作戦前。僕は先に一夏さんたちより接触しなければならないため、早目に出発。よって、すでに外に出ている。やることはいつもと変わらない。当たったらその時点で負け。つまり、当たらなければどうということはない。
さて、そろそろかな。僕はパープルティアーズを呼び出した。
「イアン!」
振り返ると姉ちゃんの姿。
「決して、無理はなさらずにね」
僕は無言で頷くと出発した。
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「パープルティアーズ、目標と接触しました!」
真耶の声で全員がモニターを見る。セシリアはただ手を組んで目を閉じ、祈っていた。心なしか肩は震えている。そんなセシリアにシャルロットが手を添えた。
「シャルロットさん……」
「大丈夫だよ、セシリア」
「で、でも……」
「今動いてるのは誰だと思ってるの?あのイアンだよ?」
「で、ですが……」
「まぁ、なんにせよ」
ラウラが口を挟んだ。
「歳下にやらせて私達がなにも出来ないのは少し情けないな」
「………………」
少し雰囲気の暗い会議室だった。
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イアンは福音を捕捉した。スターライトリペアを取り出し、狙撃。それにいち早く反応して福音は回避。
「チィッ!」
そして、羽を広げて弾丸を撃ち込んでくる。それに反応してイアンはピストルに持ち替え、弾丸をすべて撃ち落とした。そして、ピストルを繋げ、砲口を取り出して装着。
「はぁっ!」
前の引き金を引き、砲撃する。それを向こうはかわそうとするが、スターライトでその砲弾を爆発させ、煙で取り囲んだ。
「当たれェッ‼︎」
ピストルの後ろの引き金を引き、通常時の五倍の威力をぶち込む。が、煙の上の方から福音は脱出。そこから弾丸をまた放った。
「このっ!」
スターライトをサーベルモード切り替え、すべて切り落とすと、再びライフルモードにして、狙撃。それをも回避する福音。が、狙撃の手を止めずに射撃。
(クリップのグレネードは一夏さんが来るまで使えない……それまでは狙撃するしかない……!)
そして、敵の動きが止まると、最大出力で撃った。相手の肩を掠め、動きが怯む。そこを見逃さず、狙撃していなかった方の手にインターセプターを握り締め、突撃した。
「っはあぁぁぁぁッッ‼︎‼︎」
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「やっぱりすごいねいーくんは。ねぇ、ちーちゃん?」
何時もの口調でそう言う束。
「ふん。まだまだ若い」
「あれだけやれてまだ中学生でしょー?最強の座も危ないんじゃないかなちーちゃん?」
「あの程度なら私はまだ負けんよ。それに、負けたとしても教え子にやられるならそれはそれでいい」
「ふぅーん。相変わらず教え子思いだねー。じゃ、私はもう行くね。いーくんの戦闘スタイルも大体分かったし」
「さっさと出て行け」
「大事にしてあげなきゃダメだゾ☆」
そのまま束は出て行った。
「さて、そろそろセカンドフェイズだ」
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で、イアンVS福音。インターセプターを握っての突撃。が、それを読んでいたようにヒラっと躱す福音。そして、右手で殴り掛かって来る。だが、読んでいたのはイアンの方だった。片手でスターライトのグリップを引き抜き、放り投げる。
「掛かった!」
ほいっと放って、狙撃して逃がさないようにしながら逃げる。グリップグレネードはそこまで範囲が広いわけではない。ゆっくり逃げても間に合う。そして、爆発した。
「一夏さん!」
そこで声を上げる。
「おうっ!」
箒を踏み台にして一夏が突っ込んだ。
「そ、こ、だぁぁぁぁぁッッ‼︎‼︎」
そのまま零落白夜を振りかざして煙の中に突っ込む。だが、その煙から出て来たのは、右羽で自分を覆った福音。
「なにっ!?」
そして、左の羽は開いている。そこから弾丸が発射された。
「クッ!」
仕方ないのでガードにする。一夏は弾丸を弾いた。が、今度は福音が一夏に迫っている。その一夏と福音の間にビーム。イアンがリボルビングピストルの後ろの引き金を引いた。それに反応して福音は後ろに回避した。
「すいません一夏さん。少し早かったみたいです」
「反省は後だ。まだ戦えるか?」
「スターライト以外はまだやれます」
スターライトのグレネードはグリップを引き抜くので、グレネードを使ってしまうともうそれ以上はなにもできない。だから、本来ならエネルギー切れの時に使うためのグレネードなのだ。
「分かった。箒、援護してくれ!」
「了解だ!」
そのまま、再び戦闘開始。斬りかかる一夏。それをヒラリとかわす福音だが、そのかわした先からビームが飛んでくる。イアンの狙撃だ。しかし、それもかわされてしまう。
「なんて反応速度だよ!」
躱して距離を取った先から弾丸。弾く一夏と箒、撃ち落とすイアン。そして、リボルビングピストルを分離させて二丁ピストルに戻した。
「一夏さんと篠ノ之さんは格闘に徹してください!僕が動きを止めます!」
言うと、イアンはピストルを構えた。
「ちっ、偉そうに……!」
箒がそう吐き捨てた。が、イアンには聞こえてなく、乱射。それを回避しつつ羽を広げる福音。だが、その隙を一夏や箒に狙われ、斬り掛かってくるので撃てない。
(やっぱり、すごいなイアン、あれだけ正確な射撃を……戦いが安定する……)
(ふんっ、私の方が一夏のパートナーとしては向いている。あんな機体より私の紅椿の方が……)
なんて思いながらも戦闘する二人。そして、イアンの射撃が福音に直撃し、動きが止まった。
「もらったぁっ!」
一夏が声を張り上げて斬り掛かる。かわされはしたものの、掠った。
「くっ!」
「掠りました!」
「イアンのお陰だ!」
「掠った程度で喜んでどうする!」
箒に怒られ、二人は怯む。まぁその通りかなとイアンは思い直し、ピストルを構える。そして、箒は敵の斜め上に上がって、斬撃を放った。
(私だって、援護くらい!)
が、軽々とかわす福音。その斬撃が海に向かっていく。
「なにっ!?」
その先には密漁船があった。気付いたのはイアンだけだ。すぐに体を反応させてISを動かした。
「イアン!?」
「なにをしている馬鹿者!」
が、その二人も気付いた。密漁船に。イアンはそれを庇った。
「ぅあぁっ!」
「イアンッ!」
元々防御力の低いパープルティアーズだ。それに最新式ともいえるISの斬撃が直撃。バチバチと火花をあげ、機体に電気が走る。
「イア……!」
さらに、そのイアンに福音の弾丸が降り注いだ。すべて直撃し、爆発。
「い、イアンが……!」
煙から出て来て海に落ちて行くのは、体に右足のパーツしか着いてないイアン。そのまま煙を上げて海に落ちた。
「イアンッ!」
「一夏!今は福音だ!」
「ほ、箒!?」
「犯罪者を庇ったあいつの落ち度だ!」
「ふざけんなッ!」
その声にビクッとする箒。それを捨て置いて一夏は海に潜った。が、その海に攻撃しようとする福音。
「ちぃっ!」
箒は一人で福音に向かった。数秒後、海からイアンを抱えて一夏が出て来る。
「おいイアン!目を覚ませよ!おい!」
が、目を開けない。ただグッタリしている。
「くそっ!なんで…なんで、こんなっ!クッソォッ‼︎」
そのまま三人は帰還した。
なんか色々と無理矢理だった気がしないでもないな…次はもう少し落ち着かせないと……。