話は変わりますが、先日金沢21世紀美術館で行われている大ゴジラ展に行ってまいりました!!
地方開催ということで展示物の数は少なかったのですが、本物のデスゴジや三式機龍改、実際の台本や準備稿(ゴジラVSバラン・バラゴン・アンギラス等)といったファン垂涎のアイテムの中になんと……54年版ゴジラの実際の撮影に使用された巡視船しらねの潜水服(それも平田昭彦氏使用のもの!)とオキシジェンデストロイヤーの実物プロップが!!時代を感じると同時に、スクリーンの向こう側にあった物の実物があるという感動、そして「なんでメーターが圧力計じゃなくて交流電流計のヤツなんだろう」という疑問で胸いっぱい、最高の時間を過ごせました。
ちなみに今日(11/3現在)行くとミレゴジに会えるよ!!……金沢在住じゃないと無理だな。
てな感じでダイレクトマーケティング全開でこれからもやっていきます。これからもよろしく!!
そしてまさかの……ガメラ復ッ活ゥゥゥゥゥ!!乗るしかない、このビックウェーブに!!!
「リアス。今、学園全体を大規模な結界で覆っています。中で戦闘をする分は外への被害は無いものと考えていいでしょう。」
先に現場に来ていた蒼那がリアスに説明している。
リアスからの緊急招集がかかったのち、朱乃たちは急いで学園の目と鼻の先にある公園に集結していた。そこにはオカルト研究部と生徒会のフルメンバーが集結している。ただし、そこに木場の姿はない。
小猫の電話越しに知った今回の事件の真相。それは想像していた以上に大きく、そして切迫していたものであった。
ダイスケが折檻を受けていた丁度同じ時間、イッセーはリアスとアーシアと共に非常にうらやmけしからんぐらいにイチャつきながら就寝しようとしていた。だが、その場に今回の事件の主犯であるコカビエルが実行犯のフリードを伴い、ボロボロになったイリナを手土産に現れたのだ。
幸いなことにすぐにアーシアが彼女を介抱したので大事には至っていなが、その後にコカビエルが語ったエクスカリバーを奪い、この街に姿を現した本当の理由が問題だった。
それは天界・冥界・堕天使の間で再び戦争を起こすこと。
まずはエクスカリバーを奪って天界を引きずり出し、魔王サーゼクスの実妹が治める駒王町に現れ、実害を与えることで冥界をも巻き込む。勿論この状態を引き起こしたのは堕天使の幹部であるコカビエルであるから堕天使全体も巻き込むことになる。つまり、事の真相を知っている者が止めに入ったとしても三つの勢力が争い合う理由を消すことはできない。三大勢力による三つ巴の戦争の再来だ。
そしてコカビエルが戦争を望む理由は唯一つ。戦争状態でないという仮初の平和という退屈な時間をつぶし、己の戦闘欲求を消化することである。
そんな自己満足的な理由でここまでの状況を作り上げたのだ。異常でありながらも流石聖書に名が載る程の堕天使ということなのだろう。
故にダイスケは理不尽さを感じずにはいられない。
例えば、自分が先ほどまで朱乃から受けていた電撃折檻は自身の不用意な行動を戒めるために振り下ろされた《暴力》だ。それを受けるのは報いとして致し方ないことだ。だが、これから多くの人々が被りうるであろう禍はコカビエルというたった一柱の堕天使の我儘によるものである。
これが天災ならば「仕方がない」で済むだろう。だが今回は明らかに悪意がある禍だ。こればかりは仕方がないで済む話ではないし、仕方がないで済ませてはいけないとダイスケは思う。それが不思議だった。
以前のダイスケなら自分の周囲の人間さえ良ければそれで良く、残りの大多数がどうなろうと構いはしなかったのだから。やはりカラワーナに襲われて以降、「理不尽」というものに対して敏感になってきている。ライザーに立ち向かうイッセーに助力したのも、先日のゼノヴィアとイリナのアーシアに対する暴言に怒りを露わにしたのもきっと関係があるのだろう。
「ですがこれは被害を最小限に抑えるものでしかありません。悔しいですが、コカビエルが本気を出せば結界を素通りして学舎どころかこの地方都市そのものが消滅します。さらに私の眷属がコカビエルがその準備をしていることも確認しています。かなりの力をチャージしているようです。」
蒼那が更に最悪の知らせをリアスたちに告げる。その言葉に最も強く反応したのはイッセーであった。
「―――ふっざけんなッッッ!!!」
怒りの理由はダイスケよりも至極単純にして純粋なもの。それは大切な日常を壊さんとしている者への怒り。さながら、自らの住処を踏みあらせれて怒り狂う野獣、否ドラゴンだ。彼はこの中でこれまで最も普通のヒトの生を生きていた者ゆえに平和な日常の儚さと愛しみは誰よりも深い。そのことはこの場にいる誰もが理解できた。
そんなイッセーを横目に、蒼那は説明を続ける。
「それでも被害を最小限に抑えるために私と眷属たちはそれぞれ配置について、全力で結界を支え続けます。その分学園が傷つくのは耐え難いものですが……この街を守るには呑むしかないですね……。」
憎々しげにコカビエルがいる方向を見つめ、蒼那はつぶやく。
壊れた物はまた直せばいい。だが、悪意によって傷付けられたという事実は残る。それが何よりも悔しいのだろう。だが、それも踏まえたうえでリアスは決意する。
「ありがとう、ソーナ。ここまでやってくれたあとは私たちが何とかするわ。」
「なっ……本気ですか!?相手は正真正銘のバケモノです。私たち程度で足止めになるのかすら……。今からでも遅くはないわ、あなたのお兄様に助力を請うべきです。」
「あら、貴女だって姉君を呼ばないじゃない?」
「私の姉は、その……。でも貴女だってサーゼクス様から愛されている。自分の力でなんとかしたいのはわかるけど「連絡なら既に済ませました。」―――朱乃?」
朱乃が二人の会話に割り込む。その表情はいつもの笑をたたえたものではない。
「ちょっと、何を勝手に―――」
「リアス、貴女が先日の御家騒動のことでサーゼクス様に迷惑をかけてしまった負い目があるのはわかるけど、今度は負い目だの面子だの行っている場合ではないのよ。勝手に連絡をつけたのは謝るし、望むなら罰も受けるわ。でも今は……。」
いつもと異なる朱乃のリアスに対する態度。それは普段他人の前で滅多に見せることのない主従を超えた“親友”としての朱乃の一面だ。それを見せるということは、本当にリアスを慮っての独断行動だったのだということが理解できる。
それは文句を言おうとしたリアスにも分かることであったし、その真剣な眼差しで肚も据えた。
「……そうね。自分のことだけを考えすぎていたわ。ごめんなさい。」
「お話を理解していただいてありがとうございます、部長。ソーナ様、サーゼクス様の援軍が到着するのははやくても一時間後だそうですわ。」
「一時間……わかりました。その間は私たちシトリー眷属の名にかけて、この結界を支えてみせます。」
「……お願いね。さあ、私の下僕たち。文字通り命をかけていくわよ……と言いたいけれどダイスケ、あなたは残ってくれてもいいわ。あなたは私の下僕ではないのだから。まあ、正直なところひとりでも仲間がいると心強いのだけれど。」
リアスの言葉を聞いて、ダイスケはそのボサボサの頭を書いて答えた。
「何を今更。そのつもりならとっくに帰ってますよ。……でも、ここで帰ったらこの街が無くなる。俺の大事なものは、ここにあるんだ……!」
「……愚問だったわね。みんな、今回は今までと違う本物の死戦よ!それでも私はあなたたちが死ぬことは許さない。生きて私たちの大切な場所を取り戻して、みんなで笑って学園に通うわよ!!」
『はい!』
「ウッシャァ!!!」
初めて体験する本物の戦場に足を踏み入れるリアスたち。
気合を入れているもののどこかしらイッセーはまだ不安げなところがあった。それを察してドライグが語りかける。
『なに、初めて戦った頃よりはお前は強くなってる。どうしてもダメだって時にはお前を全身ドラゴンにして変えてでも勝たせてやる』
「ははっ、そりゃ心強い。さすが神様と魔王相手に逆ギレしただけあって頼もしいや。匙、そっちは頼むぞ。」
「おう、ついさっきまで会長の愛を尻で受けてたんだ。その分の会長の期待も背負ってみせるさ!」
同じ目標を持つ同志が拳を合わせ、互いの健闘を祈る。そしてそのまま、彼らはコカビエルが待つ学園へ突入する―――
*
ダイスケたちが突入したのとちょうど同じ頃、カトリックのもうひとりのエージェントであるアーロン・ブロディは奇妙な二人組の少女に出くわしていた。
人気のない裏通り、彼はその二人組の少女たちと対峙していた。
「……ヘーイ、そこのイカしたexorcist boy。アナタ随分と物騒なモノ隠し持ってるみたいだけど、なにかワタシたちに用デスカ?見ての通り結構忙しいんだけどネー。」
「まさか、神父の癖にナンパですか!?だとしたも、お姉さまには触れさせません!文字通り“吹き飛ばして”あげます!!」
実の所、彼は彼女たちに用は無かった。最近知り合ったある人物とよく似た雰囲気を察知したので思わず声をかけようとし、人違いであったと気付いたのだった。
「いや、済まない。俺がよく知る男とよく似た雰囲気だったのでな。顔も性別も確認する前に思わず声をかけてしまった。許してくれ。」
そう謝ってすぐさま本来の目的へ向かおうとしたが、「お姉さま」と呼ばれていた少女に思いっきり両肩を掴まれ振り返させられる。
「な、なん―――」
「アナタ!私と同じ雰囲気のヒトってそれマジ!?」
先程までの警戒していた目と打って変わって両目が血走っている。おまけに肩にかかる握力が半端ではない。その姿はヤクザ者でもビビりそうな気迫を醸し出している。
「あ、ああ。ちょうどこの街に立ち寄ったからついでに挨拶でもしておこうと―――」
「そのヒトの話、詳しく、please!!!!」
信じられない力でガックンガックン頭をシェイクされるアーロン。体は鍛えているつもりだったが、これだけでムチウチになりそうだ。
「ま、まて、そうされては話せるものも話せなく「コカビエルを探すはずが、随分と面白いことになっているな?」―――お前!?」
そこへ現れたのは白髪の少年。背丈はイッセーよりも若干低く、同い年ほどのようだがどこかしら幼さと老獪さが共存したような不思議な顔立ちをしている。
「what?今ちょっと取り込んでるネ。話なら後で―――「シュバッ!!」―――!?」
二人のあいだに割り込むように突き出されるそれは白髪の少年の腕。それもその手の形は「貫手」と呼ばれる特殊な殴打技だ。通常の握り拳で殴るより力が一点に集中するので絶大な威力を誇るが、よほど鍛えていなければ自分が怪我をする超上級者向けの技だ。
それだけでこの少年が見た目にそぐわない程の実力者であることが分かる上に、仕掛けられた少女の頬に赤い筋ができている。
見るよりも感で危機を察知し、回避はしたが頬を一筋の鮮血が滴る。それに誰よりも激しく反応したのがもうひとりの短髪の少女だ。
「貴様ァ!!」
あっという間に距離を縮め、鋭い回し蹴りを白髪の少年に放つ。難なく避けられるものの、二撃目の横蹴りが再び襲う。だが、それは通常の蹴りではない。
自分に向かってくる足がまるで爬虫類の脚のようなのだ。普通の動体視力で見えるものではない早さだが、彼には見えた。よって防御もできたが、その蹴りの威力そのものよりもその奇妙な脚にショックを受け、こともあろうに悦んだ。
「なるほど、どうやらお前も……。」
少年は言いながら全身から殺気を放ち、本格的に戦う構えを見せる。
「何か心当たりがあるみたいだけど……多分あなたが思っているのとはだいぶ違うわよ?」
短髪の少女も同じく姉を傷付けられた怒りを放ち、再び攻撃するための構えを見せた。だが、残された二人が間に立って互いを諌める。
「ヴァーリ、彼女らに手を出す必要はない!勝手に声をこけてしまったのはこっちなんだ。邪魔だからといって手を出していい道理じゃない。」
「マリー、別にいいヨ。この程度の傷、直ぐに治るネ。」
そう言って彼女は頬を擦る。すると、その言う通りに傷は跡形もなく塞がっていた。
「……お姉様がそう言うなら。」
「……フン、興が削がれた。」
お互いに不承不承の体で矛を収める二人。ヴァーリと呼ばれた少年は「まあいい」とばかりに切り出す。
「どうせオーラからして“アレ”の紛い物だ。別に構わん。なあ、アーロン。ちょうどそこの女とよく似たオーラを放つおもしろそうな奴を見つけた。ひょっとしたらお前が言っていた奴じゃないかと思ってな。確認を取りたいから一緒に来てくれ。」
「ヴァーリ……お互いの第一目標はエクスカリバーとコカビエルの確保だろう。寄り道している暇は「ぬわんですって!?」また、人の話を遮るのか!?」
先程までヴァーリという少年に目もくれなかった少女が今度はそちらへ喰ってかかる。
「たぶんそれ、私の探し人ネ!!そ、その人はいったいどんな人ネ!?」
「お、おう……ちょうど俺やお前と同じぐらいの歳の男で、変わっているが非常に強力なオーラを放っていた。あれはドラゴンや他の神話生物の神器を持っているわけでもないらしい。非常に強いオーラの奴だった……って聞いているのか?」
先程までの余裕ぶりと打って変わって少女の気魄に押されている。だが、訊いてきた当の本人はやや俯いて押し黙っている。
「……ぅぅぅぅぅ。」
「お、お姉さま?何かあったんですか?ひょっとして、泣いているんですか?」
「おいヴァーリ、さっき言ったことなにか彼女の嫌なことを突いていたんじゃ。」
「知らん。」
「……同性じゃなくてよかったぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!」
「「「そこぉ!?」」」
*
正門から堂々と突入したイッセーたちは、異様な光景を目撃していた。
校庭の真ん中に奇怪で巨大な魔法円が出来上がっており、中央にはバイパーが陣取って四口のエクスカリバーが宙に浮いていた。
「気になるかね?四本のエクスカリバーを一つにするのだよ。」
イッセーたちの気配に気付いたバルパーが愉快そうに言う。そこに上空から声が聞こえてきた。
「あとどれくらい掛かるかな?」
『―――ッ!?』
声のする空中を見てグレモリー眷属たちは驚く。
そこには月光を浴び、学舎の時計台に腰掛けるコカビエルの姿があった。リアス達の姿を見ても、余裕の表情を一つも崩さない。強者の余裕が見て取れた。
「ああ、もう五分もかからんよ。」
「そうか。なら、そっちは頼むぞ。」
バルパーからリアスへとコカビエルは視線を移す。
「さて、お前たちの後にはサーゼクスが来るのか?それともセラフォルーかな?」
「安心しなさい、お兄様の代わりに私が―――」
ヒュン……ドォォォォォォオオオオオオオオオオオンンンンン!!!!!
風切り音のあとに響く爆発。それは、コカビエルが放った光の槍によるものであった。
大きさは以前見たレイナーレやカラワーナ等が用いていたものと変わりはない。だが、その威力は段違いであった。狙われた体育館が1000ポンド爆弾でピンポイント爆撃されたように消し飛んでいる。何が恐ろしいかといえば、それがまるで宙を飛ぶ目障りなハエを叩き落とすような感覚で行われたことだ。
「まあいい。暇つぶしにはなるか。さぁて、余興にまず地獄から連れてきたゲストと遊んでもらおうか。」
コカビエルが指を鳴らすと、闇夜の奥から地を揺らしながらなにか巨大な何かが近づいてくる。
それはまさに想像の産物にして空想の中の生物。高さにして約10m、漆黒のその巨体は巨木を思わせる四肢で支えられ、そこから生える鋭い爪は単なる武器というより巨大な工作機械ではないかと思える破壊力を秘めているように見える。
闇夜の中に爛々と赫く輝く双眸に野生の残忍さが形となったような牙。それはまさに凶悪な猛犬であった。だが、巨体以上に不自然さを感じさせるのはその猛々しい頭が三つもあるということである。
「ケルベロスだ。二頭いるからしっかり相手をしてやってくれ。可愛いが躾が行き届いていないのが玉に瑕なのだがな。」
ケルベロス。
ギリシャ神話における怪物の王テューポーンと数多の怪物の母エキドナの間に生まれた怪物のうちの一匹。ハーデスが支配する現世と冥府の境界を見張っており、そこから逃げようとする亡者を容赦なく捉え貪り喰うとされる文字通りの《地獄の番犬》だ。
それが二体もリアスたちを囲んでいるのである。
「まずいわ、一旦散って!!」
「はい!アーシア、掴まれ!」
「は、はいぃ!!」
リアスの指示でその眷属たちは一斉に散らばる。人間よりも強く発達した脚力がそれをなさしめ、他のメンバーよりも若干体力が劣るアーシアはイッセー抱きかかえられる形でその場を離れた。
悪魔である彼らはケルベロスの標的からは外れた。一応人間であるダイスケを除いて。
ガルルルゥルルルゥルルルゥ!!!!
バゥ!!バゥ!!
「んごぉ!?こっちに来たァァァァ!!!!」
反応がやや遅れたダイスケはケルベロス達の興味を引いてしまい、二頭の地獄の番犬を引き連れて校庭を我武者羅に走り抜ける。
「いけない!朱乃、手伝って!!」
「ええ!」
すぐさま朱乃が雷を一頭のケルベロスに向けて放つ。その足元の地面は吹き飛ばされ、前脚を思わず引っ込めて立ち止まらせることに成功した。
「喰らいなさい!」
その隙に自身の得手である“滅び”の魔力をチャージしたリアスは漆黒の魔力の塊を放つ。
ババゥ!ババゥ!ババゥ!!!
ケルベロスはリアスからの攻撃の対抗策としてそれぞれの頭から火球を放つ。一撃目を受けたとき、リアスの魔力とケルベロスの火球は拮抗したが、二発三発と立て続けに押し切ろうとして来た。
「隙あり。」
そこへ摺り抜けるように現れた小猫が痛烈な一撃をケルベロスの前脚の脛に与える。
ギャイン!!
もんどりうって倒れたケルベロスは一転、二転と転がっていく。だがその先には―――
ギャウン!!
ダイスケを追っていたもう一頭のケルベロスがいた。衝突事故を起こした二頭はお互いにお前が悪いと言わんばかりに喧嘩をし始めた。それも足元にいたダイスケを巻き込んで。
「待てェェェェ!!!お前ら今は仲良くしろォォォォ!!!仲良く一緒にお母さんに抱かれてお昼寝したあの頃を思い出せェェェ!!ねんねんころりおころりよ、ケル坊よいこだねんねしなァァァァァ!!!!」
お前がこいつらの何を知っているんだとイッセーが突っ込みかけたまさにその時、二頭のケルベロスに異変が起きた。喧嘩をしながらどこかしら顔がうつらうつらとしているのである。
「ケル坊のおもりはどこへいった、あの山こえて里へ行ったァァァ!!!」
グルルルルルル……
気のせいではない。ダイスケの叫びのような聴くに耐えない子守歌で本当にケルベロスたちがその場で横になって寝息を立て始めたのだ。
「里に土産に何もろた、でんでん太鼓に笙の笛ぇ……。」
歌いながらもダイスケは思い出した。ギリシャ神話に竪琴の名手オルペウスが死んだ恋人エウリュディケーを追って冥界まで行く話があるが、オルペウスがケルベロスを突破するために得意の竪琴の奏でる音楽で眠らせるという逸話があるのだ。さらに近年ヒットしたあの某魔法学園ファンタジーでは賢者の石を守る関門の一つにケルベロスが配されていたのだが、賢者の石を狙う悪人が魔法によって自動で奏でられるハープの音色で眠らせてこれを突破している。
まさかここまでうまくいくとは思いもつかず、それでも慎重に軽く啄いて反応を見るが完全にケルベロスは寝ていた。
「……あれ、これいけるんじゃね?」
ここでダイスケの中の外道が鎌首を擡げる。どうせならこの眠っている隙をついて寝首を掻けばいいのではないか?と。
リアスたちはというと、ダイスケがやろうとしていることを察して良心が咎めるのか「やめて、やめて!」と無言のメッセージを見ぶり手振りで伝えようとしている。だが、寝ているケルベロスが起きることを恐れた故にそのメッセージは全く届かなかった。
「……ちょっと失礼しますよっと。」
言いながらダイスケは一頭の真ん中の頭の口に手をつっこみ、そのまま―――
ボビヒュッ!!!!
体内に向けて熱線を発射した。
口の中で撃った為にそれが銃のサイレンサーのような働きをし、それほど大きな音を起こさずに済んでいる。そして放たれた熱線は先程の肉を鈍く切り裂く音を立ててケルベロスの体内を破壊。起こすことなくその命を容易く刈り取った。
「はい、またまたちょっと4・2・0(し・つ・れい)~っと。」
息絶えたのを確認するとダイスケはもう一頭の方に向かう。そしてそのまま先ほどと同じように―――
ボビヒュッ!!!!
生々しく熱線がケルベロスの体内を破壊するくぐもった音が聞こえる。それはまるで体内に侵入し、変形しながらその運動エネルギーと弾性エネルギーで人体を破壊する弾丸のよう。高温高圧のエネルギーが気管と食道を通って肺や胃を蹂躙。衝撃は骨を伝わって全身の筋肉をゆらした上に胸骨と肋骨のほぼすべてが破壊される。折れた胸骨は心臓を食い破り、体内に大量の血液が決壊し熱線によって空洞になった部分に流れ込む。さらにそこに引き裂かれ、衝撃で調理される前の肉のように柔らかくなった肉とペースト状になった臓物も綯交ぜになる。
さながらケルベロスの皮でケーシングされたブラッドソーセージである。それがあっと言う間に二つも完成したのだった。
まさに残虐非道。これが冥界に名立たる地獄の番犬が相手だから壮絶な戦い(?)にみえるであって、常識的に考えたら普段のお付き合いを丁寧にご遠慮申し上げられるところである。
「あ、あなた……いくら相手が敵で魔物だかって言っても他にやりようが……。」
「Sを自認する私でもこれはちょっと……。」
「……しばらくブラッドソーセージを見られません。」
「イッセーさん、なにがあったんですか?目を隠されちゃったらわかりません。」
「アーシアちゃん見ちゃダメ!!一生後悔するから!」
楽に倒すことができて感謝するどころか非難轟々。気持ちはわからなくはないが。
「ケルベロスを見かけたから急いできたが……。」
「出番がなかった以上に嫌なもの見ちゃったよ……。」
いつの間にか援護に来てくれたゼノヴィアと仲間のピンチに駆けつけた木場は所在無さげに立ち尽くしてダイスケに言いようのない視線を向ける。
仲間のピンチを救ったというのにこの扱い。自分でもちょっとやりすぎたかなと思うところはあれどもそれよりも怒りの方が優ってしまった。
「……だったらお前らなんで歌わなかったんだよ!!つーか、こういうのの相手はお前らの方が専売特許だろ!相手の弱点を突くぐらいやれや!っていうかこれぐらい知っとけ!」
「「「「「いや、限度ってものがあるでしょ!?」」」」」
「イッセーさん、なにがあったんですか?何が酷かったんですか?」
「アーシアは知らなくていいから。」
ケルベロスという巨大な障害を切り抜けた先にあった次の障害はまさかの身内。その扱いにさすがのダイスケも少し涙目になっていた。
「ククク……人の子にしてはいいじゃぁないか。思い切りもいい。なかなか俺好みの性格だ。」
まさかの助け舟がコカビエルである。敵ではあるがちょっとだけ嬉しかったのは内緒だ。
「まさか今の「ちょっと嬉しい」とか思ってるんじゃないでしょうね。」
「お、思ってねぇっしゅ!!」
リアスの指摘が図星であった為に盛大に咬むダイスケ。その様子を見たコカビエルは愉快そうに笑う。
「ハハハ!ならもっと喜ばせってやってもいい。バルパー、首尾はどうだ?」
「ああ、完成だ。」
バルパーの言葉にコカビエルは拍手を送る。
すると、校庭の真ん中に配された四口のエクスカリバーが激しく発光し始めた。
「さぁて、最も有名な聖剣エクスカリバー。その力の片鱗を見させてもらおうか。」
ゴジラ、61歳おめでとう!!ということで本日11月3日に合わせて投稿しました。だけどあれですね。まえがきで「100文字以上行くこたぁねぇよwww」と思っていましたが、まさか今回400文字行くとは思いませんでした。本文は10000字以下で少ないのにね。
それと先日、評価していただいていたグレン様からまさかの推薦をいただきました!!
推薦なんて絶対されない、評価してもらっただけで幸せだと思っていた矢先の出来事でしたので思わず自分の目を疑ってしまいました。
遅ればせながらグレン様、この場を借りて厚く御礼申し上げさせていただきます。
それではまた次回。いつになるかは分かりません!!!