オリ主というイレギュラーがいるため少し原作と展開を変えています。
視点:須美&園子
-前話から1週間後-
「……銀はどうして時々遅れてくるんだろう?」
イネスでの祝勝兼転入生の歓迎会みたいなことから1週間、彼女ら勇者の合同訓練がはじまってみると銀が3回に1度訓練に遅れてしまうのだ。本人は理由を聞くも詳しくは言わずいつも謝ってばかりだ。
須美は、これではいけないと訓練終了後にその事について考えていた。
「これは調査して原因を元から断つ必要があるわね。そういえば、銀は勇者になる前から学校にも遅れて来ることが多かったわ。なぜか最近それが無いようだけど。理由も言ってくれないしやはりこちらから探りに行った方がいいわね!そのっちも協力してくれる?」
そういう園子はというと……、
「Zzz…すやぁ~…」
いつものようにうつらうつらと寝ているのであった。その様子を見た須美は、
「そう、ありがとうそのっち。明日は日曜だし早速調査よ!」
ウトウトしている園子の様子から了承と受け取ることにした。どうやら、彼女なりに扱い方を心得たようだ。
――――――――――
視点:勇
-翌日-
「大分買い込んだな…、まあ欲しかったものも買ったし」
朝から買い物に出ていた勇は日用品と戦利品を抱えご満悦の様子で帰路についていた。
「ん?」
自宅についた時、隣の家の近くに見慣れた2人の姿があった。いったん自宅に荷物を置きにいくと2人の会話が聞こえる。
「見て、わっしー。あれあれ」
「……話には聞いてたけど、弟の世話をしていたのね。あそこまで小さい子だったんだ」
なにかに見とれているようで、そのため背後がお留守となっていた。勇は密かに忍び寄ると2人に呼びかける。
「……須美、園子。ここでなにしてるのかな?」
「「きゃっ」」
かわいらしい声をあげ2人が振り向くと、
「ど…どうして勇君がここに!」
クラスメイトの須美と園子だった。
――――――――――
視点:3人称
「なんでって……自分の家の近くをウロウロされたらなにかあるのかと思って」
勇が視線を送った先には『紺野』と書かれた表札がある日本家屋があった。
「えぇー!」
「いさみんの家ってミノさんの家の近所だったんだ~」
「それで2人とも…なんの用かな?」
「その…えぇっと、その…」
悪い事をしたようで萎縮する須美。そんな彼女は勇へどう答えようかと迷っていると、
「(!?)わっしー、わっしー!」
園子が須美の袖を引っ張り呼びかける。
「そのっち、どうしたの?」
「……ミノさん、お使いに出掛けちゃったよ~」
そうこうしているうちに銀がお使いに出かけたようだ。
「い…いつの間に、そのっちどっちに行ったかわかる?」
「行った方向はわかるけどぉ~、振り向いた時に出ちゃったみたいで~もう遠くにいちゃったかも~」
「ど…どうしよう…」
須美は明らかに動揺しどうしようかと焦っていた。
「事情がありそうだね。どういうことか説明してもらおうかな」
「うぅ~…」
須美は観念して勇に事情を説明した。
「そっか。……なんだか邪魔しちゃったみたいだし、僕も行くよ」
「「え?」」
勇の突然の申し出に須美と園子は困惑するが彼が続けて、
「出てからそう時間は経ってないし、多分まだ近くにいると思うよ」
「どういうことなのいさみん?」
「多分、行けばわかると思うよ。園子、銀はあっちに行ったんだよね」
「そうだよ~」
「それじゃあ行こうか」
勇は明らかに銀の事情について知っているようだ。須美と園子はその事に疑問を持っていたが先導する勇にひとまずついていくことにした。
――――――――――
「見つけたけど…やっぱりか」
勇は銀を見つけたが予想通りの展開になっていたようだ。須美と園子はその驚くべき光景を見た。銀が転んでしまった子供を助けると、今度はおばあさんが腰痛でその場で座り込んでしまいそれを助けるというものである。
「こ、これはいわゆる~トラブル体質~?」
「遅刻の理由が判明したわね…って、見てないで私達も助けないと」
3人は銀を助けに駆け寄った。
―――――――――――
おばあさんを送った帰り道、3人は銀にこれまでの事情を説明した。
「うわぁ、なんか恥ずいなぁソレ」
「恥ずかしくなんかないよ~偉いよぉ~」
「遅れるには、いつもそういう理由があったわけね。でも、どうして言わなかったのかしら?」
「いやぁ、なんか人のせいにしているようで…アタシの責任なわけだし」
銀がこれまで正直に言わなかったのはそういう理由があったからだ。須美は「理由が何であろうと、遅れてはいいわけはないわ」と念を押して言った。
「昔っから……ついてない事が多いんだ……。ビンゴとか当たったとこないもん……トホホ」
「そういや、いさみんってミノさんのトラブル体質のこと知ってたんだ」
「最近一緒に登校するようになってその関係で知ったんだ…はじめはトラブルも多かったけど……まあ、なんとかなってたかな。ここ最近だとトラブル起きなくなったし……」
「でも最近勇と一緒に登校してるから学校では遅刻はしなくなったんだよね」
勇が銀のトラブル体質について知ったのは、近所という事を知った銀が一緒に登校しようと誘い、それにのったからである。
「だから学校だけは遅刻しなかったんだ。納得だわ。ある意味、勇君って福の神みたいなものね」
「あれぇ~?でも、教室に入ってくるのバラバラだよねえ?」
「……転入初日からの男子の暴走っぷりの対策に…」
「「あぁ~」」
しかめっ面で勇は園子の質問に答え、須美と園子は納得した。勇個人としても初日のアレはトラウマらしい。
「なんか……ご苦労様、勇君…ッ!?」
須美は突如襲った違和感に気付く、もちろん勇者である園子と銀もである。
「これ……時間とまってるよね~?私の感覚がいきなり鋭くなったわけじゃないよね~」
「ええ。それはないわね。敵よそのっち」
「おいでなすったァ!休日台無……し?」
ここで銀が異変に気付く。
「これって……またなのか!」
「どうして……、どうして勇が止まってないんだよ」
須美と銀は予想だにしない光景に慌ててしまう。その中で1人冷静だった園子は思い出したかのように口を開く。
「わっしー、ミノさん、ちょっと待って!大赦の人が言ってたんだけど、いさみんってもしかして…神樹様の結界の影響を受けない人かも」
「(!?)勇「君」が!」
大赦の人たちから聞いていたが、もしやという事態に3人は気づいた。その当人である勇は、
「……3人共納得してるのはいいんだけど…、またこれって『敵』が来るんだよね」
「そうなんだけど…って勇君『敵』についても知ってるの!」
「それだったら早く行って!僕のことは大丈夫だから」
勇は3人を行かせようと急かす。前回の出来事を知り、それが危ない事だと分かってても四国のために戦う彼女らのことを知っているためである。
「……須美、園子行こう」
「ミノさん!」
「勇が大丈夫だって言ってるんだ。今は『敵』をどうにかしないと」
「そうね。銀の言う通りだわ。そのっち行きましょう」
「うん、わかった~」
「それじゃあ…須美・園子・銀…無事に帰ってきてね」
「「「…いってきます」」」
勇は3人の勇者と呼ばれる少女を見送った。1人残された勇は始からもらったスマホのアプリを起動させる。
「これで、樹海内部に取り込まれないはずだけど…」
若干不安は残っているが、ここでスマホの着信が鳴った。勇は着信に出ると、
《勇か?》
「おじさん、こっちは大丈夫だよ。アプリも起動したし」
《わかった。今どこにいる》
「外だよ。実はさっきまで勇者の子たちと一緒にいたんだ」
《そうか…勇者の子も知ってしまったか…まああとでフォローしとこう。念のため家に戻ってくれ特殊な結界が張ってあるからそこなら安全だ》
「特殊な結界?アプリを起動したのにそこまでするのか」
《念のためだよ…》
「分かったよ」
勇は始からの連絡を切ると急いで自宅へ戻った。
――――――――――
視点:須美・園子・銀
バーテックス『天秤座』との戦闘になった3勇者であったがなんとか勝利を収めていた。だが……、
「くうっ………ううっ…うっうっ!!!!」
今回の戦いで役にたてなかった須美の感情の緒が切れ、その眼に涙があふれていた。。矢は敵に相性が悪く通じず、さらには敵が跳ね返した矢で樹海を傷つけてしまった事、園子のアイデアで銀がそのため危険をさらし傷つけてしまった事、様々な要因が重なってしまったがためまだ小さき少女に大きなショックを与えてしまった。
「もしかしたら…私達って、仲良くならない方がいいのかな…銀が竜巻に飛び込んだ時に心配で…心配で動きが鈍くなってしまったし…ひっぐ…私の矢が通じてれば…うわぁぁぁん!!」
「わっしー…泣かないで」
「アタシは大丈夫だって、接近戦用のシステムでタフに仕上がってるし、少しは信用してくれよ。」
「ごめん…ごめんね…2人共」
園子と銀が慰めるも自責の念にかられた須美は未だに泣き続ける。
「…まぁでも、練習に時々遅れれば不安にはなるか。もっと出る時間を早くするよ。それならトラブルあっても間に合うしさ。だからさ、もっと仲良くなろうよ、須美。さっきの須美のセリフのほうがダメージでかいぞ!」
「うんうん、私もだよわっしー」
「……ごめん、…ごめんね」
自責の念と悔しさに涙を流す須美を2人は泣き止むまで抱き締めた。
――――――――――
視点:勇
-紺野家-
その夜紺野家では、後見人である始と勇がこれからの事を話し合っていた。
「……ということがあって、彼女たちと一緒にいたんだ」
「なるほど」
あの後無事に自宅へ戻り、お役目が終わるまで乗り切った勇は帰宅した叔父である始に事情を説明していた。始は思うこともあるかのように少し考えた後、
「事の顛末は分かったよ。それをふまえて大赦に関わってる立場として尋ねたい。勇はどうするんだい?」
「もう関わったし話も聞いたからね……彼女らみたいに戦える立場じゃないけど、それなら出来ることはしたいって思うかな」
「つまりは知ってもなお関わっていくと。この先、もしかしたら辛い事があるかもしれないかもしれない。それでも覚悟はあるのか?」
「さすがにそこまで言われてもわからないよ。でも、彼女たちの力にはなりたい。あの子達だってお役目がないときは普通の女の子だ。別に勇者だからって接し方は変わらないよ」
始は小さく息を吐くと呼び掛けた。
「というわけだよ。輝実」
「お前の言い分は聞かせてもらった」
「輝実のおじさん!」
居間のふすまが開き、輝実が出てきた。始は勇の隣に座り直し、その真向かいに輝実は腰掛けると勇に語りかけた。
「そこまで言えるなら気持ちが変わることはないだろう。それなら是非協力してほしいことがある…入ってくれ」
続けて見慣れぬ青年が入ってきた。彼は輝実の隣に腰掛けた。
「初めましてだね。私は『三好春信』…大赦で職員をやっている。今回勇者のことで『紺野勇』君に協力を要請したい事があって来たんだ」
「協力?」
「実は……」
輝実に連れて来た大赦の使者『三好春信』、使者が勇に要請した協力についての話をはじめた。
勇者部活動生報告 第8回 見てからのそのままのテンションで書き上げたが、衝撃発表の連発になりましたね。作者もつい有頂天でコメしまくりましたw
ついでにビジュアルブックの予約はしときました^^