セシリアに弟を作ってみた   作:ウルトラマンイザーク

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試着室

 

 

 

 

放課後の屋上。僕はそこで空を見上げていた。そして、右手にはとあるカードが握られ、腰にはディケイドライバーが巻かれている。

 

「貴様は一体、何者だ!(裏声)」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。変身!」

 

『カメンライド、ディッケェイド!』

 

ベルトからそんな声がして、僕は今すごい充実感に溢れている。これはこの前、買ってきたディケイドライバー。早い話が仮面ライダーの変身ベルトだ。姉ちゃんには「そんな子供っぽい物買うのはよしなさい!」と、怒られるからこっそり買って今日、学校に隠し持って来た。

放課後なら、誰も屋上には来ないだろうし、思いっきり全開で遊べる。と、思った矢先、屋上の出口に人がいた。見たことのない人。

 

「あっ」

 

「…………?」

 

恥ずかしい。多分、今僕顔真っ赤。そんな僕の気も知らずに不思議なものを見る目でこっちを見てくる眼鏡の女子生徒。どうしたらいいか分からず、僕はただ立ち尽くした。と、思ったらその人はブレザーの前のボタンを取る。そこには何処かで見たことあるベルトが装着されている。

 

「?」

 

そして、妙な手付きで真顔で言った。

 

「変身……」

 

ベルトの真ん中が赤く光る。………仮面ライダークウガだ。僕とその人は軽くにらみ合う。と、思ったら急に顔を真っ赤にして出て行ってしまった。

 

「この学校に来て良かった……」

 

不意にそんな呟きが漏れた。

 

 

_____________________________

 

 

 

姉ちゃんの部屋。

 

「それで、わたくしはずーっと昔から言っておりますわよね?こんなもの、中学生になってまで買うなと」

 

正座で怒られている。眼鏡の女の人が出て行ったのと入れ替わりのように姉ちゃんとシャルさんが屋上に来た。カンカンに怒ってる姉ちゃんの横で苦笑いしているシャルさん。

 

「まったく…いつまでたっても成長しないんですから…」

 

「ま、まぁまぁセシリア。別にいいんじゃないかな。大人になってもそういうの買う人いるって一夏も言ってたし…」

 

「そういう大人になって欲しくないから言ってるんですのよ。はぁ……もういいですわ。これきりですからね……」

 

『アタックライド、ブラスト!』

 

僕の手にはディエンドライバーが握られていて、銃口はしっかり姉ちゃんを狙っている。当然、没収された。

 

「あなた、反省しておりますの!?」

 

「ごめんなさい!」

 

僕のバカ!煽ってどーすんだよ!

 

「もう部屋に戻りなさい。この二つは夏休み中にイギリスに置いて来ます」

 

「はーい……」

 

「大丈夫だよイアン。僕が今度買ってあげるから、ね?」

 

おぉ!さすがいい人は違う!

 

「シャルロットさん?」

 

「じ、冗談だよセシリア…はははっ」

 

ですよねー知ってました。

 

「それはそうとイアン。明日だからね買い物」

 

「はい」

 

そう、明日はシャルさんと買い物だ。

 

 

___________________________

 

 

 

次の日。僕とシャルさんは水着を買いに出かけた。行きのモノレールの中。

 

「せっかくだから、イアンに選んでもらうからね」

 

「えぇっ!?な、なんでですか!」

 

「当然でしょ。これは元々ペナルティなんだから」

 

うっ…そう言われると反論できない。

 

「でも…僕どんなの選べばいいか…」

 

「大丈夫、僕が決めきれなかったやつを選んでもらうだけだから」

 

「そ、それでも……その、恥ずかしいですよ……」

 

「いいから!行くよ!」

 

そのまま僕の手を引っ張ってモノレールを降りた。で、水着売り場。

 

「うぅ…女性客しかいない……」

 

居場所がなくてキョロキョロしていると、

 

「そこのあなた」

 

と、声をかけられた。まったく知らない人だ。

 

「は、はい」

 

「そこの水着、片付けておいて」

 

「僕が、ですか?」

 

「当たり前じゃない」

 

「は、はあ」

 

とりあえずその水着を手に取ると、その水着をパシッとシャルさんが取った。

 

「あの、自分で片付けてください。この子は私の連れですから」

 

「あなたの男なの?躾くらいしっかりしなさいよね」

 

そのまま去って行った。なんだ?なにがしたかったんだ?

 

「ダメだよイアン。言われたことに従ってちゃ」

 

「あの、何がしたかったんですか?あの人」

 

「あー…大丈夫。気にしないで」

 

なんだ…さっぱり分からん……。

 

「それよりさ、ちょっと……あっ!」

 

急に声を上げるシャルさん。と、思ったら水着と僕を持って試着室に入った。……って、あれ?僕も?

 

「あの……シャルさん?」

 

「静かに!………どうしてラウラがここに……?」

 

「ラウラさんがいるんですか?なら一緒に……」

 

と、出ようとしたら口をバッと抑えられ、壁に叩き付けられた。

 

「………っ‼︎」

 

「ご、ごめんねイアン。お願いだから黙ってここから出ないで」

 

僕はコクコクと頷いた。そしたら、手を離してくれる。

 

「じゃ、僕着替えちゃうから向こう向いてて!」

 

「は、はい!」

 

な、なんでこんなことになったんだぁ〜普通に買い物だけだと思ってたのに……。

 

「ひゃあっ!」

 

「ふぇっ!?ど、どうかしました!?」

 

「こっち見ないで!」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

ほ、ほんとになんで…こんなことに……と、思ってたら後ろからドサッと何かが降ってきた。

 

「ひゃあぁっ!」

 

「うわっ!」

 

試着室は狭いから倒れることはなかった。だが、だからこそ体が密着しやすい。後ろから抱き着かれてしまったのだが、なんか背中にヤケに柔らかい感覚……、

 

「あの…シャルさ……」

 

シャッと音がした。試着室のカーテンが開く音だ。

 

「なにをしてる馬鹿者が……」

 

織斑先生が立っていた。僕の世界が終わる音、確かに聞こえた。

 

 

_______________________________

 

 

 

「はあ、水着を買いにですか。でも、試着室にふたりで入るのは感心しませんよ。教育的にもダメです」

 

怒られるイアンとシャルロット。イアンは放心状態で、シャルロットにおぶられている。

 

「では、さっさとその水着を買って帰れ。そのガキ、疲れてるんじゃないか?」

 

千冬に言われてシャルロットは苦笑いで退散する。

 

「それとラウラ。隠れてないで一緒にいたらどうだ」

 

ギクっと音を立ててラウラも退散した。

 

 

 

 

 

 

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