セシリアに弟を作ってみた   作:ウルトラマンイザーク

8 / 49
怒った

 

 

 

 

昼休み。屋上。そこに一夏、イアン、箒、セシリア、鈴、シャルルはいた。が、空気は悪い。もちろん、セシリアとイアンの二人のせいである。前の授業で一応、距離は縮まったように見えたが、それでも喧嘩中は喧嘩中だ。

 

「あの、僕もここにいて良かったのかな……」

 

シャルルがそう声を漏らす。

 

「い、いいに決まってるだろ。ISを使える男子同士で仲良くしたいし!なぁイアン!?」

 

「そうですね」

 

素っ気ない返事。それに気まずそうな顔をする一夏。

 

「ち、ちょっと!(小声)」

 

鈴が一夏に耳打ちする。

 

「どうしてこんなことになんのよ!だからあたしは姉弟喧嘩は当人に任せてほっときゃいいって言ったのに!(小声)」

 

「じゃあお前、あの雰囲気に耐えられるのか!?普段から一緒にいる癖にまったく会話しないあの空気!俺は無理だ!だったら俺達がなんとか……(小声)」

 

「と、とにかく!(小声)」

 

箒も参加。

 

「私はこれ以上耐えられない!誰かなんとか切り出せ!(小声)」

 

「あんたが自分で切り出しなさいよ!剣道やってんでしょ!?(小声)」

 

「そっちの切るじゃない!(小声)」

 

「お前ら落ち着け!ここは俺に任せろ!せっかくみんな弁当持ってきてるんだ。これを利用するに限る(小声)」

 

で、三人が離れて一夏はうぅんと咳払い。

 

「ところで……」

 

「うわあー!イアン、それ自分で作ったの?」

 

シャルルが先に切り出した。

 

(((えええええっ‼︎‼︎)))

 

「は、はい…一応自分で作ってます…」

 

「少しもらってもいいかな!」

 

「ど、どうぞ……」

 

で、シャルルは一口。

 

「んー!美味しい!」

 

そんなイアンに一夏は耳打ち。

 

「お前、料理出来るのか?」

 

「それが…出来ざるを得なかったというか…」

 

言いながらチラッとセシリアの弁当を見るイアン。

 

「ああ、なるほど……」

 

「一夏さん?今、とても失礼な解釈をしませんでした?」

 

「き、気のせいじゃないかなー…ははっ……」

 

これで流れは出来た。

 

「あっ!本当だ美味しいー!」

 

「中々やるなイアン、私のも食べるか?」

 

「い、いただきます……」

 

「さあ一夏さん、わたくしのも召し上がってくださいな」

 

「お、おう…はははっ……」

 

と、楽しい昼食を過ごした。オルコット姉弟は一言も会話してないけど。

 

 

_________________________

 

 

 

放課後。僕はようやく自分のISを完成させ、ていうか後は色塗りだけだったんだけど、とにかく完成させた。で、部屋に戻る。中にはシャルルがいた。

 

「あれ?あぁ、そっか。僕引っ越したんだ」

 

「これからよろしくねイアン」

 

多分、転校してきたばかりってことの配慮なんだろう。織斑先生は相変わらず怖優しい。

 

「それにしても随分遅かったけど、何してたの?」

 

「ちょっとね…後は稼働試験をするだけなんだけど…」

 

「?」

 

「今日はISの色を塗ってました」

 

「それって…自分専用の?」

 

「はい。本当は姉ちゃんじゃなくて僕が代表候補生になる予定だったから。でも、僕が嫌だって言ったら姉ちゃんが庇ってくれた。それなのに、僕は姉ちゃんを守る為って、自分勝手にISを作ったんです…」

 

「へ?ISを作った?一人で?」

 

「はい。結果、姉ちゃんに引っ叩かれましたけど…」

 

僕は、ははっと力無く笑いながらベッドに腰を掛けた。そんな僕をシャルルさんは優しく抱き締めてくれた。

 

「大丈夫、イアンは自分勝手じゃないよ」

 

「シャルルさん……?」

 

「お姉ちゃんを守ろうとするのは男の子なら誰でもそうだよ。だから、元気だして」

 

「………はい」

 

それで、ニコッと笑うシャルルさん。なんとなく勇気をもらえた気がした。あと、胸がやたらと柔らかかった気がしたんだけど…気のせいかな?

 

「きっと、今作ってるISが上手く行けばセシリアも認めてくれるよ」

 

「………はい!」

 

 

______________________

 

 

 

月曜日。第三アリーナにはセシリアと鈴がいた。

 

「「あ」」

 

二人揃えて間抜けな声を出す。

 

「奇遇ね。あたしはこれから月末の学年別トーナメントに向けて特訓するんだけど」

 

「奇遇ですわね。わたくしも同じですわ」

 

「それはそうと、あんたイアンといつまで喧嘩してるわけ?」

 

「っ」

 

詰まるセシリア。

 

「あの子、シャルルに聞いたけどあんたに認めさせるために色々努力してるみたいよ」

 

「それは……」

 

「いいんじゃないの?もう維持張らなくて…」

 

なんて話してると、そこに砲撃が飛んできた。間一髪二人はISを展開してガード。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ……」

 

「あんた、今大事な話してんのわかんないの?」

 

鈴が言うがラウラは涼しい顔。

 

「中国の甲龍にイギリスのブルーティアーズか。ふん、データで見た時の方がまだ強そうではあったな」

 

「や、あんた会話する気あんの?それとも会話出来ないわけ?」

 

「そうですわ。わたくし達は…」

 

「弱い犬ほどよく吠える、か……戦うことにビビって逃げた弟の姉らしいザマだな」

 

その一言がセシリアの口元を引きつらせる。

 

「一応聞いておきますが、その弟とは誰のことですの?」

 

「両方だ。まったく弟という存在はどいつもこいつも情けない奴ばかりだ。理由がないと喧嘩一つ出来ない」

 

「それ以上、その汚い口を開かない方が身のためですわよ…」

 

そのセシリアのピリッとした物言いに鈴は少しゾクッとする。

 

「事実だろう。あんな女々しいガキなどそもそもISに乗る資格などない。IS適性の持ち腐れだな」

 

「おい」

 

全身に鳥肌が立つ声。それにとりあえず黙るラウラ。

 

「殺すぞ」

 

セシリアとは思えない声音と共にスターライトをぶっ放した。それをかわすラウラ。

 

「ちょっとセシリア!」

 

鈴は止めたが、聞く耳持たずに喧嘩が始まった。

 

 

___________________________

 

 

 

イアンとシャルルはISの稼働試験の為に第三アリーナへ。

 

「これがうまく行けば……!」

 

「いよいよ完成だね!」

 

二人して歩く。同部屋ということもあって、結構仲良くなった二人。

 

「上手く言ったら姉ちゃんと、仲直り出来るかな…」

 

「大丈夫!きっとできるよ!だから、最後まで頑張ろう!」

 

「………はい!」

 

で、第三アリーナに到着。中では見たことある機体とない機体が戦闘をしていて、甲龍が止めようとしていた。

 

「ち、ちょっと二人とも落ち着きなって!」

 

だが、聞く耳持たずに殴り合う。そんな鈴の足にラウラのワイヤーブレードが巻き付く。

 

「へ?」

 

そのままセシリアに叩き付けた。

 

「きゃあっ!」

 

地面に落下する二人。そのセシリアの首にワイヤーブレードが巻き付いた。

 

「姉ちゃん!」

 

「ま、待って!今迂闊に出たら危ない!」

 

シャルルに止められるイアン。渋々引き下がった。だが、セシリアの体に打ち込まれる拳。

 

「ち、ちょっと!あんたやめなさい!もう勝負は……!」

 

止めようとした鈴の首にもワイヤーブレードが巻き付き、拳が叩き込まれる。シャルルがふと横を見ると、イアンの体が震えていた。

 

「い、イアン落ち着……」

 

「パープルティアーズ!」

 

ISを呼び出して出撃。正確な狙撃でワイヤーブレードを撃ち切った。

 

「なんだ?」

 

ラウラが顔を上げると、見たことのない機体が自分の方に迫っている。

 

「お前!お前ェーッ!」

 

「あぁもう!」

 

シャルルもリバイヴを展開してセシリアと鈴を助ける。

 

「ふん、直球な奴め」

 

ラウラはそう言うと、AICを使う。それにいち早く気付いたイアンはインターセプターを投げ付けた。当然、動きは止まるが、そのインターセプターにビームを撃ち込み爆発させる。

 

「なにっ!?」

 

「あああああっ‼︎」

 

爆風の中、いつの間にか背後に回っていたイアンのスターライトver.repairのサーベルモードが大口怪レールカノンの砲口をぶった斬る。

 

「ぐっ……!」

 

「お前なんか、お前なんかァーーッ‼︎」

 

サーベルがラウラに突き刺さる瞬間、スターライトを止める影。千冬が止めていた。

 

「やれやれ……これだからガキの相手は疲れる」

 

「お、織斑先生!?」

 

正気に戻るイアン。

 

「模擬戦をやるのは構わん。が、アリーナのバリアーまで破壊する事態になられては教師として黙認しかねる。この戦いの決着は学年別トーナメントで着けてもらおうか」

 

「教官がそうおっしゃるなら」

 

素直に頷くラウラ。

 

「イアンもそれでいいな?」

 

「……ッ。は、はい……」

 

納得いかいながらも返事をしたという感じだ。

 

「では、学年別トーナメントまで私闘の一切を禁止する。解散!」

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。