セシリアに弟を作ってみた   作:ウルトラマンイザーク

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遊ばれてる

 

 

 

 

 

「そっかーじゃあイアンくんも大変だったんだねー」

 

「そうなんですよ…『生徒会長と引き分けた貴公子』だのなんだの……女子生徒に追い掛け回されて取材とか言われて頭撫でられて抱き着かれて……」

 

「本当は少し喜んでたり?」

 

「しませんよ!」

 

「でもおねーさんのこの格好もなんだかんだで慣れてるよね?」

 

「な、慣れてませんよ!ち、直視出来ないんですから…」

 

「んー!やっぱり可愛いなぁ、イアンくん」

 

「や、やめてください!」

 

誰のせいでこうなったと……。

 

「俺も入学したての時は大変だったよ。ほとんど珍獣扱いだったからなぁ」

 

なんて話してると、コンコンとノックの音。

 

「は、はい?どなたですか?」

 

一夏さんが答える。

 

「わ、私だ。差し入れを持ってきてやったぞ」

 

「げっ!箒!?」

 

「むっ、入ってもいいか?」

 

「……す、すまん。ダメだ。あ、あれだ!イアンが体調悪いらしいから!ま、また今度……」

 

「えっ!?僕!?あ、いや……ゲホッ!ゴホッ!」

 

「やーん、男2人に襲われるぅー♪」

 

「「楯無さんッッッ‼︎‼︎」」

 

この人は本当にッッ‼︎‼︎その瞬間、スパッと両断されるドア。篠ノ之さんが入って来た。

 

「のわああっ!?」

 

「貴様ら……!それでも男か……!」

 

「わああっ!待て待て!誤解だ!」

 

「し、篠ノ之さん待って!これは……」

 

「これは、なんだ?納得いかない答えなら私が介錯してやる」

 

うっ……思わず泣きそうになってしまう。それくらい怖い。そんな僕の頭を撫でながら楯無さんは言った。

 

「まぁまぁ落ち着いて。冗談だから」

 

しかし、落ち着かない。裸エプロンに見えるその格好で宥めた所で逆効果だ。

 

「一夏ぁ!」

 

「な、な、なんで俺が!?ていうか前にもこんなことあった気がするが!?」

 

「女子を連れ込み、あろうことか二人掛かりで破廉恥極まりない行為をしおって……。恥を知れ!」

 

びゅっと日本刀が振り下ろされる。が、その間に入るのは楯無さん。

 

「あらら、直情的ね」

 

ガギンとランスで止める楯無さん。そのまましばらく睨み合うふたり。楯無さんはニコニコ笑顔ではあるものの、あれほど怖い笑顔はない。

 

「あ、あのっ……」

 

もう無理。僕は部屋から逃げ出した。

 

 

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部屋から逃げて、姉ちゃんの部屋に退避することにした。ノック。

 

「姉ちゃん。いるー?」

 

「どうぞ」

 

中に入ると、姉ちゃんとルームメイトの人がいる。

 

「あら、イアンくん?どーしたのこんな所に」

 

いいながら抱き付いてくるのは、名前なんだっけ……鏡ナギさん?

 

「こ、こんばんは」

 

「んー相変わらずセシリアの弟とは思えないほど礼儀正しい子!」

 

「ナギさん、それどういう意味です?

 

姉ちゃんが言いながらナギさんを引き剥がす。

 

「それで、何かご用です?」

 

「ううん。部屋で戦争が起こってるから逃げて来ただけだよ」

 

「戦争?」

 

「楯無さんと篠ノ之さんが」

 

「あー……」

 

普段なら今からでも飛び出して行きそうなものだが、楯無さんの名前が出たからか冷静だ。

 

「まぁそれならしばらくはここにいなさいな」

 

「うん。ありがと」

 

そんなわけで僕は姉ちゃんのベッドにダイブした。

 

「いいなぁーセシリア。私もこんな可愛い弟欲しいなぁ」

 

「わたくしの弟はあげませんわよ」

 

「ブラコンめ」

 

「ち、違いますわ!」

 

姉ちゃんも友達出来てるみたいで何よりだなぁ。ぶっちゃけ、四月あたりとか結構心配してたし。まぁそんな感じで三人でお喋りしていたら、あっという間に9時になった。

 

「そろそろ僕、戻るね。ナギさん、ありがとうございました」

 

「うん。またおいでねー」

 

そのまま僕は部屋に戻る。だが、なぜかまだ部屋に人がいた。しかも楯無さん。一夏さんはすごいやつれて、僕を睨んでる。お疲れみたいですね。逃げてごめんなさい。

 

「…………なんで?」

 

「私、しばらくここに住むの」

 

「や、だからなんで……」

 

「一夏くんの特別コーチやるんだから寝食共にして波長を合わせるの。あと、イアンくんの普段の様子とか観察しないといけないしね」

 

「僕は夏休みの課題か何かですか?」

 

ん?てことは……、

 

「この部屋で三人で住むんですか?」

 

「うん。でも困ったわねー。ベッドが二つしかないわ」

 

「なら、僕は一夏さんと……」

 

「ここのベッドは一人用なのよね。男の子二人はキツイのよ」

 

「………何が言いたいんですか」

 

「あら、分かってるくせに」

 

悪戯っぽい笑み。嫌な予感しかしない……。

 

「私と一緒に……」

 

「お断りします!」

 

「えーつれないなー」

 

「そういう問題じゃありませんよ!一夏さんおかしいですよね!?」

 

「セシリア、イアンの貞操は終わったよ……」

 

「一夏さん!?」

 

この野郎……と、思ったが先に見捨てて逃げたのは僕の方だ。

 

「さて、じゃお姉さんは先にお風呂入ってベッドで待ってるからね」

 

そのままお風呂に行ってしまった。絶望する僕。そんな僕の肩に一夏さんは手を置いた。

 

「頑張って」

 

「どの口が言いますか……」

 

 

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で、風呂から上がってベッドの中。僕は楯無さんに背中を向けて寝転がる。

 

「あれぇ?どうして背中向けちゃうの?」

 

「あ、当たり前でしょう!」

 

ただでさえ水着エプロンなんだから!

 

「ほれほれ〜どこをどうして欲しいのかなぁ?」

 

「ちょっ……!」

 

背中に柔らかい感覚が……!

 

「や、やめっ……!」

 

「すごい心臓ばくばく言ってるけど、大丈夫?」

 

「だ、誰のせいだと……」

 

「誰だろうね〜」

 

この人は……!いっそのこと本当に……いやでもそれで取り返しのつかない事になったら……、

 

「顔、真っ赤だよ?」

 

「うっ………」

 

「じゃ、おやすみなさーい」

 

「えっ?」

 

「どうかした?」

 

な、なんか…遊ばれてる……。

 

「な、なんでもないですっ!おやすみなさい!」

 

結局、眠れなかった。が、僕と一夏さんの苦労はこれからだった。

 

 

 

 

 

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