ハーメルンでは初めての作品となりますので、極力気を付けてはいますが、誤字や脱字が見付かればご報告くださると助かります!
それでは、本編へどうぞ!!
P,s序盤のみややシリアスです
昔々、月から逃げた臆病者の兎が居ました。
その兎は人と関わる事を避け、人里から少し離れた竹林で暮らしていました。
偶然か、はたまた運命か……そこで自分とは真逆に近いお気楽者の妖怪と出会い、自分とは違う輝きに惹かれていきます。
これはそんなお話。
〜〜鈴仙side〜〜
「はぁ…………」
月から逃げてもう何日経つんだろ……
「………お腹………空いたなぁ………」
人が怖くて…とても近寄れないから、最近はこの竹林にある木の実と筍しか食べれてない……
「はぁ…………」
今日もいつもと同じように、竹林を歩いては食べ物を探して眠る……
「ほんと…何してるんだろ……」
月に人間が攻めてくるって聞いて………怖くて怖くて……
気付いたら地球にまで逃げ出してて……
「はぁ………」
『ため息ばかりついてると幸せが逃げるらしいぞ?』
「ッ!?」
誰!?いつの間に後ろに……
私より背が高く、腰に刀を据えている人間…。急いで能力を発動して、この場から離れるために走り出す。
「ち、ちょっと待て!俺はお前に何もしないから安心しr………ま、待ってくれ!!!」
何よこの人…………どうして私が見えるの?能力は確かに発動させたはずなのに……
「どうして着いてくるの!?あなたは人間でしょう!?」
「い、いや…お前腹減ってんだろ…?飯分けてやろうと思ってさ。それに、俺は人間じゃないからな!?お前も人間じゃ無いだろ?こんな竹林の奥深くに人間が来ることなんて滅多に無いしな。変な耳付いてるし……フフフッ」
「何笑ってるのよ!それに、あなた妖怪って言ったってどこからどう見ても人間じゃない!!」
「あぁ、多分俺が人間と妖怪のハーフだからかもしれないなぁ……いわゆる半妖ってやつ?」
半妖だからといって気配を完全に消せるはずが無い……この人……見かけや態度はヘラヘラしてるけど…相当な腕利きなんじゃ…
「お!!お前目が赤いんだな!羨ましいぜ、全く……俺なんて普通の白黒だぜ?つまんないよなぁ………」
「まぁ、兎だもの……」
どうしてこの妖怪(?)には能力が効かないの?
「それでその耳なのね、納得納得!迷える可愛い兎ちゃんってわけか。 フフッ」
「か……かわッ!?」
「ずっと淋しそうだったけど、案外大丈夫そうで安心したよ。さーてと、確か腹減ってんだったな。腹膨れるもん持ってきてやるからちょっと待ってろよ〜。」
「淋しそうってどういう………ち、ちょっと待ってよ!色々聞きたいことが…………………はぁ……」
悪い人では無いんだろうけど……自由な人だなぁ…………
待たずに進むのもありなんだろうけど……それはそれで気が引けるし……それにしても……
「異性に可愛いなんて……初めて言われた………」
私が地球に逃げてきて、初めて出会った妖怪。人は能力を使ったりして避け続けてきたおかげかまだ出会ったことは無いし。正直なところ、そろそろ限界も近づいていたということも事実。
食べ物も大したものは見当たらないし、人と会うなんて絶対ムリだし……動物なんて野ウサギしか見当たらないし…。
いくらお腹が空いたからって同じ仲間を食べるなんてことは絶対にしたくない……
「はぁ…………」
『だぁかぁらぁ!ため息ばかりついてると幸せが逃げるっての!!』
「ッ!!」
「ふふふ、適当にそこら辺にあった木の実と筍、後は俺の知り合いの妖怪から肉と白飯を少し貰ってきたぜ!火起こし道具も借りてきたから、まぁなんとかなるはずだ」
いつの間に……まだ数分も経ってないはずなのに………
「あ、ありがとう………」
「おう!」
「……あなたはどうしてそこまでしてくれるの……?見ず知らずの私相手に……お礼をしようにも何も持ってないし……」
「そうだなぁ……兎ちゃんが可愛かったからかな?」ニヤニヤ
「……………本当は?」
「月から逃げてきた臆病者の兎ちゃんを助けてあげようと思っただけだぞ?これは本当だからな!?可愛いってのも嘘じゃn」
「――どうして私が月から逃げてきた事を知っているの……?あなた、まさか」
「――もしかして月から捕まえに来た使者か何かと思ってるのか?どっちかというと真逆なんだけどなぁ…」
「……どういう事?」
「兎ちゃんが月から逃げて来た時、能力で気付いていたんだよ。最初は俺も突然やってきた妖怪に警戒してたんだけど、行動とかを監視してると気性も穏やかだし、よくよく見れば普通の兎ちゃんだったって訳さ。」
「監視って………あなたずっと近くに居たの!?」
全くそんな気配は感じなかった……彼とは違う妖怪の気配なら感じていたけど………
「まぁまぁ、話は最後まで聞くもんだぞ。俺はこの辺りに結構前から居るんだが、この辺りの竹林は夜遅くになるとあまり頭の良くない妖怪どもが襲ってくることがあるんだよ。兎ちゃんが妖怪に襲われてケガでもされたらなんだか気の毒だしな。ここ数日は監視兼護衛をしてたってわけさ。」
「………確かに、あなたとは違う他の妖怪の気配は時々感じていたけど……」
「まぁそういうことだ!詳しいことは飯でも食いながら話してやるよ!俺も腹減ってさ~……」
「そ、そうね……」
そのあと、私は彼が取ってきてくれた木の実と筍、お米を頂いて 、色々とお互いの事を話した。
彼の名前や私の狂気を操る程度の能力がなぜ効かないのか、彼の能力はなんなのか、それを話しをしていくうちに少しずつ理解することができた。
彼の名前は葛葉 時雨(くずのは しぐれ)というらしく(時雨と呼んで欲しいそうだ)、彼の持つ能力は『六感を操る程度の能力』だという。
自分や他人の視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚を自由に操れるらしく、どれだけ遠くの声や物でも見たり聞いたり出来るという…。他人の五感を操るのは苦手みたいだ。この能力で私の独り言を聞き取れた訳ね……。
彼のこの五感へは、何故か他人の影響や干渉は受けないらしい。私はどうもそれだけじゃないような……。
それに六感って……一体……。
他にも、この竹林にはとある館があるとかなんとか………
色々とお話を聞いてるうちにも食事は進み――
「「ご馳走様でした!」」
彼…時雨が持ってきてくれたご飯のおかげで、久しぶりにお腹一杯食べれた気がする……
「あ、そう言えば兎ちゃんの名前聞いてないな。いつまでも兎ちゃんってのもイヤだろ?」
「別に兎でも構わないけど……。私の名前は鈴仙よ」
「鈴仙か……鈴仙はこれからどうするんだ?」
「色々とお話も聞けたし、前よりは楽に過ごせそうだからこのままこの竹林で暮らそうと思ってるわ」
「おお!それならここから11時の方向に真っ直ぐ進んでみろ、きっと鈴仙の為になるぞ」
「え……ええ。分かったわ。」
――時雨は突然現れて、お腹の空かした私の為にわざわざご飯まで取ってきてくれて………夜は妖怪から守ってくれて……………
「じゃあ俺はそろそろお暇するぜ!いつまでも馴れ馴れしく居られるのも困るだろうしな」
「――待って!」
胸が苦しい……地球に来てからずっと独りだった私を…時雨は助けてくれた……。
なのに…またすぐ居なくなってしまうなんて……
そんなの…
「ん?どうした?」
「時雨は…これからどうするの?」
「そうだなぁ、またいつもどおりブラブラしようかなぁ。暇な毎日でつまらないんだけどな。ふふっ」
今しか無い…ここで離れてしまったら……私はまた…
「そ…それなら、私と一緒に………」
「え?」
「……な、なんでもない!」
「ま、いいか。元気でな!またいつか様子見に行ってやるよ!11時の方向に進んでくれさえすればまた会えるから」
「うん………」
「じゃあ行くわ!」
「ぁ……」
そう言うのが早いか走り出すのが早いか……あっと言う間に姿が見えなくなった……
私は…また独りに…。
月から逃げた罰なのかな……仕方…無いよね………。
「ありがとう、元気で…………」
今は直接言えなかったけど、次会った時には必ず……感謝の言葉と…
私は時雨に言われた通りに、11時の方向へと歩を進める事にした。
何があるかは分からないけど、私の為になるって一体………
『能力のおかげで聞こえてるんだけどな……。しばらくは楽しいことが起こりそうだ……これで暇な日常からもおさらばか!?ワクワクするぜ。ふふっ』
ふぅ、やや無理矢理感がありますね……
少しずつマシな文を書けるよう努力します!
次回はうどんげの師匠が登場します!
主人公である時雨がメインで話が進むようになるのはまだもう少しだけ先ですね。
なぜ時雨はうどんげの能力が効かないのか、なぜ短時間で食料を用意できたのか、今ここで分からない事もいずれ必ず分かっていきます。
気まぐれ更新なためになかなか話が進みませんが(っ´・ω・`c)