ユエっちもどきが行くHUNTER×HUNTER 作:ヴィヴィオ
クラピカ
ノストラードファミリーに娘の護衛として参加した私はヨークシンシティに着くと直ぐにあるホテルへと向かうようにダルツォルネから指示された。それもマフィアンコミュニティのトップである十老頭が用意した武力装置である陰獣からの要請らしい。
「お前は何をやらかしたんだ……」
「わかりません。そもそも参加したばかりですから」
隣を歩いているシャッチモーノが私に聞いてくるが、そんな事はこちらが知りたい。
「ここでお待ちだ。クラピカという奴のみ入れるようにとの事だ」
「わかった。俺は戻るからな。くれぐれも失礼のないようにしろよ」
「わかっている」
私は扉の向こうから伝わってくる膨大な気配を感じつつ、扉を開けて中に入る。部屋は会議室のようで中央にテーブルとイスが置かれている。そして、見覚えのある少女がテーブルの一番奥側のイスに座り、テーブルの上に肘を乗せながら両手を組んでいる。その後ろにはハンター試験で一緒になった少女が立っていた。 周りの席には老人や青年、女性や子供が座っている。女性に関しては見覚えがある。それ以外にも師匠が小さな少女の姿でこちらに手を振っている。
「よく来たのです」
「これはどういう事だ? 私は陰獣に呼ばれたと聞いたのだが」
「現在、私は陰獣の一員になっているので間違っていませんよ。それよりもとりあえず席についてください」
「わかった」
指示に従って空いている席に座って前をみる。それにしても周りの連中はどいつもこいつも化け物クラスの実力者のようだな。
「これで全員かの?」
「そうですね。ゾルディック家の方々と私達ハンターで幻影旅団を始末します」
幻影旅団の始末……私の目的にゾルディック家を雇ったのか?
「本当に来るのか?」
「まあ、情報源は蜘蛛に潜り込んでいる人ですが……蜘蛛は確実に来ます。そこで皆さんには地下オークションを襲撃してくる連中を始末してほしいのです」
「そいつは役に立つのかい?」
イルミが私に視線を向けてくる。
「私は蜘蛛専用の念能力を作っている」
「彼は対幻影旅団のスペシャリストと思ってくれて問題ありません」
「そういう事ならこちらは問題ないよ」
「それで攻め方はどうすんのよ?」
「二面作戦を開始します。まず、ゾルディック家の方々には敵の本拠地へ襲撃を掛けてもらいます。あちらにはへん……ヒソカがいますので彼と協力してあげてください。団長を彼に任せれば楽ができるかと。一応、ポンズはそちらに入れます。クラピカさんは私と一緒に楽しみましょう」
「こっちは私とおじいちゃん、それにユエとクラピカね」
「そうなりますね。まあ、こちらが相手をする人数は多いですが……まともに戦う気はありませんので大丈夫です」
まともに戦う気はないとはどういう事だ? まあ、あちらは任せればいいか。このメンバーに私を入れてくれたのは彼女の配慮だろうしな。
「では、こちらがその資料になります。皆さん、オーダーは
「任せて」
「あ、死体は回収するのでお願いしますね。それでは明日の夜、よろしくお願いします」
ゾルディック家と別れて私はユエと一緒にゴン達と合流する。ゴン達もこのホテルにいるようだ。
「クラピカー!」
「元気だったか!」
「ああ、皆も元気そうだな。といっても一週間程度しかわかれていないのだが」
ビスケの元で修行し、一週間前に別れたばかりだ。
「ユエ、クラピカ、俺も幻影旅団と戦うよ!」
「駄目です」
「駄目だ」
「大丈夫だって。俺達だって戦えるさ!」
「キルアまで……ビスケさん」
「まあ、頑張れば戦えるだわさ。言っとくけれど、こいつらはもうかなりの実力よ? 特にゴンはさすがはアイツの息子やあんたの兄ってだけあるわさ……」
「へへ、新しい必殺技を作ったもんねー」
「じゃんけんじゃなくてですか?」
「うん。アレ、あんまりカッコよくないし、ユエに教えて貰った話を元にして作ったんだ」
「……」
あの力は確かに凄かったな。
「はぁ……もういいです。どうせヤク漬けにした後で戦うんですから。あ、参加者はこの薬を飲んでくださいね。飲まないと……冗談抜きで死にますよ」
「本当だからみんな飲んでね?」
「「「はーい(おう)」」」
幻影旅団との対決は果たしてどうなるやら……
マチ
9月1日。私達はオークション会場に侵入し、金庫の前で待機している。
「マチ、どうしたんだ?」
「嫌な予感がするだけよ」
今日は凄く嫌な予感がする。このまま行くしかないのだけれど。
「マチの勘は当たるからな。だから、念入りにチェックしているんだが……やっぱりどこも問題ないや」
「……別に、いいね。何があってもぶち破るだけよ」
「そうだぜ! 俺達がいつもの通り粉砕すればいいんだよ」
「金庫を開けるぞ」
フランクリンの言葉を聞いた瞬間、頭の中に警報がなり響くが何も起こらない。
金庫が開いた瞬間、中から煙がでて来る。完全に扉が開くと無数の木箱が目に入る。中に競売品が入っていると思われる箱が沢山積まれている。部屋全体が冷やされているようだ。
「よしよし、たっぷりあるな」
「さっさと運び出すね」
「おうよ」
「シズク」
「任せて」
何かがおかしい。部屋が冷やされている?
「ねえ、シャル」
「なんだよ?」
「競売品が冷やされる事なんてあるの?」
「そりゃ、目玉とかもあるから……って、まさか!? 急いで中身を確認して!」
「ああ?」
「早く!」
「わかったよ」
「待って」
ウボォーが箱の蓋を力ずくで取り外した瞬間、箱の中から大量の煙が出て来る。
「くそったれ! みんな、急いで口を塞いで! シズクは吸ってくれ!」
「わかった。デメちゃん!」
『無駄なのですよ。その子は生きているモノは吸い込めないのでしょう?』
「「「っ!?」」」
その声と同時に他の箱からも煙が吹き出し、同時に何かが浮き上がってくる。
『ようこそ、幻影旅団の皆様。歓迎してあげるのですよ』
「シズク!」
「駄目、吸えない……この霧、生きてる」
「ちぃっ、俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」
フランクリンが霧の中にオーラの塊で作られた念弾を連射していく。箱が壊されるだけで何も起きない。いや、それどころか気温が下がってきている。
「なんだこれ!?」
「おいおい、どうしたんた!」
「ぼ、僕の携帯が……」
シャルの携帯の画面にはデフォルメされた少女が映っている。
「そんな趣味だったの? この変態、近づかないでよ」
「違うから! ウイルスだよ、ウイルス!」
『くすくす、ウイルスだって生きているんですよ、知ってました?』
「くそったれ!」
『このメルトリリス様が貴方達の残り時間を教えてあげる。そうね、毒が回りきるまで4分かしら。その前にこの氷の牢獄からがんばって脱出しないと凍死するか酸素がなくなって窒息死するのだけれど』
シャルのだけじゃなく、私の携帯からも声が聞こえてくる。同時に霧が晴れると周りは分厚い氷で作られた牢獄へと変わっていた。
「くそ、とんでもない厚さだな……ウボォー!」
「おうよ!
巨大な分厚い氷の壁がウボォーの一撃によって一部が粉砕された。小型のミサイル並の威力を誇るウボォーの一撃ですら一部なんて信じられない。
「やべぇぞ、これ……とりあえず団長に連絡を……」
『連絡しても取れないと思いますよ。あちらも大忙しでしょうからね』
「まさか団長の方にも!」
『ええ、世界最高の暗殺者さん達を差し向けましたよ』
団長がやられるなんて思わないけれど、まさかゾルディック家を差し向けるなんて。
「ちっ、
「絶対にやめろよ! この閉鎖空間でやられると全員死ぬからな!」
『どうですか、彼らの様子は』
『ふん。いい気味だな』
くそ、不味い、これはかなりやばい。
「いや、ここは仕方ないぜ。フェイタン、俺といっちょ死んでくれや」
「おい!」
「ウボォーてめぇ、まさか」
「ふん、いいよ。どうせこのままじゃ全滅よ」
「いや、それなら俺が盾になろう。俺が耐え切れなかったらウボォーだ。お前の突破力は必要だろうからな」
「おうよ」
「まてよ、まだ……」
「黙れって。これしか方法がないんだ」
「くそっ!」
こいつらのやろうとしている事を理解した私はシズクとシャルを念糸で私と縛り付ける。ノブナガが私達の下敷きになり、直ぐにウボォーが私達に抱きついて地面に押し倒す。その上にフランクリンが覆いかぶさる。
「フランクリン、やるね」
「ああ、すまん」
「後は頼むヨ」
フランクリンの年弾が発射される音とフェイタンのくぐもった悲鳴が聞こえる。直ぐに許されざる者(ペインパッカー)による強烈な衝撃を受ける。
「おい、生きてるか?」
「俺は生きている。おらぁぁぁぁぁっ!!」
ウボォーが瓦礫を吹き飛ばすと、フランクリンのボロボロの身体が横たわった。もう息をしていない。フェイタンに関しては後すら残っていない
「くそったれがぁあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
周りを見るとビルが地下からの爆発で崩壊している。逃げまとう連中が沢山いるけれど、肝心の連中はどうなったかはわからない。
「いやはや、困ったのですよ。まさか数十トンの氷をぶち破って来るですか。予想外なのですよ、まったく」
崩壊したビルの上に座りながら私達を見下ろす三角帽子を被り、本を手に持っている少女。その声は私達が地下で聞いた声と同じ。
「てめぇかぁああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
「待てウボォー!」
「ぶっ殺してやるっ!」
「ノブナガまで!」
ウボォーとノブナガが突撃していく。
「そんなに相手をして欲しいなら相手をしてあげるのですよ」
その言葉と同時に上空に無数の氷が出現し、重力に引かれて落ちてくる。
「はっ、しゃらくせぇ! ノブナガぁ!」
「おうよ」
ノブナガが氷を切っていく。
「そんなに動いていいのですか? まあ、私は気にしませんが。それと足元がお留守ですよ」
「「何!?」」
「ノブナガっ!!」
ノブナガの身体に鎖が巻きついて直ぐに引っ張られる。その瞬間、いつの間にかウボォーの近くに氷が現れる。ウボォーはそれを砕くのだけど、その後ろから少年が現れる。彼の右腕が装甲で覆われており、背中には3本の赤い羽根が生えている。
「衝撃のファースト・ブリット!」
「がぁっ!?」
膨大な念が篭った一撃がウボォーの身体を吹き飛ばす。
「まだだよ!」
凄い加速で吹き飛んでいるウボォーへと追いついて追撃を入れる。
「撃滅のセカンド・ブリット!」
ウボォーはなんとか両手を交差させて防御するけれど、威力がかなり上がっているのか腕が完全に折れた。
「そして、とどめの抹殺のラスト・ブリット!!」
防御を崩され、毒でろくに動けないところに一撃を受けたウボォーのお腹に強烈な一撃を与えた。生きているかどうかわからない。
「押忍」
「どこのシェルブリットですか!」
「かっこいいじゃん」
「そうですけれど!」
「だから言ったじゃない。流石はあんたの兄でアイツの息子だってね」
「っ!?」
背後から声が聞こえた瞬間、大きな女がシャルを殴り飛ばし、シズクのデメちゃんを粉砕して気絶させた。
「ぐっ」
「逃がすかよ」
「がっ!?」
いつの間にか私の身体に触れていた手から強烈な電撃が流れて身体の自由を奪う。
「いやはや、キルア君は鬼畜ですね。女性に電撃とか……鬼畜外道の所業なのですよ」
「お前に言われたくねえよ! だいたい毒とか平気に使ってるじゃねえか」
「ちょっと身体能力が8割減で、念の総量が6割減な優しい毒ですよ? 致死率は約70%という心優しい値で……」
「どこが優しいんだよ!」
「多分だけど、他人に感染しないあたりがじゃない?」
「ええ、そうですよ。空気感染はしませんよ」
「ちくしょう、こいつら……」
「そっちはおわったか。こいつらはどうするんだ?」
ボコボコに殴られたノブナガを引きずって鎖の男がやってくる。
「え? 皆殺しですよ。決まってるじゃないですか」
「本当に殺すの?」
「ええ、食べます」
「ちょっと、食べるの!?」
「そうですよ。美味しそうですからね。彼らは私に食べられて、これから私の下僕として過ごすのです。ふふふふ」
「こ、こわいよ……」
少女はフランクリンの死体に近づいて、足の剣を突き刺した。するとフランクリンの身体が溶けて消えていく。
「ふふふふ、いいですね……有象無象とは全然違います」
「「おい、ユエ」」
「なんですか、キルア、クラピカ」
「お前の能力はなんだよ」
「気になるな。明らかに氷と毒だけでもメモリは破綻しているだろ」
「私の能力ですか? 簡単ですよ。感染と吸収です。メルトウイルス、それが私の能力。手に入れた相手の力を全て美味しく頂くのです。弱点は下がる人とかですね」
次にシャルが吸収され、シズクが吸収される。
「さて、次は……」
「くっ……」
「貴方は色々と便利ですからこっちにしましょうか。えい」
「なっ!?」
私の頭にはアンテナが突き刺された。
「くすくす、便利な能力ですねぇ……」
「この悪魔めっ!」
「こほっ……悪魔ですがなにか?」
血を吐きながら笑う悪魔。どうか団長が無事でありますように。
「死せる従僕や背信のマギアとかが欲しいのですよ」
「なにそれ?」
「えっとですね……」
ゴンの能力はお分かり頂ける人がおおいかと。
スクライドの主人公さんの奴です。