No side
増援の奇襲に十分に警戒はしてた2人だったが、バーテックスは彼女らラッシュを狙い仕留めようとした。そのため乙女座が先行し耐え、いて座は時間差で海中より結界から侵入、勇者のどちらかを仕留めようとした。須美と園子は攻撃時の轟音もあったためかいて座の攻撃を躱すことはできたが増援のいて座の介入により一気に不利になっていた。
「っ!?」
須美は爆発する塊はなんとか撃ち落とせてる。しかし、無理をして連射したため須美の指から血が滴る。
「…でも銀は体中傷付いてもこの何倍も頑張っていたわ。これしきが、なんだっていうのよ」
自分を奮いたたせ塊を撃ち落としつつも須美は園子に語りかける。
「そのっち、そっちは大丈夫?」
「なんとか~でも、こっちから討って出れなくなっちゃったよ~」
園子も槍で敵の矢を捌き返してるので大橋や樹海に被害は出ていない。今のところ膠着状態に耐えられている勇者2人だがいつ崩れていてもおかしくはない。さらにこちら側からの現状打破の一手はない。
「(!?)わっしーこっち!」
――― ダァァァァァアアアン!
いて座が大きめの矢で須美を狙ってきた。須美が園子の元に駆け寄る。園子はいて座の矢を防いでなんとか弾き返す。
「助かったわ、そのっち」
「うう~手がしびれたけどどういたしましてだよ~」
だが、この瞬間を奴らは見逃すはずがない。彼女らの真上に影が差した。
「(!?)わっしー!!!」
いち早く反応した園子が須美を突き飛ばした。
――――――――――
side:須美
「……そのっち?」
そのっちが叫んだ後に彼女に突き飛ばされた私はすぐさま立ち上がる。何が起きたのかとあたりを見るとすぐ傍にはそのっちの槍が落ちていた。すぐさま影があるところの上を見てみると…。
「む~~~~~~!!!」
そのっちがバーテックスの布の尻尾に包まれて捕まってる!!脱出しようともがいてるんだけど伸縮性があるのか全然出られないみたい。
「待ってて、今助ける」
すぐに私は矢つがえ構えたんだけど、それを察知したのが捕まえたそのっちを盾にするように構えてきたわ。……なんて卑怯な。
「……駄目…。撃てない…」
誤射をすると判断してしまった私は躊躇してしまう。…だけど、それが奴らの思うつぼだったわ。弓矢のバーテックスが私を仕留めようと矢をつがえ、そのっちを捕まえたバーテックスは勝ち誇ったかのように尾を掲げ、私の目の前で握りつぶそうとしたのかその布に力をこめ始めた。
「―――!!!」
乙女座の尾の締め付けにより園子は抵抗するも声にならない声でうめく。
「駄目…やめて……やめてよ……」
友達が締めつけられる様子を目の当たりにし、私の表情が次第に絶望に染まっていく……。
「やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
そのっちが見るも無残に死ぬ……私がそう思い絶叫したその時である。
――― ドゴォォォン!!!
【!?】
「……えっ?」
弓矢のバーテックスに何かが直撃したのか爆発とともにたじろぐ。
それに驚いていたのも束の間、
「せいやぁぁぁぁ!!!」
何者かが布の尾を持つバーテックスを切り捨てた…あれは……
「麒麟、彼女を頼む!」
紛れもなくクラスメイトの勇君だわ。
――――――――――
No side
須美・園子の危機を救おうと勇は戦場となっている大橋へと急いでいた。システムに備わっている力もあってかあっという間に到着した。そして…
「(!?)まずい…園子が捕えられてる」
目にした光景を見て誰が見ても時間的に猶予はないと判断した。園子は乙女座の布の尾に捕えられており人質にされ須美が矢を撃てなくなっている。さらに、それを仕留めようといて座も大型の矢を撃ち込もうとしていた。
接近しようにも距離があるため今いる場からの援護が必要だ。
【勇、遠距離からの攻撃で弓矢の方をやり方は説明した通りに】
「わかった」
勇はまたバーテックスの戦闘になる可能性があると思い、麒麟から戦い方をある程度学んでいた。大赦の勇者ではないため本格的な戦闘訓練はしていないが学習はできると彼は考え実行に移した。勇は持っている剣に力をこめると青白い光が実剣の周りに構成される。剣を下段に構え、
「せい!!!」
勢いよく振り上げると光の刃が放たれる。音速を超えた刃はそのままいて座に直撃し爆発を起こした。不意の一撃を喰らいたじろぐいて座を確認した勇は、
【勇、私の能力で一気に】
「…(まずは足の裏に力をこめ)」
勇は少し屈み突入の態勢をとると、
(一気に撃ち出すイメージで!)
乙女座にめがけ飛び出した。その飛び込みの速度はすさまじくその場から消え、あたかも乙女座の正面に瞬間移動したかのように忽然と現れた。
「せいやぁぁぁぁ!!!」
乙女座の布の尾を上段からの袈裟斬りで斬り落とした。伸縮性のある布の尾は実剣ならその柔らかさで素人の勇では斬り落とせないが今の光を纏った剣でならその布を焼き斬る要領で斬れる。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
切り落とされた尾は消滅していき捕らわれた園子が投げ出される。バランスがとれないため受け身できない…このままでは地面に直に激突する。
「麒麟、彼女を頼む!」
勇はそういうと、今度は左手の盾でバーテックスを裏拳で殴り飛ばす。その間にパートナーである麒麟は激突地点に先回りし障壁を張る。力場を調節しクッションの要領で園子を受け止めた。園子はゆっくりと地面へと降ろされる。
「そのっち、大丈夫?」
【御無事で何よりです】
「わっしー、うん。ちょっと苦しかったけど大丈夫~。それと……お馬さんありがとう~」
須美が園子の元に駆け寄り園子が麒麟へお礼を言うと、乙女座を吹き飛ばした勇が彼女たちの前に降り立った。
「よっと、2人共…間に合ってよかった~」
「勇君!!」
「いさみん…助けてくれてありがとう…でも」
「言いたいことはわかるよ。銀は安全なとこに運んだし、一言言っておいたからもう大丈夫だ」
驚いている須美と何か言いたげな園子を他所に勇は言葉を続ける。
「銀にも頼まれたけど、自分の意思でここに来たんだ。……園子、迷っている僕を戦いから遠ざけてはくれたけどさ…やっぱりここまで関わってしまったから見過ごせないし、それに友達を守る事に…理由はいらないよ。だからさ…僕にも守らせてよ」
勇の誓いを聞いた須美と園子は立ち上がり、勇にゆっくりと近づく。
「……勇君、本当にいいのね。そのっち、私はいいと思うのだけどあなたは」
「……いさみんがこう決めたんなら文句はないよ~。むしろ相手は複数だし戦力が多い方がいいよ~。いさみん、隊長権限として私達勇者と戦ってくれるかな」
勇は2人の決定に素直に頷く。だが、そこに3人の目の前に2体のバーテックスが回復し立ちふさがる。3人はすぐさま戦闘態勢をとった。
「それで2人とも大丈夫?」
「大丈夫と言いたいけど、ずっと攻撃してたから…」
「もうフラフラ~だけど、頼もしい援軍が来たからもうひと踏ん張りするよ~」
「それじゃあ、園子指示はそっちに任せるよ。こういうのは慣れている人に従うのが一番だし」
【私のサポートがあるからそこそこ動けます。だから、そちらの考えている通りにお願いします】
「わかったよ~。これ以上消耗したらまずいからまずは爆弾撃ってくるやつからいくよ~。わっしーは弓矢の方を牽制して、私が接近するためのサポートするからいさみんは一撃を加えるのに専念してね~」
「わかったわ」
「了解!」
布の尾が勇の一撃で再生できないため筒状の尾から塊を撃ち込んでくる乙女座。
「竜巻よ…!」
園子は頭上で槍を回転させ竜巻を発生させた。竜巻は飛んできた塊を吸い込み纏める。それを見たいて座は園子を狙撃しようとするが、
「やらせない!」
須美の狙撃で大型の矢の溜めが阻止される。さらに、連射をして牽制しいて座の動きに制限をかける。
「いさみん、今だよ~!」
園子の合図で竜巻が止むと勇は盾の障壁と使い、塊をまとめて乙女座へと弾き返した。飛んで行った塊は乙女座の近くで炸裂しその威力にうめき声をあげた。
「悪いけど盾は防ぐだけじゃないんだぞっと」
「いさみん~再生している箇所はあそこだよ~」
園子の指示した部位に勇は連続で斬撃を加える。乙女座は反撃しようにも接近戦用の布がないため防御も出来ず成すがままにされる。斬りつけられた乙女座は勇の力で徐々に再生が鈍る部位が出始めそこに園子が的確に攻撃を加える。それにより十分な火力となり壁の近くまで押し切られる。流石に観念したのかすぐに向こうへと消えて行った。
「残り1体」
「わっしーそっちは~?」
「……意外と脆いみたいだから押してる」
いて座は遠距離攻撃能力に特化しているのか、どうやら防御能力はそれほどないみたいだ。須美の手数の前に何もできないでいる。
【!?】
状況が不利と見ると逃げの態勢に入ろうとしたのを見た園子は、
「ここで逃がしたらまた来るかもしれない~なにか決め手入れた方がいいかな」
「……かわいそうだけど、銀の件もあるからね」
「同感だな…僕も逃がした責任があるし…」
どうやら、3人は前回の戦闘の件もあるのか逃がしたらいけないと思い追撃に移った。
【勇、今一度】
「わかった」
勇は再び屈み足に力をこめる。先程見せた瞬間移動でいて座に肉薄する。
「悪いが…ここで仕留める」
突きから薙ぎ払い・袈裟斬り・唐竹割りなどのコンビネーションを叩きこむ。さらに、
「勇君、援護するわ」
須美からの矢の速射による近接援護も入りいて座は徐々に削られていく。
「とどめ…「だよ~」!!!」
勇に追い付いた園子と共に再生中の部位を刺し貫き。十字に交差するように2人は斬り抜けた。3人の猛攻でボロボロになったいて座は壁の外へと撤退した。
――――――――――
戦闘終了後、結界が解けると同時に3人は大橋記念公園へと転送された。須美と園子は体力を使い果たし、勇は慣れない戦闘で大きく疲労が溜まり3人は公園の草むらの上に倒れ伏していた。
「はぁ…はぁ…2人共大丈夫?」
「なんとか~……なんかいつも以上に疲れたよ。それにしてもいさみん、相当疲れてるみたいだけど~」
「戦闘って…こんなに疲れるものなのか……なんか前よりもどっときてるんだけど」
【勇は勇者の子2人が疲れてるのもあってか力を使いすぎましたからね。おそらく、それで疲労が人並み以上に溜まってしまったのでしょう】
「…そういうことか。これは次回までに鍛えないとすぐへばっちゃうかな……」
麒麟の説明に須美と園子は納得した。するとそこに、
「勇~須美~園子~」
銀が組織の人に抱えられやってきた。勇が組織へ要請後にすぐに保護されたようだ。
勇たちの元へとつくと銀は草むらの上に降ろされる。
「ありがとな、おっさん」
「(おっさんって…これでもまだ20代なんだが…)3人共無事のようだな。これから『霊的医療班』に要請してから近くにある車を拾ってくる。それまでここで待っててくれ」
組織の隊員はその場を去った。
「須美…園子…無事でよかったよ」
「あなたもね、銀」
「ごめんねミノさん~。心配をかけちゃって~」
3人はお互いの無事に喜び、勇へと向き直る。
「銀、約束は果たしたよ。こんな姿がちょっとカッコ悪いけどね」
「ううん。それだけで十分さ、勇」
銀が勇の手を握り続ける。
「須美と園子を守ってくれて…本当にありがとな///」
銀は満面の笑みで勇に答える。その頬が少し赤くなっているのを見た須美と園子は、
(ねえねえ、わっしー。なんだかミノさんちょっと変だよ~もしかして~)
(もしかしなくても、私と考えてるのと同じかもねそのっち)
銀の勇に対する変化に気付いた。
その後、4人は病院へと搬送され検査を受けた。銀を除く3人は特に大きな負傷もないということですぐに家に帰されゆっくりと休んだ。
―――――――――――
――― 翌日
-神樹館 空き教室-
須美・園子そして勇は担任教師に呼ばれ集まっていた。
「さてと、まずは鷲尾さんと乃木さんからね…。2人共、この前の戦闘はよくやってくれたわ。三ノ輪さんがお休み中で辛いのに……負担をかけてしまって本当に申し訳ないわ」
「いいえ、先生。私達は大丈夫です」
「神樹様に選ばれた勇者ですから~」
須美と園子がお互いに頷き答える。
「今回の戦いで間に合わなかったけど、この前の戦闘を踏まえて大赦側で勇者の力を強化するシステムの開発が進んでいるの。武器も少し変わって、サポートもつくようになるわ。そのためか、勇者と神樹様の距離が近づく分さらに強力な力を使えるようになるというとこかしら」
「なんだか、凄いですね~」
「実装されたら早く物にしないとですね」
「続いて、紺野君だけど…」
先生が勇へと向き直り、
「こっちに転入してきて、あっという間に3人に懐かれて心の支えになってくれたし、成り行きだけど勇者になってしまって戦ってくれて、本当にこの子たちのためにありがとう」
「いえ……ありがとうございます」
勇は謙遜し、照れくさそうにしながら担任に答える。
「それで勇者…といえるのかな。保護者や組織の人から聞いたけど勇者たちと一緒に戦うって聞いたんだけど…」
「先生。僕が決めた事を素直におじさん達に話しましたし、それを認めてくれました。僕の出来る限りの事をやって、彼女たちのお役目を手伝おうと思います」
勇の決意を聞いた先生は3人に対し言葉を続ける
「あなたたちに荷が重すぎる役目を押し付けることになって本当にもどかしいと思っている。選ばれるまでは普通の女の子であった鷲尾さん・乃木さん・三ノ輪さん、そして急に戦う事になった紺野君に任せないといけない大人で本当にもどかしいと思ってる」
「先生、そんなことはありません」
「私達は四国を守るために選ばれただけなんですから~」
「僕もそのために選ばれたんだと思います。だからそう畏まらないでください」
「…あんなに辛い事、苦しい事があったのに本当に立派ね…大変なお役目に向き合える力もあるし、それに他者を思いやる心があるから神樹様に選ばれたかもしれないわね」
先生が立ち上がり、両手を勇の肩にのせ語りかけるようにして続ける。
「…あなたも彼女と同じそれに向き合う力があるし、それに男の子だから彼女たちを守ってあげてね」
「はい!…ですが先生、銀が帰ってきたら彼女にも同じ事を言ってください」
担任の先生は勇の一言にきょとんとした顔になる。
「ミノさんは偉いよぉ~。1人で3体に逃げずに立ち向かって。私には絶対にできないことだよぉ~」
「1人で戦ったのはいけないことだと思います……ですが、銀の咄嗟の判断が無かったら私達は全員死んでいたかもしれません……あの子はそれをあっさりと決めれるから…私よりも強い子です…」
「銀の援護がなかったら逆にやられていたのは僕の方でした。あの時は僕も初めての戦いで無我夢中でしたし……。それだけ須美や園子、僕も含めてですが彼女の存在も大きかったと思います。だから…」
ここで勇たちの発言を受け先生は、
「…ごめんね3人共、訂正する。3人…いや、三ノ輪さん・紺野君・鷲尾さん・乃木さんの4人で勇者よ。三ノ輪さんにも直接伝えておくわね…それと、彼女の怪我のリハビリや復帰を含めて大赦で面倒見れるし、彼女からなるべく早く戻るために頑張るとあったわ」
先生の銀のリハビリなどのケアを聞き、須美と園子は喜び、勇も安堵の表情となる。
報告や自分の思いの吐露を終えた先生は、
「3人共何かあったら遠慮なく相談してね?私にはできることはこのくらいだし…だからこそ、みんなが普通に暮らすこの四国を、よろしくお願いします」
「「「任せてください」」」
頭を下げた先生に3人は力強く返事をした。
オリ主は初期状態からかなり強めですが反面燃費が悪いタイプのため長期戦はできない設定。よって、現在は速攻が主となります。
近くに挙げますが『第2夜』にて当小説のラストまでの計画を語る予定。
以下、茶番(シリアスは何処へと言った模様版 キャラ崩壊注意)
●もしも、鷲尾須美が捕えられた場合
この瞬間を奴らは見逃すはずがない。彼女らの真上に影が差した。
「(!?)そのっち!!!」
いち早く反応した須美が園子を突き飛ばした。
―――――――――――
「いたたたた…わっしー!!!」
「ん―――――!!!」
須美が乙女座の布の尾に捕えられ、今まさに締めつけようとし園子が絶叫する。
「だめぇぇぇぇぇぇ!!!」
たしかに乙女座は締めつけようと…したが、
【――― ……!?】
「ぷはっ!?」
突然、乙女座は捕えられた須美が息出来るようにするため頭だけ布を外した。
「ふぇっ!!!///」
すっとんきょうな声を挙げる須美。園子はその様子とを見てポカンとしている。
「ちょ…ちょっとどこ触…ひゃあ!!///」
「わっしー?」
【!!!】
……何を思ったのか、布の尾で須美の全身をまさぐり始めた乙女座……。
「や…やめ…あっ…そこは…駄目だ…って…んん!///」
「ほぇ~~~///」
【…………】
その様子を見た園子は呆然としている。バーテックスのいて座までもだ。
「…あぁ、見ちゃだめだ///見ちゃだめだ」
【ああいう輩は女性の敵です!彼女も許してくれると思いますからあの女の子…いや女性の敵を一刻も早く排除しましょう!!!】
「…って言ってる場合じゃないんだよなあ。なんとかあまり見ないように助けよう」
年頃の少年である勇は視界を外していたが、麒麟の一喝ですぐさま須美を助け、園子と共にいて座とすぐ撃退した。
――― 一方、須美は、
「はぁ~…はぁ~…」
【(わが生涯に一片の悔いなし)】
「この変態!!!最低!!!///」
どこぞの鬼神の如く乙女座を執拗に撃ち込んでいた。橋の上には針鼠のように無数の矢を刺された見るも無残な姿になった乙女座が転がっていた。
(女の子は絶対に怒らせないようにしよう…うん、そうしよう)
(これはネタになるのかなあ~)
(ちきしょう…その桃けしからんぞ!!!)
その様子を見た、勇・園子・銀は三者三様にそれぞれ思っていた。
R-15タグはついてるけど、R-18に抵触しないよね…。