「イアンくん。お客さん」
鷹月さんに呼ばれて入口へ向かう。
「隅に置けないわね。彼女さんがいたなんて」
「へ?」
その言葉が出た瞬間、裏方で皿が3枚程割れる音がしたが無視して入口へ。
「お帰りなさいませ、お嬢さ……」
「なにしてるのイアンくん?」
「」
蘭さんだった。
「そうだ。イアンくん、今から30分くらいなら自由時間にしてもいいわよ。彼女さんと回ってきな」
「いや、全然彼女じゃないですけど」
言うと後ろからドンと背中を叩かれた。
「痛ッ!ら、蘭さん……?」
「ふんっ」
なぜか不機嫌な蘭さん。そんな僕達の様子を楽しそうにニコニコしながら眺める鷹月さん。
「いいから、行って来なさい。蘭さん、だったかしら?邪魔は未然に防いどいてあげるわね」
「? は、はい……」
蘭さんはよくわかってないながらも返事をした。僕もよくわかってない。
「じゃ、行きましょうか」
「あの、その格好のまま行くの?」
「30分しかもらえてませんから。我慢しますよ」
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で、二人で学園祭巡り。
「どこか行きたいところありますか?」
聞くけど聞いちゃいない。なぜかわたわたと慌てている。
「あの、蘭さん?」
「うぇっ!?な、なに!?」
「いえ、だからどこか行きたい所とか……」
「ど、どこでもいいよ!」
「や、でもせっかく来たんですから何かやってみたいこととか……」
「ほら、私IS学園とか初めてだから何があるか分からなくて!」
「じ、じゃあテキトーに近くの所入りますね」
「うん」
で、近くの美術部の中へ。入った瞬間、
「芸術は爆発だ!」
来なきゃよかった……。が、珍しい男子(今はメイドだけど)である僕に気付かないはずもなく、声をかけてくる。
「あ!イアンくんだ!」
「って、それ彼女さん!?」
「神は死んだ……」
「や、友達ですよ」
また蹴られた。
「なぁんだ。じゃあおいで。爆弾解体ゲームだよ!」
あぁ、そういうことか。
「ね、ねぇこれ本当にやるの?」
「へ?」
「も、もう終わってる……」
「あぁ、これ僕得意なんですよ。良ければ教えますよ?」
「じ、じゃあ、お願いしようかな……」
そんなわけで解体開始である。
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その後、僕と蘭さんはテキトーに何か食べたりしながら歩き回り、あっという間に30分経ってしまった。今は一組の教室の前。
「じゃあ、僕仕事に戻りますから」
それだけ言って去ろうとした時だ。僕の袖をキュッと掴む蘭さん。
「その、次は休憩とかいつ取れる?」
「それは……ちょっと……」
分からない。一夏さんのせいでここまで繁盛してしまっているからだ。
「じ、じゃあ休憩取れたらわたしと必ず回る。約束して」
「は、はあ。別にいいですけど……」
「んっ」
突き出してくる小指。何のことやらと思ってると、「指切り!」と宣言してきた。
「は、はぁ……」
「指切りゲンマン嘘吐いたらお兄を呑ーます♪」
それはつらいなぁ…物理的にも人道的にも。
「指切った!」
そのまま手を振りながらトテテと走って行く。
「あらあら、お熱いわね」
「げっ、楯無さん…見てたんですか」
「可愛い子じゃない」
「まぁ、そうですね……って何言わせるんですか!」
「イアン?」
ガッと肩を掴んできたのはシャルさんだ。後ろには姉ちゃんとラウラさんがいる。
「どういう関係か説明してもらえるかな?」
僕の悲鳴が響いた。ていうか、今日ボコボコにされすぎでしょ僕。