神樹館の転入生【凍結】   作:黑羽焔

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原作3話全般になります。


第7話

視点:3人称

――― 前話からの翌週

-神樹館 空き教室-

放課後、須美・園子・銀ら3勇者はクラスの担任教師に呼び出された。

 

「3人共悪いわね。こんな時間に呼び出しちゃって」

「「「いえ、大丈夫です先生」」」

 

「さてと今回呼び出したのは、大赦から本格的なバックアップが始まることになって、その前準備が終わったからその報告と説明よ」

 

バーテックスとの実戦がはじまってから大赦の方でも準備が出来たということで、勇者のサポートを本格的に始めるという事である。今までは合同の訓練や勇者の体調管理や敵の解析などだったが、これからは日常で便宜が図れるようなサポート(家に使用人を派遣、学校等の日常生活の便宜など)を行うことで色々と説明を受けた。

 

そして、一通りの説明が終わり担任は、

 

「長かったけどこんなところかしらね。最後に協力者を紹介するわね…入ってきて」

 

担任の一言で扉が開くと、

 

「「「えっ!……」」」

 

入ってきたのは転入生の勇であった。

 

「驚くのも無理はないけど、今後、紺野君があなた方の協力者として日常面のサポートを行うことになります」

「宜しくお願いします」

 

「「「あ…宜しくお願いします」」」

 

3人は驚きながらも挨拶で返した。その後、呼び出した用件が終わったということで解散となった。

 

「勇、さすがにこれは聞いてないんだけど」

 

「実はあの夜に要請されてたんだけど…ちゃんと決めるまで黙っておくことにしたんだ」

 

「そうなんだ~」

「まあ…ともかく色々と迷惑かけるかもだけどお願いね勇君」

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

side:勇

-神樹館 図書室-

僕が大赦の使者である三好春信さんから勇者をサポートするための要請を正式に受け、勇者たちのお手伝いをはじめて1か月が経った。あれから敵であるバーテックスが現れなかったので表面的には普通の日常が過ぎていった。

 

勇者である須美・園子・銀も訓練はあるものの、日常では普通の女の子でもあり学生である。

 

そんな中、僕のやってる事といえば……、

 

「う…ぐぬぬ…わからん!勉強より先にイネスに行きたいです。鷲尾先生、紺野先生」

「駄目よ銀!やれる時に勉強しないと」

「須美ってば取り付く島もないっショ」

「ほら集中しないと銀。頑張ったら今度イネスでなんか奢るからさ」

「……頑張る」

 

所詮は小学生なのでやれる事といっても限られている。春信さん曰く僕は見習いみたいな立場なのでこんな感じで彼女らと日常を過ごしたり、勉学が疎かにならないようこうやって教えたりもしている。そのせいか必然的に彼女らと過ごすことが増えてきた…悪い気はなぜかしないけどね。

 

今回は須美から銀が小テストの成績が悪いということで勉強会を提案されそれを了承したというわけだ。

 

「それにしてもいいのそんな事約束しちゃって?」

「いわゆる飴と鞭だよ、鷲尾先生」

「……私が鞭役ですか、紺野先生」

 

ジト目でにらまれた…。一瞬オーラが見えたぞ…。

 

「すやぁ~Zzzz」

「寝てる園子は放置でいいんすか?」

「そのっちは頭がいいのよ…小テストは0点だったけど、記入方法間違えただけみたいだし正式なのに変換したら満点だったらしいわよ」

 

…ある意味一種の天才だね。天然と天才は1文字違いだけど、園子はそういうタイプみたいだな。

 

「そういう須美と勇はどうなんだよ?」

「私は92点」

「僕は満点だったかな」

 

「うぅ~ひどいよ。秀才2人に絞られてたなんて…」

「勇君…結構頭良かったんだ」

 

まあ、なんでもそつなくこなしてこそだっておじさんからも言われてるからね。いつか役にたつことがあるかもだし。

 

「おのれ天才系少女&秀才系共め……耳元で害虫の名前をひたすら囁いてナイトメアでも見せてくれようか、いひひ」

「よくそんな鬼のような発想ができるわね。自分がされたらどう思うの」

「流石にそれははしたないよ銀」

 

「アタシはGとか大丈夫だもん。須美や勇はどう?Gとか平気?」

「……どうしてウィルスで絶滅してくれなかったのか恨むばかりね」

 

Gって…黒く光る高速物体ですかい……。まあ、うっとおしいとは思う。

 

「お、苦手なんだ?やだー須美可愛いー」

「///話を逸らそうとしても駄目よ銀。さぁ歴史の勉強に戻りましょう。紺野先生、次の問題を出して」

 

はい、鷲尾先生。ええと……、この四国を囲う壁は、どうして存在するのかな?

 

「そのぐらいはわかるさ、神樹様が四国にいる人間を結界で護って下さっているんだ」

 

正解。外の世界が死のウィルスで蔓延したから、それらの影響を防ぐために神樹様が守護してくれているんだ。

 

「…で、ここから教科書に載ってないことだけど、勇君…あなたも関係者なんだからここからは生徒として聞いてほしいかな」

 

須美も教師キャラが板についてきたな、いい感じになりきってるよ。それではお願いします。

 

「…ウィルスから生まれた存在が、人類の敵である『バーテックス』。目的は神樹様の破壊のための侵攻で、それを撃退するのが神樹様に選ばれた私達、勇者のお役目なの。銀、どうして私達勇者じゃないと『バーテックス』に対抗できないのかしら?」

「通常の兵器が効かないから、神樹様にお願いして神様の力を分けてもらった。…これがアタシ達の使っている勇者システムの誕生だろ」

 

「はい。よく出来ました。そこらへんはよく理解できているのね」

「勇者が自分に関する歴史が分からなかったら、パッパラパーだろ」

 

なるほどね、まあ勇者としてはそのくらい知ってて当然かな。

 

「銀何だかんだで課題は終わったの?」

「なんとか終わったよ~」

 

そう言って、課題のドリルを見せる銀。うん、ちゃんとできてるね。

 

「ところでさ、勇の特異体質についてちゃんと聞いてなかったな」

「そうね。私達勇者の事もちゃんと話したし」

 

とは言ってもなあ、僕もちゃんと分かってないんだよなあ。ちょうど勇者が活躍を始めた辺りに極稀に現れたそうで、神樹様に選ばれたわけでもないのに神樹様の結界の影響を受けないんだ。全く、ありがた迷惑な体質だよ。

 

「そうなんだ。結局大赦で教えられた事だけなのね」

「ミノさん……大好き……Zzz」

 

え?すやすやと寝息をたてていた園子がいきなりの衝撃発言!

 

「ど、どんな夢を見ているんだこやつ。ははは、大好きと言われると照れちゃうな///」

「……私は!?」

 

あら?須美の様子が…。

 

「ねえ、そのっち私は!?私はどうなの、ねえ!」

「す…須美さん!?揺らすなよ。気持ちよく寝ているのだろう!」

 

須美のキャラが壊れてカオス空間に…。この前もそうだけどこういう場面だと生真面目キャラが段々ブレてるような……。

 

この後、園子も起き、大赦の訓練所に行くのを見送ろうとしたらちょうどいいタイミングで担任の先生が来た。

 

「紺野君いつもご苦労様。さ、3人共それじゃあ訓練所に行きましょうか」

「「「はい先生。宜しくお願いします」」」

「いってらっしゃい~」

 

彼女らは先生の車で訓練所に向かっていった。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

side:園子

「―――ということがあったわけだよ」

 

わーそれ見たかったなあ。私が寝ている間にそんなことが~。大丈夫~わっしーの事も好きだよ!

 

「ありがと…」

 

それにぃ~いさみんの事もすきだよぉ~。

 

「なんなんだよそれ~男の子に好きとか~」

 

ミノさんそういう意味じゃないよぉ~。

 

「あなたたち、すっかり仲良しね。そうそう、大赦の方で今度の連休中合宿を計画したわ。あなたたちにはそれに参加してもらいます」

 

「効率的に鍛えられますね。助かります」

「合宿…てことはお泊り会だ~やった!」

「いよいよ夏だし、なんだかワクワクしてきた!」

 

お泊り会か~訓練で大変だと思うけど、色々やってみたいことがあるから楽しみだよぉ~。

 

「あと、一応便宜的に3人の中で隊長を決めておかなくちゃいけないの。そこでお願いしたいのが」

 

あれ~?先生がこちらを見てる…。

 

「乃木園子さん、あなたにお願いしたいの」

 

え、え~~~~~っ。私ですか?隊長なら私じゃなくてわっしーのほうが~?

 

「そのっち、私はその意見に賛成よ。なんかあったらフォローするし」

「アタシはじゃなければ2人のうちどっちでもいいよ。タイチョーって柄じゃないし」

 

2人とも…私にできるのかなぁ~。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

視点:3人称

「それじゃあ、連休中の弟のこと頼むよ。すぐにグズる甘えん坊さんだけど勇相手なら大丈夫だからな!」

「心配性だなあ銀は、でも承ったよ。しっかり鍛えてきてね」

 

銀の両親は共働きだが、連休中合宿と重なり両親が大赦での催事と運悪く重なってしまった。そのため、本来なら大赦が派遣した使用人に任せるとこだが近所に信頼のおけるクラスメイト勇がいたためそちらに預けることになった。銀がいないとすぐにグズる弟だったが、何故か勇にはすぐに懐いていたのもある。

 

そうこうしているうちに黒塗りの高級車が三ノ輪家の前が停まった。

 

「銀~~~!」

「ミノさん~~~来たよぉ~」

「おう。今行くよ」

 

「それじゃあ3人共いってらっしゃい」

「あいあい~」

 

「「「いってきます~!!!」」」

 

3人は乃木家所有の車で合宿へと向かっていった。

 

「……そういやお土産は言っておけばよかったかな?」

「だぁだぁ」

「……意外とそこら辺はお姉ちゃんに似ているな」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

side:園子

そんな訳で始まった合宿だったけどぉ~。考えてたのよりずっときついものだったよぉ~。

 

朝はランニングから始まって、昼間は基礎訓練、その後は時間になるまで道場で技の型の練習で、食事を除いてほとんど訓練漬けだったから本当にへとへと~。

 

そんな訳でやっとの自由時間、朝5時起きなのがきついけどね。今はわっしーとミノさんと一緒に銭湯に浸かっているんだけど。

 

「事実を言ったまでだね!むしろ大きくて揺れているくせに贅沢言うな!」

「な!///なんて行儀の悪い…」

 

わっしーとミノさんがお湯の掛け合いしてる~。原因だけどわっしーのマシュマロボディにミノさんが突っかかったかな。もう~温泉にはゆっくり入ればいいのに~。

 

「ぜぇぜぇ。訓練で疲れたからもういいや」

「はぁ~はぁ~。そのっちはもうつやつやになっちゃってるわね…ゆっくり浸かろ」

 

お疲れ2人共。

 

「所で、そのっち。隊長はやる決心がついた?」

 

ううん、まだ迷ってるよぉ~。…本当に取り柄のない私に勤まるのかなあ。

 

「それならさ園子、勇に相談してみたら?」

 

そうだぁ~まだいさみんの意見は聞いてなかったなあ。早速やってみよ~。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

side:勇

「すやすや…Zzz」

 

ようし、穏やかに寝てるな。(prrr)銀の弟を寝かせたと思ったら、こんなに遅くに電話が…誰だろう。

 

《どうも~乃木さん家の園子ですぅ~》

 

この間延びした声……園子か。こんな遅くにどうしたんだい?

 

《寝る前に相談したいことがあってぇ~》

 

……どうしたのかな?出発前はあんなにウキウキしていたのに。

 

《先生から隊長についてって言われたんだけど……私みたいなのが本当にやれるかなって?わっしーがサポートしてくれるって言ったんだけど、それでも悩んでたらミノさんがいさみんに相談してみたらってことなんだぁ~》

 

OK。前回の件もあるから2人に焚き付けられたな。さっきみたいに「私みたい」って言ってるから自分に自信持てないのかな?それなら…、園子は自分に取り柄がないと思ってるのかな。

 

《その通りだよぉ~》

 

僕にはそう思えないよ。自分を低く見すぎてる気がするよ。園子はもっと自分に自信をもったらいいよ。

 

《えぇ~。ほんとに私じゃあ難しいよぉ》

 

そうかな?あくまで2人の話を聞く限りだけどぼぉ~としてる割りに要所はよく見れてると思うんだけど。

 

《そう…なのかなぁ~》

 

だから一回思いきってやってみればいいよ。それでわかるはずだよ。大丈夫、須美や銀がそこらへんフォローしてくれるって。

 

《わかった~やってみるよぉ~夜遅くにありがとねぇ~いさみん》

 

…通話が切れた。さてと、あとは園子次第かな。……ん?あれ?時間が止まってる?

 

 

 

――――――――――

 

 

 

――― 時間は僅かに遡る

side:園子

「お、やっと戻ってきたな。意外と電話長かったな」

 

ごめんね~。ちょっとお話が長くなっちゃった~。

 

「それはさておき、お前ら簡単に寝られるなんて思ってないよな?」

「何言ってるの?明日も早いしもう寝ないと…」

「いやだ!」

「……」

「い…いや違うんだ須美!コイバナ!好きな人の言い合いっこしよう!」

「また、そんな…」

 

おお~私はやってもいいよぉ~。こういうの一度やってみたかったんだ。そういうわけで3人して同じ布団に入って開始だよぉ~。

 

「―――で、そういう銀に好きな人はいるの?」

「どきどき…」

 

「いない!」

 

わ~楽しみにしてたのにどや顔で言われたぁ~。ミノさん、それはずるいよぉ~。

 

「私もいないからおあいこね。そのっちは?」

 

ふふふ、私はいるよぉ~。

 

「お、コイバナ来たんじゃない?」

「だ……誰?クラスの人?」

「うん、わっしーとミノさん」

 

あ、あれ?なんだか2人ともため息ついて、テンション落ちてるよぉ~。

 

「……まあ、そうだと思ったわ」

「女子3人が揃っていいのかね、これでさ……」

 

う~ん?そういえばミノさん、好きな人いないって言ったけどいさみんのことは~?

 

「そう言われてもなあ…確かに気になるけどさ。そういうお前等はどうなんだよ」

「え?…色々相談にのってくれるけど、普通の男友達という印象としか」

「私もわっしーと同じ~」

 

「こんなんでいいのかねえ、もっと燃えるような…ん?」

 

あれぇ~いつの間にか時間が止まってるよぉ~。

 

「ハァ……。こんな時にバーテックスとか勘弁してよ」

「ぼやかないの。隊長、号令を」

 

え、ええと出撃~。ともかくやってみるだけやってみるよ~。

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

side:園子

-樹海 瀬戸大橋-

今回のバーテックスは尖ってる4つの角を持つ奴で、それをを突き刺して地震を起こしたと思ったら、上空に飛び上がって雨あられのように光弾打ち込んできたよ~。

 

「んぐぐぐ……こ、これはきつい」

 

今はミノさんが小さい光弾を弾いて大きいのも今抑えてるから被害はないけど、ミノさんどれくらい受け止められる~?

 

「あ、あと10秒…いや、気合入れて12秒ぐらい…なんとかしてみせる!」

 

わかった。信じてからこそだよねいさみん…。ん?よく見ると…ようし…、

 

「わっしー、私と一緒に上空の敵を叩くよ~」

「わかった。そのっち」

 

あ、わっしー狙うのは胴体じゃなくてあそこ!

 

「なるほど…過激な事を考えるわね!」

 

わっしーの放った矢が敵の射出口に命中~。後は任せて~。ここから、皆の場所から出てけ~!

 

バーテックスが弾け飛んで弱ってたから、私とわっしーのラッシュで退散していったよ~。で、敵も戻ってこなかったから大橋近くの公園にとばされてミノさんと合流。大赦に連絡した後、疲れたから芝生に寝転がって迎えを待つことにしたよ…。

 

「ミノさん、大丈夫?」

「なんかこう、腰にくる戦いだった……。防ぎ続けるなんて地味だよ…しくしく」

「ああして攻撃止めてくれたから、私とわっしーが攻めることができたもん。お手柄だよ」

「そうね。……でもそのっちよく決断できたわね」

 

うん。なんとかするっていったから信じただけだよ。それに長引かせたらやばいやつだと思って~。

 

「…!そのっち凄いわね。そこまで信じれて、決めれるなんて。やっぱりあなたこそ、隊長よ、本当に」

「ね。ここぞって時にやってくれる」

 

あは、あははは~。照れるなあぁ~。あれ~?わっしーが私をじぃーと見つめてる。目を逸らしたら襲われそうだから見つめ返すぞ~!

 

「決めた!」

「お、須美の中でなんかまとまったらしいな!」

 

はうっ~?いきなり手を握られて変な声が出ちゃった。

 

「そのっちは……園子は私が育てるわ」

「あはは。なんじゃそりゃ~。母親かよ!あははははは!」

 

なんだかわっしーがスイッチ入ったっぽい…目がどこかの熱血球児みたいに火がついちゃったよ~。




文章の書き起こし完了したので早めに投稿。園子のキャラこんな感じでいいのかな。

ビジュアルブックのあの話で『乃木若葉は勇者である』関連が気になって仕方ない今日この頃。

以下、茶番
密林<ビジュアルブックは未発送です。日時~7月末

作者「( ゜Д゜)」

近所書店「在庫希少です」

作者「( ゚д゚ )」

作者「諦めなければなんとかなったな」
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