デート・ア・ライブ error bugs   作:warabe

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今回は短めです。


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 燃えている。崩れている。叫んでいる。知っている。

 

 

「熱イ! 熱イ! 誰カ、殺シテ!」 

 

 

 人が生きたまま燃えている。いっそ殺せと炎の中で泣きわめく。なんだこれは?

 

 

「落ちる落ちる、嫌だっ死にたくな……!」

 

 音を立てて建物は崩れ落ち、上から落ちてきた人影は地面に叩きつけられ動かなくなる。どうしてこうなった?

 

 

「たす、けて。いたいの……」

 

 

 瓦礫の下敷きになり右半身を潰された女性が、息も絶え絶えに助けを求めてくる。やめてくれ、その縋るような目を向けないでくれ!

 

 

「あああああああああああああァ!!」

 

 

 僕が叫んでいる。僕はこの光景を知っている。

 

 生きながら焼け死ぬ人々の悲鳴が、それに混じって響く崩落の音が、鼻を刺激する血と焼ける 死体の臭いが。目の前の地獄が悪夢ではなく現実だと否応なく知らせてくる。

 

 まるで戦場のようだと思う。人間がその手で地上に造りだすこの世の地獄。そこに命の尊厳は 無く、死こそが絶対の理として君臨する。個々の生命がただただ無為に喪われる究極の理不尽。

 

 そして間違いなく僕が原因で起きたこと。

 

「たすけ、て……」

 

 

 女性はまだ助けを求めて僕の方へと無事だった左手を伸ばす。けれども僕はただ茫然と佇むことしかできず、やがて彼女の目から光が失われた。死んだ。先ほどまで彼女を襲っていたであろう 激痛を考えれば、救いだったかも知れな……違う!

 

 

「僕の、せいだ」

 

 思わず呟く。これは間違いなく自分の罪だと理性が告げる。逃げてはならないことから逃げた ために、起きるべくして起きたことだと。分かっていたハズだ。誰よりも知っていたハズだ。  なのに。なのにっ!

 

 

「また僕は……事実から目を背けてっ。人を死なせた!」

 

 

 膝から崩れ落ちて地面に手をつく。目の前の動かなくなった女性も、実験施設の子供たちも、あの娘も、皆が僕に同じ眼を向けた。ひたすらに救いを求めるその懇願を、僕は見ないフリをして顔を背けた。「もしかしたら助けられたかもしれない」そう思うことすら彼女たちへの冒涜である気がした。

 

 

「ごめん、なさいっ……!」

 

 自分の罪だと分かっているくせに、涙が止まらない。もう息を引き取ってしまった者に謝っても手遅れなのも分かっているのに、僕は瓦礫の下敷きになって死んだ女性の元へと這っていき、そのまぶたを閉じさせた。なんて偽善。

 

 それが済むと僕はそのまましばらくそこで座り込んでいた。次に何をしたらいいか分からない。自分の罪を受け止めきれず気が狂ってしまいそうになる。

 

 ふと、後ろから刺すような視線を感じた。

 

 

「君は、この人災の生き残りかい……?」

 

 

 そう問いかけてみるが、視線の主は答えない。だけど強い殺気を向けてきていることは分かった。その姿を見ようと立ち上がろうとするが。

 

 

「動かないで下さいまし。今しがた仰っていたことの意味、洗いざらい見せて(・・・)いただきますわ」

 

 

 後頭部に何かが押し付けられると同時に年若い少女の声がした。そして銃声。これで死ねるならそれもいいと思い……。

 

 

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「○○、○○、起きたまえ」

 

「っ、申し訳ありません。少し微睡んでいたようです」

 

 

 上司の声に意識を覚醒させられる。昔の夢を見ていたようだ。会議室の椅子に座ったまま寝ていた私は慌てて謝罪をした。

 

 

「いや構わないよ。君が頑張ってくれていることはよく承知している。よくぞ僅か数ヶ月でDEMの監視網を妨害できるシステムを構築してくれた」

 

「恐縮です。それしか私にはできませんから」

 

「あと30分もすれば円卓会議が始まる。備えてくれたまえ」

 

 

 車椅子に腰かけ、点字の本をめくる上司の言葉にうなずく。

 

 

「承知いたしました、ウッドマン卿」

 

 

 




次回から原作1巻へと入ります。
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