生まれ変わったら可愛い悪魔の妹に!?   作:ももんがぴょん

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第一話 嫌な日常から非日常へ

「今日の授業でやった六道とか漫画で出てきそうで面白いよね!」

 

「僕には六道輪廻を司る力を宿した右目がある!!」

 

「どうせお前は餓鬼道しか使えねえよ」

 

 教室の中の男子は先ほどの授業で学んだ内容について話題は持ちきりだった。騒ぎながら妄想を語り散らす男子に対して女子は相変わらず手元のケータイに夢中だ。

俺は椅子に座りそんな教室の光景を一通り見渡してからため息をついて雪が降っている窓の外に視線を向けた。

 

「……阿呆らしい」

 

 こいつらは何が楽しくて騒いだりしているんだ。群れることでしか自分の存在価値を見出せないような下等生物の分際で……

 

「おい××!!」

 

「な、何?」

 

 突然茶髪の男子が俺の名前を呼んだので身体がビクッとした。その男子の取り巻きがニヤニヤしているところ見ると今日もあれをやらなければいけないようだ。

 

「十分だけ待って……」

 

 机にかけてあるスクールバッグとは別のリュックサックを持って男子トイレに向う。俺は鏡の前に立って中性的でオレンジ色の瞳で金髪のショートカットをした自分の顔を見つめる。

 

「なんで俺ばかりこんな目に遭わなきゃいけないんだ」

 

 この日何度目かわからないため息をつきながらリュックサックの中から女子用の制服を取り出す。周りの目を気にしないでそれに着替えてから次に軽く化粧をする。

用意が終わった俺は少し小走りで教室に戻る。ドアを開けて中に入るとクラスメイトの視線を集めた。恥ずかしさで顔を赤くして俯いていると先ほどの男子達が俺の周りに集まった。

 

「これで……いい?」

 

「本当お前って普段喋らない癖にこんな変な特技持ってるから意味わかんないよな」

 

「結構可愛いし……一発ヤらせてくれない?」

 

「や、やだ!!」

 

「ははは!!やっぱお前の反応って女々しくて面白ぇ!それでも男かよ!」

 

「もっと言葉のキャッチボールしようぜ?案外俺たち仲良くなれると思うぜ」

 

「いじられキャラを確立させちまってるし今更無理だろ」

 

 何時もなら彼らが好き勝手言うのも耐えられたけど何故か今日だけはそれがとても悔しくて、俺は彼らを押し退けてから自分のスクールバッグを持って逃げるように教室から飛び出した。

 

「なんだよ下等生物の癖に……俺が何も言わないのを言い事に!!」

 

「物に八つ当たりしたらいけないってお父さんに習わなかった?」

 

 人通りがあまり無い自分の家に帰る道で近くにあった赤いコーンを蹴っ飛ばして怒鳴ると後ろから声をかけられた。慌てて振り返ると長い緑色の髪の毛の先を指にくるくる巻いている同じ学校の女子がいた。

 

「女の子なのにそんな事してると嫌われるよ」

 

「……俺は男だよ」

 

「嘘!?そこらの女の子より可愛いのに!?」

 

 その女子は俺が蹴ったコーンを元の場所に戻してから俺の姿をマジマジ見始めた。

 

「確かによくよく見ると身体が男の子っぽいかも」

 

「……学校終わって無いのになんでこんなところにいるの」

 

「あははは……学校行くより家の掃除している方が楽しくて……って貴方もなんでこんなところにいるの?カバンを見た感じ同じ学校よね?」

 

「……別に良いでしょ」

 

「私は教えたんだから教えてよ!」

 

 俺は走って自分の家に向かうが、女子も走って追いかけてくる。女だからと油断していたけれど、思ってた以上に足が早い。気が付けば急な坂道で息が上がった彼女に首根っこを掴まれて俺は動けないでいた。

 

「はぁはぁ……不公平……でしょ……」

 

「……あんな場所に居たくなかったから」

 

「え?」

 

「周りの人間が……嫌だった……から」

 

「だから学校を抜け出してきたわけね」

 

 俺が首を縦に振ると彼女は首根っこを掴んでいた手を離してから俺の前に立ってにっこり笑った。

 

「私も周りと馴染めない口なの。学校に行っても面白くないしイジメられるだけ……だから毎日こうやって学校にワザと遅刻したりしているの」

 

「……少し似てるね俺たち」

 

「ふふっ!それならお友達にならない?私の名前は早苗!貴方は?」

 

「俺の名前は……」

 

 自分の名前を口にしようとした瞬間に少し離れたところから誰かが必死に何かを叫んでいる声が聞こえた。それが気になってその声がする方に首を曲げると、俺の身体は宙を舞った。

地面に叩きつけられた俺は何が起こったのか分からないまま意識が遠のいていく。すぐ横にいた早苗の悲鳴が聞こえた瞬間に俺の意識はプッツリ切れた。

 

 

 

 

 

 

「……きて……えおき……。ねえ起きて頂戴」

 

 どれくらいが経ったかは分からないけれど、意識が薄っすら戻ってきたと思うと誰かが身体を摩りながら何かを言う声が聞こえる。余りの眩しさに一度目を瞑ってしまったけれど、俺はゆっくりと瞼を開けた。

そこには早苗ではなくて頭に大きい赤いリボンを結んだ金髪で天使の翼を背中に生やした裸の少女がにっこりと笑っていた。

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