が彼の鼓膜を振るわせる。
恭助は立ち止まった。
次に嘆息。
そして自覚した。那由他の言うとおり自分はどうしようもないお人好しだと。
結局この謎のシスターにメシ代を奢ることになった。
最初は「まあ、女の子一人分ぐらいなら別に良いか」とタカをくくっていた恭助だった。
しかし、彼は近くにあったファミリーレストランに入ってわずか十分後に後悔することになる。
「こんなにたくさんご飯を食べさせてくれてありがとうなんだよ!」
今、彼の目に映っているもの。
一つ、空腹を満たし向かいの席で満面の笑みを浮かべた少女。
二つ、テーブルに積み上げられし皿の巨塔。
三つ、4つ0が並んだ領収書。
つまり、悪い予感が見事的中したということだ。
「(マジか・・・・・・コレ、今の俺の財布の中身八割方吹っ飛ぶ額じゃねえか。昨日銀行から金下ろしたばっかだってのに・・・・・・)」
ガックリと肩を落とす少年にはまったく気付かないホクホク顔の少女に、恭助はさっき聞きそびれたことを問う。
「えっと、俺は一応、風紀委員をやってる相良恭助ってもんだ。お前、名前は?」
「私?私の名前はインデックスっていうんだよ。よろしくね、きょうすけっ」
「ああ、よろしく。しっかし“インデックス”ねぇ・・・・・・?ふうん・・・・・・」
目次ちゃんかッ、と一瞬ツッコミをしたくなった恭助だったが、よくよく考えると自分の周りにも、案外変な・・・・・・変わった名前の人物(那由他とか剣科とか)が多いので「最近は外国でもこんなものなのかなあ?」と何となく受け入れた。
と、そこでさっきまで忘れていた先刻の那由他とのいざこざを思い出す。
その所為でまたしてもナーバスな気分になってしまう恭助。
するとそれに気付いたインデックスが心配そうな顔をした。
「きょうすけ、どうしたの?お腹空いたの?」
「いや、お前じゃないんだから」
そのツッコミにインデックスは「きょうすけは悪い人じゃなさそうだけど、女の子に対するデリカシーってものがないかもッ」と頬を膨らましたが、すぐにまた顔を曇らせる。
「じゃあ、何か悩み事があるの?」
「悩み事・・・・・・ねえ」
こんな個人的な悩みをついさっき会ったばかりの赤の他人に話すのもどうかと思ったが、あえて他人だからこそ言える類いのものかもしれないとも考えた恭助。
流石、シスターを名乗っているだけにその身に纏う雰囲気に、どこか太陽の光のような温もりを感じたことも後押しとなり、彼はゆっくりと口を開いた。
恭助は学園都市の『闇』などの詳しい事情は取り除いた、大まかな事柄をインデックスに話した。
彼女は思考を巡らせるように少し俯くと、こう断言した。
「んー、ごめん。それに私がアドバイス出来ることはないかも」
「いや、おい」
ガクッとズッコケかける恭助。
「でも、きょうすけがその友達のことをとても大事に思ってるってことは分かったんだよ」
「・・・・・・・・・」
確かに那由他のことはとても大切に思っているが、いざそれを口にするのはやはりどこか気恥ずかしい恭助であり、沈黙してしまう。
そして彼の目の前にいる少女は聖母のような笑みを浮かべる。
「きっとその友達もきょうすけのことを強く思ってくれてる。だから何も心配することなんてないんだよ。きょうすけが誠意をもって謝れば、きょうすけの気持ちは必ずその友達に届くはずだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
気付けば、恭助は両肘をテーブルに着いた状態で指を組み、その上に顎を乗せて俯いていた。
よく考えればおよそ人に相談している人の態度ではない。しかしそれは正面にいるシスターと彼の顔を側面から照らす日の光が相まって、どこか教会で懺悔をする聖者のようであった。
さて、どのくらい時が経過したのであろうか。
彼自身の体感的には数時間も経った気がしたが、ふと店内にある電波時計を見るとまだ店に入ってから三十分前後しか経っていなかった。
「何はともかくありがとな、インデックス。何か少し元気になった気がする」
「きょうすけが元気になったのなら良かったんだよ。あ、そうだ、きょうすけ」
笑顔を那由他以外の他人にあまり見せることがない恭助が少しぎこちないながらも自然と浮かび上がった笑みを浮かべていると、唐突にインデックスが提案した。
「ははっ。お前が言うと説得力が違うな、それ」
それを聞いた恭助がからかい半分でそう言うと、インデックスはまたしてもデリカシーがないとか何とか言って頬を膨らませたが、最後には笑顔で手を振って去って行った。
「って結局どこの学校に通ってるやつか聞いてねぇし」
それに気付いた頃には彼女はどこを見渡してもいなかった。
「(まあ、自分の足で帰れるんだったら聞く必要ねぇか)」
彼女に食事を奢ったことで発生した大きな出費はさっきの相談料でチャラ・・・・・・とは流石に言えないレベルの壮絶さだが、恭助は特に金に困っている訳でもなかったし、ゲームや高い服などの嗜好品を買うために消費するよりも一人の少女を笑顔にするために使った方が良いなと感じたので、別にわざわざ探し出してまで返して貰わなくてもいいと思った。
「さて、パトロールの続きをやりますかっと」
憑き物が落ちた恭助はとても清々しい気分に浸っていた。
なので、彼女の笑顔の裏に隠れた暗がりに気付くことが出来なかった。
彼が彼女の抱えている誰にも言えない事情を知るのはまだ先のことである。
『仲直りの印に美味しい食べ物の買ってあげたら良いかもっ』
そんなインデックスの助言を受け、パトロールついでに何か良い物がないか探してはいるものの、コレというものを見つけられないでいる。
「(こんな時ってどんな物買えば良いんだろ・・・・・・分からん。てか、那由他って何が好きだっけ?俺が作った料理は美味しそうに食べてくれてるけど、一番何が好みなのかはよく分からないんだよなぁ・・・・・・。ほっとけば栄養剤やコンビニ弁当ばっか食うし。食べ物に対して執着がないつーか、栄養があって腹が膨れれば大丈夫と思ってるつーか・・・・・・)」
恭助が頭を捻って考えていると、すぐ近くの路地裏から男女の話し声がした。
「おっ、お嬢ちゃん達可愛いねぇ。どう俺達と一緒に遊ばない?」
「な、何ですかあなた達はっ。わ、私達は用があるので通して下さい!」
二人の中学生らしい少女を高校生ぐらいの男が三人がかりで囲んでいる様子を見れば、どんな状況かははっきりと分かった。
「そんなつれないこと言わないでさぁ。お兄さん達が良い所に連れてってあげるから、ね?」
「だから私達は・・・・・・。あなた達、それ以上続けるつもりなら警備員を呼びますよ。それに私、こう見えても風紀委員ですから、痛い目を見ることになりますよ」
長い黒髪に白梅の花を模した髪飾りを付けている友人を庇うように、男達と向かい合っていたお花畑のようなカチューシャを付けたショートヘアの少女はどうやら風紀委員だったようだ。
しかし恭助はその少女の言ってることはハッタリだと見抜いた。
腕章を付けていて、それを男達に見せているので風紀委員であることは事実だろうが、その少女らしい細腕や語気は強いが僅かに震えている声から、運動神経は一般的少女の域を出ないレベル、能力は戦闘に使えるものではない、または高位能力だが実戦経験がないことが分かった。
このことから少女は風紀委員であることに間違いはないが、実戦担当ではない後方支援が得意分野であり、説得を全く聞いていない男達に対処するのは不可能である。
つまり、
「(やることは変わらねぇってこった)」
彼女が戦えるなら協力する、そうでなければ守り抜く。
相良恭助の頭に『見捨てる』などという文字は最初から無い。
「おい、テメェら」
「あっ?何だテメェ、文句あんのか?」
男三人が恭助の方を振り向く。
「ああ。生憎、俺も風紀委員なんだよ」
恭助は男達に右腕に付けている腕章を見せる。
「ハッ、だったら何だってんだよ。学園都市の犬が二人いたからって俺達に勝てると思ってんのか?」
「そうだ、テメェらなんて学園都市から貰った権威がなきゃ何にも出来ないんだろーが」
「ぎゃははははっ」
そんな中身の無い罵詈雑言など恭助は聞いていなかった。
風紀委員が二人に増えたところで大人しく引き下がるつもりはないらしい、それを確認出来れば彼にとっては充分だ。
恭助は男達の下卑た会話を裂くように言った。
「まったく、年下の女の子二人を大の男が三人で囲んで恥ずかしくねぇのかよ?」
「あん?」
「まあ?まともに女の子と会話できない童貞クンなんじゃ、仕方ないかぁ」
彼は
「テメェ!言わしておけばッ!」
案の定、男達の中で最も沸点が低く、最もケンカに自信があるヤツが考え無しに突っ込んで来た。
そいつは男達の中で最も体格がよく、恭助より一回り大きかった。
しかし彼は大ぶりで振るわれた拳を首の動きだけで
それは吸い込まれるように命中し、一瞬で大男の意識を刈り取る。
「んなっ・・・・・・」
男の一人は、ケンカじゃ負け無しであった大男が瞬殺されたことで呆然としていた。
「チクショウっ・・・・・・!」
しかし、もう一人はすかさずナイフを懐から取りだして応戦しようとした。
だが、恭助はそれをさせなかった。
腰に巻いたホルスターから風紀委員が携行を許されているゴム弾が装填されている拳銃を
その男もまた隣にいる仲間同様、そのまま硬直した。
口火を切ったのは風紀委員の少年の方だった。
「ほら、現実ってのが理解出来たならさっさと去りな。今、俺は珍しく気分が良いんだ。ここで大人しく退くんなら厳重注意ってやつで済ましてやる。だが、これ以上やるってんなら
その冷静というより冷徹という方が正しい彼の物言いが効いたのか、男二人は互いの顔を一度見合うと倒れた大男を抱えて二・三言捨て台詞を吐きながら去って行った。
残されたのは恭助と少女二人。
しばらく沈黙。
「は、ハードボイルドーっ!」
長髪の少女がそれを破った。
「えっはぁッ?」
少女が突然大声を上げたことで恭助が動揺している隙に少女は彼の懐に入り込んだ。
「私、漫画とかアニメとかでなら見たことありますけど、本物初めて見ましたっ!」
「えっえっ、ええッ?」
突如テンションマックスの少女に詰め寄られ、どう対処したら良いか分からない恭助。
すると、もう一人の短髪の少女が緊張の糸が切れたようにその場にへたり込んだ。
「あっ、
「おい、お前大丈夫かッ?」
二人で初春と呼ばれた少女に駆け寄る。
「すみません。安心して腰が抜けちゃいましたぁ」
飴玉を舌の上で転がすような甘ったるい声を持つ初春という少女に対し、長髪の少女が申し訳なさそうな顔をする。
「ごめんね、初春。私が近道をしようって提案したばっかりに・・・・・・」
「そ、そんな謝らないで下さいよ、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
またしても沈黙。
次にこれを破ったのは恭助だった。
「だあもう!折角助かったてのに、暗いぞお前ら」
「「すみません・・・・・・」」
「いや、謝って欲しいんじゃなくて・・・・・・」
恭助はガシガシと頭を掻きながら照れくさそうな様子でぶっきらぼうに言った。
「なんつうか、確かに近道に路地裏使うってのは感心出来ねぇけどよ。あくまで悪いのはそこを襲ったあいつらで、それで佐天さんが責められることはねぇと思うし、初春さんも戦う力がないのにそれでも佐天さんを守ろうとしたことは正直凄いと思う。いやお世辞じゃなくてさ、俺は力持ってて相手に勝つのが当たり前で人助けする奴より、物理的な力を持ってなくても意志の力ってやつで誰かを守ろうと思える人の方がよっぽど凄くて善人なんだと思う・・・・・・」
彼はそこで一旦切り、言い出した手前どうオチを付けたら良いか考えながら続ける。
「・・・・・・ってか、要は適材適所ってやつだよ。人間ってのは、どうやっても万能になんてなれねぇから、みんながそれぞれ足りない部分を補って助け合う。今回もそうだ。俺はあいつらに対処できるだけの力があったってだけだ。えっと・・・・・・だからっ、その・・・・・・」
「・・・・・・、初春があの人達を追い払えなかったことを気にする必要は無い、人には誰でも得手不得手がある。だから出来ないことで悩む必要はない、自分が出来ることを頑張れば良いってことですね?」
「そう、それ!」
言葉に詰まった少年に助け船を出したのは佐天だった。
まさしく言いたかったことを言い当てて貰った恭助は喜びに声を大きくするが、すぐに気恥ずかしくなって目を逸らした。
それを見た佐天は思わず笑ってしまった。
「な、何だよ突然」
「いや、あなたって以外と親しみやすい人なんだなって思いまして。あ、そう言えば名前聞いてませんでしたね。私は
「う、
「お、おう、よろしくな、佐天さん初春さん。俺は恭助、相良恭助だ」
元気少女佐天さんに流される形で自己紹介をする二人。
すると初春が突然ハッとした表情になった。
「大変です、佐天さん。早くしないと待ち合わせに遅れてしまいます!」
「あっ、それなら早く行かないと。折角誘って貰ったのに待たせる訳にはいかないもんね。じゃ、相良さんまたどこかでっ」
「ああ、またな。今度は変なのに絡まれないように気を付けろよ」
「ハイハイ勿論分かってますってーっ」
意気揚々とした佐天さんに少し不安を覚えたが、恭助はそんなブレないムードメーカーな所が彼女の良い所なんだろうと合点し、笑顔で送り出した。・・・・・・が、しかし。
「すみません・・・・・・」
弱々しい声は下方から。
「えっと・・・・・・」
途方にくれてしまった佐天。
「ま、しょうがないよなぁ・・・・・・」
思わずリアクションに困る恭助。
二人の視線の先には、頭にお花畑が咲き乱れているようなカチューシャをした少女初春。
「腰が抜けてて立てません・・・・・・」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
三度目の沈黙が訪れた。
腰が抜けて動けなくなった初春を置いていく訳にはいかない。
しかし普通の女子中学生である佐天は同年代の人間を抱えて長距離は動けない。
ちなみに恭助は平均的体格の男性一人なら背負って、短距離なら走れるぐらいの体力がある。
この条件から導き出される答えは一つであった。
「いやー、すみませんね、相良さん。助けて貰ってばっかりで」
「別に良いって。困ったときはお互い様だろ?」
フレンドリーな感じでそう言う佐天に気軽な返しをする恭助。
佐天は基本的に人懐っこく、饒舌だが相手の気分を害するような五月蠅さがないので、初めて会った人でもすぐ友達になれる性格のようだ。
そんな佐天と会話をしながら「自分と違って友達多そうだなぁ」と恭助は密かに思った。
すると背後、正確には後ろ斜め上から控えめなトーンの声がした。
「いえいえ、本当にすみません。私がダメダメなばっかりに。・・・・・・やっぱり相良さんに迷惑をかける訳にはいかないので、自分の足で歩きます」
ただ今、恭助の背中に背負われて中の初春だ。
「無理すんなって。伊達に身体鍛えてねぇからこのくらい大丈夫だって」
「でも私、最近パフェの食べ過ぎで体重増えましたし・・・・・・」
「そうか?初春さん全然重くないけど。むしろ軽いぐらいだ」
「そうですか・・・・・・」
それっきり、初春は話さなくなった。
後ろに背負っている関係上、背後の初春の顔を確認出来ない恭助は、彼女が照れで顔を真っ赤に染めているのが分からず、何かまずいことを言って怒らしてしまったのかと狼狽する。
助けを求め佐天の方を窺うが謎のニヤニヤ顔をするだけで、恭助はさらに途方に暮れてしまう。
そんなことをしている内に初春達が言っていた待ち合わせの場所に着いた。
だが、そこには恭助が予想だにしなかった人物がいた。
「お前、御坂じゃねぇか!」
「なっ、何でアンタが・・・・・・っ」
随分昔のように感じるが、実際には一時間ぐらいぶりの邂逅である。
「えっ、二人ともお知り合いなんですかッ?どんなご関係なんですかッ?」
いかにもこんな感じの話題が好きそうな佐天が早速食いついた。
「ご、ご関係って、ついさっき偶然会ったばっかりよッ」
「ああ、さっき偶然会って一バトルした関係だな」
「そうそう、ちょいとバトっただけの関係・・・・・・って余計なこと言うなーっ!」
佐天にあてられて恭助がつい悪ノリをしてしまったため、しばらくちょっとしたごたごた(主に佐天の怒涛のごとき質問攻めと御坂の恭助に対する半ギレビリビリなど)があった。
今回はインデックスと佐天・初春ペアを登場させてみたのですがどうだったでしょうか?
まだ上条と会っていないインデックス、というつもりで書いてみましたが時系列的に問題は無い(で、ですよね?)とはいえ流石に違和感のようなものが出たかもしれません。
例えば上条には魔術のことを話したのに恭助には何故話さなかったのか?とか。
一応恭助が那由他のことで頭が一杯でインデックスに色々質問しなかったという理由はありますが、それでも少し無理があったのかもしれません。
ヒロインなのに上条以外のキャラと話す機会が少ない彼女を自分が作ったキャラと会話させるのは難しくもあり楽しかったのですが、彼らが再会するのはだいぶ先の予定です。
長文すみませんでした。ご都合がよろしければ次回もよろしくお願いします。