結果として、情報屋はあっさりと捕まり、3単位分とかなり大きな報酬をもらえた。報酬の料金もかなり弾んだが、ココでは伏せておく。
武偵校にか、依頼者にかはわからないが、因縁があったのだろう。
これで少しくらいサボった所で単位に困ることはない。お金にはすぐに困るだろうが、その時はまた簡単な任務をこなせばいいはずだ。
その日はそのまま帰り、自分以外誰もいない部屋で夜を過ごした。
翌日……。
「やぁ、相変わらずやる気のない顔だね」
投降最中に柑那に声をかけられた。
「うるさい。疲れてるんだ」
言ったとおり、疲れている俺は適当にあしらおうとしたが、柑那は気にせず続ける。
「そうか。だが、君に言っておくことがある」
「というと?」
「宣伝活動ありがとう。これはもういらないね」
そう言って、柑那はポケットから折りたたんだ紙を見せてくる。
その紙を見てみるが、
「英語ばかりで読めないぞ。俺の英語の成績知ってるか?」
と、正直に答える。
「君はじつに馬鹿だな。例のバレルとグリップの請求書だよ」
例の、とはM2008の件だろう。だが、もういらないということは……、
「買い手、見つかったのか?」
それ以外考えられない。というより、考えたくない。
「その通り」
「へぇ、どんな奴だ?」
俺が聞くと柑那は得意げに鼻で笑いながら、
「射撃技能がココでもかなり下の子だ」
「……」
酷いことを言った。
「なぁ、そいつに対してなるべくやんわりと、傷つけないように、辞めておくように言ってやったらどうだ?」
「遠回しとはいえ、お客さんにはそんなこと言えないな。そして、何よりお客さんが欲しがっているんだ。それを止める道理はないね」
「自分の利益のためだろう……」
すると彼女は今度はあっけからんとした顔で、
「そんなの、商売をしていたら当たり前じゃないか」
そう言った。言ってしまえばそのとおりなのだろうが。
「なぁ、もう少しさ、優しさというか、そういうものはないのか?」
「ふぅむ……」
俺が聞くと少し考えこむ素振りをした後に、
「ないね」
あっさりと答える。
俺は頭を抱える。
こんな時は、嫌な予感がするんだ。そして、その予感はだいたい当たる。
そして、その予感を感じた時ほど、フラグが建っていることも理解している。
「せ~んぱ~い」
あからさまに自分たちの方向に向けられた女子の声に、『フラグ』と書いてある麻袋をかぶった全裸の男(大切な部分には某有名な『みせられないよ!』がある)が砂埃を上げながら全力疾走してくる絵面が思い浮かぶ。
ここで事務的な補足をしておくが、あくまで脳内の意味の分からない妄想です。向かってきているのは女子の声なので、妄想で登場した何かが走ってくる映像は今すぐ脳内から消していただきたい。
嫌な予感をしつつ、後ろを見てみると、
「こ~すけせんぱ~い」
活発そうなイメージのあるショートカットとただでさえ短いスカートを翻しながら、こちらに走ってくる俺より少し小さい女の子。
「なぁ、柑那」
「なんだい? 康介くん」
「一応聞いておく。M2008の買い手はあいつか?」
「ふむ、そうだね」
「それじゃあ、あいつの学年は?」
「1年生だね。君の後輩に当たる。先輩呼ばわりされてわからなかったのかな?」
「いや、そのとおりだが……」
「だったら何の問題があるのかな?」
「あいつを俺は知らないが、あいつは俺を知っている。そして、親しげに走ってくる。これは嫌な予感が少しずつ確信に変わってきてるんだが……」
「そうか。じゃあ、言い当ててあげよう」
すぐ近くまで来た女子は、
「先輩、はじめまして!」
少しも息を上げることなく、元気に挨拶する。柑那は女子を来にせず続ける。
「君に対しての、」
「私は!」
「戦妹申請だろうね」
「先輩の戦妹になりたいです!」
毎度のごとく言わせてもらおう。
面倒だ。
待ってた人、待ってなかった人、お久しぶりです。初見の方、はじめまして。
社会人になってから少しずつ余裕ができてきて、でもなかなか書く気が出ずにダラダラとしてしまいました。
で、久しぶりにキーボードを必死に叩いた結果、ただでさえ駄文だったものが更に悪化しました。すみません。
ともかく、これから少しずつでも、ゆっくりと執筆していこうと思うので、よろしくです。
次回もまた遅くなりそうです。