セシリアに弟を作ってみた   作:ウルトラマンイザーク

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決意

 

 

 

 

 

今日から僕は一夏さんと同じ部屋。山田先生がなんとかしてくれたみたいだ。荷物をさっさとまとめて僕は姉ちゃんの部屋から出た。で、一夏さんの部屋の前。

……だからなんで緊張してんの僕。

 

「し、失礼しまーす…」

 

「だから!私は部屋の移動など聞いていない!」

 

「そんなこと言われても仕方ねぇだろ!元々、男と女が同部屋であること自体がおかしかったんだ!これでいいだろ!?」

 

「いやだ!」

 

「駄々をこねるな!子供か!」

 

なんか、カオスなことになってる……。

 

「あらイアン。どうしたの?」

 

後ろから声が掛かった。凰さんだ。なぜかボストンバッグを担いでいる。

 

「その…今日から僕がこの部屋に住むことになったんだけど…篠ノ之さんが……」

 

「なるほどね…まぁ、イアンならあたしも諦められるわ。じゃ、部屋に戻るわね」

 

「ま、待ってくださいよ!助けてください!」

 

僕の大声に気付いた一夏さんが声を上げる。

 

「あ、イアン。やっと来たか」

 

ものっそい形相で僕を睨む篠ノ之さん。食堂の時とは違ってすごい迫力で、ついビビってしまった。

 

「こら箒。歳下の男の子を困らせないの!」

 

そんな僕の肩に手を置いて庇ってくれる凰さん。身長的には僕と変わらないのになんでこんなに、こう…威厳?が違うんだろう。

 

「ふん。お前はなにしに来た?」

 

「あたしは部屋代わってもらおうと思ったんだけど、イアンなら諦めるわ」

 

「そうだぞ箒。なにを駄々こねてるのか知らないが大人になれ。先生の命令なんだから仕方ないだろ」

 

「ふん。まあいい」

 

そのまま荷物をまとめて出て行く篠ノ之さん。大丈夫かな…僕、殺されたり…略して撲殺されたりしないかな……。

 

「ごめんなさい。助かりました凰さん…」

 

「あんたも男ならあれくらい言えるようになりなさい」

 

「は、はい」

 

そのまま凰さんは去っていった。やだカッコイイあの人。しばらくぼんやりしていると、

 

「おーいイアン、入ってこないのか?」

 

「あ、はい」

 

呼ばれたので入室。

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「だから固いって。なんならタメ口でもいいし」

 

「そ、それは流石に……」

 

「はははっ、まぁよろしくな」

 

「は、はい!」

 

だからこれなんで緊張してんだよ……。

 

 

________________________

 

 

 

次の日の朝。僕は図書室から戻った所だ。何冊か昆虫の本を借りて教室に戻ると、ドンっと誰かとぶつかった。

 

「わっ」

 

「……っ」

 

見ると、凰さんが涙目で走り去って行った。教室の中では一夏さんが困った顔をしている。

 

「どうかしたの姉ちゃん?」

 

とりあえず近くにいた姉ちゃんに聞く。

 

「それが、まぁイアンには関係ありませんわ。酢豚がどうのって痴話喧嘩みたいなものですから」

 

「そ、そう……」

 

でも、凰さん泣いてたなあ……。

 

「それはそうと、まだそんなもの好きだったんですのね」

 

「だって虫好きだもん」

 

「どこがいいんですの?気持ち悪い」

 

「日本のカブトムシはシンプルでかっこいいんだよ」

 

「理解出来ませんわね」

 

 

____________________

 

 

 

試合当日。一夏側のピットでセシリア、箒、イアンは試合をリアルタイムで鑑賞。

 

「あれが、中国の第三世代型……」

 

思わず呟きを漏らすイアン。モニターでは、すでに戦闘は始まっている。

 

『やるじゃない。初撃を防ぐなんて』

 

鈴と一夏の一撃がぶつかり合った。消耗戦になるのはマズイと踏んだ一夏はなんとか距離を取ろうとするが、

 

『甘いッ!』

 

カパッと開く肩アーマー。そこからバボッとなんか出て、一夏を吹き飛ばした。

 

『ぐあっ!』

 

『今のはジャブだからね』

 

そんな様子を見ながらイアンはつぶやいた。

 

「衝撃砲、か……空間に圧力をかけて砲身を生成……」

 

(それにあの馬鹿でかい剣。だが、威力なら一夏の雪片も負けてない。シールドエネルギーを犠牲にしてバリア無効化攻撃を放てる白式なら……)

 

そんなことを考えながらイアンはただモニターを眺めていた。が、問題発生。ズドォォォォォンッッ‼︎‼︎となにかがフィールドに降ったきた。

 

「なんだ?」

 

「織斑先生!所属不明機です!」

 

真耶が声を張り上げる。その瞬間、レベル4の遮断シールドが降りる。そして、客席はパニックとなり、生徒達は逃げ回っていた。

 

「織斑くん!凰さん!今すぐアリーナから脱出してください!すぐに先生たちがISで制圧に行きます!」

 

『いや、先生たちが来るまで俺たちが食い止めます。いいな鈴?』

 

『だ、誰に言ってんのよ。それより離しなさいってば!動けないじゃない!』

 

緊張感ねーなあの二人とか思いながらイアンはモニターを眺めていた。

 

「もしまし!?織斑くん聞いてます!?凰さんも!聞いてますー!?」

 

が、反応なし。真耶が必死に声を上げる中、千冬が落ち着いた声で言った。

 

「本人たちがやると言っているのだから、やらせてみてもいいだろう」

 

「お、お、織斑先生!何をのんきなことを言ってるんですか!?」

 

「落ち着け。コーヒーでも飲め。糖分が足りないからイライラするんだ」

 

「……あの、先生。それ塩ですけど……」

 

「………………」

 

ぴたりとコーヒーに運んでいたスプーンを止め、白い粒子を陽気に戻す。

 

「なぜ塩があるんだ」

 

「さ、さあ……でもあの、大きく塩って書いてありますけど」

 

「………………」

 

「あっ!やっぱ弟さんのことが心配なんですね!?だからそんなミスを……」

 

嫌な沈黙。

 

「山田先生、コーヒーをどうぞ」

 

「へ?あ、あの、それ塩が入っているやつじゃ……」

 

「どうぞ」

 

無理矢理、山田先生が飲まされている中、セシリアが声を上げる。

 

「先生!わたくしにIS使用許可を!すぐに出撃出来ますわ!」

 

「そうしたいところだが、これを見ろ」

 

「遮断シールドをレベル4に設定……?しかも、扉が全てロックされて…あのISの仕業ですの!?」

 

「そのようだ。これでは避難することも救援に向かうこともできないな」

 

「で、でしたら!緊急事態として政府に助勢を!」

 

「やっている。現在も三年の精鋭がシステムクラックを実行中だ。遮断シールドを解除できれば、すぐに、部隊を突入させる」

 

「はぁぁ…結局、待っていることしか出来ないのですね……」

 

と、落胆するセシリアにイアンが言った。

 

「姉ちゃん。今すぐにブルーティアーズを起動して」

 

『えっ?』

 

声を漏らすその場の全員。イアンは自分のパソコンを持って起動した。

 

「すぐに開く」

 

 

_____________________

 

 

 

「クッ……!」

 

「一夏っ、バカ!ちゃんと狙いなさいよ!」

 

「狙ってるっつーの!」

 

さっきから攻撃はしているものの、敵ISの全身のスラスターの出力が尋常ではないのだ。シールドエネルギーも60を切っている。

 

「一夏っ、離脱!」

 

「お、おう!」

 

敵は攻撃を避けた後、いつも反撃して来る。しかもその方法がめちゃくちゃだ。

 

「鈴!」

 

「えっ?」

 

長い腕を振り回す攻撃が鈴に直撃し掛けた瞬間、一夏がなんとか庇った。が、そのおかげでシールドエネルギーの残量は20を切った。

 

「一夏!」

 

「ぐうぁっ!」

 

そのまま地面に落ちる一夏。そして、敵ISがビームを撃とうとした時、その腕をビームが貫いた。援軍が来た。いつの間にか遮断シールドは開いている。

 

「えっ……?」

 

『織斑くん、凰さん。後は先生達に任せてください』

 

真耶からの通信。

 

『イアンくんがハッキングを解除しました。あなた達は離脱してください』

 

こうして、敵ISは教師部隊に鎮圧された。

 

 

______________________

 

 

 

保健室。一夏が目を覚ますと、箒やら鈴やらオルコット姉弟がいた。

 

「ここは……?」

 

「バカッ!あたしなんか庇って!自分が死んだらどうするつもりだったの!?」

 

プンプン怒ってるのは鈴だ。

 

「悪かったよ。でも…無事でよかった」

 

「ふんっ。馬鹿者め」

 

箒にまでバカと言われる一夏。

 

「で、どうやって助かったんだ俺達……?」

 

「イアンが敵のクラックを解除して教師部隊が突入しましたの」

 

なぜか自慢げに語るセシリア。が、そのイアンの表情は暗い。

 

「イアン……?」

 

「え?な、なに?」

 

「どうかいたしまして?」

 

「な、なんでもないよ!僕、部屋に戻ってるね!」

 

四人が不思議そうな目で見る中、イアンは保健室を出た。

 

 

________________________

 

 

 

屋上。情けない…僕は決着がつくのをただ見ているだけだった。一夏さんもやられてしまった。こんな状態じゃ姉ちゃんなんて守れない。だから、力が欲しい。

僕はイギリスに電話をかけた。

 

「もしもし、僕です。はい、はい。それで、お願いがあります。コアとブルーティアーズ製作時の余ったパーツを送って下さい」

 

『………………』

 

「………はい。イギリスの代表候補生になります」

 

 

 

 

 

 

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