セシリアに弟を作ってみた   作:ウルトラマンイザーク

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イアン教官

 

 

 

朝。目が覚めると体に柔らかい感覚。ていうか目の前に足。

 

「って、ラウラさん!?」

 

「ん………もう朝か……でももうちょっと……」

 

「も、もうちょっとじゃなくて……」

 

な、なんで全裸なんだよこの人……。だ、ダメだ……。変にいい匂いが……。

 

「は、離れて……!」

 

だが、まるで言うことを聞かず、僕の上をゴロンと転がって目の前にはお尻のあ………、

 

「だ、だから離れて下さいよぉ!」

 

い、いかん!鼻血が………!

 

「む?イアン…どうかしたのか……?鼻血が出てるぞ……」

 

僕に馬乗りになって顔を近付けてくるラウラさん。

 

「あ、あわわっ!だ、だから離れ……」

 

ラウラさんの胸を見ないように前に手をかざす。だが、その手を取って十字固めされた。

 

「い、いだだだだだっ!ご、ごめんなさいごめんなさい!」

 

「お前はもっと男として強さを磨いた方がいいぞ。この程度で泣きそうになるとは情けない」

 

「こっの………!」

 

そこまで言われて黙ってるほど男じゃなくない。ラウラさんの足の裏を空いてる手でくすぐった。

 

「ひゃっ!や、やめろ!」

 

「そっちこそくすぐり体制付けた方がいいんじゃないですか!?」

 

「ぷっはははっ!や、やめろ!私が悪………ははははっ!」

 

………よく考えたら全裸の歳上の人の足の裏くすぐってるやばい奴だよな……と、思った矢先、僕達の頭に拳が降り注ぐ。

 

「あがっ!」

 

「痛っ!」

 

「お前ら…人が寝てる横で暴れるんじゃねぇよ」

 

一夏さんが怒っている。そっか…この前、この部屋にまた引っ越したんだっけ……。と、思ったらラウラさんが食って掛かる。

 

「おい、私はお前をまだ教官の弟と認めたわけでは……へっくち!」

 

いやそこまで言ったら最後まで言いなさいよ……。僕が横で呆れてると、ラウラさんにバサっと布が被さる。

 

「いいからお前は服を着ろ」

 

一夏さんの男前な仕草、思わず僕が惚れそうになった。ちなみに投げたのは一夏さんのパーカー。

 

「それで、イアン。パープルティアーズは直ったのか?」

 

ラウラさんに聞かれた。

 

「え?は、はい。一応追加武装含めて昨日終わりました」

 

「なら約束通り私の教官として訓練を手伝え」

 

「え、でも僕そんな強く……」

 

「私を二度も圧倒した奴の台詞か!いいから手伝え!」

 

「わ、わかりました!」

 

シャルさんとの買い物は一週間後だし、問題ないか。僕の返事に満足したのか、ラウラさんは出て行った。

 

「これじゃどっちが教官だかわからねぇな」

 

そんな一夏さんの呟きが後ろから聞こえた。いやまったくその通りですはい。

 

 

______________________________

 

 

 

第三アリーナ。

 

「で、僕はどうすればいいんですか……?」

 

「それは教官が決める事だろう。お前の言う『守るための力』を教えてくれればそれでいい」

 

いや精神論なんだけどな……。

 

「うーん…例えばですよ?敵をただ殲滅するのと友達を守るために戦うの、どっちの方が精神的に力が入りますか?」

 

「ふむ……私は誰かのために戦うということがなかったからな……」

 

「えっと…じゃあただ目的もなく、あるとすれば作戦成功のために戦うのと、織斑先生が死にかけていて、それを守るために戦うのどっちが……」

 

「教官が死にかけるなどあり得ん!」

 

「や、これは例えで……」

 

「あり得ん!」

 

もうやだめんどくさいこのヒト……。

 

「じゃあ、この学園に誰か好きな人とかいますか?」

 

「イアン」

 

「………………」

 

「? なに顔を赤くしている?」

 

「ど、どうしてそんなサラッと言えるんですか!?」

 

「お前が言えと言ったのだろう。いいから、それでなんなんだ?」

 

「いえ、ですからじゃあ僕が死にかけて、それを守るために戦うのと、軍の命令でただ作戦成功のために戦うの、どっちの方が力が入りますか?」

 

「それは…状況にもよるのではないか?他の仲間、自分のISや武器の状態、敵の数に……」

 

「そういうことではなくて…精神的な問題です」

 

「それなら……守る方、か?」

 

「ですよね?つまり、そういうことです」

 

「いや待て。それでは分からん。もっと分かりやすく言え。それでどうして強くなれる?」

 

もうやだめんどくさいマジで。

 

「つまり、人間、いや生物は極限状態に追い込まれると自分の力以上の力を引き出せるんですよ」

 

「なるほど…」

 

「でもだからと言って、ラウラさんが今ISを装備して僕は生身で挑んでも勝ち目はありません。極限において引き出せる力といっても物理的に不可能なものは無理です」

 

「待て。でもお前はあんな余ったパーツだけで私を倒しただろう」

 

「じゃあ、物理的に可能だったんじゃないんですか?」

 

「…………今のは少しムカついた」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

な、なんで!?僕今癇に障るようなこと言ったかな……。

 

「しかし、追い込まれなければ力が出せないのであれば意味がないだろう。それにお前はトーナメントの一回戦の時は誰かを守るとかなかっただろう。どういうわけだ?」

 

「うーん……後は実践あるのみで!」

 

「な、なんだそれは!結局そうなるのか!?」

 

「自分より強い人と戦えばそれだけ強くなれるんですよ!うん、強くなるには自分より強い人の技術を盗むのが一番早いですからね。ですから、この学園で一番強い人にでも…」

 

「ならお前が相手をしろ」

 

「ふぇ?」

 

「今から私が勝つまで模擬戦だ。いいな?」

 

「ま、待ってください!僕、昨日もシャルさんと模擬戦して…今日はゆっくりやすもうと……」

 

「異論は認めん。では始めるぞ」

 

「はぁ……なんでこうなるの……」

 

次の日、僕は筋肉痛で動けなかった。

 

 

 

 

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