ハイスクールD×G 《ReBoot》   作:オンタイセウ

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リアルの環境が本当に激変しまして、なかなか書く時間が作れなくて苦労しております。
そんな環境で作ったせいでいつもより文字数は少ないですが……どうぞ!


VS31  (首が折れる音)

数多飛来する銀色の物体は小型の標的への貫通を目的としたミサイル。ダイスケはそれらに向けて迎撃の熱線を放つ。

 

ドォオン!ドォオン!

 

撃ち落とされたミサイル群は空中で爆発四散するものの、迎撃を掻い潜ったものはダイスケの黒い装甲に突き刺さり、そして―――

 

ドカァァァァン!!!

 

内側で爆発する。

 

「クッ……!」

 

甲冑の奥の肉体の方は幸いなことに回復が早く、傷口もすでに塞がりつつある。だが、問題は装甲と体内に残った破片だ。

穴をあけられた装甲もまるで生物が代謝するかのごとく徐々に再生しているものの、さすがに肉体ほどの回復スピードは持ち合わせていないらしい。さらに爆発したミサイルの破片が体内に残ったまま傷口がふさがるので、各部分の痛覚が常に刺激されるという考えるだけでも血の気が引くような状態に陥っているのだ。

さらに厄介なのは偽物、もといメカゴジラの手数の多さだ。

ミサイルだけでも貫通、近接爆発、直接爆発、時限信管仕様と多岐にわたっている。原典においてメカゴジラは地球侵略を企む宇宙人が建造したロボット怪獣兵器で、その最大の特徴は相手を圧倒する膨大な火器による飽和弾幕攻撃。

フィンガーミサイルの迎撃をかいくぐっても黄金に輝く相貌から放たれる虹色のビーム、あるいは胸部装甲の一部が展開してそこから発射される稲妻状のビームの洗礼を受ける。たとえそれを受けきって肉弾戦に持ち込もうとしても、膝や足に隠された別のミサイルの洗礼を浴びて再び吹き飛ばされてしまう。

近づけないのならと熱弾や熱線で応戦しても、虹色に輝く銀色の装甲がことごとくそれらを寄せ付けない。コカビエルに向けて放とうとした口からの最大威力の熱線も、その威力ゆえに放つには若干の隙ができる。その隙にタイムロスなしの一斉砲火が来ればそれこそ致命傷だ。

つまり、ありていに言ってしまえば、ダイスケは手詰まりの状態にあった。

 

「クソッたれ……。」

 

ついに膝をつき、ダイスケは己の絶望的状況に毒づく。

 

カチャン

 

先ほどから何度も聞いているフィンガーミサイルの発射準備音が鳴り、その尖端はダイスケに向けられる。止めの一撃のつもりだろう。そしてついに推進剤に点火され、火花と炎を噴出しながら八本の死を呼ぶ槍が飛んでくる。

それは一瞬の間であったが、ダイスケにとっては一時間かと錯覚してしまうほどの時間。無駄だとはわかっていながら、ダイスケは己の身を庇わんと腕をかざし、最後の時を待つほかになかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉さま、ご無事ですか!?」

 

「Yes,なんとかネ。」

 

校舎の裏側で巨大蟻と魔術師たち相手に大立ち回りを演じていたマサノ姉妹は一通りの仕事を終えて一息ついていた。

彼女たちがいた側は蟻よりも後方からの強襲を行おうとしていた魔術師たちのほうが多かったが突如として退いていき、少ない蟻たちを相手にするのがメインになっていた。これはマイロンに首を撃たれた指揮官が己の身可愛さに乱心して勝手に撤退したのが原因だったが、そんな裏事情はさすがに彼女たちは知らなかった。

だが結果的に姉妹の負担は減り、友軍の心配をできる余裕もできていた。そしていざダイスケがいるあたりに援護に行こうとしたその時。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 

何かが地面の下でうごめく音が聞こえてくる。しかもその音は徐々に地上に向けて近づいているのだ。

巨大蟻のさらなる増援かと身構える姉妹。しかし、その予想に反して地面からボコッとあらわれたのは爬虫類のような籠手を着けた人間の腕。

 

「What this?」

 

キョトンとするエリーとマリー。そして「ブハッ!!」と勢いよく地面から飛び出てきたのはMMSメンバーの一人、ベネディクト・ソウルであった。

 

「あれ、お前ら会議室にいた……。」

 

「あ、あのロクデナシ集団の……。」

 

お互いに指を突き合わせるベネットとエリー。

 

「ろ、ロクデナシって……否定できんけど。まあいいや、お前らここから離れたほうがいいぞ。地下の巣を爆破すっから。」

 

「地下の巣って……そんなもの奴らは作ってたんですか!?」

 

マリーの驚いた様子に、ベネットは首肯する。

 

「ああ、どうやらここを襲ってアリどもを嗾けた連中はここを会議の場に設定することを知ったうえで、会場設定を始めたのと同じ時期に襲撃の準備を始めてたらしい。だから地下にあんなにでかい巣が出来ていたんだ。」

 

「つまり、内通者がいるってことですか?」

 

「堕天使のダンナもそんなこと言ってた気もするな。それはともかくとして、これから地下を俺が仕掛けた爆薬で吹き飛ばすからこっから離れな。これから爆発させる分のほかに時限爆弾も一緒にセットしたから、相当な規模の爆風が穴を通ってここまで来るかもしれないからな。」

 

そう言いながらベネットはズボンのポケットをまさぐるが、一気に顔が青ざめていく。

 

「……やべぇ、ライター落としてきた。」

 

「what!?そういうのっていまどき電気信管とかじゃないノ!?」

 

「手持ちの電線がたまたま短くって、導火線のほうが長かったんだよ!おい、なんか火ぃ無いか!?このままじゃタイミングが合わなくなる!!」

 

動揺するベネットが懇願するが、相手は女子高生二人。煙草を吸う不良でもない限り持っているわけがないと半ば自分で言っておきながらベネットは絶望していたが、目の前に火が灯っているのを見つける。

 

「あの、これでよければ……。」

 

そう言いながら杖の先端に魔法で火を燈すマリー。初めて見る魔術に驚きながらもベネットは歓喜する。

 

「OK、OK!早くこっちに!!」

 

地下に続く導火線の関係上そこから動けないベネットはマリーに手招きする。そして手に持つ導火線の先端に杖の先に燈る火をつけようとした瞬間にそれは起こった。

 

ドォォォン!!

 

土とコンクリートを突き破って表れたのはグランドを今も埋め尽くしている巨大蟻の片割れの一匹。その咢には何と千切れた導火線が噛まれていた。

蟻の知能のことを考えると、それがなんなのか理解した上で導火線を食い千切った訳ではないだろう。おそらく地中を掘り進む途中で偶然引っかかってこうなったと考えるのが自然だ。

しかし、偶然とはいえ一発逆転のチャンスから最悪の状況に一気に転落したことを知ったベネットはこの時、本気で死を覚悟した。

だが、今の状況を理解しながらなおエリーの目に諦めの色は無かった。

 

「マリー!」

 

「はい、お姉さま!!」

 

エリーの呼びかけを合図にマリーは脚に装着した獣具の力によって増幅された脚力で一気に跳躍し、蟻の頭部に着地する。そして杖の先端に魔法で破壊の魔力を集中させて頭部と胸部の接合部に振り下ろした。

 

バスッ!!!

 

振り下ろされた破壊のエネルギーは見事に接合部の関節を破壊しつくし、巨大蟻は崩れ落ちる。

その一連の出来事の間に変化は起きていた。

 

「Change!cannon mode!!」

 

エリーの叫びに呼応して、その背中に背負われた巨大な腕が変形を始めた。

まず両腕が直上に上がり、それぞれの四本の指が結合して爪が内側に折りたたまれる。離れている二本の腕はやがてお互いの鱗が展開、結び付いて一つに結合する。

今度は結合された腕が横向きに倒れ、それまでバランサーとして働いていた長い尾と一直線になる。そしてそのままエリーの左脇に抱え込まれるような位置に移動、上側の部分の鱗が展開して三列の背鰭のような突起がいくつか生えてくる。

最後に手であった部分が変形し、無骨な爬虫類の頭部のような形に姿を変えてその咢が開かれた。

そのすべての変容が完了したのを確認すると、エリーはそれを両手で抱えた。すると、尾の先端まで続く背鰭の端が発光し、徐々に頭部へ向けて背鰭が青い光が点燈していく。その様子はだれが見てもエネルギーをチャージしているのだということを感じさせる。

そして最後の鰭に青い光が灯ったのと同時に、エリーは叫び、それは放たれた。

 

「Fireeeeeeeeeeeeeeeeee!」

 

放たれたのは青白く輝く炎の柱。まさに放射熱線だ。

超高温、超高圧のエネルギーの塊は、先ほど蟻が姿を現した穴を目掛けて注がれていく。その先には穴を通って地上に出ようとしていた大勢の蟻たちがいたが、一瞬のうちに熱エネルギーに曝されて灰すら残さず焼却されていく。

やがて注がれ続けたエネルギーはベネットが仕掛けた爆弾や多くの蟻、そして誰も見ていない女王やこれから孵化する卵や蛹も巻き込んで―――

 

ドォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオン!!!!

 

―――大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

かつて魔王を名乗っていた女悪魔、カテレア・レヴィアタンは焦燥する。

なぜ、正統なる魔王である自分がここまで追い詰められねばならないのか、と。

手駒は十分すぎるほど揃えていた。二天龍の片割れであり、旧ルシファーと人間のハーフとして生まれ、白龍皇の力を得た奇跡の子であるヴァーリを引き込んで育ての親であるアザゼルを裏切らせ、平穏な世を疎む血の気の多い魔術師たちを従え、星の海を越えてきた者たちの協力を取り付けてその技術の結晶であり、かの怪獣王の力を人工的に再現した生体兵器と人工的に手駒となる怪獣を生み出す装置さえも手に入れた。

だが、白龍皇は赤龍帝と戯れるかのごとく因縁の紅白対決を楽しみ、兵隊である魔術師たちは勝手に引き上げて逃走する始末。

こうなれば頼りになるのはかの生体兵器と地上に残ったTHEMの蟻達。生体兵器のほうはこちらの指示に忠実に従い、現在も任務を遂行中だ。蟻の数も減らされてはいるが、地下にはまだまだストックがある。

しかし、当の自分は窮地に立たされていた。

いずれ新世界の神として祭り上げる無限の龍、オーフィスから無限の力の断片である《蛇》を戴きカテレアは自らの力を格段にアップさせていた。元とはいえ魔王の一角を担った女悪魔にそのような力を与えられればまさに鬼に金棒、堕天使の総督アザゼルといえども手におえる相手ではない……はずだったのだ。

だが、現実ではカテレアはアザゼルによって袈裟懸けに切られ、地面に倒れ伏している。しかも何合も切り結んだ結果ではなくたったの一撃で、だ。

 

(人工の神器……それも「黄金龍君(ギガンティス・ドラゴン)」ファーブニルを封印したものでおまけに禁手化しただと!?)

 

アザゼルが自他共に認める神器ギークであることは周知の事実であり、堕天使勢力が最も神器研究であることを知っていたしそこから情報も盗みもした。

だが、まさかかつて五大龍王と称された名のあるドラゴンを利用したほぼ完ぺきな人工神器を有し、あまつさえそれを使用してくるとは夢にも思わなかったのだ。

 

「お前らの側に下った俺の元部下たちがいろいろと持って行ってくれたみたいだが……その中には残念ながらこの《墮天龍の閃光槍(ダウン・フォール・ドラゴン・スピア)》さらにその疑似禁手状態《墮天龍の鎧(ダウン・フォール・ドラゴン・アナザー・アーマー)》程のレベルの情報は無いぜ。ここまで深いレベルを把握してるのは俺とシェムハザぐらいなもんさ。」

 

掴まされた情報は自分が思った以下の価値のもの、しかも最強の龍神の力の片鱗を得たはずの自分が趣味で作ったような代物を纏った趣味に生きる男に地面に倒れ伏せさせられたことを思うと悔しさにカテレアは唇を噛む。

 

「悔しいか?だが俺はそれ以上にむかっ腹が立ってるぜ。自分の研究を横取りされて、しかもウチの悪ガキはテロリストの道に堕とされるなんて最悪の気分だ。そういう俺の大事なモンの中に土足で入り込んでくる奴は……とっととくたばりやがれ。」

 

そう言いながらアザゼルは神器の槍を持つ反対の手に堕天使が持つ悪魔に対する絶対必殺の武器―――光の槍を構える。

だが、地に倒れ伏していたカテレアは残ったすべて力を込め、黒い触手のようなものをアザゼルに向けて放つ。そしてそれはアザゼルの光の槍を構える右手に絡みついた。触手を切りつけて切り離そうとするアザゼルだったが、行くと槍の穂先で斬りつけても傷一つつかない。

 

「それは私の生命を込めて作った代物。断ち斬ることはかないませんよ。」

 

勝利を確信したカテレアの皮膚に呪術的な文様が現れる。

 

「自爆術式……地獄の底まで俺とランデブーしたいってか?」

 

「勿論、ただでは死にません!」

 

もはやカテレアの顔には狂気しかない。だが、かつて魔王であったという自負の過去の栄光が己の身を滅ぼしてでもの勝利を欲する。

しかし、それとは対照的にアザゼルは冷静に、そして正確にふつうはだれも選択しないであろう現状の解決策を実行する。

 

ズバッ

 

フリーになっていた左手の槍の穂先で、自分の右腕を切り落としたのだ。

 

「―――なっ!?」

 

「悪いな。俺もいろいろやりたいことや、やらなきゃならないがあってね。あの世へのお供はその右腕だけで勘弁してくれ。」

 

切り離された反動で後ろに倒れこむカテレア。

しかし彼女はあきらめずにもう一つ別の触手を伸ばして再びアザゼルを捉えようとする―――が、その触手は別の何かに巻き取られる。

 

「これは……!?」

 

それは、糸であった。

しかもそれは自分を最も激昂させた者の一人、パン・ルパレの獣具から放たれたものである。

 

「あんたの事、俺好みのいい女だと思ってたんだが……どうやら見込み違いだったみたいだ。今のあんたみたいに男に情けなく縋りつくのは―――」

 

次々とパンの両腕のガジェットから放たれる糸によってカテレアは絡め捕られていき、元がなんなのかわからないほどに雁字搦めにされていく。

 

「―――みっともなくってしょうがないぜ。」

 

最後に二本の糸で掴み取られて空中へ高く放り投げられた。

 

「―――!!!」

 

パンへの呪詛を叫ぶカテレアだが、それは絡み付いた糸によって阻まれる。そして放物線を描いて着地した先で自爆術式は発動してしまう。だが、それすら地面から湧き上がる蒼い閃光によって覆い隠される。

偶然が重なり、術式の発動とエリーの放った熱線による爆発のタイミングが合致したのだ。

旧魔王の栄光を求めた女悪魔の断末魔だけでなく、最後のあがきすら獣具使いたちと最も敵意を向けていたもの一人であるアザゼルに阻まれてしまった。カテレア・レヴィアタンという人物の最後を誰も直接目撃することはなかったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイスケは目を瞑り、痛烈な痛みが来るのに構えていた。

だが、いつまでたっても痛みは来ない。恐る恐る目を開けると、信じられない光景が眼前に広がっていた。

 

「これは……?」

 

飛来してくるはずのミサイルが空中で静止していたのだ。

それだけではない、周囲に散乱していた体育館の建材である鉄骨も浮遊していたのだ。そしてそれは下したダイスケの手の動きに合わせて動く。

軽く指を内側に動かすとそれらはダイスケに引き寄せられるように動いている。

そしてこの光景に驚いていたのはダイスケだけではなかった。

 

「これは……なぜオリジナルの体内にここまで強力な磁界と電気エネルギーが内在しているんだ!?」

 

メカゴジラの発言でこの現象が自身の体内に眠る磁力と電気エネルギーによるものだとダイスケは理解した。が、なぜそんなことになっているのかがわからない。

そんな自分に電気が貯まることなんて―――あった。

ひとつだけある心当たり。それはこれまで散々受けていた朱乃からの折檻。

思い返せばレイナーレの件の後で受けた朱乃からのお仕置き、山籠もり中で朱乃の顔面に水をぶちまけた時に受けた落雷によるお仕置き、そしてゼノヴィアとイリナを脅迫した後に受けた三角木馬に跨がされた上で五寸釘を突き刺して放電されたお仕置き。

今まで散々自業自得として受けてきた朱乃からの折檻がこんなところで自分の危機を救ってくれたのだ。

すべてを理解したダイスケは、浮遊する全てのものを放り投げるイメージで磁力を操り、メカゴジラに向けてミサイルも鉄骨も飛ばしていく。

 

「!?」

 

想定外の反撃方法にメカゴジラは受け身の姿勢をとるが、殺到する物の圧力と衝撃に負けて後方に吹き飛ばされた。

 

「だはははははは!今だけ感謝するぜ、姫島先輩ィ!!!」

 

本人がいたら絶対に言わないような言葉を叫び、今度は自分の体内に向けて磁力を集中させる。

すると、体内に残った金属片が磁力によって粉々に寸断されて砂粒以下の大きさにされる。そしてこれはダイスケ本人が意識していた事ではなかったが、粉々にされた金属片が体内に取り込まれ、体を覆う鎧を構成する分子に組み込まれていった。

自分のあずかり知らぬところで起きた自分の体内で起きた出来事に気づかないダイスケではあったが、メカゴジラがダウンしているこのチャンスを見逃さなかった。

背鰭が発光し、兜の咢が開いて熱線が瓦礫の山に埋もれたメカゴジラに向けて放たれる。

 

ドォォォォォオオオオオオオン!!!

 

背鰭の発光から熱線の発射までのタイムラグは1.26秒。さほど大した時間には思えないが、複数の武器で立て続けに攻撃できるメカゴジラが相手であれば十分すぎるほどの隙になる。だからこれまでこの奥の手は出せずにいたが、この最大のチャンスに使わない手はない。

 

ビィィィィィィィィィ!!

 

立ち込める煙の向こう側からメカゴジラのカメラアイから放たれる虹色の光線がダイスケに直撃する。しかし、先ほど取り込んだ金属の強度が付加された装甲のお蔭でダメージはほぼ無いといっていい。

煙の向こう側からの反撃に、ダイスケは体育館の天井を支える最も長い鉄骨を引き寄せて掴み、構えて思いっきり叩きつける。

その動きに合わせてメカゴジラは再びビームを発射する。鉄骨は先端から徐々に溶かしながら削られていき、ぶつけられる寸前にはメカゴジラに届かない長さにまでされてしまう。しかしその時点で連続照射可能時間をオーバーしたのか、鉄骨はある程度の長さにされるまでに留まってしまう。

振り切ったダイスケは返す手でそのまま鉄骨を投擲、頭部に直撃させてビームの発射口である金色の双眸を叩き潰す。みると、胸部にあった稲妻状のビームを発射する部分も破損している。おそらく先ほどの熱線の直撃の際に故障を起こしたのだろう。それだけでなくミサイルの発射装置も腕のフィンガーミサイル以外は悉く破損している。

 

「まずい……。」

 

手数を一気に減らされた事によって焦燥するメカゴジラ。残る武装のフィンガーミサイルを一斉に発射させる。

だが、それらはダイスケが操る磁界のフィールドに捕らわれる。

 

「お返しだ!!」

 

ダイスケの指がメカゴジラに向けられると、まだ推進剤が燃焼しているミサイルは勢いをそのままにメカゴジラに向けて帰ってゆく。

 

ガキン!ガキン!ドォン!ガキン!ガキン!ガキン!ドォン!ドォン!

 

貫通・近接信管・直接信管とさまざまに設定していたミサイルが放った自分に返ってくる。そしてそれは、最後に残った武器も今のダイスケには通用しないということを示していた。

その瞬間、メカゴジラの頭脳に信号は届く。

 

「なに!?……仕方がない。」

 

そう言うとすぐさま体の各所に配されたスラスターを点火させて離陸する。先ほどまで相対していたダイスケを一瞥することもなく向かうべき方向へ針路を定め、推力を最大に上げて飛翔しようとする……が。

 

「ば、馬鹿なッ……!?」

 

自分の体が全く動かない。いくら推力を上げても一向に前進しない。考えられる原因はただ一つ。

 

「おいおい、せっかく盛り上がってきたんだがら帰ろうとすんなよ……。」

 

逃走しようとするメカゴジラに手をかざして磁力フィールドに引き込んでいるダイスケだ。そのかざした手が引かれた時、ほんの少しメカゴジラの体がダイスケに引き寄せられていく。

さらに出力を上げるメカゴジラだが、同じ動作によってさらにダイスケに引き寄せられていく。

 

「なぁ、お前釣りしたことあるか?」

 

仮面の奥のダイスケの顔が邪悪に笑う。

 

「釣りはいいぞぉ。特に大物がかかった時なんて最高だ。」

 

すでにエンジンは悲鳴を上げ、オーバーロードしかけている。

 

「ルアーにターゲットがかかって、必死になって逃げようとするのをロッドをその動きに合わせて少しずつ、少しずつリールを巻いて引き寄せていくんだ。」

 

限界値を超え、スペック以上の推力を出しても引き寄せるダイスケの力に敵わずメカゴジラの体は徐々にダイスケの方へ引き寄せられる。

 

「でもって……こういう風に獲物を手にした時の感動なんて言葉にできないわけなのよ。」

 

ガシッ、とダイスケの手がメカゴジラの足を掴み、一気に引き寄せてバックをとる。

すぐさまメカゴジラの金属の躯体を手繰り寄せると、ダイスケはその首に手をかけて一気に力を込める。メカゴジラは何とかもがこうと肘で背後のダイスケを殴ろうとしているが、ダイスケは足でこれを抑え込み、抵抗できないようにした。

 

「勿論釣った魚は大体リリースするぜ?でも食える魚はこうやって―――」

 

ダイスケの腕に込められる力が一気に強くなり、ギリギリと軋む音を響かせてメカゴジラの首が捩じ折られようとしている。当然首を折られまいと抵抗するものの、これまで受けた仕打ちによって怒りを燃やす今のダイスケの筋力に敵わない。

 

バキッ

 

ついに力負けし、メカゴジラの首はあり得ない方向に捻じ折られる。

 

「―――絞めるんだけどな。」




ということで今回ちょこっとですがシン・ゴジラ要素をちょこっと取り入れてみました。
え?どこかって?すぺーしチタニウムを取り込んだあたりです。
毎回毎回わかりにくい。不定期・無軌道・複線分かりずらいの三冠王のDxGでございます。
それではまた次回。いつになるかは分かりません!!!
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