セシリアに弟を作ってみた   作:ウルトラマンイザーク

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シャルロット・デュノア

 

 

 

 

僕は任務完了して、姉ちゃんやシャルルさんと晩御飯。

 

「それで、肩はもう大丈夫なんですの?」

 

「うん。元々、そんな深く入ったわけじゃないからね」

 

「まったく…心配かけさせて……」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

イアンは少し肩を落とす。

 

「そうだよ。単機でボーデヴィッヒさんに突っ込んだ時は心臓止まるかと思った」

 

「だからごめんなさいってば…でも勝てたし結果オーライで……」

 

「「よくない!」」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

な、なんで怒られてるんだろう僕………。

 

「まぁそういじめてやるなよ」

 

声が掛かり、振り向くと一夏さんがいた。両隣には凰さんや篠ノ之さんがいる。

 

「それよりイアンはやっぱり強いんだなー。今度俺に稽古つけてくれよ」

 

「いやいや、僕はそんなに強くないですよ」

 

『嫌味か?』

 

「口を揃えて!?」

 

な、なんかみんな冷たいんだけど…僕、なんかしたかな……。

 

「で、ラウラは無事なのか?」

 

「無事みたいだよ。怪我とか特にないみたい」

 

一夏さんに聞かれてシャルルさんが答える。優しいなーあんな人にも一応気に掛けてあげるなんて。

 

「ま、それもこれもあんたのおかげだけどねー」

 

「わっ!凰さん!だから頭撫でるのやめてくださいよ!」

 

「うりうりーなにを照れてるのかなー?」

 

「鈴さん?前も言ったはずですが人の弟に手を出すのはやめていただけます?」

 

「あんたも相変わらずのブラコンっぷりねー」

 

「ぶ、ブラコンではありませんわ!そもそも、こんな愚弟なんてわたくしはちっとも気に留めておりません!」

 

「ぐ、愚弟………?」

 

今のはちょっと傷ついた……あっやべっ…涙が……。

 

「あー!セシリアがイアン泣かしたー!」

 

「最低だな」

 

「ち、ちょっと!イアン!?」

 

凰さん、篠ノ之さんが言うと、姉ちゃんがあたふた慌てる。が、最初の声が相当大きかったのか、周りの女子達も過剰反応する。

 

「なに!?セシリアが私達の天使を!?」

 

「許せないわ…全員武器を取れー!」

 

「メガ粒子砲スタンバイ!ってぇー!」

 

「ち、ちょっと!」

 

戦場になる食堂から僕とシャルルさんと一夏さんは退散した。数秒後、織斑先生の声が響いた。

 

「あ、そこの男子三人!」

 

山田先生の声。

 

「「「はい」」」

 

「男子の大浴場が開きました!どうぞ!」

 

「「えっ」」

 

「マジっすか!?」

 

「はしゃぐな馬鹿者」

 

パシィーンと叩かれる音。

 

「ま、そんなわけだからさっさと入ってこい」

 

 

_______________________________

 

 

 

とりあえず僕や一夏さんが先に入るということで落ち着いた。

 

「うおー…まさかまだ男子と一緒に風呂に入る機会が来るとは……」

 

「この高校に来た時から諦めてたんですか?」

 

「まあな」

 

「あー…でも分かります」

 

何て話しながら入浴。

 

「っはあぁぁぁぁ………」

 

オッさんみたいな声を出す一夏さんの横で僕も静かに入浴。

 

「なんか、久々に広いお風呂ですねぇ〜」

 

「風呂好きなのか?」

 

「はい。一時間以上は入ってますね」

 

「……女々しいな」

 

「う、うるさいです!」

 

なんて話しながら身体洗って入浴。

 

「でも、いいよなぁイアンは……」

 

「なにがです?」

 

「姉ちゃん守れるくらい強くて。俺は千冬姉には守られてしかないから……」

 

「……………」

 

そう自分を責めるように言う一夏さん。そっか…そういう人もいるのか…守りたくても守れずに守られてしまう人も……。

 

「いいんじゃないですか?今は守られていても」

 

「えっ……?」

 

「そんなことより、これからはどうやって守れるくらい強くなるかですよ!僕も協力しますから、元気だしてください!」

 

「…………生意気な奴め」

 

コツンと僕の頭を小突く一夏さん。

 

「じゃ、俺そろそろ上がるわ。あんま長く入ってんなよ」

 

「はーい」

 

で、一夏さんは上がった。はぁ…偉そうなこと言っちゃったかな……あくまで歳下であることを忘れないようにしないと……。少し反省してると、カラカラっとドアが開く音。忘れ物かな?

 

「お、お邪魔します……」

 

ん?一夏さんにしてはやけに声が高いような……。正体を確認しようと振り返るとシャルルさんだった。

 

「……ってシャルルさぁん!?」

 

「あ、あまり見ないでよ……」

 

「ご、ごごごごめんなさい!出ます!すぐ出ます!」

 

「ま、待って!少しでいいから……その、一緒に……」

 

な、なにを考えてるんだこの人は!だ、ダメだってこんな……ね、姉ちゃんにバレたら…狙撃される……。

 

「あ、あうぅ……」

 

「だ、大丈夫だよイアン…僕が、勝手に入ってきたんだから……」

 

「は、はい……」

 

そ、そんなこと言っても…僕が恥ずかしいんだよ……。

 

「その、大事な話が、あるんだ……」

 

いや、ダイジよりオオゴトなんですが……。

 

「な、なん、ですか……?」

 

「ぼく、その…この学園に残ることに、なったから……」

 

「そ、そですか……」

 

や、ヤバイ…内容が頭に入ってこない…えっと、あ、そか…この学園に残ってもらえるんだ……。

 

「なんでだと、思う?」

 

「さ、さぁ………?」

 

と、思った瞬間、僕の背中に柔らかく華奢な感覚。思わず「ひうっ」と声を上げてしまった。

 

「イアンが、ここに残って欲しいって、言ってくれたからだよ……?」

 

「そ、そうですか………」

 

「うん。そうだ」

 

それは嬉しい。僕の行動が周りを良い方向に変えたと思うと、それはそれで嬉しい。

 

「それと、僕と二人きりの時は、シャルロットって呼んでくれる、かな……?」

 

「へ………?」

 

「僕のお母さんが付けてくれた、本当の名前」

 

「わ、分かりました…シャルロット、さん……」

 

「『さん』も、ダメ」

 

「へ………?」

 

「シャルロット」

 

「し、しゃる、ろっと……」

 

「うん。OK。よろしくね、イアン」

 

そこまでが限界だった。僕は顔を真っ赤にして頭から煙を出しながらぶくぶくと沈んでいった。

 

「あれ?イアン……?イアンー!?」

 

 

____________________________

 

 

 

次の日。僕は今だボーッとしながらHRを過ごす。姉ちゃんとかから「どうしたの?」みたいな事とか聞いてきたが、昨日あったことなど話せるはずもない。

 

「今日は、ですね……みなさんに転校生を紹介します。転校生といいますか、すでに紹介は済んでいるといいますか、ええと……」

 

もはやHRなんて頭に入らない。忘れようとしても頭に焼き付いて離れない。

 

「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」

 

スカート姿のシャルロットさんが入ってくる。あぁ、ダメだ…シャルロットさんの全裸が頭に浮かぶ……あれ?スカート?その瞬間、クラスがざわつく。

 

「え?デュノア君って女?」

 

「おかしいと思った!美少年じゃなくて美少女だったわけね」

 

「って、イアンくん。同室だから知らないってことは…」

 

「ちょっと待って!昨日って確か男子が大浴場使ったわよね!?」

 

あ、マズイ!一緒に入ったことが……、

 

「ってことは、イアンくんも女だー!」

 

「いやそっちぃーっ!?」

 

そのまま脱がせ脱がせと女子全員が僕に向かって襲い掛かる。

 

「ま、待ってください!僕は男ですって!し、シャルロットさん!僕、男ですよね!?一緒にお風呂入って…」

 

その瞬間だった。僕の目の前をレーザーが通る。見ると、姉ちゃんが鬼の形相の笑顔で僕にスターライトを向けていた。

 

「イ〜ア〜ン〜?わたくしはあなたをそんな破廉恥な弟に育てた覚えはありませんわよ?」

 

「ま、待って姉ちゃん!違うんだ!これは……」

 

「でも入ったんですよね?」

 

「は、入ったけど……」

 

「その事実だけで十分ですわ」

 

だ、ダメだ…死んでしまう……。姉ちゃんが狙撃し、ぎゅっと僕が目をつぶった時だ。そのスターライトを止めた影。

 

「ぼ、ボーデヴィッヒ、さん……?」

 

ボーデヴィッヒさんが守ってくれた。

 

「イアン・オルコット、だったな」

 

「は、はい……」

 

急に名前を呼ばれてビクッとなる。ま、まさか…殺しに?やだ助けて……昨日、パープルティアーズ壊れちゃったから修理中なのに……!

と、思ったら、目の前でボーデヴィッヒさんは土下座した。

 

「すまなかった。お前の姉貴、そしてお前自身への侮辱を謝罪する」

 

「……………へ?」

 

周りがぽかんとする。

 

「これから、私の教官になってくれ」

 

「え?いやでも僕そんなに強く……」

 

「それともうひとつ」

 

次の瞬間、僕の唇に柔らかい感触。それがボーデヴィッヒさんの唇であることを察したのは数秒後だった。

 

「え、えぇっ!?」

 

「お前はこれから私の嫁にする!」

 

えぇーっ!と騒然となる教室。そりゃそうだ。僕だってそうなのだから。

 

「ま、待ってください!ていうかなにを言ってるんですかボーデヴィッヒさん!」

 

「ラウラと呼べ」

 

そんなボーデヴィ…ラウラさんにまたビーム。

 

「あっああああなた!人の弟になにしてくれてるんですの!?」

 

「キスだ」

 

「もう許せませんわ!ブルーティアーズ!」

 

「おもしろい!返り討ちにしてやる!」

 

そのままバトル開始して二人は教室の窓を突き破って出て行った。

全員がポカーンとしてる中、僕の後頭部にコツっと何かが当たる。振り返ると、ヴェントを構えたシャルロットさんが立っていた。

 

「イアンって女の子の目の前でキスしちゃうんだね。僕びっくりしたな」

 

「あの…シャルロット、さん……?なんで、怒って……」

 

「自分で考えてみて?」

 

学校に絶叫が響いた。

 

 

 

 

 

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