とある人外共の生き様   作:葵・Rain

106 / 116
IS学園祭/本祭Ⅱ

 緊急放送が流れる一時間前。それは講堂内で開かれている生徒会の出し物が行われている時まで遡る。

 舞台裏に集まった秋二、シャルル、タツミの姿は変わっていた。

 西洋の王子様の格好をした秋二。

 執事の服装になったシャルル。

 西洋甲冑を兜だけ外したタツミ。

 

「うんうん似合っているわね。台本は無いから思い思いやって頂戴」

「台本ないのですか?」

「ええ、そうよ。そもそも急遽決まったものだからね」

 

 急遽決まったとはどういうことなのか?三人の頭にはクエスチョンマークが浮かんでしまう。そんな疑問を述べる前に出し物が開始された。

 出し物のタイトルが《シンデレラ~バトルロワイヤル~》。

 

『むかーし、昔、あるところに一人の王子様がいらっしゃいました。王子さまは次期王様になるために妃を一人迎えようと国中の貴族から娘を選ぼうと考えていました。そこで王様はパーティを開こうと提案しました』

 

 ステージに明かりをつけられるとその中心に秋二が立っており、その傍にはシャルルとタツミがいました。

 

『楽しい楽しいパーティになるはずでした。そこには様々な陰謀が巡っていました。

 富、名声、力、金、権力、血統、復讐、戦争、今まさに第決闘時代!』

「って、おいぃぃ!?某マンガみたいな展開で切るな、アホぉぉぉ!?」

 

 振り下げられた刀を剣で受け止めたタツミ。その相手は篠ノ乃だった。動きにくそうな十二単の着物を着て。

 

「秋二、お前の王冠を取れば私の傍から離れないだろう!?」

『言い忘れていましたが、秋二くんの頭にある王冠を取ると取った人は生徒会が可能な限り願いを叶えます。では、いざデュエル!』

「させないよ!」

 

 目の前にゴム弾を通り過ぎて行った。

 

「なんか楽しそうなことしているし、参加するわね」

 

 次はアルマが参加してきた。城の上から狩猟用の銃と白のイブニングドレス。

 

「へえ、つまり秋二を奪えば合法的に千冬さんといれるわけね」

「影の薄さを最大限に生かした奇襲はなんだ!?」

 

 柳葉飛刀を白刃取りしている秋二。赤いチャイナドレスを着ている鈴。

 

「秋二、っ!?」

「お兄ちゃんどうして僕を選んでくれないの?(劇だからからかっちゃおう♪)」

 

 メイド服を着てナイフを振り落としているシャルロット。

 

「シャル、目、目!ハイライトが無いよ!?」

「え?だってそうした方が受けがいいよって言っていたから」

 

「兄ちゃん隙あり!」

「ふん!」

 

 淡い紫色のミニスカドレスを着てタツミに斬りかかるユウキ。それを盾で受け止めるタツミ。

 

「いいだろう。ここまでくるとさらなる伏兵がいることがわかる気がする。なら、一気に片付ける」

 

 マントと上着、靴を脱いで戦える状態になった。

 

 先にかかってきた篠ノ乃の刀を手放すために腕に掌打をかまして、そのまま背負い投げからの首に手刀を落とした。

 次に投げていた柳葉飛刀を掴み、手放して、鈴の目の前で猫騙してから首絞めを行った。

 その時間僅か三秒。

 飛んでくるゴム弾を落ちていた刀で弾き、弾込めしている間に柳葉飛刀を投げて、銃の中に吸い込まれて暴発した。そのまま駆けあがってアルマのところに行き、気絶させようとしたところ、降参を言われた。

 場所は変わりステージにいるデュノア兄妹の戦い。

 左右にナイフを持つシャルロットに対し手刀で戦い合っているシャルル。何度も急所を狙っているが互いに攻めあぐねている中、何かが近づいているのに気づいた。咄嗟に避けると二人のいた所に鍔迫り合いのタツミとユウキこと紺野兄妹が競い合っていた。

 

「ユウキ、ちょっと本気出しすぎじゃないか?」

「兄ちゃんにはこれくらいのことをやらないと勝てないから、ね!」

 

 鍔迫り合いから離れた二人。互いの信用する仲間の元まで下がる。

 

「さて秋二は大丈夫だとして、どうするこの状況?」

「終わりが見えないからここは耐えるしかないよな。人も増えそうだし」

 

 その時アナウンスが聞こえた。

 

「ただいまからフリーエントリー組の参加です!みなさん王子様の王冠を目指して頑張ってください!」

「はあ!?」

 

 城門が開けられ集まっていた学年関係なく集まっていた生徒たちに囲まれた男子三人。

 

「更識先輩、これはどういうつもりですか?」

「まさか俺とタツミまで巻き込むんですか?」

「あははは、なんかミューゼルが苛立つ理由がわかった気がする」

「「「覚悟しとけよ発情猫!!!」」」

 

 男子三人は一目散にバラけて逃げ出した。

 逃げた三人を追いかけていく生徒たち。

 その姿を観客席で見ている一人の女性が会場を出て行った。

 

 Side秋二

 俺を追いかける女生徒を巻くために細い路地に逃げ込むが足の速い奴らが先頭にいるため巻ける気がしない。

 

「諦めなよ!」

「私といいことしない?」

「大丈夫よ天井のシミを数えているだけで終わるから!」

「ねぇ、どうして逃げるの?」

「置いてけ、首を、置いてけェェェ!」

 

 一部変人混ざっている!?

 向かいから人が来たため、壁を蹴り上がりながらその場を脱出したが、それでも追いかけくる奴ら。ちょうどマンホールほどの大きさの穴が開いていた。そこに向けて飛び込んで逃げることにした。

 俺が落ちた穴に何人か来た気配がしたが、無視した。

 出口まで落ちてくる寸前、手摺に捕まって中の様子を確認した。いないことを確認し降りてみた。

 どうやら更衣室に繋がっていたらしい。俺の体操着を取り出そうと白若を起動したとき、こちらに歩んでくる足音が聞こえた。すぐさま隠れられるところに身を隠し様子を見てみると、そこにいたのは俺に契約の話を持ってきてくれた人だった。

 そのため、挨拶でもと思い身を乗り出す時なぜここにいるのか疑問に思った。

 そもそも、なぜあそこが開いているのか気が付かなかった。よく考えてみると不自然だ。

 

「織斑秋二、あなたがここにいることはもうわかっています。大人しく出てきなさい」

「(!?バレているのか、監視カメラでも見たのか?)」

「まあ、いいでしょう。出てこない来ないならこうするまでよ!」

 

 俺が考え事をしている時、外で多数の爆発音を耳にした。

 

「私は亡国企業のタイダル。さあ、白若を渡しなさい」

 

 テロリストが攻め入ってきたらしい。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。