さきにそちらを見てから当話を見てください。
視点:須美&園子
一時戦闘不能となるほどの負傷を負い銀に突き落とされ戦線から離脱した2人だったが、なんとか動けるまでには回復し今はなんとか大橋に上陸した。
「わっしー…大丈夫?」
「なんとか…それにしても」
上陸している間にも戦闘中なのか轟音が止まっていない。
「まだ戦闘中ね。急がないと、いくわよそのっち」
「うん」
2人は道路部分まで昇って行った。戦闘中と思われる親友を助ける為に。
――――――――――
■を救う為に■を犠牲にする。
アタシにはよく分からないけど、
やむを得ない場合の犠牲の例えらしい。
あの時のアタシはまさしくそれをやろうとしていた。
無我夢中だった…ダチコー2人を救う為にその■■をしたんだ。
アイツはそんな例えが■■■■人だった。
それが■の道だとしても……。
それを選ばなければ今頃アタシは■■■■■だろう……。
ダチコーや家族は大事なものを失って泣いていただろう……。
勇者御記 三ノ輪銀
――――――――――
視点:勇&銀
「さてと…間に合ったようだけど。アプリを使ったらこういう姿になってしまったな」
今の勇の姿は白の紋用が入った黒のズボンとインナーに、白銀色に紫の装飾が入ったベストとコート・腰装備。武器なのか右手には両刃の片手剣、左手には盾を携えている。
「勇!その姿…」
「銀、無事でよかった」
「あ、あぁ…」
勇は銀の様子を見てると足に大きなダメージを負ってるし、所々傷だらけだが、意識ははっきりとしている。勇が間に合わなかった多分力尽きていた可能性が高い。
「(!?)勇…後ろ!」
「後ろってなにが……」
銀の指差した方向を見ると光球がふわふわと浮いていた。
【はじめまして…我が主よ】
光球が弾け現れたのは、青い体に美しい白銀に光る体毛に覆われている馬のような外見で頭に1本の角が生えている。勇を主と見ているのか、まるで主従の従者のような口調である。
「しゃべった!?……けど君は?」
【我の名は『麒麟』。とある方にお仕えするとある存在です。……ですがこの状況】
『麒麟』と呼ばれた存在は、矢の雨をバリアで防ぐ。
【……お伝えしたいことが山ほどあるのですが…今はこれを切り抜ける必要がありますね】
未知の存在の登場で思考停止しかけた2人だったが緊急事態だったのと麒麟の一言で我にかえった。
「銀動ける?」
「大丈夫と言いたいんだけど…足が回復しきってないから動けないかな」
【いくら神樹様の力でもここまでの回復は限界があります。主、まずは勇者の子の安全を確保した方がよさそうですね】
「今はその通りにしたほうがよさそうだね。よっと」
「ひゃあ!」
勇は銀を抱えあげた。横抱き…いわゆるお姫様抱っこである。
「ちょ、勇何するんだよ!///」
「今はこうするしかないんだよ。ちょっとだけ我慢してて」
【私が攻撃を防ぎますので急いでください】
銀を抱えあげた状態で大橋の中央部分に後退し彼女を降ろした。
「さてと、どうするか【主、これに】…確かあれがあったはず」
麒麟が遠足用にもってきた勇のカバンをもってきた。中から救急セットがあったので銀の処置をした。
「銀、一応応急処置はしたから、ここで休んでて」
「1人でやる気かよ!」
「君だってそうやってただろ!須美と園子が戻ってくるまで出来うる限り時間稼ぐ!それでやる!」
応急手当てを終わらせた勇はバーテックス向かい合い戦闘態勢をとった。ど素人ながらもしっかりと剣を構えたが不意に声が聞こえる。
【主、戦闘経験は…「ない!」…まあ、普通はそうですね。】
「さっきみたいなバリアがあればいいんだけど…」
【あまりオススメはできませんね。確かに無力化はできますし、あなたの安全を保障する程の力ですが食らいすぎると割れますし、再展開まで時間がかかるものとなっております】
「それならどう戦えば?」
【なので今までの蓄積データからあなた用にあった戦闘システムに適応します。補正等のサポートは私が行います……作成および適応完了。主、心を澄まして…イメージが浮かぶ筈です】
「わかった」
勇はバーテックスを睨みつけながらも意識を集中させた。
「(!?)…これか」
【来ます!】
―――――――――――
今、勇は自分から動かず3体から距離ととり静かにその出方をうかがっている。その時射手を務めるバーテックスが大量の矢を降り注がせるとともに2体が肉薄しようと向かってきた。だが、勇はそれでも動かない。
「勇!」
銀がそう叫ぶと勇は…
――― ガギンッ!
【【【!】】】
盾を翳し力場を発生させた。光の矢は四散し、鋏と尾の攻撃を受け止める。盾でのバリアは範囲が狭い分防御が固い。
「くぅ…さすがにきついな…でも」
2体分の力がかかるも勇はそれを押し返さず、受け流し地面に叩きつけた。射手型は1本の光の矢を撃ってきたが、今度は無防備な鋏型を蹴りつけ光の矢の射線から身を守った。蠍型は地面から尾を引き抜た瞬間、勇は蠍型の胴体の懐に一気に飛び込みラッシュと仕掛ける。鋏・蠍型は堪らず後退する。
それを援護しようと射手は光の矢を降り注がせた。
(橋の上じゃあ拡散だから避けられないか…でもさっき防いだ時に)
勇は今度は盾で防ぎつつ、降り注ぐ光の矢の雨の一部を
――― キンキンキンキンキン!
片手剣で舞うようにしてはじき返した。弾き返された矢は狙ったかのように鋏・蠍型に突き刺さる。堪らず2体は弾き返された矢の雨でさらに後退する。
(す…すげぇ。そういや勇、眼がかなり良いとこ見せてたな)
銀は、以前のお姉さんの手伝いの事を思い出していた。そう思ったその矢先に、
「あっ!!」
いまだに勇は自分の力に慣れていないのかはじいた矢が樹海に直撃してしまった。
「勇、樹海を傷つけたら駄目だ。現実世界に災厄がもたらせてしまうぞ」
「(!?)災厄?この前起きたやつか!」
「っつ、勇…危ない!!」
銀がそう叫ぶと、鋏型が矢の雨をもろともせずに突っ込んできた。勇は矢の雨を弾き返しているので回避行動が間に合わず防いだが、
「(!?)しまった」
勇は鋏型のハサミに捕まってしまった。押し返そうとするも蠍型が仕留めようと尾で連続でつつく。
【主!まずいです。今はバリアの効果で防いでますが、徐々に削られてます】
(んなこと言ってる場合ですか…こいつが離してくれない)
【出力を集中させれば脱出できますが…どっちか一方が止めれれば】
「勇…なんとかしないと」
銀は勇を助けようと周りを見渡したが、使えそうなのは彼女の得物である斧1丁のみ。しかも、彼女は足を撃ち抜かれたことにより動けずにいた。それでも助けようと頭で考えるより身体が無意識に動いた。
斧を携え立ち上がり構える銀、蠍型の尻尾は勇を捉え様と不規則にうねうねと動いている。
「勇だってアタシを護る為に無茶してるんだ、ここでやらなきゃ銀様の名前が廃るってもんだぜ」
銀は狙いをつけ足の痛みに耐えながら渾身の力で斧を投げつけた。勢いよく回転しながら斧は一直線に蠍型の尻尾へ飛んでいき…
【!?】
蠍型の尻尾の関節部を切り落とた。
「勇ぃぃぃぃ!やっちまえ~~~!」
勇は挟まれた状態から力場を展開、ハサミを押し返し脱出した。押し返した鋏は地面に叩きつけた刺し止めた。
「銀、ありがとう!」
勇は鋏型のバーテックスと橋のワイヤーを使い三角跳びの要領で頭上をとる、
「ここから……」
流星の如く突っ込み剣を構え、
「ここから……出て行けえぇーー!!!」
そう叫び胴体を突き貫いた。
【主、今です!自分にある力を流し込むイメージで斬つけてください!】
勇はバーテックスに突き貫いた剣に渾身の思いを込め一気に切り裂いた。
「どうだ!」
斬りつけ着地しそのまま3体のバーテックスを睨みつけ次に備えようとする。
【!#$%&】
斬られたバーテックスに異変が起こる。本来ならすぐ再生していまい、その活動は留まることはないが、勇が斬りつけた部分が再生せず、光があふれだし斬り落ちた部分が砂のように崩れた。すぐさま鋏型は壁の向こうへと消えて行ってしまった。
その光景を見た他2体のバーテックスも徐々に後退していき、壁の向こうへ消え瀬戸大橋は静寂に包まれた。
side:銀
「なんとかなったぁ~。それにしても」
ほぼ初めての戦闘でかつ素人なのに、アタシたちが苦戦したバーテックスを撃退しやがった。それにしても最後の一撃でバーテックスが再生せずに崩れた……。勇の使っているシステムの力なのか?
「銀…奴らはどうでるのかな?」
「…あ、戻ってこなかったら多分撃退でしたと思うよ」
(prrrr)
勇のスマホに着信がかかる。
《勇、よくやった。まさか撃退できるとは思ってもなかったよ。もう大丈夫だ…敵の撃退を確認した》
「ふぅ…なんとかなった~。あ、おじさんごめん。銀が怪我してるからまたあとでかける《おい、いさ…》」
勇は連絡を切ると、銀の下へ駆け寄った。
「いいのかよ」
「気にしなくていいよ。今は病院までいかないと」
勇に再び抱きかかえられた。う~んこういうのはアタシのキャラじゃないんだけどなあ…。
―――――――――――
視点:須美&園子
痛みを堪えつつも銀の下へ急ぐ2人。道路の部分まで上ると異変に気付く。
「静かすぎる」
須美は嫌な予感を感じていた。3体もいるはずなのに静かすぎるのだ。
「わっしー…いこう」
銀の身に何かあるかもしれなかったので急かす園子。
「そうね。(銀…すぐに行くから…援護くらいやってみせるわ)」
(リーダーを差し置いて1人でやろうなんて~終わった後に、説教だからね~)
2人は覚悟を決め壁の方へと歩を進めようとしたが、
「須美~~~!!園子~~~!!」
聴き慣れた声が聞こえ、橋の向こう側からこちらへ走って向かってくる姿が、
「(!?)銀「ミノさん」!!!」
1人橋に残ってバーテックスを撃退していた銀だ。見慣れぬ格好の誰かに抱えられているが2人にはすぐ認識できた。
「それに「勇君」いさみん!!」
出撃前に別れたクラスメイトである勇だった。
「ミノさん…無事でよかったぁ」
「ちょっと銀!あんなことして…また無茶しちゃって…」
2人は親友の無事に安堵し、須美は涙目になりながら銀と勇の下へ寄り添う。
「ごめんな……須美…園子…」
「無事だったから良かったけど…それに勇君!」
「いさみん、私達勇者の恰好に似てるけどなんでそんな恰好でここにいるの?」
「えっと…その…」
須美と園子に言い寄られて答えに困った勇であったが、
「あれ?なんか変だな…安心してきたら…なんか眠く……」
親友2人に謝った銀だったが、突如意識が朦朧とし始める。
「ミノさん!どうしたの?う…」
「(!?)銀、これは!」
2人が見ると、勇が施した太腿の包帯が紅く染まっていた。
「バーテックスに足を撃ち抜かれたんだ。僕が到着した時に巻いといたんだけど、早く病院にいかなかきゃ」
勇がそう言うと、周りが突如光に包まれる。
気が付くと樹海化が解除されて4人は大橋近くの祠へと飛ばされていた。いつの間にか姿も元の神樹館の制服に戻っている。
「あれ?いつの間に?」
「神樹様が…勇君も送ってくれたんだ」
「う~ん神樹様の勇者じゃないんだけどなあ……」
須美の説明で一応は納得した勇であったが、そこへ園子がせかすように、
「ちょっと2人共今は大赦に連絡してミノさんを病院へ連れて行かないと!」
「あ!」
「そうだった。おい、銀しっかりしろ!ここで寝たら駄目だ!」
園子も焦っているのかいつもより饒舌だ。須美がすぐに連絡を取ろうとすると、
「おい、こっちだ」
「(!?)貴方は」
4人のもとに来たのは、以前勇を助けた組織の人(第2話の人)と彼の同僚なのか数名の人が担架をもって駆け付けた。
「勇君、この人たちは?」
「僕が最初に樹海に巻き込まれたときに助けてくれた人だよ。他は知らないけど…多分同じ組織の一員かと」
「今は一刻も争う状態みたいだな。大赦には組織が連絡済で今頃は受け入れの準備中だ。その子を病院に運ぶから担架に乗せて、急ぐぞ!!」
勇が須美・園子に組織の人たちを簡単に説明すると、一刻の猶予もない銀を担架に乗せ、3人は組織の車で病院へ向かうのであった。
なんとか彼女の命日までに投稿完了…。2か月も空けてしまったけど、リアルで忙しかったしここまでのプロット書きに集中したのも原因かと…。
幸いなのかまさかこの日に完成を迎えることとなるとは。
以後、原作死亡キャラだった三ノ輪銀ですがこのまま出番なくなるというわけではありません。作者の独自解釈となりますがこのままわしゆの物語の主要人物のひとりとして活躍していただきます。