昼休み。一夏、イアン、セシリア、箒は食堂へ向かった。券売機でそれぞれ食べ物を注文し、席を探していると、
「待っていたわよ一夏!」
ツインテールの女の子が立ち塞がった。
「あっ、お前鈴か?」
「そうよ。中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ」
「あっ!朝に教室の前に立ってた人ですか?」
イアンが声を上げる。
「はあ?誰よあんた」
「え?朝に来てたのか?」
「は、はい。なんか居場所を無くした子供みたいにチラチラこっちを見ては諦めたようにため息ついて涙目で戻っちゃった人です」
「な、なんであんたそんな詳しく見てるのよ!」
「す、すいません…なにか声を掛けた方がいいか悩んでたものですから……」
「それにしても久しぶりだな。ちょうど丸一年になるのか。元気にしてたか?」
「げ、元気にしてたわよ。あんたこそ、たまには怪我病気しなさいよ」
「どういう希望だよ、そりゃ……」
なんて話してる中、不自然な咳払いが聞こえた。
「あー、ゴホンゴホン!」
「ンンンッ!一夏さん?あちらのテーブルが空いておりましてよ?」
そんなわけで鈴を加えて五人はその席へ座る。
「鈴、いつ日本に帰ってきたんだ?おばさん元気か?いつ代表候補生になったんだ?」
「質問ばっかしないでよ。あんたこそ、なにIS使ってるのよ。ニュースで見たときびっくりしたじゃない」
「一夏、そろそろどういう関係か説明して欲しいのだが」
「そうですわ!一夏さん、まさかこちらの方と付き合ってらっしゃるの?」
と、質問攻めに合う一夏を捨て置いて不機嫌そうにイアンはラーメンを啜った。
「べ、べべ、別に私は付き合ってるわけじゃ……」
「そうだぞ。なんでそんな話になるんだ。ただの幼馴染だよ」
「………………」
「? 何睨んでるんだ?」
「なんでもないわよっ!」
いきなり怒る鈴さん。
「幼馴染……?」
「あー、えっとだな。箒が引っ越していったのが小四の終わりだっただろ?鈴が転校してきたのは小五の頭だよ。で、中二の終わりに国に帰ったから、会うのは一年ちょっとぶりだな。で、こっちが箒。ほら、前に話したろ?小学校からの幼馴染で、俺の通ってた剣術道場の娘」
「ふうん、そうなんだ。これからよろしくね」
「ああ、こちらこそ」
なんか宣戦布告に見えるのは気のせいだろうか…そんな空気に耐えられずにただただ麺を啜るイアン。
「ンンンッ!わたくしの存在を忘れてもらっては困りますわ。中国代表候補生、凰鈴音さん?」
「……誰?」
「なっ!?」
顔を真っ赤にして怒りを露わにするセシリア。
「ね、姉ちゃん落ち着いて!ごめんなさい、えっと…凰さん?こちらはセシリア・オルコット、イギリスの代表候補生です。それで、僕はイアン・オルコット、弟です」
「そう、よろしくね。って、弟ぉ!?」
「は、はい…僕も一応、ISを動かせるので……」
「ふ、ふーん……なんか弟くんの方がしっかりしてるみたいね」
「んなっ!」
「そ、そんなことありませんよ!僕なんか、戦うことにビビって代表候補生を降りた身ですから…そんな僕をお姉ちゃんは守ってくれたんです」
「ふーん…なんか訳ありみたいね。あまり深く聞かないでおくわ。にしてもあなた、可愛いわね」
「そ、そんなこと…ないです……」
顔を真っ赤にして俯くイアン。
「うりうり〜どうして欲しいのかなー?」
「ちょっと鈴さん!人の弟で遊ぶのやめてくださいません!?」
「ぼ、僕失礼します!」
そのままラーメンを食べ尽くして去ってしまった。
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放課後。第三アリーナに向かう途中。一夏とイアンは会話しながら向かう。
「ふーん。つまり、ISの操縦ってイメージが大事なのか」
「はい。まあ、僕の考えですが」
「ありがとなイアン」
「わっ、だから頭撫でるのやめてくださいよ…」
「悪い悪い」
なんて話しながら歩く。アリーナに入ると、箒が中で打鉄を装備していた。その後にブルーティアーズを装備したセシリアが来る。数分後、二人に袋叩きにされる一夏をイアンはただ苦笑いしながら眺めていた。