ハイスクールD×G 《ReBoot》   作:オンタイセウ

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オリジナルストーリーってやっぱり大変。そのせいかいつもよりも短めです。
なお、エグゼイドが終わって気落ちしてました。ビルドも面白いんですけどね。


VS41  マリオネット二つ

 最初の一撃はマイロンの狙撃だった。

 立っていた門番の二人のうち一人の頭を狙い、発砲。弾丸は見事にヘルメットを貫通し、脳を破壊させて即死させる。それに気づいたもう一人も銃を構えさせる前に再びヘッドショット。だが、これだけでは終われない。近くにあった監視カメラも一緒に狙撃して破壊しておく。

 しかし、カメラを撃つと同時にサイレンが鳴り響き、シャッターが降り始める。そこへすかさず遠方からミサイルが飛来し、弾頭が突き刺さる。弾頭には三本のアームが備えられており、それらがしっかりと弾頭をシャッターに固定させた。すると、突如として弾頭の先端が回転し始めた。

 弾頭の名はD‐03削岩弾。特殊金属製のドリルがしっかりと宇宙製金属のシャッターに食い込み、穴をあけて爆発。突入口が開く。

 だが、中に入るのはジョンとエドの二名のみ。そのまま中へと突き進むと、彼はいた。

 

「うぅぅぅ……。」

 

 《海底恐龍の旋風蛮刀(チタノザウルス・ストームブレード)》の使い手として生まれてしまい、哀れな操り人形と化した真船明というまっとうなただの研究員であった男。彼は手にした蛮刀を無造作に振り上げ、そして宙を斬る。すると、台風以上の威力をはらんだ豪風が二人を襲う。

 

「来たぞ!」

 

「おう!」

 

 ジョンとエドは一旦物陰に隠れ、突風をやり過ごそうとする。しかし、その猛烈な突風は物陰に隠れていた二人を巻き込んで壁に叩きつける。

 

「ぐはっ!」

 

「いや、待って、これ風だけで死ぬ!!」

 

 エドの叫びすら突風がかき消してしまう。エドは自分の獣具《古生龍の豪烈脚(ゴロザウルス・インパクト・レッグ)》を一応出しておくがそれを使える距離にすら立てていない。しばらくする、発生した暴風がやむ。風を維持できる時間はそれほど長くはないらしい。

 その隙を突き、いったん彼らは外に出るが、背後から再び突風が吹きつける。

 

「「どおおおおおおお!?」」

 

 二人に体は空中に舞いあげられると地面に叩きつけられ、風に吹かれるまま地面を転がり続ける。それを見て怒鳴るのは《守護獣の反光防盾(キングシーサー・リフレクト・ティンベー)》と奇妙な形の大型銃を手にしたジェイだ。

 

「なにやってんだよ、計画(プラン)はどうした!?」

 

「「いや、できるか!!」」

 

 本来の計画ではジョンが《翼龍の超音速弓(ラドン・ソニック・ロングボウ)》の能力で風を相殺し、エドが蹴って昏倒させて拘束もとい明を保護するはずであった。

 

「つーかこれだけの風、俺ら二人だけで対処できるわけねーだろ!!」

 

 エドの言う通りだった。みれば入り口周辺の木々はほとんど風でなぎ倒されて拓けた地面が出来上がっている。これだけの風を操る相手に二人だけで対処するというのにはさすがに無理があった。

 

「仕方がない、プランBだ。」

 

 風がやんだ一瞬をついて、ジョンは《翼龍の超音速弓(ラドン・ソニック・ロングボウ)》を構え、風が固体化した矢を放つ。それとほぼ同時に、明は蛮刀を振う。その突風が吹きつけるのと、解放された風のエネルギーがぶつかりあったのはまさに同時。風が互いにぶつかり合ったために通路内に風の吹き溜まりが出来上がる。その吹きすさぶ旋風に、今度は明が舞い上げられる。

 明が驚愕する間もなく、突入してきたエドの強力な蹴りが襲い掛かる。とっさに避けるが、入り口に立ったジェイが逃さない。すぐさま彼は手にした銃のその引き金を引く。だが、その銃口から放たれたのは弾丸でもメーサーでもなく特定の周波数御特殊な音波であった。

 

「あああああああああ!!」

 

 途端に明が頭を抱えて苦しみだす。何を隠そうこの銃、自衛隊の試作品である非致死性兵器の音波麻痺銃であった。もともとこれをつかうことはMMSの面々も、黒木も考えてはいなかった。しかしダイスケの

 

「チタノザウルスって劇中じゃ超音波に弱いんですよね。まあ、相手は人間なんで意味ないでしょうけど。」

 

 という発言がヒントになって考えられた一手であった。もちろん、ダイスケの言う通り怪獣が相手であるのと人間が相手であるのでは勝手が違う。怪獣では弱点であったのに獣具になったら弱点が弱点でなくなることがある、ということだ。こうなるとメタ情報も実際に使えるものとそうでないものが出てくるだろうが、今回は非致死性兵器を使うというアイデアに結び付いたので結果オーライである。

 しかものこの音波銃はレーザーによって誘導された一点にのみ音波を伝えるというもので明以外のこの場にいる人間には影響がない。しかし、効果は絶大で明は悶絶し倒れ伏している。そして、地中から何かが飛び出してきた。

 

「悪いな、数で押させてもらう。」

 

 ベネットの《地底獣の掘削腕(バラゴン・グランドダイバー・クロー)》で共に地中を移動してきたパンが《大蜘蛛の縛錠糸(クモンガ・ウェッブ・シューター)》で明に糸を吐きつける。

 最初に顔面に糸が張り付き、さらに恐慌状態になる。こうなるともうパンの思いのまま、あっというまに全身を糸で雁字搦めにされて身動きが取れなくなった。そうして雁字搦めになった明を突入してきた特自の隊員が運び出す。

 一連の動きは実にスムーズ。すべて計算通りに、しかも海底恐龍の旋風蛮刀の猛威を振るわせる間もないままに確保してしまった手腕は見事というほかない。それもこれも、MMSの面々と明との錬度の差だ。

 ベネットとマイロン、そして特自の突入部隊も合流し、中を進んでいく。すると、ブラックホール第三惑星人たちからの銃撃を受ける。各々が物陰に隠れ応戦するが、彼らは実に冷静に反撃している。これまでやってきた通り、そして訓練通り銃撃を行う彼らの姿にブラックホール第三惑星人の兵士たちは何かの違和感を覚える。

 どうにも急いでいる様子がないのだ。こういった籠城戦になると粘れば粘るだけ籠城する側が有利になる。それを避けるため、突入する側は可及的速やかに敵陣地の中枢を抑える必要が出てくる。なのに、かれらは急いだ様子も見せず、戦力の逐次投入もしてこない。そう思っているさなか、地響きが坑道内に響いだ。

 

 

 

 

 

 

 地響きの正体、それは坑道内を破壊しながら突き進むモゲラによるものだった。このモゲラに与えられた任務はファイヤードラゴンの地下滑走路として開発されているであろう伊豆の地下坑道を天城山側から破壊しながら富士山方面へ突き進むことであった。つまり、上吉田と天城山方面からの挟み撃ちだ。

 距離があるので時間がかかるであろうと普通は考えるであろうが、さすがそこは宇宙人のテクノロジーの産物。もともと坑道が作られていたということもあってか大した時間をかけずに富士の裾野の地下まで堀り進むことができた。

 キラアクの本来の居留スペースまで来るとモゲラは停止し、ハッチが開いてそこからダイスケとアーロンが飛び降りる。

 

「では後を頼む。殺された同胞の仇をとってくれ。」

 

「おう、まかされた。」

 

 ミステリアンのパイロットとそんなやり取りを交わした後、その場をモゲラに任せて互いに獣具を付けたダイスケとアーロンは突き進んでいく。しかし、不意に背後でモゲラが爆発し、四散する。その犯人はすぐにダイスケたちの前に現れた。

 

「やっぱり来たかよ……。」

 

 メカゴジラである。

 

「最優先目標、確認。ターゲット、オリジナルゴジラ。ターゲットを優先して排除行動に入る。」

 

 そう言ってメカゴジラはフィンガーミサイルをダイスケに向けて発射する。しかし、そのすべては熱線剣によって薙ぎ払われる。

 それを想定してか、今度はスペースビームを放つ。それを剣で受け止めながら、ダイスケは背後のアーロンに言う。

 

「アーロン、あんたは先に行け!!どうやらこいつは俺にご執心らしい!」

 

「いや、しかし!」

 

「いいんだ、どうせここで決着をつけたいし、あんたにとっちゃ仕事を捗らせるチャンスだ。行ってくれ!」

 

「……後で会おう。」

 

 そう言うとアーロンはメカゴジラの横を駆け抜け、通路の奥へと進んでいった。それを確認するとダイスケはすぐさま鰭斬刀を抜き、接近戦に持ち込む。当然ながらメカゴジラはパイクでこれを受け止める。そして何合も打ち合った。

 

「いいのかよ、あいつ無視して!」

 

 ダイスケは問うが、メカゴジラからの返事はない。その様子から、ダイスケは何らかの違和感を覚える。先日もその前も、問えばメカゴジラは律儀に答えていた。その反応がないのだ。それに、今までは無機物然とした動きながらも、どこか人間性を感じる動きだったというのに今はただマニュアルに沿って動くだけのように見える。

 アーロンを見逃したのもそうだ。最初は自分をターゲットとしているからそれに集中しているのかと考えた。この先に待ち構えているだろう敵兵にアーロンの相手をさせたのだと。しかし、本当は無視したのではなく相手にできなかったのだとしたら。

 実力的に考えればダイスケとアーロンの二人を相手取れることはできるはずなのだ。それができないということはダイスケに集中せざるを得ない状態であるからか。

 

「まさか……自我を消されて完全遠隔コントロールされているのか?」

 

 もしそうであったならダイスケとアーロンの二人を相手取れないのも納得がいく。メカゴジラの自我があるのなら「自分は二人を同時に相手取れる」と判断できるだろう。しかし、今の判断にはどこか第三者的な、客観視されたような反応を感じる。

 こればかりは勘というほかないが、そうとしか考えられないのだ。

 

「だとしたら……。」

 

 メカゴジラを倒すのは容易くなる。有機的な判断が出来なくなった以上、つけ込む隙はごまんとある。決着をつけるのには絶好のチャンスだ。

 しかし、それで本当にいいのだろうかという疑問がわく。本当にそれで決着がついたといえるのか、と。どうせ決着をつけるのなら、お互いに全力を出し合える時の方がより達成感がわくのではないか、と。

 武士(もののふ)としては高尚な考え方だが、同時に救いがたい性ともいえる。より凄惨な過程を経なければ満足がいかないという戦士特有の思考的シンドロームだ。

 今のメカゴジラを哀れと思ったのも事実。助けてやりたいという人情がどうしても湧いてしまう。なにより霧香とかかわっている以上、殺すのをためらっている自分もいた。

 いずれにしろ、ここで殺すにしろ助けるにしろまずは止めなければならない。そう思った瞬間、メカゴジラは一旦距離を置き、すべての火器を斉射した。

 

「うおっ!」

 

 とっさに防御態勢を取り、バックステップで回避しようとするダイスケ。しかし、さすがにすべて回避はできず、何発も直撃をもらってしまう。脇腹にはミサイルが突き刺さり、胴にはビームを受ける。鍛錬前の防御力であったらこれだけで致命傷であっただろう。

 しかし、体は何とかもっている。出血はしているものの、自己回復力で何とかなる範囲だ。しかし、メカゴジラの斉射は一度にとどまらない。ミサイルやビームの波状攻撃が何度もダイスケに襲い掛かる。自慢の脚力で何とかしのいで見せるものの、一向に近づけない。

 なるほど、これが本来のメカゴジラの戦い方なのである。圧倒的手数によりアウトレンジから一斉射し、火力で敵を制圧する。確かに厄介な戦術を使ってくる相手だ。

 

「屋内だってことは考えないのかよ!!」

 

 元は他人の家である。そこのあたり遠慮するつもりはないのだろう。必死に通路を走り、ダイスケはそれら攻撃を避け続ける。すると、いつの間にか広いスペースに出る。絵にかいたような空飛ぶ円盤状の物体が並んでいることからそこは航空基地でいうところのハンガーであることが察せられる。しかも、並んでいる円盤はすべてファイヤードラゴンだ

 ダイスケはファイヤードラゴンの陰に隠れ、メカゴジラが来るのを待つ。一旦隠れ、一瞬の隙を狙うつもりだ。特有の金属音の足音を立てて、メカゴジラはハンガーに入ってくる。徐々に近づいてくる足音。呼吸を整え、ダイスケは鰭斬刀を握る力を強くする。そして――

 

「はぁっ!!」

 

 ダイスケは一気呵成に飛び出し、メカゴジラの頭部ユニットと首の境目を狙い、一閃する。かすみ斬りの要領で通り過ぎざまに切りつけた。だが、中身の首にまで刃は届いていない。絶妙な加減で本体を避けることはできた。

 そして間髪入れず、ダイスケは鰭斬刀を捨ててメカゴジラの首をつかみ、振り回して放り投げる。手にはメカゴジラの頭部ユニットが残り、本体は円盤の一つに突っ込んでいきその大爆発にメカゴジラは巻き込まれる。

 

「……やっちゃった?」

 

 自分がしてしまったことに焦るダイスケ。炎が立ち上るファイヤードラゴンの残骸をしばし見つめていたが、一つの人影がゆらり、とあらわれる。ダイスケはメカゴジラが生きていたことに多少の安堵を得るが、すぐに様子がおかしいことに気付く。

 メカゴジラの頭部に奇妙な形のヘッドギアが装着されているのだ。すると、六角形の赤いバイザーから光線が放たれた。

 

「うおっ!?」

 

 思わずのけぞって避けるダイスケ。だが、メカゴジラは構わずに光線を連射してくる。放たれた光線の一つが近くのファイヤードラゴンに当たり、大爆発を起こし、ダイスケはそれに巻き込まれてしまう。

 

「どうわっ!」

 

 爆発にあおられ、体が宙を舞い地面に叩きつけられる。そこへメカゴジラがビームの狙いを定めてきたのでダイスケは手から熱線を放つ。空中でぶつかりあう熱線とビームの膨大なエネルギー。急激な反応で爆発が起き、両者ともに爆風にあおられる。

 その隙を、ダイスケは見逃さなかった。爆発的な脚力で一気に距離を詰めるとダイスケはメカゴジラの頭部のバイザーをはがしにかかる。ダイスケはテクノロジーには明るくない。本能的にこれがマインドコントロールの大元なのだと感じたのだ。

 必死に装置をはがしにかかるダイスケに、メカゴジラは必死に抵抗する。

 

「このままでいいのかよ、お前は!?」

 

 もがくメカゴジラの抵抗を受けながらも、ダイスケは力を込める。そしてついにバイザーを頭から引きはがし、メカゴジラに体を放り投げる。意識を無くし、倒れこむメカゴジラを確認したダイスケは。手に残ったバイザーを握りつぶしてメカゴジラに歩み寄る。

 その顔を見ると、まるで死んでいるように静かだった。

 

「おい、起きろ。おい!」

 

 胸ぐらをつかみ、揺り起こそうとするダイスケ。するとメカゴジラの目がゆっくりと開かれる。

 

「オリ、ジナル……?なんで……。」

 

「操られているお前を助けてやったんだ。感謝しろ、コノヤロー。」

 

 ダイスケはそのままメカゴジラを立たせてやる。

 

「そうか、俺は……助けられたのか。なぜだ?」

 

「不本意だよ。哀れに思っただけだ。」

 

「そのまま俺を殺す手もあったろうに。」

 

「うるせぇ。霧香にお前を俺が殺したなんて言えるかよ。」

 

「それだけのために……すまない。」

 

「で、どうすんだ。このまま続けるか?」

 

「……世界中の各都市を攻撃する作戦がある。駒王町も狙うと言った。俺がおかしくなった原因の霧香を殺すとも。俺の存在理由には逆らうが……止めたい。」

 

「なら、決まりだな。」

 

 そう言ってダイスケは転がるメカゴジラの頭部ユニットを投げ渡す。メカゴジラは無言でそれを被った。

 

「案内しろ。」

 

「ああ……待て。こちらに近づいてくる反応がある。こいつはかなりでかいぞ……!」

 

 やがて近づいてくる轟音。強力なジェット噴射の音だ。近づいてくるのはまさに鉄の塊ともいうべき代物。各所のディテールを見ると、それはメカゴジラに近いマシーンであることがわかる。だがあまりにもにも大きい。人間の身長を超えたそれは高さ三メートルほどもあるものだった。

 それがダイスケたちの眼前で停止すると、頭部ユニットらしい部分がオープンし、装着者の顔が露わになる。

 

「はじめましてだな。ゴジラのオリジナル。わたしはブラックホール第三惑星人移民侵攻先遣隊隊長のムガールだ。短い間の付き合いだがよろしく頼む。」

 

「……そんなデカブツのパワードスーツ着込んで何の用だよ。」

 

「なに、こちらの不手際を不安要素と一緒に始末したくてね。責任者自ら出張ってきたわけだ。まったく、中間管理職はこれだから大変だ。」

 

 そう言ってムガールはメカゴジラに視線を向ける。

 

「さて、メカゴジラ。洗脳装置は破壊されてしまったわけだが当然私の言うことは聞けるな?」

 

「いや。残念だが、これから独り立ちさせてもらう。」

 

「ほう。なぜ?」

 

「自分で考えてよくわかった。確かに俺はあんたたちの創造物だ。だが、子が親の敷いたレールを歩まなければならない、それも非道な道を歩まなければならないという決まりはない。俺はそう学んだ。だから俺は俺の心に従う。お前たちに言いなりのサイボーグは今日ここで卒業だ。」

 

 その言葉を聞いたムガールはあからさまに苦虫をかみつぶしたような表情になる。

 

「所詮は地球人を元にした失敗作か。何、お前を作ったおかげで技術は得ることができた。そのお披露目として不用品処理と行こうか。」

 

「はっ、高度なテクノロジーの産物なんだろうがそれだけで俺たちを相手取れるって思ってんのか?」

 

「勿論だ、オリジナル。これは獣具の力を間接的に、それも一部だが我ら異星人でも扱えるようにした試作品、いわばメカゴジラMk-2だ。このように――。」

 

 すると、ムガールはダイスケと同じように絶大なパワーによって一瞬で距離を詰めて拳を振う。その一撃は今まで受けたことのないほどの威力であった。その一撃をもらったダイスケは壁に激突してめり込み、一瞬意識を失ってしまう。

 

「――オリジナルに匹敵するパワーを得られる。」

 

「オリジナル!?このっ!」

 

 メカゴジラはパイクを振い、鋭い突きを見舞う。見事に胴をとらえるが、その分厚い装甲に阻まれてしまう。

 

「ばかなっ!?」

 

「いや、当然だ。後継機というのは先行機に対するアドバンテージがあるからこそ後継機なのだ。格好は多少不恰好ではあるがな。だからこそ!」

 

ムガールは片手をメカゴジラに向ける。それには四連の大口径ビーム砲が備えられている。

 

「失敗作となった先行機を後継機が処分するのだ。」

 

 火砲の一斉射。そのビームの砲弾の雨あられを受けたメカゴジラ吹き飛び、倒れ伏す。片手に備えられた火砲の一斉射でこの威力。それだけでメカゴジラの一斉射に匹敵する威力であった。

 

「さて……。」

 

 豪快な足音を立てて倒れ伏すメカゴジラ近づくムガール。そのままメカゴジラを片手で持ち上げる。

 

「時間をかけるのは合理的でないからな。」

 

 そう言って片方の手の火砲をメカゴジラに向けた。そのままムガールは接射しようとする。

 

「させねぇよ!」

 

 が、ダイスケの熱線が邪魔をする。山一つを破壊する威力の熱線の破壊力が、メカゴジラを解放した。そのままダイスケは壁を蹴り、一瞬でムガールとの距離を詰めるとメカゴジラを拾って一旦距離をとる。

 

「おい、生きてるか。」

 

「……助かった。礼を言う。」

 

「それはこの状況を何とかしてからだろうが……。」

 

 ダイスケとメカゴジラの前に、ムガールが駆るメカゴジラMk-2が仁王立ちしていた。

 

 

 

 

 

「敵の防御が崩れた!突撃するぞ!!」

 

 ジョンの号令で、一気にMMSと特自の隊員たちがなだれ込む。その勢いに押され、防御する側のブラックホール第三惑星人たちは総崩れを起こした。

 もうすでにかなり奥深くまで侵入に成功しており、キラアクの基地の中枢にまで迫っている勢いだ。見取り図にあった中央コントロールルームまであと一歩である。すると、最後まで抵抗していた一団が全員手榴弾で吹き飛んだ。

 

「今だ!」

 

 一斉に中央コントロールルームになだれ込む。コンソールの前に座っていた者達が慌ててホルスターから銃を抜くが、パンの獣具から出た糸によってことごとく取り上げられる。

 

「全員両手を頭の後ろにやってひざまずけ。抵抗はするな。」

 

 ブラックホール第三惑星人たちはそれに従うように見せて、ある動作をした。奥歯を噛んだのだ。そして次々と倒れていく。

 

「……歯に毒仕込んでいやがった。」

 

 ジョンが一応脈を見るが、全員がすでに命を絶っていた。すると、地球人そっくりの顔が見る見るうちに変化し、猿のような素顔が露わになる。

 

「これが素顔か。」

 

 後から入ってきた黒木が一瞥して言う。しかし、その感慨にふけることはない。

 

「死体は一か所に固めておけ。ミステリアンたちは手筈通りに機材のチェックとこの基地の状況を確認してほしい。そのほかは周辺の警戒を怠るな。」

 

 的確かつ冷静な黒木の指示のもと、各々が動き出す。

 一方、他の部屋を探索していたエドとジェイは同行するミステリアンと特自の隊員と共にある部屋を見つける。鉄格子がされてそれは見るからに牢獄であった。その鉄格子の向こう側には無数の石が無造作に置かれていた。

 

「この石は……。」

 

ジェイがそばにいたミステリアンに尋ねる。

 

「キラアクだ。この数からすると全員が休眠状態になっているな。」

 

エドは鉄格子を蹴り壊し、特自の隊員たちが石になったキラアク達を運んでいく。すると、監房の奥から声がした。

 

「おーい、すまないが、こっちもお願いできるかな。」

 

慌ててエドとジェイが奥の部屋に行くと、その男はいた。

 

「しばらくのあいだ話し相手が石だけでね。早く兵藤君や宝田君にこの体験を語りたいんだ。」

 

その男は、姿を消していたはずのX星人、北村であった。




 ということでチタノが早々に退場しました。ただ、これはばかりは相手が悪いです。訓練された異能持ちが相手の情報を事前に把握した上で戦ってますから、いくらでも対抗策が練れる上に多対一なんでそりゃ当然あっさり勝ちます。
 メカゴジラMK―2はVSシリーズのポスター版メカゴジラをイメージしました超合金でも発売されていますのでそちらもチェックしていただければ(ダイレクトマーケティング)。
 オリジナル回である本メカゴジラの逆襲篇は次回で最後になると思います。その次にもう一つオリジナル回を入れますのでお付き合いください。
 また、最近何度かキャラクター紹介を更新していました。怪獣王の王装の簡単なイラストも載せています。下手なイラストですがどうぞ。
 なお、感想などもお待ちしております。ただ、メンタルが非常に弱いのできついことを言われると「キメワザ!!CRITICAL JUDGEMENT!!」になりますのでご勘弁を。
それではまた次回。いつになるかは分かりません!!!
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