俺が円卓の騎士団に入団が決定したのは今から約7ヶ月前のこと、それまでは主にソロプレイヤーとして活動してきた。しかし、ソロの活動は体術スキルしか使わない俺にとっても流石に限界があり、行き詰まっていたところに親友であるランスロットからパーティーの誘いを受け行動を共にするようになり、そして一人の男、今で言う円卓の騎士団最強のナンバー1のリクセインとのデュエルを経て栄えある円卓の騎士団に入団……と言った感じなのだが…。
円卓の騎士団はあまり仕事をしない。いや、仕事が無いわけではないが、治安維持や周辺の階層の攻略は他の独立部隊か一般兵士の部隊が大方してしまうので、仕事をしないというより回って来ないと言った方が適切かもしれない。
その割にはソロ時代の俺の生活と今を比べると、生活基準は100倍以上も上がり、「はじまりの街」のはずれにある塔のようになっている建物は円卓の騎士団(勿論プラチナのみ)の各員の個別ルームが与えられ、広さはデュエルでも出来るのではないだろうかと思わせるくらい広い。少し広すぎるような気もする。と言うより広すぎる。
そんなことを思い返しながらいつものように自分の異常ステータス(メダリオ補正付き)を眺めながら自室待機している。
「そろそろだな」
と、呟いていると向こうの扉がガチャッと音を立て開いていく。そこには柔らかな金色の長髪に顔はいわゆる「イケメン」という言葉が良く似合う顔立ちで、体格は細身だが、付くべきところに筋肉が付いている感じでわりと背が高い。歳は十代後半といったところだ。
「よ、ランスロット。待ってたぞ」
「よし、早速始めるか」
【ランスロット から1vs1デュエルを申し込まれました。受諾しますか?】
俺の目の前にシステムメッセージが表示され、yesに触れ、オプションから《初撃決着モード》を選択。
【ランスロット との1vs1デュエルを受諾しました】と変わり、60秒のカウントダウンが始まる。
カウントダウンが始まって、ランスロットが
「今日までで私とお前が54対58でお前がリードしている。今日は私が勝たせてもらうぞ」
「そんなことは、俺の動きを見切れるようになってから言えよ」
カウントが10秒前になり、両者に緊張が走る。そして、【DUEL!!】の文字が弾けた。
だが、二人は一定の距離を保ったまま円の動きをしている。頭は頭に、手は手に、脚は脚に神経を集中させている。
「先手必勝!はあっ!!」
と口火を切ったのはランスロット。
ランスロットはその敏捷度を駆使して高く舞い、俺にアロンダイドを叩きつける。だが俺はそれを真横に跳び、避ける。それを読んだのか、俺が避けた方向に剣を薙ぎ払った。俺はそれを白羽取りの形で受け止め、それを土台にして蹴りを放ったが、上体を反らされかわされてしまう。それから一撃決殺の攻防が続いたが、決定打になるような攻撃は入らない。
「はあ…はあ…」
「くっ…はあ…」
二人の実力はほぼ互角だった。プラチナ同士の戦いでは珍しいことではなく、このデュエルのルールでも三日三晩戦い続けた記録もある位だ。ただ顕著に強いと言えばプラチナナンバー1であるリクセインくらいなものだ。
「でもやるな…、俺の動きについていけるようになり始めてきたな」
「フ…。私とて、伊達に113戦も戦っていない…。負けから学ぶこともあるからな」
「よし、じゃあ俺ももう少しスピードを上げるか」
「まだ、余力は残していたか」
「当たり前だろ!」
「ならば来い!」
と俺が走り出した瞬間突然扉が開いた。
「お前達、何をやっているか」
「あっ、リクセインさん」
扉の向こうから現れたのはプラチナナンバー1であるリクセイン。茶髪に身長は180以上はあるだろうと思わせる程の長身で、男前な顔つきをしていて、歳は二十代後半と言った感じの円卓の騎士団の実質的なリーダーだ。
「リクセインさん。今日は何の用で?」
「ああ、実は久々に聖王から円卓の間に集えとのことだ。お前達も早く顔を洗って来い」
と言われ、俺はしぶしぶ「降参」と宣言しデュエルを切り上げる。
顔を洗おうと洗面台に向かい、ふと鏡を見る。目の前には少し茶がかかった少し長めの黒髪に「優男」の言葉が似合う顔立ちに、体格は細く、身長は177位はあるだろうか。見慣れた姿が映っていた。
「ランスロット、そろそろ行くぞ。リクセインさんから叱られるぞ」
「ああ、今行く。待っていてくれ」
と言ってランスロットは顔を洗う。そして顔を拭き、「よし、行こう」と言って俺たちは円卓の間へと向かう。
これが、ロハネスに降りかかる苦難の序曲とも知らずに……。
久しぶりの投稿です。
感想を待っています。