奉仕部OBを交え本格的に告白作戦の会議を開く事に。
教育実習も今週で、終わってしまう。
八幡、意外と授業が上手いから新卒の
先生って感じで錯覚をおこしちゃう。
来週、八幡の授業はもう無い。いつもの
静先生の授業だ。
ウチの学校に先生で来ないかな…八幡。
・・・・
放課後,奉仕部にほのかちゃんと急いで
足を運んだ。部室のドアが既に空いていて
其処には先に来て居た雪ノ下、由比ヶ浜先輩が
並んで懐かしそうにして座っていた。
「こんにちは、鶴見さんに一色さん。
ごめんなさいね、勝手に部室を開けて
押し掛けちゃって。平塚先生を訪ねて
お邪魔したら、先に部室のドアを開けて
くれたの。」
「やっはろー、留美ちゃんとほのかちゃん!」
「こんにちは、雪ノ下先輩、由比ヶ浜先輩。」
「初めまして、雪ノ下先輩、由比ヶ浜先輩。」
ほのかちゃんは少し緊張気味に挨拶してた。
「一色ほのかちゃんね、ほのかちゃんは
いろはちゃんによく似て可愛い!」
「えっ、そんな、でもお姉ちゃんがお世話になっいてます。」
「いえいえ、こちらこそ、いろはちゃんにはお世話になっています!」
「由比ヶ浜さん、姉妹なんだから容姿が多少は似てても
おかしくはなくてよ。」
「そうだよね、ゆきのんとこも美人の陽乃さんと感じ似てるもんね。」
「姉さんと性格はまるで違うけれども。」
「アハハ、美人は否定しないんだね。」
「はい、ウチも姉とは全然違います。姉は明るく
誰にでも打ち解けたり声を掛けたり積極的な性格
だけど私は内気で引っ込み思案で大人しいと思います。」
「そう言われると何だか雪ノ下姉妹と性格は類似してるな。」
と言いながら八幡が遅れて部室に入って来た。
「遅いぞ、ヒッキー!何やってたの?」
「在学中でもよく遅れて来る事が割とあったわね、一体
何をやっていたのかした遅刻谷先生?」
「教育実習生はやる事結構あるんだよ、これでも
早目に来たほうだ。それに在学中の事は時効だ。」
「そうなんだ、そう言えば平塚先生に職員室で
色々言われていたもんね。」
「あ〜説教が長くて堪らん事もあるぞ、最近自分の
ストレスのはけ口を俺にブチまけている感じがする。
誰が早く貰ってくれないかな?」
「ヒッキー、それ聞かれるとヤバイよ。」
由比ヶ浜先輩がアハハッと苦笑いを。
「そうね、しっかりと後で報告するとして
そろそろ今日の本題に入りたいわ。」
「あ〜報告しちゃうのかよ、報告しなくていいから、
報告しないで下さいお願いします!」
また、八幡が雪ノ下先輩に謝ってる。ホント、弱いんだから。
「それでは先輩の方々にも参加して頂いての、
『一色ほのか告白作戦』を開きます。」
「うん!みんなで良いアイデアが出るといいね!
頑張ろう〜!」
「そうね、考えてみましょう。」
「はじめるか。」
「皆さん今日は集まって頂いて有難うございます。
私事で申し訳ないのですが…よろしくお願いします。」
顔を真っ赤にしながらほのかちゃんが挨拶し会議となった。
「皆さんのお力を借りる形で申し訳ありませんが、
良いアイデアを頂ければと思います。」
「まず………。」
これまでの経過と想い人、浜田君情報を報告し
3人でまだ、思った程良い考えが浮かばず困って
いる事を告げた。
「やり過ぎるのは良くないけれど、自分をアピール
するには比企谷君の案はいいかも。」
「そうね、お弁当は私もいいと思う。私もやって
みようかな?」
由比ヶ浜先輩が八幡の方を上目使いで頬を赤らめて
見てる。もぅ〜なに?
「止めた方が良いぞ、由比ヶ浜!お前が作った弁当で
そいつが亡くなるのは余りにも気の毒だ。」
「お弁当で相手、殺しちゃうってどんだけ酷いレベル
なんだ〜!そんなに酷くないし〜!」
「そうね、由比ヶ浜さんは5回に1回は食べられる物を
作れる様になったけれど、まだ人に食べて貰うレベル
にはなっていないわね。」
「ユキノンまで、酷い〜!」
「私は事実を言ったまでで、今後の成長と期待の意味を込めて
頑張るしかないわ。」
「ロシアンルーレットかよ、後、雪ノ下フォローなって
ないぞ。」
「えへへ、ヒッキーが庇ってくれた。」
「庇った覚えがないんだが…。」
「庇ってないんだ〜!」
なぜか、由比ヶ浜先輩ハブられてる可哀相。
「兎に角、一色さん料理の方はどうなのかしら?」
「割と家にいる事が多いので最近は母の代わりに
料理をする事があるので美味しくはないかもしれないけど
作れると思います。」
「お〜 一色、それは特技の一つになるしピーアールとしては
ポイント高い。」
ブウ〜八幡、ほのかちゃんには何か甘い感じ。私の時と
違うし。
「私もイイセンいってるよね比企谷先生〜、この前の
玉子焼き美味しいって言ってくれたもんね!」
「えっ?」「………。」
「比企谷先生にお弁当食べて貰ったの留美ちゃん?」
ほのかちゃんが不思議そうに私に聞いて来た。
二人の先輩は少しだけ驚きを隠せず一瞬フリーズ状態に。
「お昼休みに私の作ったお弁当を美味しいって食べてくれたんだ。
私が『あ〜ん』してよって言ったら『あ〜ん』って
やってその後、美味しいって。」
「へぇ〜。」「………そう。」
うわ、二人ともヤバッ!恐い、恐い。でも、言っちゃった!
「誤解だ!昼休みに俺が何時ものベストプレイスで
パンをパク付いてたら留美の奴、奉仕部の事を聞きに来て時間が
無くなったと言ってうるさいから弁当を食べるの手伝っただけだ!」
「でも、『あ〜ん』はしたんでょ?」
「は…い、一回だけ、仕方なく。」
何で浮気がバレた旦那さんみたいになってんのよ八幡!
「何それ、仕方なくって?美味しいって嬉しそうに
言ったじゃん!」
「ヘェ〜美味しかったんだぁ〜。」
二人の先輩は伏し目がちに八幡をみてブツブツ言ってる。
「じゃ〜さ、ヒッキー今度私がお弁当自信作を
持って来るから食べさせてあげるね!」
「ゲッ!気持ちだけ貰っておくから由比ヶ浜は食べられる物を
作れる様になってから検討してもいいから、それからで。」
「大丈夫だよ!食べられるもん!」
「由比ヶ浜さん、5回をせめて2回に1回にしてから
それから考えましょうね。」
「慰められたぁ〜!」
慰めてないから、由比ヶ浜先輩・・・
「コホン、その点、私は何時でも大丈夫だから…
その実習が終わってからお弁当を一緒に食べても
いいのだけれど。」
さりげなく自分を抜け目無くアピールする雪ノ下先輩が
何故か可愛らしい。負けてないよね。
「あ〜俺の弁当の心配はいいから、ほのかのお弁当とか
対策をだな。」
「話が逸れたわね、それは後で検討する事にして。」
雪ノ下先輩が恥ずかしそうにコホンと咳をしてる。
「後でまたするんだ。」
顔を引きつらせて笑ってる止めて不気味だから、八幡…
「今度の練習試合後に彼に差し入れるのはどうかな?」
「そうね、今度の日曜日に練習試合があるからいいかも。」
「ほのかちゃん、いいかな?」
「あっ、はい。頑張ります!」
頬を染め俯き加減に返事をするほのかっち、胸の前で小さく
コブシを握ってる。あっ、私が見たんで恥ずかしがってるけど、
張りきろうって感じがする。
「でも、マネージャーの存在も気になるわね。」
由比ヶ浜先輩がポツリと言った。
「う〜ん、クラスも一緒で同じグループだし何時も
一緒にいる感じがするんだ。」
「ホントにつきあってないの?」
「違うみたい、それは教室で見てても分かるから。」
「なんか、高校の時の優美子みたいだね。」
由比ヶ浜先輩がポツリ、思い出したように言った。
「兎に角、マネージャーさんをお弁当手渡しする時に
彼氏から引き離さないとややこやしくなりそうね。」
「それ、あるかも!」
「問題はそこだな。」
「お熱の子に恨まれてもな、上手く引き離さないとうるさいぞ。」
「そこは私がなんとかするしかないね。」
「頑張れるか、留美?」
「うん!八幡が頑張れっていうなら頑張る!」
「八幡…。」「コホン…」
「比企谷先生は凄くモテるのね。」
「ばっかお前、そんなんじゃない!平塚先生から
言われてるから仕方なくだ。」
「お〜お〜ヒッキー恥ずかしがってる!」
満面の笑顔の二人、その迫力に八幡は何故か
ビビってるよ。