No side
‐朝のホームルーム終了‐
「○○○です。宜しくお願いします」「△△△だ。よろしく頼む」
といったように、朝のホームルーム後の休み時間を利用して転入生『
「鷲尾須美です。よろしくね紺野君」
「よろしくね。鷲尾さん」
勇は彼女に対して真面目っぽくいわゆる大和撫子みたいな人の印象を受けた。
「乃木園子だよぉ~。よろしく~いさみん」
「よろしく…いさみん?」
「この子、あだ名で呼ぶから」
「そうなのか?別にいいよ、呼びやすいので」
「うん、それじゃあいさみんでよろしくねぇ~」
須美が園子があだ名で呼ぶ子だと教えた。勇は彼女に対してポヤァーとしたかなりの天然の印象を受けた。
「それじゃあアタシの番だな。三ノ輪銀だよ。よろしくな勇」
「やっと挨拶できたね。よろしく」
昨日出会った活発そうな少女との邂逅を果たせた。
「ちなみに彼女たち3人は『大赦』の人だよ。」
クラスメイトの人が勇に彼女らが『大赦』の人であることを教える。
「そうなんだ。どこかで聞いたことのある苗字だと思ったら…」
「でも、あまりそういうことは気にしなくてもいいかな。ここではそこらの学生とは変わらないし。普通に接して構わないよ」
「私もそれでいいわ」
「私もだよぉ~」
3人は『大赦』の人だがそういうことはあまり気にして無いようだ。
「分かった。そうしておくよ」
ここで担任の先生が教室に入ってくる。
「あ、センコーがきちゃった」
「だね。三ノ輪さん教科書真ん中に置くからそれで見よう」
「サンキュー勇。あ、でもアタシのことは銀って呼び捨てでいいよ」
―――――――――――
-1限目終了-
(さてと、次の授業の準備してから…何しようかな)
休み時間は比較的に温和に過ごす方だ。昼寝したり等、その時の気分次第で過ごし方を決めている。
「ふぃー…なんとかなったぁ~。教科書ありがとうな勇!」
「お疲れ銀。ん?」
銀に労いの言葉をかけると…クラス中の生徒が勇のところに集まってきた。
「へ?なになに?」
(あぁ。やっぱし来たか)
銀が戸惑っているが、勇は平然としている。
「以前はどこで暮らしてたの!?」「スポーツって得意?」「勉強はできるの?」等々…。
一斉に聞いてきた。いわゆる転入生に対しての質問攻めである。
「さすがに一斉に聞かれても答えきれないよ。一人ずつ順番にね」
勇は淡々と質問に答えていく。
「なぁ…やけに慣れ過ぎてないか?」
「おじさんの仕事の関係で引っ越すこと多かったからねえ。慣れの問題かな」
銀の疑問にもあっさり答えていく、そんな中…、
「ねぇ、私も質問いいかなぁ~?」
((なんだか、嫌な予感がするぞ)のだけど…)
珍しく起きてきた園子がやってきた。共にやってきた須美と銀は嫌な予感を感じていた。
「乃木さん、どうぞ」
「えぇっとねえ~」
質問に身構える勇だが、園子から出た発言は…、
「昨日、勇君、三ノ輪さんと会ったけどぉ~2人ともお互いにどう思ってるのかな?」
「は!?何言ってるの乃木さん?///」
案の定、昨日あった出来事に対する勇と銀についてである。
「どうって言われてもなんのことだか?」
わざととぼける勇だが、クラス中の女子から。
「ねぇねぇ。ちょっと私も気になるな」「私にも詳しく聞かせて~」「三ノ輪さんもそこ詳しく」
等々…。やはり女子はコイバナに対しては敏感である。
「え…あの…その…///」
「な!ちょ…ちょっと///」
2人は、なんとかこの質問を協力して乗り越えたのであった。
――――――――――
‐2限目終了‐
(さすがにさっきのようには…)
「おい!転入生!?」
「(え!?)な、なんですか?」
今度は、クラス中の男子が集まってきた。
「ちょっと聞きたいことがある」
「(下手に言ったらどうなるか…)ど、どうぞ」
今度は…、
「銀ちゃんとの関係をkwsk」「女子にもてる秘訣を…」「あんたはどの派閥に入る?」
等々…。というかまともな質問が一切ない。
「(なにこの無茶ぶり…)ええと…」
「そういう関係じゃないから~///」
銀の突っ込みで黙らすことができたのかここはなんとか乗り越えた。
――――――――――
side:勇
‐昼休み‐
あれから休み時間のたびに勇に関する事と銀との関係のことで根掘り葉掘り聞かれた。質問はまともだったので大体答えられた。そして、やっと来た昼休み。昼食後、勇はすぐさま教室から出て学校中を見て回っていた。
「あぁー。すげえ恥ずかしかった…///」
理由は質問攻めでの恥ずかしさを紛らわすためである。同様に銀も所属している体育系コミュニティの子たちと校庭に遊びに行ってしまった。
「まあ、なんとか誤解は解けたからいいけど…、しばらくは騒ぎ収まるまでは大人しくしてたほうが身のためかな」
彼はどちらかといえば目立ちすぎることは苦手である。勇がそう決め込むと、当てもなくぶらつこうとしたが……、
――― 突如ドーン!と大きな衝撃が周囲を包んだ。
「!?地震か?」
そう思い周りを見てみると、
「え?」
生徒や教師、用務員に至るまで勇の周りの人が止まっていた。
――――――――――
side:銀・須美・園子
「ねぇねぇ…これ『敵』がきたんじゃないの?」
校庭で遊んでいた銀が周りが止まったことに血相を変えて教室に飛び込んできた。
「三ノ輪さん……動けるんだ」
「鷲尾さんも動いてるってことは、やっぱりそうなんだ」
同じく止まっていない須美が銀と真剣に話してると、
「ふぁ~あ。あれ?夢かぁ~…むにゃむにゃ」
「「寝るなー!!」」
「はぅあ!!」
能天気な園子も止まっていなかったが、寝ぼけていた彼女再び寝ようとしたため2人から同時に突っ込まれた。
「時間が止まったって事はだよ、この後くるのは確か……」
「『神樹』様の力による、大地の『樹海』化。いよいよ来たんだ。『お役目』をする時が―――!」
銀の質問に素直に答える須美。どうやらこの3人はこの現象に対して自分の立場を理解しているようだ。
――――――――――
side:勇
「ひとまずクラス皆の無事確認しなくては」
未知の現象に戸惑いを隠せない勇。
あれから少しは冷静になったためひとまず教室へ向かうことにした。
教室に着く直前、飛び出してどこかへ向かう銀・須美・園子の姿を見かけた。
「三ノ輪さんに鷲尾さん…それに乃木さん無事だったんだ。でも、こんな時にどこいくんだ?」
彼女たちが飛び出したあとの教室の様子を見た勇は同様に止まっていることを確認する。
「やっぱしこっちも止まってるか…」
少し悩んだ結果。
「彼女たちを頬っておけないな。追いかけよう」
彼女たちの後を追うことにした。
「(転校初日だけど、緊急事態だし…先生ごめんなさい)」
と内心、謝りながらだが。
――――――――――
No side
学校の屋上…と呼ばれたところに銀・須美・園子が到着した時には眼前に広がる光景は異質のものに変化していた。人も、建物も、ほとんどのものが樹木とかわっており、
元から緑が多い土地柄だったが、まるでおとぎ話に出てくるような樹木の国と化していた。
「うーん、もはやどこがどこなのかさっぱり分かんないや」
「綺麗だねぇ……これが神樹様の力による樹海化かぁ~」
銀は周囲を見渡して呟き、園子はいつも通りの呑気に言った。
「まぁ綺麗といえば綺麗かもしれないけど。うっとりするような光景…じゃないよねえ
事前に話聞いてなかったら完全にパニくってたかも…」
「だね、私もそう思う…」
銀の意見に珍しく須美が賛同した。
その一方で―――
「…もうなにがなんだか分からなくなってきたぞ」
銀の言う『事前に話を聞かされていない』人である勇は完全に混乱していた。学校の屋上へ向かう途中で樹海化に巻き込まれたのである。不幸中の幸いか、最後まで見失わずに3人を追いかけていたので屋上までもう少しというとこまで来ていた。そして、
「見つけた…ようやく追いついたみたいだな」
「じゃ、そろそろ……!」
「「うん!」」
勇はスマートフォンを取り出し、表情を引き締める3人の姿を見つけた。
「(何をする気なんだ?)」
そんな彼女らの行動に首を傾げている勇を他所に、3人は一斉にスマートフォンを操作した。同時に、彼女らが光に包まれはじめ、
「くっ!」
光度を増し、強烈に光ったがため勇の視界が遮られた。光が収まり彼が見たものは、
「え!えぇ!?」
――― 清楚の花を咲かせ、青の衣装を纏い、弓をもった鷲尾須美。
――― 優雅の花を咲かせ、紫の衣装を纏い、複数の刃からなる穂先をもった槍を担いだ
乃木園子。
――― 情熱の花を咲かせ、橙の衣装を纏い、両手に1挺づつ斧をもった三ノ輪銀。
という装いに変化した3人の姿であった。
「行こう!大橋へ!」
3人は、大橋へ向け行ってしまった。アクション映画のように数10メートルも跳躍て…。
そんな姿を見た勇は、目が丸となり表情も身体も固形物のように固まっていた。無理もない…某魔法少女や某戦隊・某マス○ドライ○ーみたいな変身するシーンを目の前で
見たからである。恐らく大抵の人はこうなるであろう…。
「…もはや、これ以上は驚けないよ…」
勇はいったん考えることをやめることにした。
未知の現象が続き過ぎて突っ込みきれなくなったせいもある。
――――――――――
この時までの僕はなにひとつ知らなかった…。僕らが神樹様の加護でなに不自由もなくこの世界。
いつも通りの日常の裏に潜む出来事を。彼女らのお役目を。
そして、僕に関わる運命が変わってしまったことも―――。
――――――――――
――― 時間は遡り……
‐市内某所‐
「久しぶりだな……始。あの子を引き取ってから顔を合わせるのは……」
「5年ぶりだ。意外と長かったかもな」
始と呼ばれた壮年の男性。彼が勇の後見人でもあり育ての親である『
「まぁ、こちらとしても時々顔を出したかったが、お前が神樹市から離れた途端に色々あったからな。すべて終わらすのに随分時間食わされたものだ」
「ははは。すまないな…輝実。離れた時に限って力になれなくて」
「構わんさ。そっちも子育てやらとかで忙しかったのだろう。それに比べれば再編や業績を示すなんて簡単なものだ」
「それ言えるのお前だけだと思うが……」
旧友はどうやら『
「さて、そろそろ本題と参ろうか。私を呼んだということ経験上は悪いほうとした思えないのだが?出来れば程度が低いと助かるが」
軽口気味だが、眼つきが真剣になる始。
「ふん……どちらかと言えば最悪なお知らせだ」
鼻で笑い、始にあるファイルを渡す輝実。始は無言でその中身の資料に目を通す。
「そうか。『奴ら』が動き出すというわけか。たしかに最悪なお知らせだな。やつらが動き出すということは……」
「そうだ。やつらに対抗できる手段を持つ『大赦』。そして我々も動くということになる」
「楽園を守る為に…また犠牲を強いることになるのか」
「あぁ。だがそうはさせないさ」
「君らしくないな。昔は大義のために犠牲厭わない人だと思ってたが、いつから先代たちと同じ思想になったんだ」
「勘違いするな。長い間『お役目』見せられたら思うこともある」
そんなやり取りの中、今度は輝実が始に切り出す。
「話を変えるが、あいつらの…いや、勇にはお前がやってる事は知っているのか?」
「!?……まだ話してもないし、知っては無いと思う」
「いいのか?」
「それでいい。だが、もし関わってしまったら…」
始がそう言いかけた時に、
――― 時間が停止した。
本来なら神樹が行う樹海の展開には時間を止めるため、神樹に選ばれた『勇者』でなければ時間停止時でも行動はできない。そう…本来ならば。
「!?この感覚まさか!」
「あぁ、間違いない。」
「「敵がきたか!!!」」
時間停止の中すぐに事態を認識した2人。
(pipipipipi!!!)
輝実のスマートフォンに通信が入る。
「私だ」
《司令!大変です!奴らが現れました!同時に樹海の展開が確認されております。》
「あぁ。こちらでも認識した。始と共にすぐそちらへ向かう!それまでに展開及び状況把握を済ませろ!」
《了解しました!》
簡単な指示を出してから通信を切る。始のほうを向き輝実が口を開く、
「というわけだが、どうするつもりだ始?」
「覚悟はできている。関わったらあの子にはすべて話すつもりだ。」
「分かった……頼むぞ盟友…私を導いてくれ。」
「そのつもりだよ…輝実。」
2人はスマートフォンを操作後、すぐさまどこかへむかっていくのであった。
なんとか次話まで完成にこぎつけたので投稿。そうしたら、文字数の自己ベストの更新に成功。こちらも連載に切り替えてじっくりやっていけたら・・・いいと思ってます。
設定は、小説及びコミック版準拠でやってますが、ある時にオリジナル入れていこうかと思います。
感想・誤字は感想欄ので受け付けます。