艦娘の咆哮-WarshipGirlsCommandar-   作:渡り烏

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すみません大幅に遅れてしまいました。
夏イベ前には投稿したかったのですが仕事が忙しく筆が進まず、そのまま夏イベにずれ込んでしまいました。
燃料……残り僅か、しかし犠牲にしただけの成果はあった。
(意訳:燃料が22万から1万まで減ったけど伊26とAquilaゲットしたよ!)


日誌二十五頁目 双頭と双角の巨人

 

 

 

 

 

 初夏を迎えつつも、未だに寒さを携える宗谷海峡。

 最新の観測結果により、超兵器艦隊は間も無く此処に到達するであろうと言う、確定情報が入ってきた。

 尾張も利根もあえて真正面から正対する位置に陣取り、駆逐艦娘や巡洋艦娘は岩陰に隠れ、留守番役の戦艦や軽・正規空母組もその持てる火力を叩き込もうと刃を研いでいる。

 アメリカの駆逐艦娘達も支援の為に煙幕の展張準備をし、アラスカ級の姉妹は30.5cmと言えどもSHS(Super Heavy Shell)を装填し、付け焼刃程度のものであるが火力面では補強されている。

 とは言ってもハリマの甲板装甲も対100cm防御を想定してあり、もう一方の超兵器に何が来るかでその運用を変えなければならない。

 奇しくも尾張が今この海に居る艦娘の中で一番の情報処理能力を持っており、加えて最前線に出なければならないと言う矛盾した状況を捉えていた。

 

「さて……鬼が出るか龍が出るか」

 

「どちらにしても物騒な事には変わりないのぅ……。

と言うよりも、これから我輩も超兵器と相対する事を思うと……」

 

「緊張しますか?」

 

 利根の言葉に尾張は余裕綽々と言った雰囲気で問いかける。

 艦暦の長さでは若輩者だが、その実戦経験は世界中にいるどの艦娘よりも多く、特に対超兵器戦でこれほど頼もしい艦娘はいないだろう。

 

「緊張などしておらん!……と言いたい所じゃが、強がりを言っている場合でもないからのぅ。

じゃが、南方に言った筑摩の帰る場所を守らねば、姉としての面子が立たぬ」

 

 そう威勢よく言う彼女ではあるが、利根の足元を見ると膝から下が少しばかり震えていた。

 だが尾張はあえてそこを指摘せずに「そうですか」とだけ言い前を向く。

 海面が静かになる。先ほどまで鳴き声を上げながら飛んでいた海鳥は姿を消し、水中聴音機が拾っていた海洋生物の鳴き声も聞こえなくなる。

 

「……来た」

 

『偵察機より報告!

超兵器艦隊は現在宗谷海峡から70kmに到達!』

 

 70kmはハリマの主砲の最大射程60kmより10kmほど余裕がある。

 咄嗟に動けるように尾張に搭載された原子炉が全力運転状態へ移行した。

 加圧水型原子炉で核分裂反応が起こり、沸騰した水から発せられる高温高圧の水蒸気が発電用と動力用タービンを回し、冷却材となる海水を貪欲に吸い込み、発生した莫大な熱含んだ水蒸気から熱量を吸引、再び水に戻して再び原子炉へと送り込む。

 原子炉内部から移された熱量を含んだ海水は再び海に流され、海のほんの一部を高温にした。

 

「前方に展開する超兵器艦隊へ、こちら日本国防衛省大本営所属の戦艦尾張である。

貴艦隊は現在日本国の領海を侵犯しようとしている。

直ちに西進を中止せよ」

 

 尾張が相対する超兵器艦隊に通信を送る。

 完全に敵対関係にある超兵器に対し、必要ない行動だが尾張の過去を知る艦娘達はそれにある可能性を見た。

 つまり敵対心を自らに向け味方への被害を少なくすること、その為だけに先ほどの通信を行ったのだが、超兵器以外の艦艇が停船し超兵器2隻のみが前に出てきた。

 

「何のつもりじゃ?」

 

『こちら日本帝国海軍、超兵器ハリマ……久しぶりと言えば良いかな?尾張よ。

こうして言葉を交わすと言うのも新鮮だな』

 

利根が怪訝な顔をするとハリマからの通信が入る。

落ち着いた声音と口調、そして確かな威厳を持って語りかけてくるハリマの声に、尾張以外の艦娘は緊張する。

 

「ええ、私の主観時間では半年くらいですか」

 

『お前からすれば我々との再会はそうなのだろうな。

だが、こちらからすればつい先日沈められたと言う認識だ」

 

「確かにそうなりますね。

ですが貴女方の目的はこうしてただ世間話をしに来た訳ではないのでしょう?」

 

『そうだ。

我々は、あのシュトルムヴィントを降した敵を撃滅しに来た』

 

 はっきりと尾張に対する闘争心で埋め尽くされた言葉だが、それと同時に言外にその他の艦娘は我々の敵ではないという宣言でもある。

 

「おーおー、建造されて1年ばかりの若造が吼えおるのう」

 

『貴様は誰だ?』

 

利根の啖呵にハリマが尋ねる。

 

「我輩か?我輩は利根型重巡洋艦改め、利根型航空巡洋艦の利根である!さっきから若い者同士で吼えあいおってからに、微笑ましい限りじゃのう」

 

 ふふんと利根は相手の顔が見えないのを良い事に、言いたい放題を言っているように聞こえるが、尾張が再びその足元を見れば膝がガクガク震えており脂汗が垂れている。

 口だけではなく練度も尾張から見れば十分なのだが、やはりこうして矢面に立つのは慣れるしかない。

 それでも少しでも尾張に負担が出ないようにこうして強気で出ているのだ。

 ……しかし。

 

『ほほう?』

 

『これは大先輩からのお誘いだなハリマ、どうする?』

 

『確かに艦暦では先輩だが、『こちら側』ではまだハイハイから卒業したばかりの幼子だ。

第一を尾張、第二に利根としよう』

 

 利根の目論みは看破された。

 いや、最初から相手にもされてはいなかった。

 確かにスキズブラズニルで改修され、尾張とは戦力面でほぼ同等となっただろうが、どうしても対超兵器戦では尾張の方が何歩も前に出ている。

 超兵器の二人はその練度の差と言う、不確定且つ決定的な差で優先目標を見定めた。

 

「受けて立ちましょう。

1対2だからと言って油断していると痛い目を見ますよ?」

 

『それはこちらもだ……そろそろこれを外すぞ?』

 

『ああ、貴様の双角を見せてやれ、アラハバキ』

 

 先に放ったハリアーからの映像で、その布に包まれた長物が姿を現す。

 それは二つ連なった細長い円錐状の物、だがそれは所謂馬上槍などと言うものではなく、螺旋状工具の様な外見……つまりドリル状の物だった。

 続いて艤装の保護パーツの様な部分も爆発ボルトで吹き飛び、そこには丸鋸が両舷側に二つずつ並んで配置されていた。

 

「アラハバキ!」

 

『遠近両方そろえた波状攻撃、私の衝角をその身に受けるが良い!』

 

『艦隊前へ、此処で我等の最大の敵を屠る!』

 

 尾張が身構える。

 アラハバキが持つ巨大なドリル型衝角(ラム)が二つに割れ、艤装の丸鋸が起動し突撃体勢に入る。

 ハリマがその巨砲を尾張へと指向させる。

 およそこの世界の人類史では見られない奇想天外な海戦が勃発しようとしていた。

 

「北条提督、奴らの狙いは私に集中しています!

私はこのまま戦闘に入りますが、構わず魚雷を撃ってください!」

 

『しかしそれでは君が!』

 

「私は大丈夫です!

たとえ魚雷が二桁来てもCIWSで薙ぎ払えます!」

 

 実際以前の演習でも吹雪からの9本、利根からの6本の新型超音速酸素魚雷に襲われても、尾張は難なく対処して見せた。

 そして現在この海域で展開している多くの艦娘が装備している魚雷は、吹雪と利根が装備している魚雷よりも雷速が遅い、それに尾張自身の速度もあり命中までの所要時間に余裕がある。

 

『っ、駆逐艦・巡洋艦娘は直ちに作戦を開始!

空母・戦艦部隊も援護攻撃に入れ!』

 

 海峡幅が狭いところで約42kmの宗谷海峡、そこの岩場などに隠れていた駆逐艦・巡洋艦娘達が躍り出る。

 海峡のど真ん中へと進もうとする超兵器艦隊に、主砲発砲などの余分な事はせずに皆一斉に魚雷を射出し、すぐさま岩陰に隠れそこにある魚雷を再び発射管に詰め直し、初春型などの次発装填装置を備えた艦娘達は、先ほど撃ったのとは別の角度に回り込み、再度魚雷を放とうとする機会を伺っていた。

 そして尾張と

 

『なるほど、狭い海峡部を利用した統制魚雷攻撃か』

 

『だが我々にも備えはある』

 

 現在日本本土で待機している駆逐艦が全て発射した魚雷は総計で4桁手前までに上り、魚雷が接近している事に気付いた超兵器艦隊は回避行動に入る。

 同時に機銃や副砲によるハードディフェンスも展開し、接近してくる魚雷をなんとか減らそうとするが、目標は水中で雷跡も見えにくい酸素魚雷な上に、減らしても後から次々と迫ってくるので効果は今一つであり、当然の帰結として超兵器護衛艦隊はその酸素魚雷の洗礼を受ける……その筈だった。

 

『諸元入力完了、VLSハッチ開放』

 

『ガトリングシステム及び噴進砲の準備も開放した』

 

『『この程度で我々を止めれると思うな小娘共』』

 

 超兵器の近接武装が火山の様に火を噴く。

 88mmと127mmの砲弾が薙ぐように水面を叩き、接近していた酸素魚雷の大部分を破壊し水の壁と共に巻き上げられ、残った酸素魚雷は多目的ミサイルと噴進砲により阻止される。

 勿論全てを破壊したわけではないが、それでも魚雷による包囲網はズタズタに引き裂かれていた。

 

『回避行動に十分な隙間が出来たな』

 

『ではこれを行った悪戯娘達に躾をするか』

 

「こちらを忘れてもらっては困ります!

第1から第4主砲!目標、敵護衛艦隊群!射程内に入り次第発砲開始!」

 

 急速前進を駆使して尾張は射程内捕えようとに接近を開始、次第に相対距離が近付いてくると発砲する。

 砲弾重量が2t近くにまでなる砲弾が、光学兵器を十分に搭載できる戦艦と重巡洋艦に降り注ぎ、その体躯を押し潰し粉砕する。

 中には弾薬庫を抜かれた者も居り、艤装が爆ぜると同時に発生した炎と煙が晴れると、その姿は何処にもなかった。

 全ては発砲遅延装置によって可能になった高々精度の賜物であり、これほどの巨弾を相手の横幅に納めた砲撃を行えるのは、後にも先にも恐らく尾張だけだろう。

 相対距離が互いに水平線から体を出す所まで近付くと、生き残った護衛艦隊からミサイルとレーザーの同時攻撃が開始され、レーザーは光の速さで尾張に到達し電磁防壁にはじき返される。

 

(な、なんという光景じゃ!これが尾張が何時も見ていた戦場だとでも言うのか!?)

 

 それを尾張の後ろから付いてきた利根が心の中でそう思わざるをえない。

 演習で尾張からの驟雨の如く攻撃を受けていたが、今回は攻撃力においては尾張と同等の力を持つ敵性艦隊との交戦であり、しかも今回は電磁防壁をつけなければ有無を言わさず艤装を貫通しかねない、そんな威力を持った光学兵器による攻撃を同時に受けているのだ。

 1発1発が致命傷になりうる暴力の波を見て、利根の精神力はガリガリと削られていきこの場から逃げ出したい気持ちになる。

 だが自分の前で弾除けとなってくれる尾張を目にすると、自分だけが逃げ出すわけには行かない。後ろには今度こそ守って見せると誓った日本の地があり、何よりも妹が帰るべき母港があるから……。

 

「我輩を……忘れるでない!」

 

 利根が203mmAGS砲を指向させる。

 AGS砲は発展型砲装置と言われるもので、対地対艦攻撃のみに限定されるがその威力は絶大であり、何よりもGPS/INSによって誘導される長距離対地誘導砲弾を撃つ事でその真価が発揮される。

 今回は高速で動く艦船が相手の為、無誘導砲弾による有視界射撃となるが、利根に搭載されたAGS砲は確かに敵を捕えていた。

 

「利根、交戦を開始するぞ!」

 

 速射性こそ吹雪が装備している速射砲より大きく劣るものの、分間10発と言う以前使っていた同口径の20.3cm連装砲に比べれば、実に2倍の発射速度は心強い。

 その計8門のAGS砲から徹甲榴弾が発射され、尾張の主砲では不得手とする駆逐艦などの小型艦へ射撃を開始する。

 対する敵艦隊もやられてばかりではない。

 光学兵器や誘導兵器で先程よりもさらに苛烈に尾張と利根に反撃を開始し、とうとう超兵器も動き出した。

 ハリマの主砲である100cmの巨砲が徐に動き、その砲口は尾張と利根両方に指向する。

 

「っ!ハリマの主砲の指向を確認!利根さん!」

 

「うおおおお!?」

 

 尾張と利根が散開すると同時に、ハリマから既存艦船が受ければ即死級の巨弾が放たれる。

 命中率はさほど問題ではない。では何が問題なのかと問われればその投射量と、副砲として存在している50.8cm砲と45.7cm砲の存在だ。

 100cm砲の存在で隠れてしまいそうになるが、両方とも大和型と同じかそれ以上の威力を持った巨砲であり、利根はおろか尾張にとっても脅威なのは間違いない。

 そんな大艦巨砲主義の権化ともいえる副巨砲群の指向できる砲門から、一斉に砲煙が噴出し遅れて発射音が響き渡り、しかも装填速度は尾張と同等であるため本当の意味で鉄の雨を降らせ、相対した尾張と利根を沈めに掛かる。

 

『ふむ、大口を叩くだけの実力はあるようだ』

 

『確かに新米にしては良くやる……しかし、周囲からの魚雷攻撃もそろそろ鬱陶しくなって来たな』

 

『ああ、護衛艦隊の数も減ってきた。

そろそろ仕掛けるか』

 

 二隻の超兵器がそう言い合うと共に、その巨大な艤装が徐に全ての方角に指向する。

 その行動の意図に尾張は一瞬考え、そして至った。

 

「っ!全ての水雷戦隊へ遮蔽物に隠れて!周りに遮蔽物がない娘は兎に角煙幕を張りつつ後退を!」

 

『全砲門、全力射撃』

 

 尾張とハリマの声が被る。

 そして火山の如き砲火の炎と閃光、全ての兵装から響き渡る轟音で世界から色と音が掻き消された。

 尾張もこうなっては指示を出す余力も、そして利根の安否を確認する暇もなく、ただ己の生存を第一に考え回避行動に専念する。

 そして何分が経っただろうか。閃光と爆音が収まると周りの陸地の地形は文字通り一変していた。

 海岸線は遮蔽物となる岩が尽く均され砂利となり、超兵器周辺には着弾した砲弾と発射時の衝撃波で魚が浮き、射程内にあった平野にはクレーターが出来ていた。

 

『あ、がっ!?』『痛い痛い痛い!』『ちょっと、この娘意識が無い!誰か手伝って!』『無事な人は直ぐに負傷した娘に手を貸して!』『陽炎型は無事!?』『あんな巨砲をこんな短時間で滅多打ちって出鱈目よ!』

 

 そして尾張の耳には被害を受けた艦娘達の悲鳴と怒号が聞こえてきた。

 かなりの被害が出ているようであり、こちらが把握しきる前に超兵器からの通信で被害状況を聞く事になる。

 

『地均し完了、だが思ったほど与えた被害は少なかったな』

 

『見たところ大破12、中破30、小破は大破中破合わせた数と同等か少し多いくらいだな。

直前のあいつの指示が功を奏したと見える』

 

『しかも被害も少ない即興の旗艦としては上出来だな。

やはり此処で沈めるべきだ』

 

 そして当の尾張は瞼の上に擦過傷を作るだけで被害を抑え、利根も尾張に攻撃が集中していたお陰で無傷である。

 

「くっ……艦娘型になっても流行り手強い……」

 

『それはこちらの台詞でもある。

相変わらず巧みな操艦、天晴れ見事』

 

「貴女方に褒められても嬉しくない!」

 

 尾張が叫ぶと同時に51cm砲が火を噴き、残っていた2隻の大型艦を撃沈する。

 小型艦も利根が既に片付けており、残るは超兵器2隻のみとなった

 

「これで貴女方の手数は無くなった。

ここからは巨人殺しの時間です!」

 

『確かに古来より巨人を倒すのは英雄の仕事だが、果たして貴様は再びその英雄と成れるかな?』

 

 互いに射程圏内に捕らえ、砲撃戦が再開される。

 尾張は増速した速力と急旋回で、ハリマとアラハバキの砲撃を避けながら撃ち返し、利根も尾張に続いて艦載機を発艦させながら距離を詰める。

 

「酸素魚雷をくらえぃ!」

 

 まだ距離はあるが必殺の酸素魚雷を放ち、再び回避行動に専念する。

 魚雷の再装填までの時間を回避に専念して稼ぎ、少なくなった弾薬は近場に浮いている弾薬箱から接収する。利根が出来ることといえば尾張を少しでも有利に戦わせる事だ。

 だがその尾張もハリマ相手では分が悪く、アラハバキも接近すればドリルや丸鋸の脅威があり、下手に近付けずに遠距離戦による削り合いの様相を呈している。

 砲弾が飛び交い、利根が発射した魚雷の迎撃の為に大口径ガトリング砲が火を噴き、艦載機による航空攻撃やそれを迎撃する為の防御砲火も激しさを増したところで、日本側の航空母艦娘達が放った航空機が遂に超兵器上空に到達した。

 奇しくも尾張と利根に注視していた結果、対空警戒を失念していたのだ。

 

『601空の皆、いっけぇー!』

 

『空母航空隊の皆頑張りやぁ!』

 

『ここで負けたら南方に行った皆に顔向けできない!』

 

『第一線は他の子達に譲りましたが私も航空母艦、侮られては困ります!』

 

 雲霞の如く押し寄せた航空機達は、その持てる火力をアラハバキとハリマへ強かに打ち付ける。

 火炎と硝煙、水柱が文字通り二隻を覆い尽くし、誰もが多少なりとも打撃を与えたと確信して疑わなかったが、尾張だけは何時でも回避行動を取れるよう慎重に接近する。

 

「ほう、尾張達に目を向いていた隙を付かれたか」

 

 煙の中からそんな声が漏れ出てくる。

 尾張は次に来るであろう事態に備え、原子炉の稼動率を最大にまで引き上げる。

 そして砲撃と共に黒煙は薙ぎ払われた。

 

「さて、気持ちの良い物を貰った礼だ。

この海域に居る尽く、全て私の前に跪いて貰う」

 

 そこには艤装が燃え、頭から血を流すハリマの姿があった。

 艤装は少し凹みはあるが原型を保っており、火災も直ぐに消化される。

 彼女が持つ対100cmは、大和型が数回撃沈される航空戦力を耐え抜いたのだ。

 そしてハリマの影からは、アラハバキの無事な姿も確認された。

 

「まずは尾張、貴様の艤装を剥がさせて貰う」

 

 アラハバキがドリルを起動させながら言い放ち、ハリマも尾張に主砲を向ける。

 嘗てない戦火が、日本海を薙ごうとしていた。




さて、今回で日本に来た超兵器2人の種別が判明しました。
皆様の予想は当たりましたでしょうか?
当たった方にはマガモを1年分贈呈いたします!(キュピピピピピピピ

改めて投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
次話は夏イベを終わらせてから着手いたします。
そして今回から開示できる質問などに返信をしたいと思います。
ではまた次回にお会いしましょう!

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