絵里「スタジオを借りて練習するのもいいわね。」
穂乃果「だよね!あの本番前って感じがたまらないよ!」
シロ「本番前って感じじゃなくて本番前なんです。」
真姫「これから帰って凛の衣装詰めないと。」
ことり「真姫ちゃんごめんね。私がやればいいんだけど。」
真姫「いいのよ、これからバイトでしょ。私は午後空いてるから。」
凛「これから毎日スタジオで練習したいにゃ。」
シロ「そんなお金はねぇよ。」
ことり「衣装代も欲しいし。」
穂乃果「でもスタジオ練習やりたいな〜。」
ことり「穂乃果ちゃんがそこまで言うなら衣装代を削って」
海未「贅沢は敵です。」
穂乃果「ダメか〜。」
いつの時代だよ。確かに贅沢は良くないがたまにはいいだろ。
絵里「たまには贅沢もいいんじゃないかしら。」
花陽「月に1回ぐらいやりたいなぁ。」
にこ「月1でにこのアイドルとしてのオーラを存分に発揮できるのならスタジオ代なんて安いものよ。」
シロ「じゃあにこ先輩持ちでお願いしますね。」
にこ「冗談よ!」
確かに月1でやりたいのだが、いかんせんうちの部活は金欠なのである。真姫に頼ればと思うかもしれないがうちの部活はみんなが歌ってみんながセンターという平等思想を抱えているゆえそのようなことはできない。ん?俺だけなぜか仕事が多いな。そうか平等なんてなかったんや。
シロ「まあ2カ月にいっぺんなら出来ますね。」
凛「でもスタジオでやるとグァーって来るんだよ。」
シロ「おいグァーってなってるからって走るなよ!」
真姫「凛、勝手どっかに行かないで!」
花陽「置いてかないで〜!」
凛「いや〜、テンションが上がっちゃったにゃ。」
シロ「テンション上がったからって走るなよ。みんなポカーンとしてたぞ。」
凛「あはは、ごめんにゃ。」
??「お前、星空?」
その声の持ち主は胸に学校名が書いてあるジャージを着ており、部活帰りなのか額には汗が光っていた。
凛「え?」
男「うっわ星空じゃん!懐かし!だから言ったじゃんあれは星空だって。」
男2「お前の目腐ってるから疑うだろ普通。」
真姫「凛知り合い?」
凛「う、うん。」
いつもは底抜けて明るい凛なんだがこの時は身内が病に伏したのかと思うほどに暗い声音で返事をした。そしてその時、凛は嫌なことを思い出したのだとシロは悟った。
男「星空こんなとこで何してんの?」
凛「ぶ、部活だよ。」
男「何の?」
凛「そ、それは……。」
男2「へー、スクールアイドルやってんだ。」
凛「‼︎」
男「マジで⁉︎」
男2「ああ、隣の女の子さ見たことあるなって思って調べてたら出てきたんたよ。名前は…読めん。星空これなんて読むの?」
凛「み、μ's。」
男「あの星空がスクールアイドル⁉︎ブッ、それなんかのギャグ?あの女装男子のお前が?」
凛「あはは、やっぱり…変だよね。……凛帰るね。」
真姫「ちょっと凛!」
男「変なんてもんじゃないよ!だってあの星空だろ!全く女じゃないお前がだろ!笑い過ぎてお腹が」
真姫「あんた達!」
ああ、不快だ。この声を聞いてると頭が痛くなる。それとあれだけ言われてるのに全く反論しないで帰る凛も見てるとイラつく。
そう思ったら体が動いていた。
男「痛!」
真姫「白夜何してんの⁉︎」
シロ「何、お前ら好きな子に対して嫌なことを言うことしかできない小学生なの?それともミスワールド養成学校にでも通ってるの?」
男「何言ってんのお前?キモッ。」
シロ「何言ってんのってわからなかった?あーあそうか。君は小学生なのか。小学生だから少し日本語がおぼつかないのかな?簡単な2択だよ答えなよ。」
男「何こいつ?キモッ。」
男2「どっちもちげえよ。」
シロ「よかった、まともに会話が出来る子がいて。それじゃあなんで凛のことをああ言えるんだよ。」
男2「本当のことだろ。あんな女らしくない奴を女扱いなんて出来るか?」
シロ「…お前ら目腐ってるよ。そうだ、明日ライブやるから見に来い。そこでお前らの知らない女の子の星空凛を魅せてやる。場所はホール借りてやるから。真姫帰るぞ。」
真姫「ちょっと白夜待って。」
花陽「あれ?凛ちゃんは?」
シロ「おう、花陽。みんなは?」
花陽「みんな家に帰ったよ。それで凛ちゃんは?」
シロ「そうか。凛はぁぁ⁉︎痛った!おい、真姫何すんだよ⁉︎」
真姫「それはこっちのセリフよ!白夜、明日は全体の後にみんなソロがあるのよわかってる!?」
シロ「わかってるよ、だからだよ。」
真姫「なら何で?」
シロ「今回の衣装どんなのか覚えてる?」
真姫「それはもちろん。女の子らしいスカートでしょ。」
シロ「そう。凛ってさ、ああいう服とか着ないじゃん。練習の時も遊びの時も。というかあいつが制服以外でスカートを履いてるのを見たことがない。でも、μ'sを続けていけばそういう格好も増えてくる。その度にこれでどうすんだよ。」
真姫「それはどうにかなるでしょ。」
シロ「そうか?でも凛はあのままじゃダメだろ。」
花陽「何の話してるの?」
シロ「ああ、ごめん。置いてけぼりだったな。かくかくしかじかで。」
花陽「凛ちゃんまだ引きずってたんだ。」
真姫「凛は昔からああだったの?」
花陽「うん、小学生の頃学校にスカート履いて行って男子にバカにされて以来制服以外では履いてるところ見てないよ。」
真姫「花陽も見てないのね。」
シロ「それってなんで?」
花陽「自分の魅力気づいてないからかな。」
シロ「そういうことね。あいつもバカだな。」
真姫「何がわかったのよ?」
シロ「まず凛の家に行こうぜ。向かう途中で教えてやるよ。」
真姫「なんか上からで腹たつ。」
真姫「で、早く教えてよ。」
シロ「ああ、そうだな。真姫お前自分が可愛いと思う?」
真姫「もちろんよ!」
シロ「ごめんお前に聞いた俺ががバカだった。花陽は?」
花陽「私は思ったことはないかな。」
シロ「普通はそうだな。でも凛はそれが異常なんだと思う。それで自分が見れてないんじゃないかな。」
真姫「そうかしら?」
シロ「それと自分のコンプレックスが混ざってるんだろ。」
花陽「それはわからないけど。凛ちゃんの家に着いたよ。」
シロ「じゃあインターホン押してくれ。」
真姫「自分でやりなさいよ。」
シロ「知らない男が家まで娘に会いに来たなんて言ったら親がびっくりするだろ!」
花陽「大丈夫だよ。凛ちゃんの家は共働きで夜遅くまでいないから。」
シロ「それでも花陽頼む。」
凛「あはは、ごめんね突然帰っちゃって。明日は大丈夫だから。」
凛は自嘲気味に笑いながらそう言った。
凛は基本的に優しい性格だ。だからこういったのも俺らを心配させまいとした結果だろう。それは、花陽はもちろん真姫と俺にもわかった。
真姫「そう、じゃあ衣装の手直しをするから着てくれるかしら。」
凛「う、うん。」
シロ「凛、着る前に聞いてほしいことがあんだけど。」
凛「何かな?」
シロ「お前についてなんだけど。」
凛「今はあんまり聞きたくないな。」
シロ「着た後でもいいけど。後の方がいいな。」
凛「じゃあ着た後にする。真姫ちゃん凛の部屋で衣装の手直しをしよ。」
いつも猫語取れるほどなのか。相当来るもんがあったんだな。
真姫「ちょっと凛!開けてよ!」
花陽「何かあったみたいだね!」
シロ「だいたい予想がつくけど。」
花陽「真姫ちゃん何があったの?」
真姫「凛が部屋に閉じこもっちゃって。」
シロ「扉越しでもいいから俺の話聞いてくれ。」
凛「……」
シロ「お前は女の子だ。確かに凛は出て欲しいところが出てないけど。それ以外はちゃんと女の子だ。」
凛「そんな嘘いらないよ。」
シロ「嘘じゃねぇよ。俺がそんな嘘つくような奴に見えるか?」
凛「見える。」
そんなに信用ないか俺。こりゃダメだ。面と向かって話すしかないか。
シロ「凛開けてくれ。」
凛「嫌だ。」
シロ「開けろ。」
凛「……うるさい!もう帰って!」
シロ「帰らない。」
凛「帰ってよ!」
シロ「なら!」
真姫「白夜どこに行くの?」
シロ「何が何でも部屋に入ってやる!」
花陽「シロ君危ないよ!」
凛「シロ君!どっから入ってこようとしてるの!」
シロ「凛が扉開けねえから窓からだよ。」
凛「何でそんなにしてくるの!」
シロ「目の前で女子が泣いてるからだろ!」
凛「ッツ!」
シロ「お前が女装した男だって⁉︎それだったら全世界の女子はなんなんだ⁉︎女装したゴリラか⁉︎そんくらいお前は可愛い女の子だ!」
凛「嘘だもん。そんなの嘘だもん。」
シロ「最初に嘘じゃないって言っただろ。それに俺は女子を見る目だけはあるって言われたことあんだ、だから信じろ。お前の友達の言うこともな。」
俺に続いて花陽と真姫がやってくる。
花陽「そうだよ。凛ちゃんは可愛いよ!もう抱き締めちゃいたいって思うくらい可愛いよ!」
凛「かよちん///」
真姫「凛は私達よりちゃんと女の子してるわよ。」
凛「真姫ちゃん///」
シロ「さて元気出たかい?」
凛「出たけど、シロ君慰めるの下手すぎだにゃ。」
シロ「悪いな。貶されることはあっても、慰められたことがないからな。」
凛「でも…ありがと///」
シロ「お、おう。じゃあ俺帰るわ。みんな明日は頼むぜ。」
絵里「みんなお疲れ様。汗拭いてちゃんと水分摂ってね。」
一同「はーい!」
さて、奴らのところに行きますか。
シロ「お前らはあのステージ見てもまだ凛が女装男子に見えるか?」
男2「チッ。お前性格悪いな。あのステージ見て誰が星空のことを女装男子だと思うよ。」
シロ「それじゃあ伝わらないよ。素直に言わないと。」
男2「はあ〜。可愛かった。今まで悪かったって伝えといてくれ。」
シロ「君も同意見かい?」
男「ああ、凄え可愛かった。」
シロ「ならよろしい。暇があればまた来てくれや。」
これで誰もあいつを女装男子だと言わないだろう。
後日部室にて
凛「シロ君何してるんだにゃ?」
シロ「なんで反省文なんて書かなきゃいかんのだ!いいじゃん喧嘩したって健全な男子の証拠だろ。」
凛「シロ君ぐちぐち言ってないで早く終わらせるにゃ。」
シロ「俺だけのせいじゃないだろ。凛のせいでもあんだろ。」
凛「凛は関係ないにゃ。」
シロ「はあ〜マジか。終わらねーな。」
凛「ねえ、シロ君。」
シロ「なんだよ?」
凛「凛って可愛い女の子かにゃ?」
シロ「どうしたんだよ。何?お前口裂け女の親戚なの?」
凛「答えて。」
シロ「ああ、お前は可愛い女の子だよ。」
凛「ふふ、ありがとにゃ!」
シロ「ッ!」
振り返って見せた笑顔にドキッとしてしまった。やはり星空凛は女の子だ。
もう一つサブタイトルをつけたかったですね。こんな感じので『星空凛は彼女なのか?やはり星空凛は彼女だった』
いや〜そろそろ夏休みが終わりますね。早く書き終わらせたいと思います。次回「夏休み(最後の日)」