[視点:~]:その人たちを第3者からみた視点
[side:~]:その人を主軸とした一人称視点
で使い分けようかと思います。
視点:須美・園子・銀
四国の玄関口である大橋へ到着した3人。彼女たちは大橋の中央に陣取っている。
「さーて、そろそろくるんじゃないかな」
銀は、ウォーミングアップにと武器の2挺の斧を振り回す。
「…」
園子は、槍を構えつつもぼーっと橋の向こう側を見ている。
「2人とも落ち着いて戦いましょう」
須美は、2人を落ち着かせるように言い聞かせる。だが、冷静な口調とは裏腹に…
(私が倒す…、頑張る…、倒す…)
人一倍その心は燃えていた。
その刹那、橋の向こう側の空間が歪んだ。
――― 一方、その頃…、
――――――――――
視点:勇
「……は!」
ようやく我にかえった勇。しかし、頭はまだ思考停止気味である。
「まず、僕以外だとあの3人以外の時が止まって…追ってたら異世界になって、そうしたらあの3人がある意味変身して…って状況確認はなんとかできたけどこれ以上の対処方法が現状無いんだよなぁ……」
人は突拍子のことには弱く、大抵の人は正常な判断ができない。勇は頭を働かせるため気持ちを切り替え、まずは状況を冷静に分析、冷静になろうとする。幸い切り替えが早い方なため、動揺は治まってきたようだ。
しかし、現状打破の手段がないのも事実である。
考えてる最中、彼の背後で更なる異変が起きていた。
(ここから動かないことが得策なんだけど…)
突如として、花びらが舞い散り光が収束しはじめた。
「ん?」
背後の異変を感じた勇は振り向いてみたが、
「えええ!?今度はなんだよ!」
今にも弾けそうなほど収束した光の玉であった。そして…、
「うわっ!」
光の玉が弾け、強烈な光が勇の視界を妨げた。収まった後、彼が見たものは、
「転移…完了。…無事か?」
武家社会に出てくる装束をベースに現代でいう特殊部隊風にアレンジした防護服を纏った青年が現れた。
「……。一応、無事ですが」
「そうか。しかし大したものだな。普通はもっと動揺する人が大半なのだが」
「はぁ。あまりにも驚きの連続でかえって慣れてしまったってのが…」
「…納得」
ある意味驚きの連続のあまり感覚がマヒしたのか勇は意外と冷静だった。自分なりに状況を整理した結果でもある。
「それはともかく、色々と状況を説明する前にここから避難させたいことだが、あいにくと『奴ら』が来てしまったのでな。かえってここが安全だろう」
「あの『奴ら』って?ここは危険なところなんですか?」
「聞きたいこともわかるが、自分は説明が…あいにく苦手なのでな。《ご子息を保護しました。…承知。今かわります》。今かけた人が説明してくれる」
青年は話ながらスマートフォンを操作、どこかへ連絡をとり勇に手渡す。ちなみに、勇はスマートフォンを事前に見たが圏外でどこにもかけれなかった。
「連絡できないと思ってたのに…今、かわりました」
《勇か?》
「おじさん!」
電話に出たのは、後見人でもあり育ての親である始であった。
《勇…色々起きて混乱していると思うがまずは落ち着いて聞いてほしい》
「…おじさん?このこと知ってるの」
《あぁ。ずっと
「勇者って…あの変身した3人のこと?」
《それも含めて話をする》
――――――――――
side:勇
あれから始のおじさんから簡潔にわかりやすく説明されたけど。
まず、不思議な色の木々で囲まれたこの世界は『樹海』、この世界…四国を護っている『神樹』様が作り出した結界らしい。時が止まったのは、選ばれた『勇者』以外の人を結界に入れるための措置…なんだけど、何故か僕みたいな例外ってのがたまにいるらしい。
「!?来たようだぞ!」
青年がそう言うと、歪んだ空間から
「「あれが向こう側から来たモノ…バーテックス」」
勇と大橋で待ち構えている須美が同じ感想をもらした。
今来た無機質な巨大な物体は『バーテックス』。世界に恵みをもたらす『神樹』様を破壊しようという敵らしい。なぜ向こうから来るのかは戻ってから話すと言われたからそこは分からないけど、
それ以外の行動パターンは、
1.人を襲う
2.人以外は襲わない
3.通常の兵器は、ほぼ効果なし
4.対抗できる手段は、神の力を宿す『勇者』のみである
以上4つらしいけど。なんか命令に忠実に戦うロボット兵器みたいだな…。
最後に、『勇者』ってのはその『神樹』様から力を与えられし少女たちの俗称みたいなものらしい。テレビで入ってるヒーローやヒロインものっぽいな。
「あの子達…大丈夫かな?」
「まあ、若いとはいえ世界を守る為に訓練はしてある。奴は…『水瓶座』か!」
ちなみに、今は青年から借りた双眼鏡で元は学校の屋上であるこの位置から観測している。
鷲尾さんが矢をつがえ射撃体勢に入ろうとしたんだけど…、
「!?駄目、先に牽制して手の内見てからじゃないと……」
銀が突出しちゃった…。乃木さんそれに見とれてるし、敵さん目の前なんだけど。
「てやぁあああ!!!」
「わぁ、すごいよミノさん」
銀が見事に一閃を入れ、のけぞったところを舞うようにして斬りつけにいった。って乃木さんーー!感激するところ悪いけど、今それどころじゃないでしょぉ!!
は!あまりにもぼけっとしてたからつい突っ込んでしまった…。
「ミノさんって……やめてよ!それよりこいつ意外とモロ「三ノ輪さん危ない!」うわっと!」
鷲尾さんがすかさず矢を放って、銀もすぐに大きく後退したんだけど、
「…!!」
「ミノさん!」
「今、助ける!」
敵が斬られた部分を高速再生しながら突進、矢を回避しつつも左右にある水球のひとつを銀に押し付けた。助けようと鷲尾さんがすぐさま矢を放ったけど水球に弾かれた!
まずい、このままだと銀が溺れてしまうぞ。
「まずい、このままじゃあ…くっ」
「わーっ!?」
今度は鷲尾さんと乃木さんを捕まえようともう片方の水球を投げつけてきた。2人は分散して避けたんだけど、水球は乃木さんの方に追尾して追ってくる。鷲尾さんよりも乃木さんの無力化を狙ってきた?
「あっ。ピッカーンと閃いた!」
「ちょ、乃木さん!」
鷲尾さんの静止も聞かずに乃木さんが水球に突っ込んだよ…。策なしではなさそうだが。
「吹き飛ばしちゃえばいいんだ~そぉれ~」
槍を掲げ頭上で振り回したら風が起こり始めた…それがどんどん強くなってやがて竜巻になり水球に押し付けた。すごいな…、勇者の力でそんなことも出来るんだ。水球は風の勢いに巻き上げられ破裂した。
「…!? でえぇぇぇい!!」
水球から脱出した銀が敵を掴み投げつけ、敵が大きく吹き飛んだ。なんつうパワーだよ…。
「ミノさん…大丈夫?」
「はぁ……はぁ……気持ち悪い」
乃木さんが銀に駆け寄って安否を確認する。ええと、長く水球に閉じ込められたんよね。もうあそこまで回復してるよ。ってなんで気持ち悪がっているんだ?
「(!?) 2人とも危ない!!」
鷲尾さんの援護、今度は水球じゃなくて本体の部分に的確に当てる。効果はあるみたいだな敵は大きくのけぞってる。弓矢って結構狙うの難しいって聞いたんだけどあそこまでやるのは相当習熟いるはずだ。
「危なかったぁ……ありがとう鷲尾さん。この、敵めぇ……!!」
「ミノさんに負けないよぉ~。えぇぇぇぇい!!」
鷲尾さんの援護を受けながら乃木さんと銀が左右から挟み込みラッシュをかける。敵も再生しまくってるから根気比べだな。
数刻の間攻撃をつづいた。そしたら、敵さんが急に進行をやめて橋のむこう側に引き返していった。…諦めたのか、それとも次?があるのか。
「…多分、大丈夫だろう。敵は後退した」
青年は事態の終結を僕に伝えてきた…。終わったんだ。
「「「やった―――!!!」」」
彼女たちも抱き合って喜んでる。どうやら大丈夫そうだ。
こうして、撃退に成功し戦闘は勝利におわった。
side out
「はぁー。な…なんとかなったかぁー」
「しかし未だに…未熟。個人の力量は十分だが…バラバラだな」
勇は安堵のあまり力が抜け地面に座り込む。青年は彼女たちの戦いの評価を一言で表した。そんな中、スマートフォンから連絡が入る。
《敵の排除を確認。結界の解除が確認されております。
学校内を通ることになりますが話を通してあります。そのまま帰還してください》
「…承知」
青年はスマートフォンの連絡を切り、勇に向き直る。
「自分はそのまま帰還するが、時は止まってたから生活に支障はでないはずだ。
そのまま学校で放課後まで過ごしてくれ。その後迎えはこちらから寄越すからそれに乗ってくれ。そこで事情を全て話すから…ああ、ちなみにこの事は悪いが誰にも言わないでくれ…関係者以外には秘密にしていることだしな」
「…わかった。始のおじさんからも言われたし約束するよ」
―――――――――――
戦闘後の3人は保健室で検査を受けていた。特に異常や怪我もないため、液体を摂取した
銀以外の2人は検査してくれた人たちに行儀よく挨拶して下校しようとしていた。そして、校門前にて…、
「あれ?鷲尾さんと乃木さん今から帰るのかな?」
「紺野君も今から」
「うん。転入したてで色々あって少し遅くなったけど」
「そうなんだぁ~」
同じく下校しようとしていた勇がいた。
「昼休みに急にいなくなったけど…もしかして?」
「うん…私と乃木さん、それに今はちょっと外してるけど三ノ輪さんもお役目だったの」
勇が彼女たち3人がいなくなった経緯を聞いてきて須美がそれに答える。
「あれぇ~?いさみんどうしてお役目のこと知ってるのかなぁ」
「クラスの人も教えてくれたし、担任の先生から説明もあったよ」
「そうなんだぁ~」
園子が聞いてきた質問にあっさり返す勇。どうやら担任やクラスメイトからのフォローがあったようだ。
「そうだ。私達これからイネスに行こうと思うのだけど、紺野さんもどうかな?」
「いさみんもどうかなぁ?越してきてここの事わからないでしょ?」
「ごめんね…。これから用事があるんだ。それの迎え待ち。」
2人から誘われるもすんなり断る勇。
「そうかぁ~…少し残念かな~」
「まあ、今度はここにいない三ノ輪さんとも一緒に行こうかな」
「そうね。それじゃあ紺野さんまた今度」
「またねぇ~いさみん~」
「うん、それじゃあまた明日」
また今度にすることにして2人は帰って行った。
数分後、校門前に一台の乗用車が到着した。助手席側の窓ガラスが開く、
「やぁ。迎えに来たよ」
「おじさん…」
「積もる話は今から行く場所でするから、想像できないような話だけどね」
勇は始の乗用車に乗り、そしてどこかへ向かうのであった。
ひとまず第1話の戦闘部分まで書き上げたので投稿。
戦闘内容は修正の必要はないので、主人公視点から見た様子にしました。
次の回で大体主人公の取り巻いた状況とオリキャラ勢の事情についての説明回予定です。
感想・誤字は感想欄の方で受け付けます。