はまち外伝   作:ふたなり2

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いろはが八幡に好意を抱いてるのを知った小町は八幡にいろはへ

アタックするよう進言するのだが。




小町 again ( ユキの忠告)

 

 

「じゃ〜行くか図書館に。」

 

「はい!」

 

 

ズボンのポケットに両手を突っ込んでゆっくりと歩くお兄ちゃん。和らいだ笑顔で元気よく返事をしてお兄ちゃんの後をトトっと可愛らしく追ういろはさん…

 

「お似合いじゃん!」

 

 

2人の後を何処まで付いて行けるか不安だったけど、ギリギリなのかな?意外と図書館が近かったから何とか付いてけたって感じ。

 

 

「まずは、このコーナーの関連本を見なきゃあな。」

 

「あ!これ読んだことあります!」「うん?どれだ?」

 

「コレです、あっ…」「あ…悪い…」

 

うん?なになに?ちょっとあなた?どうしたの?へぇ〜

本を渡す時に手と手が触れてお互い目と目が合って見つめ合って…いい感じに?

 

「って、今、何ですか?本を渡す時に偶然を装って触れませんでしたか?

ちょっとトキメキ掛けましたがやっぱりよく考えるとまだ早いのでもう少し時間を

掛けてからアプローチして下さい、ごめんなさい。」

 

「あ〜分かった分かった。後から聞くからその本の内容は覚えているか?」

 

「む〜っ、ちょっと無視しないで下さい先輩!内容は大体覚えてますよ。」

 

「お前も案外だな。じゃ〜話が早い、この本の感想をベースに編集出来そうだな?」

 

「はい先輩!先輩に相談してやっぱり良かったです!頼りになります!」

 

「おい?あざといぞ、一色。」

 

「今のは本心です!」

 

ハナをクスンと鳴らしてる いろはさんは可愛いかった… 

 

本を選定して2人でまとめて行きノートに書き綴る作業を仲良くしてる。

 

「これで大筋が大体、まとまって来たな・・・ちゃんと見ろよ、また来るの大変だから。」

 

「もぉ~酷いですね見てますってばぁ~先輩の方こそ見逃さないで下さいね。

後で苦労するのあたしなんですから。」

 

「うわぁ~何その上から目線、まぁ…ちゃんと見るけどな。」

 

仲良く並んで集めた本をそそくさと片付けていった。

 

 

・・・・・・

 

 

「よし、こんなもんでいいだろう。」

 

「はい、先輩のおかげです!有難うございました。」

 

深々とお辞儀をして何度も礼を言ういろはさんに少し照れてるお兄ちゃんであった。

 

「明日・・・明日の昼それの続きを見てやるから・・・」

 

「えっ?・・でも、先輩・・」

 

「いいんだよ別にやる事ないし何なら雪ノ下達にも頼んで一緒にやるか?」

 

「いえ…っとぉ、別に先輩一人で大丈夫ですから、そんなに迷惑ばっか掛けられないじゃないですか。」

 

「俺ならいいのかよ、まっいいけど。」

 

「兎に角、んっ、今日はありがとうございました先輩!」

 

「おう、礼には及ばない。」

 

「先輩・・・」

 

「何だよ。」

 

「何でもありません、じゃまた。」

 

「おう、おつかれさん。」

 

 

辺りは既に夕闇を過ぎ静かな夜に変わっていた。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

「あのねお兄ちゃん?」

 

ちょっと前まではお通夜の様な夕食が続いてたけど、お兄ちゃんとあたしだけの時は

前と感じが同じになって来た。何時ものテーブルに何時もの席であたしとお兄ちゃんで食事するの。あたしの分はお供え物とお水を並べて貰って我慢してだけどお兄ちゃんとお喋りしながらは前と同んなじだしお兄ちゃんも、すっかり元通りとはいかないけど元気取り戻して変な笑い方しながらモグモグと食べてる・・嬉しい。

 

「何だよ?」

 

「あのいろはさんってお兄ちゃんの事好きだと思うよ。」

 

飲んでた食後の珈琲を軽く噴きながら慌てた様子であたしに問う。仕方ないなぁ~ゴミぃちゃんは!

 

「アホか、そんな事ある訳無いだろ一色が好きなのは葉山って奴なんだよ。何で俺に

好意を抱かなきゃあならないんだ?」

 

「ほら、雪乃さんと結衣さん生徒会長阻止作戦の時いろはさんを押したでしょ?

それでその後のサポートをお兄ちゃんが何かとしてるじゃん、其の内にそんな

お兄ちゃんの事を好きになってもおかしくないよ。

だって何時も側に居てくれて困った時に誰よりも助けてくれて頼りになる人の事を

好きじゃないなんておかしいよ、小町の感に狂いはないから絶対間違いないって

お兄ちゃん、いろはさんにアタックしなよ!」

 

「はぁ〜何言ってるのお前?死んじゃった時に何処かおかしな所をうったんじゃあないか?」

 

 

 

「あのねお兄ちゃん?小町は何処も悪くはないからね死んでるけど。」

 

「そうですか。」

 

どうも説得力にかけるなぁ〜

 

「じゃあさ、お兄ちゃん。あたしと賭けをしない?」

 

「はぁ〜何を?」

 

「もし、いろはさんがお兄ちゃんの事を好きなのが分かったらお兄ちゃんが

いろはさんに告白するの。」

 

「ハイハイ、分かったから。あり得ないし、大体どうやって証明するんだよ?後、

お前賭ける物あんのかよ?」

 

うぅ、流石お兄ちゃん……性格が腐ってるだけあって疑り深い。

 

「兎に角、小町に任せてよ。賭ける物は勝敗が決まった時に見せてあげるから

楽しみにしててねお兄ちゃん!」

 

「まっ、どっちにしてもあり得ないからいいけどな。」

 

「じゃ、早速決まりね〜お兄ちゃん!」

 

・・・・・・・・

 

 

「……って言う訳だよユキちゃん。」

 

「どんな訳だよ、小町ちゃん?それでこれからどうするつもり?」

 

「えっとぉ、そこなんだよねユキちゃん。どうしようかな?」

 

「ハァ、やっぱり考えてないよね。」「うん!」

 

そこなんだよねぇ〜『これだ!』って言う証明が出来ないとお兄ちゃん、納得しないし

例え出来てもあのヘタレお兄ちゃんが告白する事出来るかなぁ。

 

「頑張らないとだね小町ちゃん。」

 

「何かいいアイデアない?ユキちゃん。」

 

「も〜少しは自分で考えなよ小町ちゃん。」

 

「う~ん、そう言われてもですね~。……閃いた!」

 

「何かな?」

 

「……そう言えば、テレビのオカルト特集か何かで幽霊が乗り移っちゃったりとか

相手の枕元に出てきたりを見た事あるんだけと、あんなのデマだよね?」

 

「デマじゃないよ、ホントの事だもん。」

 

ユキちゃんは涼しい顔で言う。

 

「うげぇ~、マジヤバイじゃんそれ。じゃあさぁ…あれ全部ホントだったの?

嘘だよね?怖いから嘘だと言って~。」

 

「あのね…小町ちゃん?その怖いのに自分なってるから。」

 

「ん~!ユキちゃんの意地悪。あれ、そうだよね?」

 

「テレビでやってる心霊特集の半分はホント、あと半分はデマだよ。人間が

作り出した創作、ノンフィクションだよ。」

 

ユキちゃんって猫のくせにあたしより博識だよね~凄いじゃん。

 

「じゃあ、あたしがいろはさんとか奉仕部の結衣さんや雪乃さんの枕元に出たり

乗り移る事が出来ちゃうんだ!」

 

ユキちゃんは大きな溜め息をつきながらいかにもヤレヤレと言う感じで話し出した。

 

「うん基本的に小町ちゃんが今言った事は出来るんだけどね…」

 

「何よ、ユキちゃん?他に何かあるの?」

 

「うん…何回もするとね…。」

 

ユキちゃんは何故か言い難くそうにしてる。

 

「教えたくなかったけど、言うことにするよ。いい?小町ちゃん、

これから言う事は絶対に守って!じゃないと教えない。」

 

「分かった、ユキちゃんの言う事を小町は絶対守るから、約束は守るから

教えてほしい。」

 

「うん、小町ちゃんを信じるよ。」

 

あたしの足に的割りつくかの様に自分の横腹を擦り付け、何事も無かったか

みたいな顔をしてちょこんとお行儀よく座った。そして、ゆっくりとあたしに

言い聞かせるよう話し出した。

 

「いい?人や動物に憑依できるけど何度も同じ人とかに憑くと本当の地縛霊に

なっちゃうの…そして記憶も何もかも全て忘れちゃって永遠に悪霊として生きてる

人に悪さをしてさ迷う事になっちゃう。

仮に運良く地縛霊にならなくても乗り移った人の人格に吸収されて消えて

なくなっちゃうんだ。」

 

「ゴクリ」と自分の生唾を飲んでしまった。

 

「…分かった、気を付けるね。で何回位でアウトになるの?」

 

「人によって違うみたいだけど2回が限界だと思って。3回目は無いと思った方が

いい、ほら『仏の顔も三度』と言うけど安全策をとった方がいいから。」

 

 

「分かった!2回迄ね。」

 

「絶対だよ、約束破ると地縛霊だから。」

 

「あ~ん、怖い事言わないで小町もみんなにこれ以上迷惑かけたくないから

大丈夫だよ。」

 

「うん。」

 

 

ユキちゃんは安心したのか前足で顔を洗いだした。

 

「因みに街中歩くとよく暗くなってる所があるでしょ?」

 

「あ~あるある、あれきになってたんだけど何なの?」

 

「あれ約束破った人がずっと漂ってる場所なんだよ。」

 

「えっ、そうだったの?でも何となく分かるような感じ。」

 

「あれがたまに人間に悪さして見えたりするからテレビで特集やってるんだよ。」

 

 

ゆきちゃんの説明でこの世の七不思議の1つが解明したような気がした。

 

 

 






本当に久々の更新になりました、また頑張って書いて見ます。



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