ああ、死にそう。
意識が遠退いていく。
あれ、あそこは三途の川か。
逝きたくてねぇ。
まだ、やり残したことがあるのに。
けど、もういいかな。
天影に言ったし、大丈夫だろ。
もう少しで逝きそうだ。
そう言えば、母さんが生き返させるとかとんでもない発言していたな。
けど、無理かな。
そう言えば、父さんが言っていたな。
大事なものがあるやつは強くなるって。
あれ、本当かな?
と言うか、尚更死ぬしかねぇな。
モスラどこ行った?
「呉、そこで何しているの?」
母さんの声が聞こえる。
「……起きろバカ息子」
父さん罵倒するなし。
「お兄様、目を開けてください」
ビオか。お前もそこにいるのか?
「バカ兄貴何している?」
スペースもか。
「お兄ちゃん?」
チビ助いるのか?
「呉、起きて。私はここよ」
モスラ。お前もいるのかよ?
「マスター!」
「呉!」
「呉くん!」
「少年!」
「呉さん!」
どうしてアイツらの声が聞こえる?
「マスター聞いてください!今からマスターのところに行きます。一人でダメなら二人で倒しましょう。だから起きてくださいマスター!」
ああ、そうだよな。死ねないな。
と言うことで、さっさと用件を済ませて戻るとするか。約束果たしていないしな。
「母さん、父さん、ビオ、スペース、チビ助、もう少ししてから帰るから」
「わかったわ」
「…………」
「お兄様」
「ケッ」
「うん!」
次は。
「モスラ!」
「はい」
「場所選ばずにごめん!お前のことが好きだ!付き合ってくれ!」
「え?」
「あらあら」
「…………」
「お兄様?」
「ひゅー、あのバカ兄貴が」
「?」
「え、えーとね。私死んだんだよ」
「知ってる」
「または死ぬんだよ」
「知ってる」
「恨んでいるかも知れないんだよ」
「知ってる」
「嫌いなんだよ」
「知ってる」
「私を殺した人」
「知ってる」
「私嫉妬してるんだよ。私は死んで、貴方が生きて」
「知ってる」
「けど、貴方のことが好きだなんだよ」
「知ってる」
「だから言う。俺はモスラのことは知らない」
「うん」
「モスラが恨んでいるのも知らない」
「うん」
「モスラが嫌いなのは知らない 」
「うん」
「モスラが生きていたいというのは知らない」
「うん」
「生き返る方法は知らない」
「うん」
「何を思っているかは知らない」
「うん」
「俺はモスラが好きだ」
「うん。だから言うよ。私は呉が好き」
「だから言う。少し待ってくれないか?」
「うん。だから言うよ。必ず勝って」
「ああ。だから少しだけ」
「少しだけ」
「「俺(私)は勝つための勇気をくれ(あげます)」」
キスをした。雪のようにフワッとしてて溶けるような。長く感じてしまう。
「いってらっしゃい」
「いってくる」
俺の意識が覚めた。
『マスター起きてください!』
「もう起きている」
『ま、マスター!』
「心配かけたな」
『いえ。それよりマスター』
「ああ。三途の川でコクって、勇気を貰ってきたから負ける気がしない」
『え?三途の川?コクって?勇気を貰ってきた?ど、どういうことですか!?』
「そんなことより」
『そ、そんなことって、そんなことってないでしょう!?』
「んなもんあとで話すから」
『……わかりました。約束ですよ』
「ああ、約束だ」
「『メルトダウン開始!』」
呉の体が赤く水蒸気が出ている。
バーニングゴジラ。呉が赤い悪魔を倒すときになった状態で一種の暴走状態。
大量のウランを摂取すると起きる。これを外せる者もおり、肉体の限界まで出せる。だが、その多くは肉体が堪えきれず死ぬ。
『制限時間は五分。それ以上行うと死にます』
「了解」
「は!赤くなっているだけではないか」
「それはどうかな?」
呉は体を噛んでいるカイザーギドラに体内放射を使った。
「グオォォン!?」
離れたとたん、呉はタックルしてカイザーギドラのバランスをくずした。
カイザーギドラはバランスをくずしながらもデストロイド・カイザーを放とうとしたが。
「そんなもんこうすればいい」
右側の首を掴み、真ん中の首へデストロイド・カイザーを向けた。
それを受けた真ん中の首は吹っ飛び、右側の首を背負い投げで引き千切りながら、投げた。
「グオォォン!?き、貴様!」
「最後の情けだ。どうやって死にたい?」
「この星を壊してやる!」
「無理だな!」
呉はバーニング熱線で両翼を壊して、カイザーギドラの尻尾を掴み、ジャイアントスイングをした。
「な、何をするきだ!」
「なあに、宇宙へ返してやるだけだ」
ジャイアントスイングでカイザーギドラを宇宙に向けて投げた。
「これで決める!」
背鰭を赤くして、最大級の熱線を撃った。
「『バーニングスパークG熱線!』」
赤い熱線がカイザーギドラを包んだ。
「絶対に復讐してやる。作者!」
跡形なく消え去った。
「なんとか勝てたな」
『そうですね。ですが、マスター』
「ああわかっている」
呉はメルトダウンを解除した。
そして、倒れた。
『ま、マスター!?』
「ワリィな。どうやら限界らしい」
『な、何言っているんですか!?あの話は!?』
「そっちかよ。簡単に言うとモスラにコクった。OKもらった。ここまでOK?」
『はい。ですよね。私や千冬さんの想いを知らないで』
「ん?」
『マスター、私はマスターが好きです』
「そうか」
『だから結婚前提でお付き合いしてください』
「ごめんな。俺には彼女がいるから」
『わかっています。わかっていますけど、う、う、うえぇぇん!!』
「泣くなよ。可愛い顔が台無しだぜ」
『うえぇぇん、うえぇぇん!!だって、だって!』
「よーし、だったら俺を引き留める位の女になれよ」
『え?』
「そうすれば、お前と付き合うよ」
『マスターは軽々しいですね』
「うまい言葉がないだけだ。それと」
『わかっています。それではマスターおやすみなさい』
「おやすみ」
異世界に降り立った竜は静かに寝た。その表情はとても微笑んでいるように見えた。
次回で一章が終わります。