ハイスクールD×G 《ReBoot》   作:オンタイセウ

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前回は本当にふざけすぎました。
今回からは真面目にやります……と言っても前作のほぼリテイクになってしまっていますが。


VS15  集う来訪者達

羽田空港。

そこへイギリスからはるばるやってきたとある姉妹が日本の土を初めて踏んでいた。

 

「ついに来たネー!Exoticゥ……JAPAN!!」

 

「お姉さま、声が大きすぎで目立ってます!それにちょっと古いですよ!」

 

片方のテンションが異常に高いので悪目立ちしてしまい、片割れがそれを抑えるのに必死になっている。

まあ、見た目は二人共文句なしの美少女であるため余計に周囲の視線を集めているというのもあるが。

 

「まあ、着いたはいんですけど……件の殿方がどこにいるか知ってるんですか?」

 

高い飛行機代を払ってきているのだ。きっとどこに目的の人物がいるのかの見当がついているはずだ。そう期待して彼女はもう片方の少女に目を向けるが……

 

「へ?」

 

 ・

 ・

 ・

 

しばしの時間二人の間に何とも言えない間ができるが、ややあってとんでもなく適当に日本までやってきたことに気づいてしまう。

 

「……お姉さま、まさか件の殿方がどこにいるかも分からずに日本に来たって言うんですか!?」

 

「だってしょうがないネー!風に乗ってくる同族の匂いと雰囲気だけで見当付けてたもん!」

 

たったそれだけの理由と判断材料で行き先を決めるとはなかなか勇気があるのか天然なのか。それともただのアホなのか。

 

「で、でもでも!実際に日本に来てどの方角へ行けばいいかはわかったヨ!」

 

ズビシッと彼女はある方向を指差しす。

 

「さぁ待っててまだ見ぬdarling!!あなたの未来のwifeが「今、逢いに行きます」ヨー!!」

 

「お、お姉さま荷物、荷物!!それにそれもちょっと古いです!!」

 

 

 

 

 

 

その日のオカルト研究部の定例会が行われたのは、イッセーの家の部屋だった。

この日はたまたま旧校舎の大規模な清掃が業者により行われているため、急遽イッセーの部屋で行われることとなったのだ。因みに、今この場にダイスケの姿はない。野暮用とかで来るのが少し遅れるらしい。

しかし、その定例会もイッセーの母のとある差し入れでなあなあで中断された。イッセーの過去の写真をオカルト研究部の全員に見せたのだ。

これは効果てきめんで、リアスなどは幼いイッセーが風呂上がりに全裸で牛乳を飲んでいる姿を見て「小さいイッセー可愛い。可愛いイッセーハァハァ」とかなりヤバイ状態になっていた。

そこへ、ダイスケが入ってくる。

 

「すんませーん、遅れましたー……ってイッセー、お前何塞ぎこんでんの?」

 

「過去の恥ずかしい写真を見られたら、誰だってこうなるよ……。」

 

ちらりと視線を移せば、そこには幼少期のイッセーの赤裸々な写真の数々が散らばめられたアルバムがあちらこちら。

 

「……なるほどね。確かにこれはキッツイわ。」

 

と言いつつもダイスケは足元の一冊を拾い、ある写真に注目する。

 

「おばさん、何なんですか。このイッセーがorzの姿勢になってるの。しかも地面に白い牛乳らしい液体が見えるんですけどこれ。」

 

「あら、なかなかいい写真を見つけたわね!これは『イッセーリバース事件』の事を話さなければならないわね……。」

 

「リバースって吐いたんですか。どこのヤスケンですか。」

 

嬉々としてイッセーの母は息子の黒歴史を語り、皆がそれを一言一句聞き逃すまいとする姿はイッセーの心を粉々に砕く。

母とダイスケから十字砲火を受ける結果となったイッセーは、ただただ二人を呪うしかなかった。

 

「なんで母さんは余計なもの持ってくるんだよ……。そしてダイスケはどうしてピンポイントで一番ヤバイのを見つけるんだよ……。」

 

「ダイスケ君はともかく、いいお母さんじゃないか。」

 

「どこがだよ!!」

 

意気消沈するイッセーに、慰めの言葉をかける木場。その手にはイッセーの母が持ってきた方のアルバムがある。

 

「でも、こんな家族がいるって、とてもいいことだよ。」

 

「……そういや木場、お前ん家って……?」

 

そのイッセーの疑問の言葉に、木場からの回答はなかった。その代わり、木場の視線がある写真に止まったとき急に木場の声のトーンが変わった。

 

「ねえ、イッセー君。この写真だけど……。」

 

その写真は、洋風の内装の家の中に幼いイッセーと友達であろう亜麻色の髪をした子供が一緒に写っているものだった。

 

「ああ、これか?その男の子は近所の子でさ、昔はよく一緒に遊んだんだ。小学校に入る前に、親の転勤で海外に行っちまたんだ。名前は確か……。」

 

「……この剣の方に見覚えはある?」

 

木場が興味を惹かれたのは、イッセーと共に写っている子供の方ではなかった。その後ろの壁に立てかけてある、鞘に収められているロングソードの方に目が行っていた。

 

「いや、ガキの頃の話だから、あんまり……。」

 

だが、イッセーの言葉は既に木場の耳には入っていなかった。

その目は長年探し求め続けていた“ナニカ”をようやく見つけたような目だった。

 

「これはね……聖剣だよ。」

 

 

 

 

 

 

球技大会が近づいているある日の昼休みの屋上。そこには今、イッセーとダイスケしかいない。

ダイスケはイッセーに、昨晩に起きたはぐれ悪魔討伐の顛末について聞いていた。そして、木場がその場で不覚を取ったことと、昨日木場が見入っていた聖剣と木場との関係も聞いた。

それは文字通り、胸糞の悪くなる話だった。

聖剣。それは、神による祝福を受けた対アンチキリスト的存在に対する絶対兵器。それに触れただけで邪なる存在はたちまちその身を焦がし、消滅させる。

代表的なものは、アーサー王の『エクスカリバー』、ローランの『デュランダル』、聖ゲオルギオスの竜退治で有名な『アスカロン』。また、イエス・キリストを処刑したローマ兵、ロンギヌスがキリストの死の確認のために脇腹に刺した所謂『ロンギヌスの槍』も聖剣をはじめとした対アンチキリストの聖具として有名だ。さらに、これは神滅具の代表選手でもある。

だが、誰にでも扱える代物ではない。聖剣に対する適正を持つ者のみが扱えるものであり、実際に使いこなせるものが現れるのは数十年に一人なのだという。そして木場は、エクスカリバーと適応するために人工的な調整を受けた者の一人だった。

これは教団の一部が行っていた『聖剣計画』と呼ばれるものの一端だった。だが、木場は聖剣に適応できなかった。それどころか、同時期に養成された者たちも皆適応できなかった。

それを知った計画の遂行者たちは、木場ら被験者たちを『不良品』として処分した。

木場は、その虐殺の中で生き残った唯一の人間だった。それをリアスが拾ったのだ。

正直な話、食事中にするものではない。

だが、同じオカルト研究部の仲間としてイッセーもダイスケも知る必要のある話として、イッセーからダイスケに教えるようにリアスは言った。だから話したのだ。

 

「しっかし、あれだな。そういう話聞いてると“隣人愛”ってなんなんです?って言いたくなるな。」

 

「部長も言ってた。教団の人間は悪魔は邪悪な存在だっていうけど、本当に邪悪なのは種族云々じゃなくそういう行いのほうだって。」

 

「まあな、確かにうちの部長のほうがよっぽど人間味が溢れてるよな。悪魔なのに。」

 

食事を終え、屋上から階段で下に降りていく二人。昼食を済ませたら、オカ研のメンバーは全員部室に集まることになっていた。

部活動対抗の球技大会のための最後のミーティングを行うとのことだった。

リアスはライザーとの一件以来、彼女は勝ち負けに関しての強いこだわりを見せるようになっていた。あの時の状況は、確かにリアスたちにとって劣勢だったのは確かだ。それでも負けたという事実ののものが、彼女のプライドを傷つけた。だからこそ、どんな勝負事にも積極的に勝ちを狙うようになっていった。

 

「おう、お前ら今日も部活の集まりか?」

 

松田が購買で買ってきたパンが入った袋を持って、二人とすれ違う。松田の隣には元浜も一緒だ。

 

「ああ、球技大会に向けて猛練習中。」

 

「かー、オカ研がボール競技かよ。でもさ、お前らんトコって文化系なのに全員身体スペック高いよな。」

 

「まあ……いろいろあるからな。」

 

「しかしな、イッセーよ。お前最近変な噂が流れているから気をつけろよ。」

 

突如として、眼鏡をくいっと上げながら元浜が切り出した。

 

「あ?なにがよ。」

 

「美少女を取っ替え引っ変えしている可能性ならぬ性欲の獣イッセー。駒王学園に大お姉さまの秘密を握り、毎夜毎夜の鬼畜変態プレイを強要し、「ふふふ、普段は気品あふれるお嬢様が、俺の前では卑しい顔をしおって!このメス○タが!!」と罵っては乱行に次ぐ乱行。」

 

「はぁぁぁぁあああああ!?なんじゃ、そりゃあああああああああああ!?」

 

あまりに酷い風説に某ジーパン刑事なみの叫び声を上げるイッセー。

 

「まだ続きがあるぞ。ついには学園のマスコット塔城小猫ちゃんのリータボデーにまでその毒牙が向けられる。小さな体には収まりきらない激しい性行為は天井知らず。まだ未成熟の青い果実を貪る一匹のケダモノ。「先輩……もうやめてください……」と切ない声を上げるも性欲の野獣の耳には届かない。そして、ついには転校したての一人に天使までもが餌食となる。転校初日にアーシアちゃんに襲い掛かり、「日本語と日本の文化をこの俺が放課後の特別補習でその体に叩き込んでやろう」と黄昏時に天使は堕天していく……。ついに自分の家の中に囲い、狭い世界の中で繰り返される終わりのない調教。鬼畜イッセーの美少女食道楽は止まらない……とまあ、こんなところか?」

 

「……え、マジ?俺そんな風に見られてるの?」

 

チラリと廊下を見渡せば、そのイッセーに向けられる視線はなにか形容し難い汚物を見るような目であることに気づく。

 

「まあ、俺たちが流してるんだがな。」

 

「そうそう。」

 

松田と元浜が悪びれた様子もなく堂々と告白する。

まあ、最近の同類だと思っていたイッセーの近況に嫉妬してこのデマを広めたのだろう。

本当に友達かどうか自信がなくなった二人に対し、イッセーは躊躇することなくその腹にボディーブローを叩き込む。

 

「痛いぞ、鬼畜。」

 

「そうだそうだ、俺たちに当たるなこの野獣め。」

 

「因果応報だ!!おい、ダイスケ!!このバカ共を置いて……ってあれ?」

 

すぐ隣にいたはずのダイスケの姿が見当たらない。すると、先ほどボディーブローを受けたふたりがイッセーの足元を指差す。

そこには笑い転げて呼吸困難になっているダイスケの姿があった。

 

「き、鬼畜イッセーとか!!マジで最高だわ!!ブッ!グワハハハ!!ヒィヒィ!!アヒュ!アヒュ!!イーヒヒヒヒヒ!!!」

 

「おまえ、そこ普通笑うか!?」

 

「笑うに決まってんだろ!こんな最高のネタ、他にねぇわ!!!」

 

ほんとにコイツも俺の友達なのか、と自信を無くしていくイッセー。どうやら男は、周囲の女の子の人口が増えるたびに男友達の人数が減っていくらしい。

 

「因みにイッセーと木場のモーホー疑惑も流している。これがまた、一部の女子にうけててなぁ。」

 

「きゃー、受け?攻め?どっちぃ?」

 

「お前らそのうち呪い殺すぞ!?」

 

ついにホモ疑惑まで流されたイッセーは、いい加減この二人との付き合いをやめようかと本気で考え始める。そんなイッセーを無視し、元浜はまだ笑い転げているダイスケに申し訳なさそうにある話をする。

 

「それはそうと宝田よ、本当はお前を巻き込む気は毛頭なかったのだが……実は非常にまずいことになっててな。」

 

「ヒッヒッヒッヒッヒ……へ?なに?」

 

ようやく呼吸が整ったダイスケが元浜の言葉に興味を持つ。

 

「実は、木場とイッセーとのホモ疑惑を流すのには成功したがな、何故かいつの間にかお前を交えての三角関係になってきてるんだ。」

 

「……はい?」

 

そこに松田も追加説明を加える。

 

「いや、お前って結構イッセーとの付き合いが長いだろ?そしたら木場×イッセー×ダイスケの図式が学園のソッチ系の女子たちの間で出来上がっちまったんだよ。なんか、オカルト研究部が「新手のホモ集団」なんて言われているらしくてなぁ。」

 

「……巫山戯んなぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!」

 

今度はダイスケが激怒する番だった。

こっちはイッセーのように美味しい目にあっているわけではない。それなのになぜこのような仕打ちを受けねばならないのか。

身の危険を察知した松田と元浜はその瞬足でその場から逃げ出す。

結局この日、ダイスケはオカルト研究部のミーティングには参加しなかった。

新たに生まれた“敵”を排除しに行くために……。

 

 

 

 

 

 

外はすっかり雨模様。球技大会が終わったあとだったのが幸いだった。部活対抗ドッヂボール戦は、オカルト研究部の優勝に終わった。だが、一つ問題が起きた。

木場が試合中に物思いに耽っており、完全に足でまといになっていた。ボーとしていた木場をかばおうとしたイッセーが、股間に剛速球を食らってしまうというアクシデントが起きたくらいだった。

確かに、何度かチームに貢献した瞬間はあるにはあった。だが、終始ボケっとしていた。あまりの酷さに、思わずダイスケが木場の頭にボールを当てるという事件も起きたが、我関せずといった具合だった。

無論、リアスも試合中に何度も木場に注意していたが、それも無視しているようだった。

 

パァン!!

 

そして、オカルト研究部のもの以外がいなくなった体育館に、乾いた音が響く。

 

「どう?少しは目が覚めたかしら。」

 

リアスは柄にもなく、かなり怒っていた。だが、それでも木場は無言、無表情のまま。

普段とあまりにもかけ離れた木場の様子に、皆困惑している。が、突然いつものイケメンスマイルになる。

 

「もういいですか?大会も終わりましたから、球技の練習もしなくていいでしょうし、夜の活動まで休ませていただいてもいいですよね?少々疲れてしまったので、普段の部活動の方は休まさせてください。先程は申し訳ありませんでした。どうにも調子が悪かったみたいです。」

 

「おい、木場。お前最近変だぞ?」

 

「イッセー君には関係ないよ。」

 

イッセーの心配して言った一言にも冷たく返す。

 

「あのな、関係ないって言ってもそんな不安定な様子を見せられれば誰だって心配したくなるぜ。」

 

競技中に木場の顔面にボールを当てたダイスケまでもが心配する。が、その言葉に木場は苦笑で返す。

 

「心配?誰が?誰を?利己的な生き方が悪魔の生き方だよ?まあ、主に従わなかった僕が悪かったんだとは思っているよ。君にボールを当てられたのもね。」

 

少しは言っておいた方がいいのか。イッセーとダイスケは柄にもなく思う。普段であれば、二人が無茶を言うなりやるなりして、それを木場が落ち着かせるのがいつもの三人の関係だ。

だが、今では立場が完全に逆になっている。

そこでダイスケが見かねたように切り出す。

 

「ライザーとの一戦を忘れたのか?あの時の反省を生かして、チーム一丸になっていこうとしている矢先だろう。そんな中でお前はその二の轍を踏むつもりか?お互いに補い合わなきゃダメなんだ。……俺自身は悪魔じゃないけど、一応は仲間だろ?」

 

その言葉に木場は表情を曇らせる。

 

「……仲間、か。」

 

「そうだ。俺たち、仲間だろ?」

 

イッセーが木場に続いた。だが、木場はそれに同意しなかった。

 

「君たちは熱いね。……イッセー君、ダイスケ君。僕はね、自分の“基本的”なところを思い出していたんだよ。」

 

突如としての自分語りに、イッセーもダイスケも驚きを隠せない。

 

「基本的な……こと?」

 

「ああ、そうさ。僕が一体、何のために生き、何のために戦っているのかをさ。」

 

「……部長のために、じゃあないのか?」

 

少なくともイッセーはそうだった。命を拾ってくれたリアスのため。それが今のイッセーの生きる最大の理由だった。

そして、それは木場も同じなのだと信じていた。身勝手なまでに。

 

「違うよ。僕は復讐のために生きている。部長から聞いているんだろう?聖剣エクスカリバー……それを僕を生かしてくれた同志たちの為に破壊するのが僕の生きる、そして戦う理由だ。」




なんでだろう、前の二部と比べてめちゃくちゃ手抜きになってる。まあ、この後から大分変わってくるわけですが。
それではまた次回。いつになるかは分かりません!!!
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