猫な従者と猫好き門番   作:オルクス001

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 最近どこかのサークルで、SS出すのも面白そう等と、馬鹿なことを考え出した主です。こんな文章じゃ絶対無理だけどね!


前編

 空が白み始め、湖が朝日によってキラキラと輝く。日の出と共に、湖の中に次第に姿を現す館。紅魔館である。全てが紅く塗られ、広大な湖の中でもその大きさはひと目でわかる。

 館の主、レミリア・スカーレットは朝食のため、席に着く。彼女は吸血鬼なのだが、今日は何故か早起きをしているようだ。

 

「すみません、お嬢様。今日は、朝食の支度が……出来ません」

 

 どこからか姿の無い声が聞こえる。辺りを見回し、声の主を探していると。

 

「あの、下です」

 

 そう言われ、レミリアは足元を見る。そこには頭に【ホワイトブリム】を付けた灰色の毛をした子猫が、ちょこんと座っていた。そして、その子猫が先程から喋っているのだ。初めは冗談だと思ったが、その口から言葉が出てきたのを見て、彼女は本当の事だと知り、驚いた。

 子猫の正体は十六夜(いざよい) 咲夜(さくや)。この館のメイド長をしている少女だ。彼女曰く、朝起きたら既にこの姿だったとのこと。

 

「お嬢様。今日は早起きなのですね」

「まあね。それよりあなたのそれをどうにかしないと。取り敢えず、パチュリーに相談ね」

 

 レミリアは咲夜を抱え、図書館へと向かう。この館には、地下に巨大な図書館があり、そこには魔女のパチュリー・ノーレッジとその召使いの小悪魔が常にいる。

 図書館の大きな扉を開くと、少し埃臭い匂いが彼女達を迎える。その匂いにレミリアは、換気用の窓をもう少しつけなければと考えた。

 図書館の中心は本が山積みになっており、そこには本を整理する小悪魔がいた。どうやら散らかしたままの本を1人で、片付けているようだ。レミリアが労うと、「この程度しかお手伝いができませんので」と、彼女は笑みを浮かべる。

 パチュリーはまだ寝ているらしい。それもその筈、まだ夜明け直後で、彼女達が特別早く起きたのだから。仕方が無いので、彼女達は再び戻ることに。

 数時間後、彼女達の元へパチュリーと小悪魔、更には、レミリアの妹、フランドール・スカーレットまで集まった。

 

「咲夜が猫になってるー」

 

 フランは、猫の正体がすぐにわかったようで、咲夜を指さし笑う。

 

「朝起きたら突然猫にねえ」

 

 パチュリーは原因について思考を巡らせる。原因がわからなければ、解決策が見つからない。が、思い当たる節がないようだ。

 

「おはようございます」

 

 その時、扉が開き入ってきたのは、館の門番(ほん) 美鈴(めいりん)だ。決してべに みすずではない。ここ重要。

 

「そ、その猫どうしたんですか?」

 

 咲夜を見つけると、目をキラキラさせて全員に問う。猫の正体を明かすと、彼女は今日1番のリアクションで驚いた。

 

「あの咲夜さんが……こんな可愛い子猫に……」

 

 更に目を輝かせ、手をわきわきさせながら自分を見つめる美鈴に、咲夜は身の危険を感じた。

 美鈴は無類の猫好きで、今まで何度も猫を拾ってきては、世話をしていた。無論そのことは館の住民全員が知っている。なので。

 

「咲夜の世話は、美鈴に任せた方がいいわね」

「ええ!? お嬢様、お言葉ですが私は別に1人でも」

「いいじゃない。元に戻るまで美鈴の居眠りを阻止しておけるって考えれば」

 

 美鈴はバツが悪そうに頭をかく。門番である彼女は、よく居眠りをし、咲夜に怒られている。それは、まるで日常の1部であるかのように、居眠りをする美鈴にナイフが飛んでいくのだ。それを全て回避している美鈴もなかなかのものだが。

 

「わ、わかりました。お嬢様がそう言うなら」

 

 主の命に渋々了承する咲夜。

 こうして、咲夜は元に戻るまでの時間、美鈴と共に過ごすことになった。

 

 * * *

 

 見渡す限りの本。室内は薄暗く、ロウソクの明かりが暖かく周囲を照らす。

 パチュリーと小悪魔は、図書館へ戻ると、早速咲夜を元に戻すための術を探し始めた。小悪魔が本を取り、パチュリーが術を探す。彼女の読むスピードは早く、次々と本が積まれていく。

 

「ダメね。なかなか見つからないわ」

「せめて、原因がわかればいいのですが……」

「そうね」

 

 その時、小悪魔は図書館の隅で横たわっている瓶を見つけた。中には少量の液体が入っており、瓶周りにはシミが広がっている。更に動物の足跡が、瓶から少し離れた場所までついていた。

 

「あの、パチュリー様。これ……」

「……原因がわかったわ」

 

 パチュリー曰く、これは物質を融合させる魔法薬で、物質であればなんでも大丈夫なのだそう。例えば人と猫でも……。

 彼女達はすぐさま効果を消す魔法薬の作成に取り掛かった。しかし、途中で材料がないことに気づく。足りないものは【きのこ】だ。それもかなり珍しく、探すのに時間のかかる種類。

 

「小悪魔、咲夜達を読んできて。多分魔理沙の家にあるから取ってきてもらうわ」

「わかりました」

 

 霧雨(きりさめ) 魔理沙(まりさ)は、魔法の森に家を構える魔法使いだ。この紅魔館にもよく本を借りに来ている。なかなか返さないため、盗っていく、とほぼ同じようなものだが……。彼女は魔法の森でとれるきのこを魔法の研究に使っており、様々な種類のきのこが保存されているのだ。

 数分後、やって来た咲夜達に要件を伝える。

 

「猫と融合……ですか」

「ええ、どこからか野良猫が入ってきたみたいね」

「湖の中心に?」

「ええ、誰かが連れ込んだのね。きっと」

 

 全員が美鈴を見る。が、彼女は全く知らないのだとか。

 猫の侵入路の謎が残るものの、一刻も早く元の姿に戻りたい咲夜は、美鈴を急かす。

 

「じゃあ、私は別の材料の準備があるからよろしくね」

「わかりました。行きましょうか、咲夜さん」

 

 2人は早速、魔法の森へ足を運ぶことに。

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