三連休ということで、色々と余裕が出来たので投稿する事にしました。
それでは、どうぞ~!
~アインクラッド第46層 アリ谷~
「そういやさっき思ったんだけどさ~。ロハスくんってこの任務がさっさと片付くよーなさくせんみたいなの何か考えた~?」
こんなやる気のカケラも無いような口調と声で声を掛けてきたのは槍使いのハブック。(余談だが、この「ロハス」というのはハブックが勝手につけたあだ名だ。ハブック曰く、自分が友達と認めた人にだけあだ名をつける癖があるらしい。軍の中にしか関わりが無かった俺にとったは友達と認めてもらえてたようなので大変嬉しい話ではある)
「えっ?あぁそうだな~。そういや作戦って任務もらったやつが決めるんだったよな…。しまった何も考えてなかったわ…」
我らがアインクラッド解放軍では、任務を請けた場合、3人以上のパーティで活動する事が原則としてある。
その際に、上官から直接任務を命令された者はそのパーティの中でリーダーとなり、作戦を決めるといった暗黙の了解があるのだ。
俺はその場に座り込んで指をパチンパチンと鳴らしながら考える。
「あっ!いいこと思いついた!」
「おっ。何か思いついたか?」
「ああ、まずは俺が一人で突っ込む」
「ロハネス、お前やっぱり何かふざけてるな」
「ヘイヘイ、ランスロット。忘れたか?俺の技をサ」
「なるほどそういうことか。お前の技は広範囲の攻撃に向いているからな」
「そゆこと。アリさんたちは一回のエンカウントでも最高で五匹しか湧かない。それをまず俺が片付ける。次にハブック、次にシャネル、次に次に…って感じて一人ずつ繰り返せば、あの穴ぐらにたどり着ける。あの穴ぐらの中が現場だからな。誰か一人でも着いたら各自道なりに進んで、探して見つけて麻痺薬ぶち込んで軍の牢屋に転送して終わり。ザックリ説明したけど、分かった?」
「まあ、それで問題は無いのではないか?なら、早く行こうか。私も仕事終わりの一杯を早く飲みたいからな!」
リクセインの威厳ある声で皆の気合が自然と高まる。そんな中、空気についてこられていない人物が一人。…シャネルだ。
「ん?お~い、シャネル。はやく来いよ。…どうしたよ?」
「…あたし広範囲技とか少ないから、どうしようかなって…」
「なんだそんなことか、大丈夫だろ。カナンがいるじゃんか。…大丈夫だって!やれる!そんなんだと、できる事もできなくなるぞ!」
「…うん。そうだよね!ありがとう、ロハネスくん!カナン、がんばろうね!」
そう言ってシャネルはカナンの頬にぎゅう~と頬ずりをする。それに応えるようにしてカナンもシャネルにやり返す。カナンのあの銀色の毛並みがなんとも気持ちよさそうだ。
そうやって一行は目的地へと下りていく。
◇◆◇
「よし、じゃあ作戦通り、中に入ったら地図を頼りに進むこと、じゃあ、作戦開始!!」
俺の開始の掛け声と共に全員が穴に向かって突っ込む!!
予想通り、アリたちがわらわらと湧き始め、俺は右腕にオーラを溜める。
ピキィィンとオーラが鳴動し、右腕に青色のオーラが満ち満ちていく…!
エンカウントした!数は五匹!
「てやあああああッ!!」
気合いを込めて叫び、右腕を突き出した瞬間、右腕全体が青く光り、そこから青い光球が流星群のように広がってアリに向かって駆けていく!!
これがロハネスの広範囲技、「メテオ・ヴォルテックス」
エンカウントしてから即発動したのでバトル時間は僅か一秒!当たらなかった光の球も合わせて約100発は打ち込んでいただろう!
その一秒が終わった直後、今度はフレッグがエンカウントする。敵は三匹。一瞬で敵の位置を把握し、
「そーれっと!」
と、槍を突き出す!
刺突単発技、「シングルスピア」
「次はあたしが!カナン!いくよぉ!」
敵は四匹、余裕っ!
するとシャネルは小回りのきくダガーの長所を最大限に活かし、短剣二連撃「ブースト・フォース」を繰り出す!
同時にカナンの「クロス・ヴォルグ」を繰り出し、四匹は一分の間隔もなく同時に四散した。
「リクセイン、参る!」
リクセインの武器は身の丈程もある大剣だ。それを片手で軽々と扱い、ただなぎ払った!
二匹のアリはその威力に耐えきれず、呆気なく爆散!
「皆の遅れはとらんッ!輝けよ、アロンダイトよ!」
つぶさにアリを五匹確認し、片手型直剣五連撃「カラミティ・レイド」を一撃ずつ叩き込むッ!
「入り口だ!ロハネス、今だあッ!」
「よし、上出来だ、ランスロット!」
俺はランスロットの戦闘が終わった頃に、入り口の中に入った。
◇◆◇
~アリ谷 内部 現場付近~
「え~~っと、確かこの辺りっと、にしてもホントに便利だよな。この地図。俺が向いてる方向まで分かっちゃうんだもんなぁ」
一本道を進んでいると、さすがに暗くなってきたので俺は軍から支給されたライトをつける。
(うっ!これは…。天井にはコウモリがびっしりと…。シャネルが来たらヤバいだろうな…。皆はどうしてるだろうか…。先に現場に着いているといいが…)
すると俺の索敵可能領域に入ったのか、俺の全身が即座に臨戦態勢に入る。すると、サイドから奇襲という形でサバイバルナイフと必要最低限の防具を装備した男が三人が現れた。そして、突然3対1の『完全決着』の決闘を申し込まれる。
(3対1の完全決着か…関係ない奴とは戦いたくは無いが…!)
「ほお~う、あいつゥ、俺らが出した一方的な要求を飲みましたぜぇ~」
「どうしましょうかねェ~、兄貴ぃ~」
「どうしたもこうしたもねェよ、あの身なりのいいあんちゃんから、身ぐるみはいじまいなッ!」
「突き進むのみッ!来い!」
最初にかかって来たのはなにやら「子分」といった感じの二人が同時に仕掛けてきた。一人は飛び蹴り、もう一人はナイフによる二段攻撃!
これはまさしく「スイッチ」と呼べるものに等しかった。そのくらい息が合っていた。
だが、やはりレベルの差とそれを裏付けした実践経験の差がそこに如実に現れた。俺にとってはそれでもやはり遅すぎたのだ。
俺はその攻撃に合わせて両腕に即座に溜めたオーラを手のひらに固めて、真上にカチ上げるようにして放った。
すると、空中で引力という存在をまるっきり無視したかのように二人の体が空に舞い、壁に激突する。
オーラを最小限にして放った為、HPバーは両方黄色の域にまでしかいかなかったが、それでいい。今回は殺すことが目的じゃない。
「ど、どうゆうことだよォ!おめえら!……ちっ、まァいいぜ、てめえ!こんだァ俺が相手だッ!」
「やめるんだ!あんたと俺とじゃ実力の差が違い過ぎる!」
「オラアアア!」
と叫びながら突き出したそのナイフはさすが「兄貴」と呼ばれるだけあってそれなりに速かった。中層プレイヤーの中でなら恐らくは上位の位置にいたであろう。
だが、それじゃまだまだ遅い!
俺は自分の顔めがけてくるそのナイフの起動をずらし、その腹筋に一撃を与える。そのまま体が宙を舞う。
「ぐげぇぇええ!」
(な、なんだ?何なんだあのガキィ!ホンモノの強さだッ!やめりゃあ良かったぜ……あんな奴に喧嘩吹っ掛けんのはよォ!)
そして男は、顔面から落下した。
「大丈夫だ、さっきのあの二人もまだ死んじゃいない。あの二人を連れて、ここから去るんだ」
「ま、待てよ…。何でなんだ?あんたの…そのパンチならよぉ…。顔面に入れりゃ、俺の顔をめメチャクチャに出来たはずなのによォ……!」
「俺はそんなことをするためにここに来たんじゃない!俺はある男を軍の牢屋に入れる為に来た!」
そう言って、俺は事件のことを少し話した。意外にも男は素早く理解してくれた。
「アイツの事か…。気を付けな、あんちゃん!奴は限りなくこすズルいぜ!」
「俺についてきな、このギールが案内するぜ!」
「本当か!ありがとう!」
「二人を殺さねえでくれた礼さ。さぁ、こっちだぜ!」
お楽しみいただけたでしょうか?
感想などくれるとありがたいです。
それでは、次話もよろしく!