ソードアート・オンライン  ~黒の剣士と虹の拳士~   作:朝灯

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久々の投稿になります。
今回も駄文ですが楽しんでもらえれば幸いです!今回からセリフの前の名前を省略し頭文字だけ取っています。
それではどうぞ!



ビーター

12月4日、日曜日、午前10時。このデスゲームが開始されたのが11月6日、日曜日の午後1時なので、あと3時間でぴったり4週間が経過することになる。

 

今現在昨日の攻略会議の会場でもあった<トールバーナ>の噴水広場に44人のプレイヤーが集まりつつあった。昨日の第1回目となる攻略会議でついに1層のボス部屋を見つけたという報告から俺たちプレイヤーはボスを倒し、第1層を攻略すべくここに集まっていた。

 

イ「なあ、第1層のボスってどんなやつなんだ?」

 

俺は隣にいるキリトに問いかける。

 

キ「ん?あぁ、ここのボスの名前はイルファング・ザ・コボルドロード、武器は右手に斧、左にはバックラー、そして腰にはタルワールを所持しているやつだ。姿はβ時代と変わってないと思うが...武装までは分からない。」

 

キリトは簡潔に答えてくれた。

 

イ「やっぱ武装は代わってる確率の方が高いのか?」

 

更に質問する。

 

キ「はっきりとは言えないけど...そう考えたほうがいいだろ。」

 

俺とキリトが話しを終えると今度は別方向から質問が投げかけられる。

 

シ「代わってたらどうなるんですか?」

 

シリカは初心者故の質問をする。

 

キ「まず攻撃パターンとスキルが代わる。恐らくβ時代に見てない武器は出てこないと思う。でもそれを見切ることの出来るのは元βテスターだけだ。初心者は見たことのない武器やスキルに戸惑い、その隙に相手にやられてしまう、なんてことが起こりかねない。」

 

ア「何にせよ油断なんて出来ないってことよね。」

 

キリトの説明を聞いた俺たちは油断してた訳じゃないが、より一層表情を引き締める。

 

キ(ところでイア。)

 

今度はキリトが目で質問してくる。

 

イ(どうした?)

 

俺もアイコンタクトで答える。

 

キ(お前のその格闘術のスキル...ボス戦では使わない方がいいと思う。)

 

イ(一応理由を聞いとくわ。)

 

キ(まず抽選スキルはお前の持ってるものだけじゃない。抽選で当たってるプレイヤーはまだ4人ほどいるはずだ。それは前情報でみんな知ってる。)

 

イ(あぁ。)

 

キ(それを使えば間違いなくお前は嫉妬の対象となるからな。だからここぞという場面、もしくはピンチの場面だけ使え。)

 

イ(了解。)

 

俺とキリトがアイコンタクトの会話を終えると同時にどうやら全員集まったようだ。これから俺たち44人は迷宮区の1番奥のボス部屋に向けて出発する。その前に青髪のリーダーディアベルが俺たちに告げる。

 

デ「みんな、ありがとう!たった今44人が1人もかけることなく集まってくれた!色々と言いたいことはあるが、今は1つだけ言わせてくれ!...勝とうぜ!」

 

その瞬間湧き上がるうぉぉぉぉぉ!という声。

 

イ(絶対に勝たなきゃな!)

 

俺はそんなことを思い、迷宮区に向け足を踏み出した。

 

-午前11時、迷宮区到達-

 

-午後12時30分、最上階踏破-

 

とりあえずここまでは死者は出ていない。問題はここから先のボス部屋だ。最上階のボス部屋の前に到着した俺たちは一旦足を止める。再びディアベルが何か話すようだ。

 

デ「行くぞ!」

 

青髪の騎士は振り向き、そう叫ぶと扉を開け中に入る。

 

俺たちもディアベルに続き、うぉぉぉぉぉ!!という気合とともに足を踏み入れた。

 

広間に明かりが灯り、ボスが姿を現す。<イルファング・ザ・コボルドロード>その名前の下にHPゲージが4本出てくる。そして周りの穴から取り巻きである<ルインコボルド・センチネルが出現する。

 

俺たちは別の隊からこぼれてきた<センチネル>を対処する。その間俺は、チラチラとボスと戦うプレイヤーを見る。

 

イ(レイド隊のHPは約8割...このままいってくれよ?)

 

そんな思いとともに時は過ぎていった。

 

-数十分後-

 

ボスのHPゲージは残り1本となり、<イルファング・ザ・コボルドロード>は一際大きく叫ぶと後ろのタルワールを抜き取る。ここまでは本当に順調だった。

 

イ(なんだ?嫌な予感がする...)

 

俺と恐らくキリトとアスナ、シリカも何か感じとったようだ。

 

イ(なんだ...この感じは...)

 

俺たち4人がそんなことを思っているであろう最中にディアベルたちのパーティが前に出る。

 

デ「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

気合も十分に放たれる片手剣垂直切りスキル<スラント>、それを見たキリトは突然叫ぶ。

 

キ「駄目だ!!!逃げろ!!!!」

 

そんな叫び声はスキル発動音に掻き消される。コボルドの王はニヤリと獰猛な笑みを浮かべると、タルワールではなく細い曲刀を振りかぶる。

 

イ(キリト!あのスキルは!?)

 

俺は急いでキリトにアイコンタクトを送る。

 

キ(あれはモンスター専用カテゴリースキル...カタナ用水平スキル<旋車>だ!攻撃範囲は360度だ!)

 

当然そんなものを躱せるわけもなく、ディアベルのパーティは直撃を受ける。まだそれだけならHPが減るだけなのだが、HPが減ると同時にディアベルたちのHPゲージの横にイナズマの表示が現れた。

 

キ「スタン!?」

 

スタン、それは麻痺を意味する。受けると当然動けなくなり、何をされても一定時間動けない。つまり...この状況はモンスターの前で動けなくなるってことは...

 

俺はこれから起こる最悪の未来が頭に浮かぶ。それを決定付けるかのようにコボルドの王は更に曲刀を光らせ、スキルを発動する。標的になったのは...正面に倒れている青髪の騎士だった。

 

<イルファング・ザ・コボルドロード>は短く唸りディアベルを空中へと打ち上げ、自身も飛び更にスキルを発動させる。

 

イ(このままじゃ...ディアベルは...駄目だ!!そんなことはさせない!」

 

駄目だ!の辺りから声に出しながら、俺は騎士を助けるべく駆け抜けた。

 

イ「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

渾身の気合とともに空中用格闘術スキル<天牙>を発動し、虹色を纏いながら<イルファング・ザ・コボルドロード>を曲刀を蹴りつけ、弾く。

 

床に落ちるとまずディアベルたちを安全な場所に逃がすために行動を起こす。

 

イ「キリト!アスナ!シリカ!手伝ってくれ!」

 

仲間に向けて俺は言葉を発した。

 

キ「あぁ!」

 

ア「えぇ!」

 

シ「はい!」

 

イ「俺とキリトがボスを引き付けるからその間に安全な場所に運んで回復させてくれ!」

 

そう告げると俺とキリトはボスと対峙する。どうやら獲物を逃がしたことで機嫌が悪いようだ。すぐさま曲刀を振りおろしてくる。その攻撃をキリトが弾く。

 

キ「スイッチ!」

 

曲刀を弾かれ隙が出来たところに俺は格闘術単発スキル<掌砲>を発動し、殴りつける。少しボスのHPが減少する。回復が終わったのかアスナとシリカはこっちに走ってくる。

 

<イルファング・ザ・コボルドロード>は今度はスキルを使ってくるが、俺は<掌砲>キリトは<スラント>を使い弾き返す。

 

イ・キ「「スイッチ!!!」」

 

俺とキリトが同時に叫ぶとこっちに向かってくる2人からも

 

シ・ア「「はいっ!!!」」

 

と返ってきた。

 

そして俺とキリトは後ろに下がる。その瞬間アスナとシリカはフードを脱ぎ捨てる。そして露わになる2人の女性プレイヤーの顔。周りのプレイヤーは女性プレイヤーを見て、驚いているようだ。

 

俺自身もシリカの姿に見惚れていた。キリトもアスナの顔を見るのは初めてなのか、驚いていた。

 

驚くのはそれだけが理由じゃない。2人の剣技だ。アスナはレイピア、細剣を使う。ここまでは普通のプレイヤーと変わらないが、剣先がぶれて見えない。

 

イ(速すぎる!)

 

キリトはすでに知っているようであまり驚いてはいない。

 

一方のシリカは素早い動きで相手の攻撃を完全に見切っていた。

 

キ「すごいな...。」

 

イ「...あぁ。」

 

戦いの最中にのんびりしている場合ではないが、思わずそう漏らしてしまっていた。

 

そして再びスイッチが行われる。

 

俺は格闘術2連撃スキル<連掌>を発動させ、ボスに攻撃を行う。相手のHPは残り1割を切っている。

 

イ「キリト!いけるか!?」

 

キ「これで終わらせる!」

 

俺たちは短く言葉を交わし、スイッチを行う。

 

イ(さっき俺が2連撃を習得したから恐らくキリトもだろうな...)

 

キ「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

キリトは大きく叫ぶと<イルファング・ザ・コボルドロード>にスキルを発動させる。大きく下まで切りつけるとボスのHPゲージが大きく減少し、残り1ドットを残し止まる。コボルドの王は俺の勝ちだと言わんばかりにニヤリと笑いスキルを発動しようとするが、下まで到達したキリトの剣がVの字を描くように跳ね上がる。

 

そのスキルが終わるとコボルドの王は停止し、大きな音を残しポリゴンとなって消えた。

 

俺はキリトに近づき声をかける。

 

イ「お疲れさん。」

 

キ「あぁ、そっちもな。」

 

2人してニヤリと笑みを交わす。アスナとシリカもこちらに近づいてくる。その前に広場にいた体格のいい男、エギルが話しかけてきた。

 

エ「コングラチュレーション。この勝ちはあんたたちのおかけだ。」

 

エギルの発言を機に次々と声がかかる。

 

「ありがとう!」

 

「やったぜ!」

 

などみんなが口々に喜びを表している。そんな中突然

 

キ「なんでや!!」

 

とこっちに近づいてくる男がいた。

 

キ「なんでさっきのボスの武器が違うことをみんなに教えんかったんや!」

 

その男は広場でβテスターを非難したプレイヤー、キバオウだった。どうやらキリトの避けろと言う叫びが聞こえていたらしい。

 

キバオウの叫びを聞いた他のプレイヤーも

 

「そういえば...」

 

「そうだな...」

 

など疑問を口にし始めた。そしてその中の1人がキリトを指さす。

 

「お前!βテスターだろ!」

 

喜ぶはずの展開なのに周りはすでにキリトと俺を非難する空気になっていた。

 

キ「それに自分!なんでさっきの虹色のスキルを最初から使わへんかったんや!最初から使っとればこんなに苦労せんかったやろ!違うか!?」

 

それを聞いたシリカとアスナは俺とキリトをフォローしようとするが、俺たちはその間にアイコンタクトを交わし、ある決意をしていた。

 

イ(どうする?)

 

キ(このままじゃβテスター全員に被害がかかるな...俺に案がある、だけどこれはこれから俺をソロプレイヤーとして孤立させるものだ。...止めるなよ?お前を巻き込まないようにする。)

 

イ(俺がお前を1人にするわけないだろ?何を言われても俺は巻き込まれに行ってやるぜ!)

 

そして、フォローしようとしたアスナとシリカを両手の微妙な動きで制す。

 

イ・キ「「ははははははははは!!!!!」」

 

俺とキリトは高笑いをする。周りのプレイヤーは驚き、目を剥く。

 

キ「元βテスター?あんな素人連中と俺を一緒にしないでくれよ!」

 

キ「元βテスターのほとんどはレベリングのやり方も知らなかったんだぞ?今のあんたらの方がよっぽどましさ!」

 

キ「俺はβテスト中誰もたどり着けなかった層へと到達した!1人でな!そこで散々さっきボスが使ってたスキルを見続けたんだ!だから対策も知っている!」

 

キ「他にも色々と知っているぜ?それこそ鼠のアルゴなんか問題にならないくらいにな!」

 

「なんだよ!?それ!?」

 

「そんなのもうチーターじゃねぇか!」

 

「チーターとβテスター、2つ合わせてビーターだ!」

 

そんな非難の中、キリトはウィンドウを開きスクロールをするとアイテムをタップし黒いコートを身に着ける。

 

キ「ビーターか、いいね...使わしてもらおう、そうだ!俺はビーターだ!俺はこれから2層へ行き転移門を有効化しといてやる。」

 

キ「この上の出口から主街区までフィールドを少し歩く。ついてくるなら初見のモブに殺される覚悟しとけよ。」

 

キリトはそう言うとコートを翻し、ボスが座っていた玉座の後方の扉まで歩いて行き、先に上って行った。

 

イ(さてと...次は俺の番だな。)

 

イ「あいつだけじゃない!俺だってこの抽選スキルを親のコネで手に入れたんだ!俺の親は茅場晶彦の部下だ!他にも色々と優遇されてるんだぜ?」

 

イ「流石にログアウト出来なくなるのは予想外だったがな!」

 

キリトの上をいく発言に更に怒声や罵声が飛んでくる。

 

「汚えぞ!」

 

「虹色のエフェクトとコネ、お前はそのまま七光りだ!」

 

イ「七光りね...気に入った!使わせてもらうぜ!」

 

イ「俺はあいつのあと追う!死にたいやつから追ってきな!」

 

俺はそれだけ言うとキリトが上って行った扉へと歩き、そのまま2層へ続く階段を上った。

 

するとそこには先に行ったキリトが立っていた。

 

キ「よかったのか?あんなこと言って。」

 

イ「まあ、あの場合はあれ以外なかったからな。」

 

イ(俺の親が茅場晶彦の部下でコネで優遇されてるってのはあの場を乗り切る為の嘘だからな。)

 

俺とキリトが話していると後ろから声がかかる。シリカとアスナだ。アスナはキリトの方へ行き、シリカは俺の方へ来た。

 

イ「どうして来た?」

 

シ「確かに死ぬのは怖いです。でも守ってくれるんですよね?」

 

イ「...こんな俺に君を守る資格なんてない。別の頼れる人を探してくれ。」

 

シ「私も一緒に行きます。どんなことがあってもイアさんは私が守ります。」

 

少女の静かで力強い言葉を聞いた俺は

 

イ(これはどんなことがあっても諦めない人の目だ...)

 

と思い再び少女に誓う。

 

イ「分かった、俺も守って見せる。」

 

それを告げるとキリトの方へ向く。キリトもちょうど話終わり、アスナは1層へと降りていった。

 

キ「行くか。」

 

イ「あぁ。」

 

シ「はい!」

 

こうして第1層のボスを倒した俺とキリトは汚名を自ら被り、俺はシリカを連れ、2層へ続く階段を上って行くのだった。

 




長引きました!
まとめるのが上手ければこんなことにはならないんですが...
今回も感想お待ちしています!


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