大広間にいる教師陣に緊張が走っていた。千冬はマイクを掴み怒鳴った。
「貴様ら、今すぐ帰還しろ!」
『すみません、相手の猛攻で撤退おろか攻撃ができません!?』
「くっ!?なぜだ!なぜ、今になって目覚めたシルバリオ・ゴスペル!?」
千冬は自分が出した命令を悔いていた。だが、あってしまったことは仕方ない。と片付けられるほど、千冬には思えなかった。
なぜ起きてしまったのか。それは数時間前のこと。
アルマからキセツ・ミューゼルの捜索を願い出て来たことが始まりだった。
千冬はシルバリオ・ゴスペルの索敵範囲外なら問題ないと判断し、教師陣数名と専用機持ちで出した。だが予期せぬことが起きた。シルバリオ・ゴスペルが起動し、移動したのだ。異常事態が起きたことにより撤退を促したが、間に合わず教師が乗っていた訓練機打鉄を撃ち落とされた。あまりにもの速度に衝撃を受けた。すぐさまもう一人の教師が落とされた教師を救出、離脱しようとしたとき、目の前にシルバー・ベルが撃たれていた。殺られると目を閉じながら思ったとき、痛みは来なかった。ラファール・リヴァイブに似た機体が大きな盾を出しながら防いでいた。
「今のうちに!」
「ありがとう!」
教師がその場を抜け出した。
そして、現在千冬の撤退の話まで戻る。
救出は終わった。後は撤退なのだが、出来ずにいた。シルバリオ・ゴスペルのシルバー・ベルの攻撃で思うようにいかない。
攻撃しようにも、中々できない。攻撃しても弾幕として張っているシルバー・ベルによって防がれる。
防戦一方。アルマが専用機持ち全員に通信をした。
「皆さん、このままではジリ貧です。デュノア兄妹、スタングレネードはありますか?それも強力なもの」
「あるよ」
「では、みなさん。私が囮になります」
アルマが言った一言はあまりにも、彼女らしくない。セシリアが反論した。
「でしたら、私が!」
「セシリア、あなたはまだ、格闘戦は甘い。それにあなたのスタイルは遠距離からの狙撃のはずよ」
「だとしたら、一人では重いな!シャル、防御は任せた。アルマ、格闘戦は僕が持つ」
「だとしたら、私が適任だ」
「ボーディッヒは撤退した教師陣の護衛に行った方がいい。戦闘経験があるのは、この中で一番のはず」
二人の言い分には説得力があった。だが、あまりにも危険なことに納得は行かなかった。状況が状況のため、渋々了承した。
二人を除く全員が撤退中の教師陣の元へ向かった。
それを見て、追跡をしようとしたシルバリオ・ゴスペル。アルマはスターブレイカーの銃撃で止めた。その隙にシャルルが接近し、右手に持っていたブレッド・スライサーで斬りつけた。左手に持っているガルムで追撃するが、避けられてしまう。至近距離からシルバー・ベルを撃とうするが、二枚の実態楯を出して防ぐ。
その周りからエネルギー・アンブレアで撃つが、それも避けられる。
「はあはあ、さすが、軍用IS。リミットでもはずれているのか?」
「そんなことを言っている場合ではないです。倒せなくてもいいか、撃退させたい」
「……こっちも出し惜しみしている場合じゃないね」
アルマはシャルルの発言に頭をかしげてしまった。
シャルルはイグニッション・ブーストを使い、シルバリオン・ゴスペルへと近づいた。当然ながら、シルバー・ベルで前進を防がれるが、ラピッド・スイッチを使い、今度はエネルギーシールドで防ぐ。ブレッド・スライサーとガルムを消し、レイン・オブ・サタディを二丁取り出し、シルバー・ベルへ向けて撃っていく。レイン・オブ・サタディの散弾とシルバー・ベルが当たり爆発する。その中をくぐり抜けて、上にあるシルバー・ベルにも撃つ。シルバリオン・ゴスペルまで距離は十メートル。
「ペタルローズ!」
シャルルは叫ぶと、ラファール・アンジュの周りから数多の銃火器が現れて、前方のシルバー・ベルを撃っていく。いきないのことで、シルバリオン・ゴスペルとアルマは動揺してしてしまった。それが狙いだった。
シャルルはイグニッションブーストを使い、シルバリオン・ゴスペルへと近づく。近づいたシャルルは左手を引っ込めて、右手でシルバリオン・ゴスペルの頭を掴み、引っ込めていた左手を突き出した。その左手は楯の中心に筒状のものがある武器、
ドンっ、ドンっ、ドンっ、ドンっ、ドンっ、と五発全部撃ち込んだ。シルバリオン・ゴスペルは体をくの字に曲げ、海へ落ちていった。
「やったのでしょうか?」
「わからない。だけど、油断はしないほうがいい」
突然、海面に黒い稲妻がほとばしった。二人はそこを注視してみると、そこには黒い稲妻を両手に纏っているシルバリオン・ゴスペルを見た。
「第二形態⁉うそ⁉」
「たぶん、これが本当の力で、姿も変わる!」
シャルルの宣言通り、まばゆい光を纏いながらそれが消えると、シルバリオン・ゴスペルの姿は変わった。全身がより、スリムな人型に変わり、特徴的な機械の翼は鳥のような翼に変わり、片方側は黒くなっていた。まるで堕天使。
「
「だけど、っ早い⁉」
シルバリオン・ゴスペル改めフォールン・ゴスペルは、新たに発現した能力を使い、トップスピード二人に近づいて、二人に一つづつ、雷球を打ち込んだ。
「「がはっ⁉/あああ⁉」」
二人の頭を掴み、合わせるようにたたきつけた。それを十回くらいやると、海面に叩き付けた。追い打ちかけるようにシルバー・ベルを撃つ。とどめの雷球を手に溜めていく。
二人は辛うじて、意識がある状態だった。それでも、ISがあるおかげだ。これをやられたら、今度こそやられる。
フォールン・ゴスペルは溜めた雷球を二人に撃ち込もうとした時、海面と上空に向けて撃った。雷球は当たり、爆発した。その中から何かが二つ、フォールン・ゴスペルへ攻撃した。フォールン・ゴスペルの体に殴られてへこんだ痕が二か所あった。
「い、いったい何が」
「生きているか?」
「二人とも大丈夫か?」
白一色に拳には青い宝石がついているフォールン・ゴスペルより人に近い姿をしたISと同じ白い姿に赤のライン、白とエメナルド色のボードに乗っているISがそこにはいた。姿や形は変わっていたが、声で判断した。
「あとは」
「俺たちに」
「「任せろ!」」
意識不明の状態だった秋二と行方不明だったキセツがその場にいた。