セシリアに弟を作ってみた   作:ウルトラマンイザーク

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ボコボコ

 

 

 

 

目が覚めると、僕はどこだか分からないところにいた。あれ…確か、1年1組のメイド喫茶で、なんか女の人にコーヒーをいただいたら、眠くなって……それで………、

 

「よぉ、目が覚めたかよクソガキ」

 

乱暴な言葉遣いが聞こえ、顔を上げるとさっきの女の人がいた。

 

「あんた、は……?」

 

「お前にあんたとか言われたくねんだよ!」

 

なぜか怒って僕のお腹を蹴る女性。

 

「ガハッ!」

 

避けようにも縛られている上に寝転がされているため、動けない。

 

「な、なにを……!」

 

「あーウゼェ。決まってんだろ。お前の秋桜を出せ」

 

「えっ……」

 

その言葉を理解するのに少し時間が掛かった。

 

「あ、あなたは何者ですか!?」

 

「はぁ?言うわけねぇだろクソガキ。お前はいいから出せばいいんだよ!」

 

さらに蹴られて僕は思わず唾を吐き出す。痛みと恐怖で目には涙が浮かんだ。だ、誰か…助けて……。

 

 

_______________________________

 

 

 

1年1組の教室。一夏がまた接客を再開しようと教室に戻った時だ。中には楯無がいた。

 

「じゃじゃん、楯無おねーさんの登場です」

 

「………………」

 

「と、言いたい所なんだけど、少しいいかな?」

 

「どうかしたんですか?」

 

真面目な顔になったので一夏も真面目になる。

 

「イアンくん知らないかな?」

 

「イアン?教室にいるのでは?」

 

「それが見当たらないのよ。クラスの子に聞いても知らないって。誰かさんがいないからクレームに対応するのでいっぱいいっぱいだったのかもね」

 

「うっ……」

 

「うーん…でも一夏くんも知らないとなると少し心配ね。あの子は誰にも言わずに職場放棄するような子じゃないでしょ?」

 

「え、えぇ。ちょっと探してきますね」

 

「ねぇ、一夏。イアン知らない?」

 

聞いてきたのはシャルロットだ。

 

「? どうかしたのか?」

 

「イアンくん目当ての子達からのクレームが凄いから呼び戻そうと思うんだけど……」

 

「いや、俺たちも今その話をしてたんだ。ちょっと電話してみるわ」

 

で、prprと電話。5回ほどコール音がした後、出た。

 

『も、もしもし?』

 

「イアンか?お前どこにいんだよ」

 

『一夏?ごめんあたしイアンじゃないわ。鈴よ』

 

「はぁ?なんでお前がイアンの携帯持ってんだよ」

 

『いやこれ、アリーナの廊下に落ちてたのよ』

 

その瞬間、全員の顔色が変わる。

 

「鈴、どこのアリーナだ?」

 

『第三よ。イアンは教室にいる?』

 

「いない。俺達もそこに行く」

 

『わかったわ。あたしも入り口で待ってるから』

 

三人はアリーナに向かった。

 

 

______________________________

 

 

 

アリーナ前。

 

「鈴!」

 

一夏の声で振り返る鈴。

 

「どこにあったんだ?」

 

「こっちよ。この廊下」

 

「マズイわね…誘拐の可能性も出て来たわ。みんなで手分けして探すけど、単独行動は危ないわ。私は一夏くんと、鈴ちゃんはシャルロットちゃんと組んで。それと、今回限りは部分展開までのISの使用を許すわ。向こうはどんな武器を持ってるか分からないからね。ただし、向こうがISを使えるようならこちらも使いなさい。いいわね?」

 

楯無の台詞に全員が頷く。で、行動開始した。

 

 

______________________________

 

 

 

「ぅああっ!」

 

ガッと僕のおデコに女の人の爪先がヒット。

 

「いいから早く出せってんだよ」

 

「出せるもんなら出してますよ…あなたを倒すためにね」

 

僕のその台詞にイラっとしたのか、また拳が降り注ぐ。気絶すれば楽になれると思える程、リアルな痛みだ。さっきから意識は朦朧としているものの、気を失うことはなかった。それに、なぜかISが反応しない。まるで、誰かにハッキングされたようにうんともすんとも言わないのだ。

 

「くっ……」

 

「あーもうめんどくせーな。早く出せってんだよ。オラァッ!」

 

ドムッ!と蹴りが入る。

 

「ヴッ……‼︎」

 

今のは効いた。僕は思わず血を吐き出す。大声で声をあげたい気持ちを押さえ込み、ただ歯をくいしばる。涙が流れて、もう何も考えられない。

 

「あーもう面倒臭いマジで。これでいいや」

 

言いながら女の人はISを展開した。のだが、なんかISらしくないISだ。背中からグググッと人が怪人に変身するように膨れ上がる。

 

「なっ………!」

 

「ラストチャンスだ。出せっ」

 

マシンガンを向ける女の人。なんで…なんで僕がこんな目に……誰かぁ………、

 

「その、手を、離せぇぇぇーーッッ‼︎‼︎」

 

そんな声がした。血で滲んでボヤけている目で声の方を見ると、白式を展開した一夏さんが突っ込んできている。

 

「チィッ!」

 

女の人はそこから離れる。そして、一夏さんは僕を抱き上げた。

 

「大丈夫かイアン!?おい!」

 

「い…ちか、さん………」

 

安心して流れる涙。

 

「イア……クッソっ!」

 

キッと女の人を睨み付ける一夏さん。その姿はとてもかっこよかった。

 

「はははっ!白式まで来やがったか!こりゃよみどりみどりだぜ!」

 

「白式だけじゃないわよ」

 

どこかで、聞いた声が……そっちを見ると楯無さんが立っている。その後ろにはシャルさんと凰さんが立っている。

 

「みん、な………」

 

自然と涙が出た。みんなが、来てくれた……。

 

「てめぇ、俺の仲間をこんなんにしやがって……」

 

「チッ、流石に分が悪い。引くしかねぇか」

 

言うと女の人はそこら中にマシンガンを撃ちまくると共に、後ろの八つの足で壁を破壊しながら逃げた。ふう…ひとまずは助かった、かな……。

 

「おいイアン!大丈夫か!?おい!」

 

「い、ちか…さん………」

 

唇が切れて血の味がする口でなんとか声を絞り出す。

 

「すいません………」

 

「謝らなくていいよ!とりあえず、ほ、保健室!」

 

シャルさんに言われてとりあけず保健室に運ばれた。

 

 

__________________________

 

 

 

保健室。

 

「はい、手当て終わり」

 

ニコッと笑うシャルさん。この保健室にはさっき助けてくれた四人がいる。

 

「まったく、消毒の度に悲鳴上げるんだから…」

 

と、呆れたように言うシャルさんに僕は抱き付いた。とりあえず、今は誰でもいいから抱き付いて、落ち着きたかった。

 

「ちょっ…イアン!?」

 

「……………」

 

むぎゅーっと離さない。周りの視線なんて気にしている場合ではなかった。最初は驚いていたものの、シャルさんはすぐに頭にポンッと手を置いてくれる。

 

「怖かったんだね、イアン」

 

「うん……」

 

しばらくそのまま。で、ようやく僕はあったことをはなした。その後に楯無さんに説明を受けた。僕や一夏さんのISを狙ってる組織があることと、その予防線として僕達の部屋に住んでいたこと、そして、僕のせいで生徒会の出し物だったシンデレラが中止になったこと。でもその内容ならやってくれなくてよかったと思います。

 

「でも、結局イアンくんは守ってあげられなくて、ごめんね」

 

「い、いえ……」

 

「ううん。ISだと私と互角に戦えてたから平気かなって思って油断しちゃってた。私の落ち度」

 

「そ、そんなことありませんよ」

 

とにかく、と話をまとめる。

 

「これで私はようやく気が休まるわ。じゃあイアンくん。お大事にね」

 

「あ、楯無さん!」

 

「なに?」

 

行こうとする楯無さんがこっちを向く。

 

「あの…姉ちゃんにはこのこと言わないでくださいね」

 

「どして?」

 

「あまり、心配かけさせたくないので……」

 

「へぇ?」

 

最後のはここにいる誰の声でもなかった。いつの間にか姉ちゃんが隣にいた。

 

「あ、あれ?姉ちゃん……なんでここに……」

 

そこまで言って抱き着かれた。

 

「このバカ弟!どうしてこんなんなってるんですの!?まったくいつもいつもいつもいつも心配ばかり掛けさせて……!少しはわたくしの気持ちを考えてください!その上にわたくしには内緒?ふざけないで!まったく本当にもう……」

 

そのままクドクドと姉ちゃんの心配なのか説教なのか分からない長台詞が続く中、みんなはいつの間にかいなくなっていた。

 

 

_______________________________

 

 

 

僕の部屋。ベッドの中だ。

 

「あの…一夏さん。まだ起きてます?」

 

「どうした?」

 

「その…まだ、少し怖くて……だから……」

 

「?」

 

「一緒に寝てくれたり、しませんか?」

 

「………は?」

 

そうだよね…そうなるよね。

 

「で、でも…その、このままじゃ眠れそうになくて……」

 

「…………いいぞ。ほら、来いよ」

 

「はい。すみません」

 

で、一夏さんのベッドに入る。

 

「なんか、一夏さんってお兄さんみたいですね……」

 

「弟なんだけどな」

 

「でも、僕からしたらお兄さんです」

 

「そうかよ…いいから寝ようぜ」

 

僕は一夏さんの手を軽く握った。

 

「おやすみなさい。一夏さん」

 

「あぁ」

 

 

 

 

 

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