……え?誰だか分からないって?(~_~;)
さあ誰でしょう!
~刈谷龍騎side~
昔、よく憧れたものがあった。
鳥○明さんが書いたドラゴンボールはその中でも俺は凄くハマった。
だがそんな事を続けてられるのは小学生くらいまでだ。
俺は廚ニ病でもないからすぐに憧れるのをやめた。
気付いたら何も無い空間にいた。
まだ寝ぼけているのか、辺りを見渡しても何も無い。
「目が覚めたかの?」
「うわっ!?……何だ爺さん、というかどっから湧いたんだ?」
さっきまで何もなかった空間に、白く長い髭を生やした仙人のような爺さんが宙に浮いている。
「ホッホッホ」
すぐに臨戦態勢になるが、爺さんはただ嘲笑うかのように嫌な笑みを浮かべる。
「何がおかしい」
爺さんは笑うのを止めたかと思うと、長さが1メートルはある杖を地面につける。
「かかってくるのじゃ。お前さんの実力を図る」
足を地面につけ、爺さんは目を見開く。
「うわっ!?」
突然、爺さんから何かが噴き出すような気がした。
「ほう……やはり彼の子じゃな……では、行くぞ!」
ドォン!と地面が抉れる程のスタートダッシュで一瞬のうちに肉薄してきた爺さんは、杖を器用に扱って攻撃してくる。
両手を顔の前で交差して爺さんの攻撃から身を守るが、堪えきれずに拳を振るう。
「ぬぅっ!?……まだまだじゃな」
拳は爺さんの腹にめり込み、数メートルは吹っ飛んだ。
「なんだ……この力は……」
「戸惑っておるようじゃな。じゃがそれはお前さん自身の力じゃ。まあ細かいことは、この戦いを終わらせてからじゃ!」
再度、猛スピードで迫ってくる爺さんに、俺は拳を構える。
****
「合格じゃ」
30分程戦うと、急に爺さんが杖を降ろす。
「あ?」
「合格じゃと言ったんじゃ。まだ若いのに耳が悪いんかの?」
「ってことは、いい加減この状況を説明してくれんのか?」
「当たり前じゃろう。むしろお前さんが聞こうとせんでも無理矢理聞かせるぞい」
もう一度、爺さんは杖をつく。
「もう分かっているじゃろうが、ここはお前さんがいた世界とは違う。簡単に言うならば『天上の世界』かのぅ」
「天上の世界?何だそれは」
「自分で少しは考えんかい……言葉の通りじゃよ」
杖の先を俺の方に向ける。いや、正しくは俺の後ろを指してだが。
「あれが何か分かるかの?」
後ろを振り向くと、やはり先程までは無かったよく分からない何かがあった。
「何だ?」
「やはり分からぬか……取り敢えずあの中を潜ってみるかの?」
「絶っ対に断る!」
「まあそう言わずに……」
「絶対何か仕込んであんだろ!」
この爺さんは全く信用ならない!
「あれは天国への道じゃ。ここは天国と地獄への分かれ道となっている場所じゃ」
「おいコラ。てことはあれを潜ってたら死んでたのかよ」
やっぱり通らなくてよかった。
「わしの名は、全知全能の神『オーディン』」
「は?確かオーディンって北欧神話の主神の……」
「そのオーディンじゃよ。まあ天界では主神はわしでは無いのじゃが……」
白い髭を撫でて微妙な顔をするオーディンは、少なくとも神話の主神とは思えないな。
「お前さん、転生とかに興味はないか?」
「……」
「あれ?無反応?」
転生って死んだ人間に行われることじゃないのか?
「……俺って死んでるのか?」
純粋な疑問をじいさ……オーディンにぶつける。
「いや、微妙なところじゃな。正直、今のお前さんは半生半死といったような状態じゃ」
「何だそりゃ?」
「さっきも言ったじゃろ?ここは『天上の世界』じゃと。本来お前さんは死ぬはずのない、いや言い方を変えるならば死んではならぬ存在じゃったのじゃよ」
「俺が?何でまた……」
さらに分からなくなってきたぞ。ったく、何処の世界も爺さんってのは回りくどい言い方をするなぁ。
「……ならば教えよう。お前さんが人間ではないからじゃ」
「……なんか怒ってないか?」
「お前さんは一種の先祖返りなんじゃ」
俺の言葉を無視して続ける。って今なんつった?
「だから先祖返りじゃと言っとろうが!」
まるで心を読んだかのように俺が思ったことに返すオーディ……爺さん。
「……言い忘れておったが、わしは心が読める。お前さんが先程からわしをバカにしたようなこともすべてじゃ」
……マジ?
「大マジじゃ♪」
ニコォリと笑って杖を構える爺さん。
「ふぇんふぉふぁえりっふぇ?(訳:先祖返りって)」
先程爺さんに顔を殴られ過ぎてマトモに喋ることが出来なくなった。顔が凄く痛い……。
「ふむ、先祖返りとはお前さんの両親よりも遠い者の遺伝子を持って生まれた者のことじゃ」
お茶を片手に一息ついた爺さん。
「まあお前さんの場合は普通なら考えられんがのぅ」
「え?俺ってどういった先祖返りなんだ?」
やっとマトモに喋れると思ったら、急に意味深なことを言い出す。
「とある神の先祖返りじゃ。勿論この時点で前例なぞあるわけないが、お前さんは更に特別じゃ」
「お、俺が神だと?えぇと、俺ってどんな神なんだ?」
「むぅぅ……」
そこで押し黙ってしまう爺さん。いやマジでやめて凄く怖いんだけど。ホント疫病神とかじゃないよな?
「……聞きたいか?」
「当たり前だろ」
「……仕方ないのぅ、まあ彼には恩もある。……お前さん、神の中で一番偉いのはどんな神じゃと思う?」
「……?さあ、爺さんじゃないのか?」
「残念じゃがハズレじゃ。わしの上に二人、いやニ神ほどおるのじゃ。その神の名は《創造神》ブラフマーと《破壊神》シヴァ」
全く聞いたことのない名は、俺にとって懐かしく感じた。
「創造神と破壊神。それがお前さんの持って生まれた神の力じゃ。じゃが、お前さんのその強大すぎる力は、全くコントロールができておらんためか、お前さんのいた世界すら崩壊しかけた」
「崩壊……俺のせいで」
自分の両手を見ると、何かオーラのようなものが纏われていた。
「なんで……なんで今さらなんだ?」
「……お前さん、自分が他の者より凄いと思ったことが一度でもあるじゃろう。それを廚ニ病とか思っておらんかったか?お前さんの力は歳を重ねるごとに強大になり、つい先日、世界が遂に耐えられなくなった」
「……俺はどうなるんだ?」
「それも先程言ったじゃろう。
お前さん、転生に興味はないか?」
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