今、俺達は砂漠に来ていた。カノンが言うにはこの砂漠にある拠点にいる可能性が一番高いそうだ。カノンを先頭に暫く歩き続けていると、砂漠には不似合いな研究所のような施設が見えてきた。
「あれがそうなのか?」
ゼロがカノンに聞いた。
「ええ。・・姉さん達のことですから、もしかしたら・・・。」
彼はそう呟く。
「それはどういう意味だ・・・?」
俺がそう聞いた直後、俺達の間を一筋の閃光が走った。
「流石ですね・・・。来ると思っていました。・・・カノン。」
コバルトグリーン色の長髪の少女型レプリロイドが言った。
「レア姉さん・・・。」
カノンが呟く。
「イレギュラーハンターの皆さんも私達を倒しに来たのでしょう?」
そう俺達に問いかけたのはオリオンブルー色で内巻きの髪が特徴の少女型レプリロイド。
「それ以外でここに来ることはないと思うわ、フィアナ姉さん。」
フィアナに返したのはコーラル色の髪をおさげにした少女型レプリロイド。
「私もそう思うわ・・・。ミルフィ姉さん。」
そう言いながら施設から出てきたのは・・・シェラ。
「シェラ・・・?」
アクセルが恐る恐るといった感じで声をかける。
「エックス、ゼロ、アクセル、カノン・・・久しぶりね。」
「え!?シェラ・・・!?」
「支配を脱したのか・・?」
「・・・お久しぶりです、姉さん。」
彼女との会話が成り立っていることに驚いた俺達は思わずそう聞いていた。・・・いや、一名挨拶を返しているが。
「・・・いいえ。」
彼女は頭を振りながら答え、自身の腕輪を指でさした。
「これでDr.セリアは私達を好きに操れるのよ・・・。」
「・・・彼女の好きなタイミングでスイッチをいれるのです。」
ミルフィとレアが教えてくれた。
「・・・Dr.セリアが私のスイッチを入れたようです。早く逃げて下さい。私のこの能力は・・貴方達・・の・意・・・識を・・・。」
フィアナがそう警告し、発動するであろう能力を教えてくれようとした矢先、彼女の瞳から光が失われていく。シェラ達はDr.セリアからの帰還命令が出たのだろうか。意識を奪われ、俺達を傷つけたこと、これからも傷つけてしまうだろうから、と謝りながらまた施設の中へと消えていった。・・・本来の彼女達は他人を傷つけることを嫌うようだ。
「・・・ごめ・な・・い・・・」
フィアナも薄れ行く意識の中、おそらく謝ろうとしたのだろう。言い終わると同時に彼女が俺達のほうに手をかざし、何かを呟いていた。
それを聞くと同時に俺達の意識は薄れていった。
私の別の小説にもミルフィはいますが、同一人物ではないです。