リリカルの世界でやってやんよ   作:からす

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旅なんて!旅なんてっ!!!

みんなおっひさーーーーー。元気にしてた?今やばいんだ、状況的に考えて。その理由は

 

「女神さん女神さん」

 

「ん?」

 

「ココは一体どこなんだ?」

 

「…さぁ?」

 

「いや、“さぁ?”じゃないだろ!ココどこだよ!?あんたが転移させたんだろ!?」

 

そう、今俺たちは見知らぬ森の中にいます。人、これを迷子という。こんな歳(精神的)になって迷子とか無いわー。

 

「だって……場所を決めるのがめんどくさくて…………それなら決めなくてもいいかな、と思ったので…」

 

何この女神。最初の頃と全然違う。

 

「いやいや!決めないと行けないだろ!……………はぁ、もう良いよ、もう一回転移してくれ」

 

「いえ、転移は1日1回までです」

 

「何でだよ!?何で1日1回なんだよ!何で1日1回なのに適当に転移してんだよ!」

 

「勢いとノリで……つい」

 

「つい…じゃねーよ!わかってんの!?ココじゃあ俺のレアスキルも使えないの!つまり俺たちはココで野宿しなきゃならないの!分かる!?」

 

「………えぇ、分かりますよ。というわけで見張りはよろしくです」

 

「あぁ、わかっ…………じゃねーよ!あんたも見張りするんだよ!」

 

「えぇ〜〜〜〜、ぶーぶー」

 

ぶーぶーって、女神さん。キャラが崩壊してますよ。つーかマジで切れそう。

 

「そんなに言うんならココで別れますか?俺は構わないよ?女神さんはココで生き残れる自信あるの?魔力しかなくて戦い方も分からないあなたが」

 

さすがにここまで自分勝手なことを言われるとむかつく。

 

「…………………た……よ」

 

「ん?」

 

「分かりましたよ!ここで別れますよ!別れればいいんでしょう!あなたのことなんて知りません!どっか行ってください!あなたとの旅もここまでです!!」

 

そういって俺から離れていく女神さん。俺はその背中を呆然としながら見送った。……いや、見送ってしまった。後になって追わなかったことに後悔するとは知らずに……。

……………………………………ちなみに、なぜ追わなかったかというと、どうでもいいことを考えていたからである。内容は“旅って言っても30分も経ってないんだけど”とか“転ばないかなぁ〜”という実にくだらない内容だった。

 

 

 

 

 

 

 

1時間が経った。俺は女神さんとの会話を思い出して軽く自己嫌悪に陥っていた。

 

「うあぁ〜〜〜〜、あれはないわーーーいくら何でも女の子に向かってあんな事言うなんて……………………うあぁ〜〜〜〜〜〜〜」

 

そして周りを見てみると木、木、木、木、木、木、木。木のオンパレード。はっきり言ってここがどこだか分からない。……………あれ?俺ってレアスキル使えないよね?……つまり詰んだと?…………いやいやいやいやいやいやいや、俺はあきらめんぞ。女神さんがいなくたってこのチートを駆使すれば生きていけるはず…………だと信じたい。

 

「まぁ言ってても仕方がないか…。それよりも周りをもう少し探索してみっか」

 

今考えていることを一旦止め、ここの周りを探索する。

 

「しっかしなぁー……ここって相当広くないか?よく見たら獣道が全然ないし…」

 

自分が歩いている周りには、獣道と思わしき道が一切ない。これはつまり、ここの周りには少なくとも大型の生物とかはいないと言うことだ。

 

「…まぁ俺にとっては好都合だけど…。……………………ん?なんじゃこら」

 

目の前には大体1m50cm位の窪(くぼみ)があった。

 

「…………これって生き物の足跡?だったらやばくね?俺ピンチ?」

 

それはどう見ても――――少なくとも俺の知っている中ではこんな足の動物は見たことはない。それはつまり、魔物がこの近くにいると言うことを指している。

 

「いやでも気をつければ戦わなくてもいいのか?足跡がこんだけでっかければ相手に見つかる前に見つけて隠れれるはず……」

 

そう思考していると突然、ここからそう遠くないところから悲鳴が聞こえた。

 

「………!?これは女神さんの声!?やばい!」

 

その声を聞くやいなや、俺はさっきまで喧嘩したのにも関わらずにその声の元に走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜女神視点〜

 

転成させた人と別れて1時間。女神は泣いていた。

 

「………うぅ……ひっく……」

 

まさかあんなに言われるなんて…………私って迷惑なのかなぁ。そんな事を思っていてさっきからずっと私は泣いていた。

さっき喧嘩したのは私のせいだ。私が我侭を言わなければこんなことにはならなかった。そんな自己嫌悪をしつつ森の中を歩いていく。

 

「…………これからどうすればいいんだろう…」

 

私は今まであの場所から外に行ったことはない。あのとき、あの人が私の服を引っ張てくれたから私は外に出られることができた。私は正直外に憧れていた。でも現実は外に出られずただ外を眺めるだけ。誰とも喋らずに黙々と仕事をこなしていく。そんな日常に嫌気がさしていた。だからなのかもしれない。外に出たとき私はとても嬉しかった、だからあんなに我が侭を言ってしまった…。謝りたい、謝ってまた一緒に旅をしたい。一人は嫌だ、孤独は辛い。

 

「………ぃやだよぅ……」

 

そんな時だった、不意に視界が暗くなったのは。

 

「グルルルルルルルルッ…」

 

上を見てみると其所(そこ)には体長が優に8mを超している狼のような魔物がいた。

 

「きゃあああああああああああ!!!」

 

私が叫ぶと狼(仮)は鋭い爪を私に向かって突き出してきた。奇跡的にそれをギリギリの所でかわすと私は逃げた。あらん限りの力を振り絞って逃げた。木の陰などを使って上手くいけば逃げられると思ったから。

……しかし現実はそんなに甘くはなかった。私が木の陰に隠れると狼がいきなり立ち止まって首を上に向けた。

疑問に思っていると狼の口元に光が集まってきていた。私がそのことに驚いていると狼はその光を私の方目掛けて放ってきた。反射的にしゃがみ込むと大音量の音とともに木が崩れ落ちる音が聞こえ、しばらくしてから音が止んだ。

……………………どれだけ経ったのだろうか?私が目を開けると、目の前に狼が立っていた。私は恐怖で腰が抜けてしまい動くことが叶わなかった。

死ぬ?こんな所で?まだ死にたくない、生きていたい。私の中でいろいろな考えが浮かび目の前の狼のことを一瞬、忘れてしまった。

その一瞬の隙に狼は私を仕留めようと爪を私に向かって放ってくる。私は恐怖のあまり、目を瞑った。ここで私は死ぬのかな…そう思っていた。

しかしその爪が私に向くことはなかった。

いつまでも衝撃がこないことを怪訝に思い目を開ける。そのときの光景はいつまでも忘れられないだろう。

その目には先ほどまで私と喧嘩して別れたあの人が私の前に立ち、狼の攻撃をもろに受けていたのだから。

 

 

 

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