とある人外共の生き様   作:葵・Rain

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最終決戦 そのⅢ

 ああ、死にそう。

 意識が遠退いていく。

 あれ、あそこは三途の川か。

 逝きたくてねぇ。

 まだ、やり残したことがあるのに。

 けど、もういいかな。

 天影に言ったし、大丈夫だろ。

 もう少しで逝きそうだ。

 そう言えば、母さんが生き返させるとかとんでもない発言していたな。

 けど、無理かな。

 そう言えば、父さんが言っていたな。

 大事なものがあるやつは強くなるって。

 あれ、本当かな?

 と言うか、尚更死ぬしかねぇな。

 モスラどこ行った?

「呉、そこで何しているの?」

 母さんの声が聞こえる。

「……起きろバカ息子」

 父さん罵倒するなし。

「お兄様、目を開けてください」

 ビオか。お前もそこにいるのか?

「バカ兄貴何している?」

 スペースもか。

「お兄ちゃん?」

 チビ助いるのか?

「呉、起きて。私はここよ」

 モスラ。お前もいるのかよ?

「マスター!」

「呉!」

「呉くん!」

「少年!」

「呉さん!」

 どうしてアイツらの声が聞こえる?

「マスター聞いてください!今からマスターのところに行きます。一人でダメなら二人で倒しましょう。だから起きてくださいマスター!」

 ああ、そうだよな。死ねないな。

 と言うことで、さっさと用件を済ませて戻るとするか。約束果たしていないしな。

「母さん、父さん、ビオ、スペース、チビ助、もう少ししてから帰るから」

「わかったわ」

「…………」

「お兄様」

「ケッ」

「うん!」

 次は。

「モスラ!」

「はい」

「場所選ばずにごめん!お前のことが好きだ!付き合ってくれ!」

「え?」

「あらあら」

「…………」

「お兄様?」

「ひゅー、あのバカ兄貴が」

「?」

「え、えーとね。私死んだんだよ」

「知ってる」

「または死ぬんだよ」

「知ってる」

「恨んでいるかも知れないんだよ」

「知ってる」

「嫌いなんだよ」

「知ってる」

「私を殺した人」

「知ってる」

「私嫉妬してるんだよ。私は死んで、貴方が生きて」

「知ってる」

「けど、貴方のことが好きだなんだよ」

「知ってる」

「だから言う。俺はモスラのことは知らない」

「うん」

「モスラが恨んでいるのも知らない」

「うん」

「モスラが嫌いなのは知らない 」

「うん」

「モスラが生きていたいというのは知らない」

「うん」

「生き返る方法は知らない」

「うん」

「何を思っているかは知らない」

「うん」

「俺はモスラが好きだ」

「うん。だから言うよ。私は呉が好き」

「だから言う。少し待ってくれないか?」

「うん。だから言うよ。必ず勝って」

「ああ。だから少しだけ」

「少しだけ」

「「俺(私)は勝つための勇気をくれ(あげます)」」

 キスをした。雪のようにフワッとしてて溶けるような。長く感じてしまう。

「いってらっしゃい」

「いってくる」

 俺の意識が覚めた。

 

『マスター起きてください!』

「もう起きている」

『ま、マスター!』

「心配かけたな」

『いえ。それよりマスター』

「ああ。三途の川でコクって、勇気を貰ってきたから負ける気がしない」

『え?三途の川?コクって?勇気を貰ってきた?ど、どういうことですか!?』

「そんなことより」

『そ、そんなことって、そんなことってないでしょう!?』

「んなもんあとで話すから」

『……わかりました。約束ですよ』

「ああ、約束だ」

「『メルトダウン開始!』」

 呉の体が赤く水蒸気が出ている。

 バーニングゴジラ。呉が赤い悪魔を倒すときになった状態で一種の暴走状態。

 大量のウランを摂取すると起きる。これを外せる者もおり、肉体の限界まで出せる。だが、その多くは肉体が堪えきれず死ぬ。

『制限時間は五分。それ以上行うと死にます』

「了解」

「は!赤くなっているだけではないか」

「それはどうかな?」

 呉は体を噛んでいるカイザーギドラに体内放射を使った。

「グオォォン!?」

 離れたとたん、呉はタックルしてカイザーギドラのバランスをくずした。

 カイザーギドラはバランスをくずしながらもデストロイド・カイザーを放とうとしたが。

「そんなもんこうすればいい」

 右側の首を掴み、真ん中の首へデストロイド・カイザーを向けた。

 それを受けた真ん中の首は吹っ飛び、右側の首を背負い投げで引き千切りながら、投げた。

「グオォォン!?き、貴様!」

「最後の情けだ。どうやって死にたい?」

「この星を壊してやる!」

「無理だな!」

 呉はバーニング熱線で両翼を壊して、カイザーギドラの尻尾を掴み、ジャイアントスイングをした。

「な、何をするきだ!」

「なあに、宇宙へ返してやるだけだ」

 ジャイアントスイングでカイザーギドラを宇宙に向けて投げた。

「これで決める!」

 背鰭を赤くして、最大級の熱線を撃った。

「『バーニングスパークG熱線!』」

 赤い熱線がカイザーギドラを包んだ。

「絶対に復讐してやる。作者!」

 跡形なく消え去った。

「なんとか勝てたな」

『そうですね。ですが、マスター』

「ああわかっている」

 呉はメルトダウンを解除した。

 そして、倒れた。

『ま、マスター!?』

「ワリィな。どうやら限界らしい」

『な、何言っているんですか!?あの話は!?』

「そっちかよ。簡単に言うとモスラにコクった。OKもらった。ここまでOK?」

『はい。ですよね。私や千冬さんの想いを知らないで』

「ん?」

『マスター、私はマスターが好きです』

「そうか」

『だから結婚前提でお付き合いしてください』

「ごめんな。俺には彼女がいるから」

『わかっています。わかっていますけど、う、う、うえぇぇん!!』

「泣くなよ。可愛い顔が台無しだぜ」

『うえぇぇん、うえぇぇん!!だって、だって!』

「よーし、だったら俺を引き留める位の女になれよ」

『え?』

「そうすれば、お前と付き合うよ」

『マスターは軽々しいですね』

「うまい言葉がないだけだ。それと」

『わかっています。それではマスターおやすみなさい』

「おやすみ」

 異世界に降り立った竜は静かに寝た。その表情はとても微笑んでいるように見えた。




 次回で一章が終わります。
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