はまち外伝   作:ふたなり2

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お昼を八幡と一緒に食べようと思った留美だったが
肝心の八幡が何処にもいない、やっとの思いで
探した八幡は意外な所にいた。





留美と八幡 ( 2人きりのランチ)

梅雨の合間、今日は気持ちのいい天気になったお昼時に

私は八幡を探した。一緒にお昼を食べようと思って。

 

 

ところが、職員室にも購買部にも何処にもいない…

 

 

「何処にいんのよ、もう…」

 

 

早目に教室を飛出して探しに来たのだけれど、お昼時間が

10分も過ぎて諦めかけたとこへ廊下を歩く静先生にバッタリ会った。

 

 

「どうしたんだ?鶴見、お弁当抱えて私に差入れか?

悪いな、そういう事は何時でもウェルカムだ!」

 

 

お昼を早くも食べちゃったらしく楊枝をシ〜シ〜させてる。

先生、それは女の子としてどうかと…ヤバイって

 

 

「先生お行儀悪いですよぉ〜、もう。それよか、八幡、いや…

比企谷先生は何処に行ったのですか?」

 

 

「あ〜失礼、カップ麺のチャーシューがだなぁ、ん!

比企谷なら校舎東側の踊り場でお昼をとっるんじゃないか?

奴は在校中いつもあそこで食ってたから間違えないだろ」

 

 

「何でそんな何処にいるんですか?」

 

 

「理由は知らないな、何なら聞いて見たらどうだ?鶴見、

奴を探してどうするんだ?まさか一緒に弁当を食べるのか?」

 

 

「えつ、奉仕部の活動について聞くんですよ。比企谷先生に

掲示板復活させてもらったし打ち合わせをしたいし…」

 

 

何だか急に恥ずかしくなったよ、もう…

 

 

「そうか、そうか。じゃ〜活動を楽しみにしてるぞ!」

 

 

「変な期待をしないで下さいね!ちっ、チョットだけ

聞くだけなんですから」

 

 

「あ〜分かった、分かった。早く行かないと休み時間

終わっちゃうぞ」

 

 

静先生は片腕を高く上げ欠伸をしながら職員室に

帰って行った、何だかおじさん臭いよーもう。

 

 

踊り場に行ってみたら、先生の言ってた通り八幡が

パンをパク付いている最中だった。

 

 

「八幡探したよ、こんな所で食べてんだ。」

 

 

「留美か、ここは俺の憩いのスポット…ベストプレイス。

昼どきに吹く風が心地良くて在学中はいつもここで食べてたんだ。」

 

 

「1人で?」

 

 

「何それ?喧嘩売ってんのか?誰と食べるんだよ、

そんな奴いねえし1人の方が気楽でいい。」

 

 

「だから他の実習生とも連んでないし流石、八幡だね。」

 

 

「そういう留美はどうしたんだ?みんなとお昼しないのか?

一色はどうした?」

 

 

「ほのかちゃんはいつもお弁当の時、居なくなるから知らないわ。

多分、他所のクラスの子とたべてると思う。」

 

 

今度、一緒に誘ってここで食べようかな?

 

 

八幡と話すと落ち着く、何でだろ?

八幡の隣りに腰掛けお弁当を広げ食べるつもりで

来てるし座っちゃうし。

 

 

八幡の言う通り時たま心地良い風が吹いて来る…

 

 

「あのさ、クラブの事もっと聞きたいしお弁当ここで

食べていい?」

 

 

「お好きにどぉーぞ、って、クラブの話?奉仕部のか?」

 

 

「うん、早くしないとお昼終わっちゃう…うん、もぐ」

 

 

「焦らなくていいぞ、まだ時間あるし。」

 

 

「八幡の時は何人で奉仕部やってたの?」

 

 

「3人だ、留美も知ってるだろ?雪ノ下と由比ヶ浜を。」

 

 

「八幡と一緒にケーキを作ってた人?なら分かる。」

 

 

「あの時の会長さんがほのかちゃんのお姉さん?」

 

 

「そうだ、他に聞く事はないか?なら、もう行っちゃうぞ。」

 

 

「あん、まだ食べ終わってないよ。待っててくれるんでしょ?」

 

 

「そんな約束した覚えがないぞ?お前待ってたら俺が先生に

また殴られるから、ヤバイって」

 

 

「まだ、時間あるって言ったじゃん!」

 

 

「それは生徒の話で俺達、実習生は早いとこスタンばってないと

いけないんだよ。」

 

 

な〜んか、嫌だな八幡逃げるみたいで困らせたくなる。

 

 

「だって、食べきれないだもん。八幡も手伝ってよ!」

 

 

「あ〜何でお前の弁当食べんの手伝う必要あんの?」

 

 

「奉仕部の後輩が困ってるんだから助けてよ、八幡も

一緒に食べて!」

 

 

「俺がお前の弁当を一緒に食べんの?あ〜もう、

分かったから早いところ食べてくれ」

 

 

「はい、じゃー、あ〜ん。」

 

 

「うっ、何してんの?あの鶴見さん?お箸は2膳無いのかな?」

 

 

「あるわけ無いでしょ、はい、あ〜ん。」

 

 

「流石にマズイっしょ……」

 

 

「…………早く……こぼれちゃうから」

 

 

「バッカ、お前変な言い回しすんなよ。恥ずかしくなる。」

 

 

「…………、うっ、あ〜もう、知らん!あ〜ん、パクっ!」

 

 

顔が真っ赤、ぷっ八幡可愛い〜

 

 

「美味しい?はい、次卵焼きね。私が作ってきたんだ。」

 

 

「意外と美味いな、自分はいいのか食べなくていいのか?」

 

 

「意外は失礼ね、こう見えても料理はママの代わりによくする方よ」

 

 

「そっか、食べたいだけ食べたら後はこっちに回してくれ、

時間ないし付き合いきれん。」

 

 

「ごめん、そうするね。チョットだけ待って。」

 

 

恥ずかしがる八幡の横でお昼を食べるのが久しく楽しい。

この後、私のお弁当を大急ぎで食べてくれて嬉しかったな、

八幡に悪い事しちゃったけど放課後部室に来てくれるみたい。

 

 

ごめんね、八幡意地悪しちゃって。

 

 

午後からの実習、頑張って!

 

 

 


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