転生先は…ファンタジーな世界で化物に   作:㐂眼翔

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舞い降りた何か…

 

 

 

サワサワサワ

 

自然豊かな森に、生い茂る木々から聞こえる葉が鳴り響く音。 その森は人間の手には触れられておらず自然が満ち溢れ野生の動物が多く住み静かな空間になっていた。 そして、今日も静かで平和な日常が動物達に迎えるだろう…

 

ドッカーン

 

突然、彼等に平穏の世界に凄まじい音が鳴り響く。 森の奥の方から聞こえてきた。 しかし、森の動物達はその音に気にせずに何時もどおりの生き方をしていた。 少し森の奥にある平地がある場所で、3人の人間と彼等とは一回り大きな《何か》が戦っていた。

 

「今日こそコイツを倒してみせる!」

 

「そうね! コイツさえ倒せば王国からの討伐報酬が貰えるわ! 喰らいなさい、ファイヤーボール!」

 

3人の人間は、《何か》に対して攻撃をしていた。 だが、《何か》は彼等を攻撃する事無く相手からの攻撃だけ捌くように動いていた。 彼等は男2人と女が1人で、男2人は鎧を着て剣と盾を装備し戦士と思わせる姿で女は杖を持ち魔導士と思わせる姿だった。

 

「絶対倒してみせるぜ、《傷だらけのオーク》!」

 

彼等と戦う《何か》は、体が2m有るか無いかの大きさで身体中は緑に染まっていた。 体には傷が多く、頭には鉄の被り物を被っていた。右手には棍棒を持ち、上半身は裸で下半身は布地のズボンと思われる物を履いていた。

 

オーク

ラテン語で「悪魔」あるいは地下世界の生物を指す言葉である。 この世界のオークは、集団行動して洞窟や地下に住み生きている。 彼等の生態では、オークは男しかおらず男性の人間は食い女性の人間は子を産むために攫い孕ませる。 その為か、彼等は稀に人間が住む村や町を襲撃して男は食い殺され女は攫うと言う事がある為に人間はオークを忌み嫌っていた。

しかし人間は彼等を撃退する力は、殆ど無いに等しい。 オークは人間より力が強く生命力も高く、オークの攻撃で人間は脆く散り傷を負ったとしても少しの時間で修復してしまう化け物であった。

そして、彼等を撃退する事が出来る人間もいた。 それが《討伐者》だ。

 

この世界には、ドラゴンやエルフなどゴブリンetc…。 彼等人間を軽く命を葬る生き物が多く、それらから守り戦う者が《討伐者》だった。 彼等は辛い修行を積み険しい道のりの中、有る者は武器を手に有る者は杖を持ちいて《討伐者》の称号を手にする。

すると、《討伐者》を管理する《化殺隊》と言うギルドから依頼がくる。 それをこなして、報酬と栄誉を貰い生きているのだった。

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

そんなオークを敵対している彼等だったが、剣での攻撃や魔法の攻撃はオークには一発も入らず彼等には疲労が見え始める。 彼等は、《化殺隊》の中では名が知られている《ピース》と言うチームだった。 そんな彼等は複数のオークを倒す力を持ち、一体のオークを倒すのに片手間だと思っていたが覆される。

 

「ハァッハァッ! なんなんだ、コイツ!? 攻撃が当たらないぞ!」

 

「やばいわ…魔力がつきそう」

 

「それに俺らを無傷で捉えようとしてるのか、あいつからの攻撃が無いぜ…」

 

そんな彼等に最悪な状況を思い描いてしまった。 男は無残に食い殺され、女はオークにありに余った性欲をぶつけられると…。 少しずつ顔を青くする3人に対して、オークは心なしか肩を下げていた。 オークは頭に被り物を被って顔まで覆った物である為に表情は見えなかった。 そんなオークが被り物の中で溜息を一つ吐くと、体を伸ばし3人に近づき始めた。

 

「くっ! やるぞ、二人とも!」

 

「えぇ! サンダーストーム!!」

 

「負けてたまるかー!」

 

オークに近づかれた彼等は、連携を取り男2人はオークの左右から剣で斬りかかり女は真正面から魔法を撃つ。

しかし、オークの次の行動は彼等3人を予想を超えた動きだった。 3人は完璧の連携に「勝った」と声にするが、オークは慌てず手に持った棍棒を上に放り投げると両手で近づく男2人の頭を掴む。

 

「「えっ?」」

 

するとオークは両手で掴む男2人の頭を軽く揺すると力無く、意識を失いオークの手からぶら下がった。

 

「えっ!?」

 

残された女は驚愕し、男2人を掴む手を離し上から落ちてくる棍棒を右手で掴むと真正面から来る魔法の雷を薙ぎ払うように棍棒を振った。

 

パッキィン

 

何かが割れたような音で魔法は弾かれ、空に舞い上がっていった。 それを見ていた女は膝に力が抜けてしまったのか、その場に座ってしまった。 それを見たオークはノシノシと足音を立てながら女に近づくと、女は泣き始め最悪な状況を考えてしてしまう。

 

「いやっ!! 来ないでー! 許してー! きゃー!」

 

プライドを捨て女は命乞いし始める。 膝に力が入らない為に、逃げる事も出来ない為に目を瞑り下を向き手を組むようにして祈る姿になる。 オークは女の目の前まで近づきしゃがみ込む。 目の前にいると感じている女は、恐怖の余りに涙で顔を濡らしながら失禁していた。 今か今かと思う女の中、突如目の前のオークの口から声が女の耳に入る。

 

「ヴァッ…」

 

その一言を聞いた女は、ゆっくりと目を開け顔を上げるとそこには鉄の被り物のオークの顔が女の目に入る。 鉄の被り物から見えるオークの目に、女は恐怖が極限までに達したのか気絶した。

女は気絶した為に、横に倒れそうになるがソッと優しくオークの大きな手で支えられた。 そして、オークは再び被り物の中で溜息を吐くと女を片手で優しく抱き、男2人は俵を担ぐように持つとオークは森の奥に足を進ませた。

 

そして、その場には再び木々の葉が鳴る音が鳴り響き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オークと人間が戦闘していた森から100km離れた町《ライン》と言う場所に《化殺隊》の直属の酒場があり、そこには他の国からの《討伐者》が足を運ばせる大きめな酒場であった。 酒場の名前は《ウェルカム》と看板に書かれていた。

 

アハハハハハハハッ

 

ガヤガヤ

 

酒場の中から大勢の人の笑い声や話し合う人、アルコールを飲み比べする人間がいた。 この酒場《ウェルカム》は、《討伐者》の酒場であり宿であり依頼の受付でもあった。

すると、カウンターの方で大剣を背負った大柄な男と自分の背より高い杖をカウンターにかけた女が座りお互いに酒を飲みながら話していた。

 

「よぅ、最近《傷だらけのオーク》の話が出るが本当なのか?」

 

「えぇ…あのオークは特別なのよ。 王国直々で、討伐報酬が10ユロって…」

 

「10ユロ!? マジだったのかよ!」

 

男は女の言葉に驚いていた。 この世界のお金はどの国でも共通なお金であった。

 

1から1千迄がエーン

 

1万から1億まではドール

 

そして、この世界の金額の位が一番高いのが…

 

1億から1兆までがユロであった。

これを日本円にすれば…10億と言う大金であった。 しかし、2人から話が出る王国では世界の何処かにいる魔王を討伐すれば史上最高の1000ユロまであった。 それより二桁下の《傷だらけのオーク》の討伐報酬も規格外な金額だった。

そんな話をしていると男の方は何かに気づく。

 

「だけどよ…あの《傷だらけのオーク》って、ギルドの依頼に載ったのって今から100年ぐらい前じゃなかったか? その間に誰も倒せなかったのかよ…」

 

そう《化殺隊》が出来たのは500年前から結成され、《討伐者》を生み出し世界に繰り出して魔物や化け物を討伐していった。 その500年の間には、数人の天才と呼ばれた戦士と魔導士がいた。 それに対して今の時代にも、人間とは思わせないほどの実力を持った天才はいた。

 

「聞いた話だと、そのオークは他の個体と違って…顔は見た事無いらしいけど体はスリムで筋肉質。 そして、奇妙な魔法を使うらしいのよ。 でも、それだけで今の天才達が討伐出来ないなんて不思議じゃない?」

 

そう《傷だらけのオーク》と言われるオークは他のオークと違った。 本来、体は緑に染まり顔は醜く肥満と思わせる腹に短い脚で腕は地に着くほど太く長いのだ。 変わり《傷だらけのオーク》は、比較的に人間に近い身体つきだった。

 

「それで前に何人かの《討伐者》が、《傷だらけのオーク》がいる森に向かったの…。 数日すると傷無く戻って来るんだって。 その《討伐者》達に聞くと、あのオークは奇妙な魔法だけでは無く不思議な動きをするんだって…。 そして、彼等はオークに負けたのに関わらず生きて帰ってこれたのよ」

 

もし未熟な《討伐者》がオークに立ち向かい敗北する。 そうなれば最悪な結果がくり広がっているだろう。

 

「そりゃあ、可笑しな話だな…。 普通なら男を食らい、女は孕ませるのがオークの行動だろ?」

 

酒を飲み干すと、グラスをカウンターに置く女は頬杖をつきながら天井を見上げる。

 

「そうなのよ…居ないと思うけど人畜無害なオークだと思ったんだけど。 王国の方から、あの討伐報酬の金額を見ると不思議で仕方ないわ」

 

男は不思議がってる女を見て、近くに歩く店員にオーダーをしていた。 店員が男から離れ、男は女に話しかける。

 

「まぁ、そんな奴もいるって事だ! さぁ今日でお前の称号が一つ上がった日なんだ。 そんな話気にせず、パーとやろうぜ!」

 

女は男の気遣いにフッと笑い、気分を入れ替えた。

 

「そうね…今日は、私の昇格したお金でパーとやるわ! さぁ、貴方も沢山食べて飲みなさい!」

 

「こりゃあ…じゃあ、ゴチになりますか!」

 

そんな男女も、オークの話を切り上げ周りの人間と同じ様に騒ぎ楽しみ始めた。

 

アハハハハハハハッ

 

ガヤガヤ

 

酒場には活気に満ち溢れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん…」

 

私は意識が戻る。

 

「!」

 

すると、気がついた私は目を開けると知らない建物の天井があった。 最初は、あのオークとの戦いは夢だと思い体を動かそうとすると違和感を感じた。

 

あれ? 私…

 

何故か動かしづらい体を動かそうと首を下に向けると、私の体は裸だった。

 

!!!?

 

あまりの事に頭はこんがらがってしまった。

 

なんで私裸なの!?

 

とりあえず動かせる首を動かし周りを見ると隣に、チームの一員である2人の横になっている姿があった。 しかし、彼等も裸だった。

 

どうしてアルトとリーゼも裸なの!?

 

私は今の状況に思考が上手く纏まらない中、今私がいる場所は何処なのだろうと周りを見回す。 私達が寝かされている反対側には、大釜があり中から煮えたぎった湯の音が聞こえた。

 

やっぱり!! 私達…あのオークに負けたんだ

 

絶望が私の心を塗り潰すと、部屋のドアが開かれるとオークが現れた。 オークは私が気が付いている事を確認すると、大釜の方に近寄り近くにあった棒で中をかき混ぜ始めた。

 

…あぁ、アルトとリーゼはあの大釜で調理されて私は…

 

私はもう短い命の中、生まれて今までの記憶を振り返っていた。

 

普通の親から生まれて、名前はエリーと名付けられて幸せに暮らして今の世界が魔物と化け物で溢れて他の人間が殺されるのを、ただ黙って見てられないと正義感を持って親を説得して《討伐者》になったんだよね。

そして、2人にあって色々な化け物を倒して将来は好きな人と結婚するのが夢だったのになぁ

 

涙を流しながら、これから起きる光景を想像してしまい恐怖の余りに人生2回目の失禁をしてしまった。 すると、私の失禁での臭いに気づいたのかオークは私の方に顔を向けた。 鉄の被り物を被っている為に、オークの表情は見えないが予想では醜く私を汚す想像しているのに違いない。

オークは、大釜の中をかき混ぜるのを止めて棒を放して私に近寄る。 逃げたい私だが何故か動かない体と声を出せない喉に力を入れるが、結局身体は動かず発声する事も出来ずオークは私の目の前に立つ。

恐怖で私は目を瞑り、オークの行動を待った。

 

スッ

 

えっ?

 

すると、私の体は浮き始めた。 私は不思議に思い目を開けると、優しくオークが太い腕で私を抱き上げた。 最初は、とうとう汚されると思っていたがオークは私を抱きながら部屋を出た。 私はオークと向かう先を交互に見ていると、目的地に着いたのか…その場所は浴槽だった。

 

えっ? 何?

 

私は頭が真っ白になりながらも、私を人形のようにオークは湯が入ったお風呂に優しく脚から入れ始めた。 その後は、凄く恥ずかしかったが身体中隅々を洗われ失禁で汚れた私は綺麗にされた。 お風呂から出された後も、壊れ物を扱う様に柔らかな布で私を拭き始めた。

私はもう《傷だらけのオーク》の事が分からなくなっていた。 拭き終わるとオークは、再び私達を寝かせていた部屋に私を抱き上げ運んだ。

部屋に戻るとオークは、私が失禁した場所を見ると私を肩に抱きその場所にある物を退かし新たに出した白いブロック状な塊を2つ並べた。 そして、私を優しく白いブロック状の物に寝かせる。

あまりの事に、私は裸でいる羞恥心が何処かに飛んでしまったのかオークの行動だけを見ていた。 そして気づいたことに、私が寝かされてるブロック状の物は柔らかく後ろから包むような上質なベットだと思わせる物だった。

もはや、オークに感じていた恐怖は薄まり彼の行動を目で追った。 すると、オークは腰にぶら下げていた袋から三角形な物を取り出すと大釜を熱している炎に端を炙ると燃えず、炙った箇所から白い煙を出し始めた。 それを私の頭の近くに起き、再び大釜の方に戻って作業をし始めた。

 

…あれ? なんか甘い匂いがする。 なんか落ち着くなぁ…

 

私は柔らかなブロック状の物と気持ちを安らぐ甘い匂いに睡魔が襲ってきた。

 

なんだろ…最初怖かったオーク…もう…怖くないなぁ……なんだろ…安心…してきゃった…

 

眠りにつこうとした私に最後に何かが聞こえて意識が無くなる。

 

「…ヴァッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…い! エリ……きろ!」

 

誰かが私の事を呼んでいる。 少しずつ眠気が無くなり、目を開くと目の前にはアルトとリーゼの顔があった。

 

「エリー! 大丈夫か!?」

 

「どっか痛む所あるか!?」

 

心配そうにする2人に私は少し笑ってしまった。

 

「えぇ…大丈夫よ」

 

その言葉で2人は安心したのか、溜め息を吐く。 そんな2人を余所に、私は周りを見回す。 周りは森の外であった。

 

「それにしても、不思議だよなぁ」

 

「あぁ…俺達ってあの《傷だらけのオーク》と戦ってたんだよな? でも、気づいたら森の外で3人仲良く寝てたんだからな」

 

私はアルトの言葉に驚く。

 

「えっ!?」

 

確かに私達は《傷だらけのオーク》と戦い…敗北した。 でも、あの時の事は夢だったのだろうか? 私達の服と装備は、オークと戦う前の状態であるほど綺麗だった。

 

「とりあえず、この事はギルドに報告せずにもう一度《傷だらけのオーク》の情報を集め直そう。 俺たちは《傷だらけのオーク》を見くびっていたかも知れない」

 

「そうだな…よし、《ライン》に戻ろう」

 

アルトとリーゼは、荷物を担ぎ《ライン》の方に脚を進ませる。 しかし私は何故か森の方に向き、奥を覗くように見ていた。 何故か、あのオークの事を夢だと思えなくて…

 

「おーい、エリー! 置いてくぞ〜!」

 

「早くしろ〜!」

 

既に遠くまで歩いたのか、彼等は大声で叫んでいて私の視力では小さく見えた。 私は彼等を追いかける為に走り出した。

漸く彼等に追いつき2人の間に入った。

 

「お待たせ!」

 

「遅いぞ、じゃあ戻るぞ。《ライン》に!」

 

「「おー!」」

 

そして、森を離れ町に向けて私達は足を進ませた。

 

「そう言えば、エリー?」

 

「何かしらアルト?」

 

「お前って香水つけてたか? なんか甘い匂いすんだけど…」

 

「えっ!?」

 

アルトの言葉で私は身体の所々を鼻で嗅ぐ。 すると自分の匂いも混じってか微かにだが、あの時オークが私の頭の近くに置いた物と同じ匂いがした。

 

…やっぱり夢じゃないんだ

 

私は確信を持った。 あのオークは、元々私達を敵対していなかったんだ。 証拠に私達に傷は一つ無く、それにあの時私達が裸で寝かされていたのは服や防具に武器を洗う為に脱がして、大釜の中で綺麗にしてくれたに違いない。 私がそう考えいるとリーゼが私に声をかけた。

 

「エリー? エリー!?」

 

「!? な…なに、リーゼ?」

 

「お前が自分の体を嗅いでいたら、歩くのを止めて考え込んでいたんだろ…どうした?」

 

不思議そうに2人が私を見ていたが、私は考えるのをやめた。

 

「うーんうん、何でもないわ。 ただ甘い良い匂いだなっと思ってね」

 

私は2人を置いて先に歩き出す。

 

「おい、待てよ…エリー!」

 

「置いてくなよー」

 

追いかけてくる2人の声を聞きながら、私は足を止めず軽い足取りで町に足を進ませる。

 

あのオークは…何があったのかは分からないけど。 悪いオークじゃないわ。 私はあのオークとは戦わない。 あれが人間に悪い事をするとは思えない。 後で2人を説得して《傷だらけのオーク》とは討伐対象から外そうと私は考えていた。

 

いつか、あのオークと話してみたいわね…

 

そんな願いがいつの日か叶うとは知らず歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴァッ…」

 

ふ〜、やっといったか。 やれやれ…何時もの事だが、人間の相手にするのは面倒くさいな。 何もかもが、あの堕神と王国の王様の所為だな。 くそ…

 

俺は森の中で3人が無事に町に戻っていく姿を見て溜め息を吐く。

 

これで何回目の襲撃になるだろうな…100から数えてないし。 いい加減に気づいてもいいだろうに…

 

元々、俺はこの世界の《者》じゃない。 今はファンタジーの怪物であるオークの姿だが、この姿になる前は普通の人間でこの世界の住人でも無い。 100年以上前に、この世界に落とされ苦労の絶えない人生?を歩んでいた。

 

ちっ…思い出すだけでも腹がたってしょうがない。 いきなり白い変な世界が現れて、目の前に自分の事を神と名乗る男がいて思わず神嫌いな俺が殴りかかったら…この世界にオークとして落とすし……お寿司…

 

俺がこの世界に落とされ、気がつくと周りはオークが沢山いた。 余りの光景に驚くと周りのオークが、俺の事を不思議そうに見ていた。 とりあえず自分の姿を確認する為に鏡がない為に、水に反射する自分を見た時は絶望したなぁ。

それからオークは洞窟に住処を作っていたのか、俺は住処から出て途方にくれていた。 だが、少しして俺には変な能力がある事に気づいた。

 

あの時は理不尽な事に苛立っていて、近くの木を殴って破壊したと思ったらその木は《ブロック化》した時は吃驚したなぁ…

 

そう…俺が破壊する物は大半が《ブロック化》するのだ。 地面を少し蹴っていると土が《ブロック化》して、大岩や石を破壊すれば均一な《ブロック化》される。 流石に生き物類は試す気にはなれなかったが…。俺が持つ変な能力はこれだけじゃない。 そのブロックを積み、横に付けると原理は解らないがくっつくのだ。 そして地面を接地されたブロックを破壊しても上にあるブロック達は、宙に浮いたままであった。

色々と試していたが、この能力で一言で言わせて貰えば出鱈目だった。 一度、土を重くそ掘り返して《ブロック化》させ高く積み立てるが風や衝撃を受けても倒れないのだ…。

こんな出鱈目の能力に俺は色々とツッコミを入れたかったが止めた。 一つ考えられるのが、あの時にあった堕神が俺にオークの姿で能力を付属させたとしか考えられない。 この世界に魔法があったと知った時は、この能力の所為で余り驚く事無かった。

 

本来、魔法は凄い物なのに全部が能力に驚きを持ってかれたからな…。 くそ…またあの堕神にあったらボコボコにしてやる!

 

そして、変な能力以外にオークな俺に意外な能力もあった。 それは物作りだ。 ある程度の物なら、その場でも作れ作業台を用意すると作れる物の幅が広がるのだ。 最初は住処から出た俺は、この体が人間より力があると分かったが手で殴って木を破壊するには拳を痛めてしまうと言う事で、《ブロック化》された木から斧を作ろうとした。 俺は取り敢えず、切れずとも木を破壊できる鈍器でも構わないと思ったが…すんなりと木製の斧を作る事に成功した。

人間の頃の俺は…こんなにも物作りの才能が特化していたか? そんな思いが胸一杯に広がっていた。

なんだかんだ言いながらも、森の中に自分一人で家を建てた。 木製の家で、自分の身体の事を考えて作ってみたが…デカく建ててしまった。

サイズで言うならば、普通の一軒家の3つ分と言ったところか。 俺の中でやり過ぎた感とやり遂げた感が混ざり合い、最終的に気にしない事にした。

 

あれから100年経つのか…

 

俺がこの世界にやってきて、最初に死にかけた時があった。 この世界を探索する為に俺が身につけると、不思議な袋になり大きさや質量を無視した四次元な袋を腰に身につけ歩いてる所にエルフが住む村を見つけた。 しかし、見つけただけでは無く俺が村に着くとその場は最悪な光景が広がっていた。

俺と同種のオーク達がエルフの村を襲っていたのだ。 男のエルフは殺され、女のエルフは攫われそうになっていた。 村に向かう途中、一人の女の子のエルフを救った。その子から事情を聞き俺は、オーク達を止めるように話をかけるが俺の言った言葉がオーク達に対して可笑しかったのか笑い聞く耳を持たなかった。

俺は黙ってその場を見ていることが出来ず、オーク達と敵対し戦った。 オーク達は数が多かった為に、俺は袋に貯蔵していた武器を全部使いオーク全員殺した。 何人かの女のエルフは犯されたが命に別状無く1人も攫われずに済んだ。

しかし、俺は身体中に大きい傷や小さい傷を負い重症だった。 出血が多く喉を潰され、呼吸すら上手く出来ず死にそうになっている所にエルフ達の魔法で一命を取り留めた。 傷跡が残り声帯は潰され声が出せず、顔には右頬が無くなり歯が剥き出しになってしまい強面になってしまった。 看病してくれたエルフの村人達は、オークの俺の事を英雄視していた。

 

オークの俺が、エルフの村を襲ったオークを倒した話なんて…笑い話にもならんな

 

顔が強面になった俺をエルフ達が見ても、驚く事や怯える事なく見ていたが確実に人間に見られたら化物扱いで襲ってくるだろうと思って、俺は顔を隠す為に鉄の被り物を作って被った。 その後はエルフの村を後にし面倒くさい国王にあったり魔王とあったり日々で、今住処にしている森に人間が押しかけてくる日常を俺は過ごしていた。

もはや、俺の人生?はハードモードとしか言えなかった。

 

「ヴァ〜…ヴァ〜」

 

俺的には平和で静かな日々を暮らせればいいのだが、人間が押しかけてくる為に相手をして無事に帰らせるのが今の日課の1つであった。 今日来た人間を帰したので、青い青空を見ながら自分の家に戻ることにした。

 

さて、明日は何をしよう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、きさらぎ たつよしと書いてヨッピーで〜す。

只今、この作品以外に書いている作品があり気晴らしにこれを書かせてもらいましたー!

感想待ってまーす。(^O^)/

2月23日、修正
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