幽閉された平和の天女   作:アリス・リリス

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~子之宮~VS子ノ神

子之宮(ねのみや)は、高天ヶ原(たかまがはら)にある山・瑠璃山(るりのやま)の北に建つ宮殿。

 

「たのもー!」

 

スサノオは、宮殿の門の前で叫んだ。

 

ギギギ…

 

「誰かな?」

 

奥から青年が現れた。

 

「スサノオだ。子ノ神(ねのかみ)に用がある」

子ノ神(ねのかみ)は、この僕だよ。用事は何かな?」

 

青年…子ノ神(ねのかみ)が首をかしげた。

 

「タマヨリはどこだ!?」

 

「お前、天女(タマヨリ)が目的か!

解放などしないぞ!」

 

「タマヨリを解放するんだ!」

 

「解放してほしければ、この僕を倒してからだ!」

 

 

子之宮(ねのみや)・闘技場―

 

「ルールは、簡単。

どちらかが倒れるまで続くよ。

まあ、お前が負けるんだろうけどね」

 

子ノ神(ねのかみ)が涼しげな顔をしている。

 

バトルスタート!

 

その掛け声がかかった瞬間、両者が動き出した。

 

「ローキック!」

 

スサノオの蹴りが子ノ神(ねのかみ)の脚に…。

「!?」

 

スサノオの脚は、(くう)を蹴った。

 

「僕を甘くみると痛い目に遭うよ!」

 

辺りにはたくさんの子ノ神(ねのかみ)

 

「僕が何の神か分かってる?」

 

すべての子ノ神(ねのかみ)の拳が輝き始めた。

 

「火鼠拳!」

 

炎をまとった拳が四方八方から迫る。

 

「水龍拳!」

 

スサノオは、火鼠拳に対抗して、水のオーラをまとう拳を放った。

 

 

バン!

 

「なかなかやるな。

でも、それだと勝てないね!」

 

スサノオが振り返ると、子ノ神(ねのかみ)の姿はない。

 

「僕は、十二支の神にして、鼠の守護神なんだよ?

だから、姿を隠すのも得意なんだよ!」

 

声だけが響く。

 

「マウ・パペット!」

 

鼠が体にまとわりつく。

「ウッ、痛てぇ!」

 

スサノオの体をかじる。

 

「フィン!」

 

子ノ神(ねのかみ)が発したその言葉と共に痛みが消えた。

 

「お?

子ノ神(ねのかみ)、こんな攻撃で俺を倒せるとでも思ったのか?」

 

「……ふーん、そう思われたら、癪に障るなぁ。

本当の狙いは、これさ!

ウ・ヴィアータ!」

 

子ノ神(ねのかみ)が呪文を唱えた。

 

「…!?

どういうことだ…!?」

 

スサノオの体がまるで操り人形のように勝手に動く。

 

「フフフ、もうお前は僕の操り人形さ」

 

子ノ神(ねのかみ)が手に小さな人形を持った姿で現れた。

 

その人形は、スサノオと姿形そっくりだった。

 

「くそっ…。

どうすれば…」

 

子ノ神(ねのかみ)は、人形を介して、スサノオを思うままに操っている。

 

「そろそろ負けを認めたらどうかな?」

 

「………待てよ………」

 

スサノオは、あることに気づいた。

 

 

………人形の動きと俺の動き………

………そうか、あれを利用すれば………!!!

 

「フフフ、攻略方法が見つかったぜ!」

 

「負け犬の遠吠えだね!

終わりにしようか!」

 

子ノ神(ねのかみ)が人形に火をつけようとする。

 

しかし、一瞬で人形の姿が消える。

 

「なっ………」

 

「観察していれば、わずかなタイムラグが起きているのに気づくわ!」

 

人形は、スサノオの手の中に。

 

「食らえ!“フェニックス・コークスクリュー”!」

 

 

スサノオの拳が子ノ神(ねのかみ)の額に迫る。

 

 

 

 

 

 

ガッシャーン!!!!

 

 

 

 

 

子ノ神(ねのかみ)の額の黒曜石が砕け散る。

 

「痛………」

 

「これを食らっても、なお意識があるのか???」

 

「え、なんのこと???」

 

 

………………………………………………

 

 

「全然覚えていないなぁ………………、ごめん。

 

そういえば、他の守護神たちもなんだか様子がおかしかったよ。」

 

「そうか、ここから近いのは丑之宮(うしのみや)だったな。

他の守護神の様子を見てくるぜ。」

 

「すまないね」

 

子之宮(ねのみや)を立ち去ろうとして、

 

「あ、待って。

これは、子之鈴(ねのすず)という秘宝だ。

これを持っていれば、僕の守護を受けられる。

これからの戦いでよい結果が残せるように祈ってるよ。」

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