セシリアに弟を作ってみた   作:ウルトラマンイザーク

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指切り

 

 

 

 

セシリアの部屋。そこでセシリアは考え事していた。

 

(マズイ、マズイですわ………)

 

セシリアが焦っているのはイアンの事だ。今までは、イアンの強さをまるで当たり前のように受け入れていたが、思えば、自分が情けなくなってくる。

そりゃそうだ。自分は今まで、イアンを守るために代表候補生になったり、色んな勉強をしてきたはずなのに、まるでそれを嘲笑うかの様に、自分より遥かに強い弟。言い換えれば、セシリアより強いくせに自分を守らせていたようにも見える。事実、セシリアはそう感じてきていた。

 

(こんなバカな話がありますの……?)

 

イアンにそんな気がないことはセシリアにもわかってる。だが、それでもまだ15、16歳のセシリアには納得出来ない。

 

(愚かな事だとは思いますが……)

 

セシリアは決心した。

 

 

__________________________________

 

 

 

僕は部屋に戻っていた。ラウラさんにボコボコにされてボロボロになった身体を引き摺る。

 

「た、ただいまぁ〜…」

 

「あ、おかえりなさーい」

 

出て来たのは楯無さんだった。僕はガックリとうな垂れた。

 

「あ、その態度ひどいなぁ。愛でてあげようか?」

 

「勘弁してください……」

 

そういえば一夏さんはどこへ行ったのだろうか……。ていうか逃げただろあの人。

 

「どうしたの?あ、もしかしてパンツ覗こうとしてる?」

 

「してませんよ!」

 

「じゃあなんで顔赤いの?」

 

「や、それは……」

 

「困ったなぁ…おねーさんの白いパンツ見られちゃったあ」

 

「へ?ピンクじゃ……はっ!しまっ……」

 

「あはっ。えっち」

 

うう…ひどい…あんまりだよ……。

 

「さて、今日はちょっとお話があってきたのよ」

 

「嫌です」

 

「ふぅーん?歳上のおねーさんの言うこと聞けない子には、お仕置きしちゃおうかなぁ〜」

 

手をワキワキさせる楯無さん。き、危険だ……!

 

「ま、待ってください!ごめんなさ……」

 

「ほれほれほれ〜」

 

「あっははははっ!ちょっ!それは……やっやめっ……くはははっ!」

 

その時だ。コンコンとノックの音。

 

「イアンーいるー?」

 

シャルさんの声だ。

 

「だ、ダメですシャルさん!来ないで……あはははっ!んんっ……!や、やめてくださ……いやぁぁっ!」

 

「?」

 

入ってくるシャルさん。そして、僕と楯無さんの姿を見た瞬間、段々と恐ろしい無表情へ変わっていった。

 

「イアン、何してるの」

 

「た、助けてくださ……あはははっ!」

 

「あらシャルロットちゃんが来ちゃった。じゃあここまでかな。おねーさん帰るわね」

 

「はぁ…はぁ……えぇっ!?話は!?」

 

「どうでもよくなっちゃった。シャルロットちゃん、どうぞごゆっくり」

 

「はい」

 

そのまま出て行ってしまった。この沈黙が辛い。

 

「あの、シャルさ……」

 

あ、いや二人きりの時はシャルって呼ぶんだったな。

 

「シャル……?」

 

「何かなオルコットくん?それと、呼び捨てで呼ばないでくれる?」

 

「………………」

 

こ、怖い……。ただそれだけだ。

 

「あの、なんで怒って……」

 

「怒ってないよ?」

 

嘘だ!怒ってる!と、思っても言えない。それほど怖かった。で、でも怒られるようなことなんてしてないし…ていうなんで怒ってるの?どうしよ……。

 

「あ、あのぅ……」

 

「なに?」

 

「な、なんでもないです……」

 

ダメだ……話すことなんてないし……。やばっ涙が……。

 

「グスッ……」

 

「えっ?」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「ち、ちょっとイアン?」

 

「ぼく、何しちゃったか分かりませんけど……でも、その……グスッ」

 

「ま、待ってイアン!そんなに怒ってないから!僕こそごめんね!ちょっと困らせてみようと思っちゃっただけだから!」

 

「ほんと?」

 

「う、うん!男の子がそんな簡単に泣いちゃダメだよ」

 

「はい………」

 

で、それから数分。ようやく僕は落ち着いた。てか落ち着いてから考えたら確かに泣きすぎだな僕……。

 

「それで、どうしたんですか?」

 

「その、週末空いてたらさ、一夏の誕生日プレゼント買いに行かない?」

 

「へ?僕と、ですか?」

 

「うん。ほら、イアンって一夏と一緒の部屋でしょ?だから、その……一夏の趣味とか知ってると思って……」

 

「そういうのなら篠ノ之さんとか凰さんの方が……」

 

そこまで言ったら、何故かまたふくれっ面になっていくシャルさん。

 

「やっぱり怒るよ」

 

「ど、どうしてですかぁ!?」

 

「とにかく!週末に二人っきりで!買いに行くからね!」

 

「わ、分かりました!」

 

二人っきりをヤケに強調してたが、とにかく週末だな。と、そこで小指を突き出してきた。

 

「指切り!」

 

「は、はあ……」

 

「指切りげんまん、ウソついたらクラスター爆弾のーますっ♪」

 

「えっ?ちょっとそれは指切りたくな……」

 

「指切った♪」

 

「や、あの……」

 

「えへへ。週末が楽しみだなぁ。おやすみイアン」

 

そのまま出て行ってしまった。シャルさんって、怒らすと一番怖い気がする……。

 

 

 

 

 

 

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