文才ないってつらい………。
side隼人
「…これでよし。」
SAOがデスゲームだと報じられてから10分が経過した。真矢があの世界に行ってから約3時間とちょっとだ。
俺は一枚の紙を机の上に置いてナーブギアに手をかけた。
母さんがナーブギアを回収せず、俺の部屋に置いたままにしていた理由は簡単に分かる。あの人は決断を俺に委ねてくれたのだ。真矢の帰りを待つか、迎えに行くか。
「…考えるまでもねえよ。」
あー、彩乃に怒られるかなー。すまんなマイシスター。やっぱり俺は真矢がいないとこの世界で生きていける気がしないんだ。真矢のいない日常なんて考えられない。
でも、彩乃も俺の考えは理解してくれるはずだ。そのために置き手紙を書いたのだ。
さっきニュースが流れたということは、あっちの世界では今頃チュートリアルが終わった頃だろう。はぁ、スポーンしたときに周りのプレイヤーにどんな視線向けられるんだか。怖い怖い。
とにかく今ならまだ真矢に追いつけるはずだ。
やることは一つ。真矢と一緒にこの家に帰ってくる。なんだ、いつも通りじゃないか。
「…リンク・スタート‼︎」
主の旅立った部屋の机の上の紙には、たった一文、こうつづられていた。
ーーー行ってきますーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
「…これはひどいな……」
SAOに降り立った俺は目の前の光景に絶句していた。
デスゲームにわざわざ途中から入ってくるやつがどんな目で見られるのか不安だったのだが、それどころではない。
見られてすらいないのだ。ここにいるプレイヤー達はみんな絶望に満ちていた。
「…なあ、あんた。まさか今ログインしてきたのか?」
不意に後ろから声をかけられ振り向く。
「…あぁ。デスゲームだってのは承知の上だから、説明とかはいらないぜ。」
声をかけてきたバンダナ男は心底驚いていた。それはそうだ。自らデスゲームにログインするやつは、世界一のばかしかいないだろうから。
「…なんでログインしたんだ?」
「…話すのはいいけど、場所を変えさせてくれ。この光景は正直見てられないんだ。」
こんなにたくさんの人が絶望し果てている光景はこれ以上見てられなかった。いや、見たくなかった。
俺はバンダナ男と一緒に広場から出たすぐのところの路地に入った。
「…で、なんでログインしたか?だっけか?」
「…あぁ。」
「親友を迎えに来ただけだ。それと、俺はβテスターだからな。どっちにしろこのゲームのクリアには協力しないといけない。」
「…あはははは!おまえただの馬鹿かと思ったが、なかなかいいやつだな!」
バンダナ男は大声で笑うと右手をこっちに出してきた。
「俺はクラインってんだ。よろしくな!」
「…俺はソナタだ。よろしく。」
名乗りながら俺はバンダナ男、クラインの手を握った。
「…ソナタ……。お前、もしかしてキリトたちの知り合いか⁉︎」
「キリトを知ってるのか?」
「あぁ!さっきまで一緒にいたからな。ついさっき次の村に向かったぜ。マヤも一緒だ。」
「…ナイスだクライン!俺はすぐ次の村に向かう。お前も来る…。いや、キリトと一緒に行ってないってことは、お前はここに用事があるってことだもんな。フレンド登録だけしておこうぜ」
ログインして数分でかなりいい方向に進展している。マヤの居場所がわかっただけかなり幸先はいい。
クラインとのフレンド登録を済まして俺は早速次の村に向かうために走り出した。
「じゃあなソナタ!どっかの男に襲われないように気をつけろよ!!」
「うっせー髭面!!!人の顔にいちゃもんつけんじゃねぇ!!!!」
こうして俺ははじまりの街を後にした。
…そういえばこの顔どうしよ。現実の顔ってことはかなり女顔だよな………。
てことで、隼人ことソナタがログインするお話でした!
そして最後にさらっと入れたけど、ソナタ君はキリトと同等くらいの女顔ですw
次回はもっと長くしたい…………。